103 / 103
番外編 おまけ
しおりを挟む
「旦那様、大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫そうに見えるか?」
「……見えません」
叔父であるクラウディオと執事のモーリスがそんなことを言いながら、お互い顔を見合わせて視線を逸らすと、お互いに大きく息を吐く。
「フィオナ叔母さまは……?」
「まだ待つんだ。アロイス。落ち着いて、待つんだ!」
クラウディオは自分に言い聞かせるようにして、扉の前でうろうろした。ものすごい速さでうろうろしている。ものすごい速さだ!
叔母の名前はセレスティーヌだが、屋敷ではクラウディオはフィオナと呼んだ。どうして名前が二つあるのか分からないが、誰も何も言わないので、叔母の名前はフィオナだと思っている。
それは外では使うなと優しく言われたが。
クラウディオは、祈るように、フィオナ、フィオナ。と言っている。
部屋には入られないので、みんなで扉の前で待っていた。別の部屋で待っていていいと言われたが、なんだか大変なことらしいので、一緒に廊下で待っている。
「にーさま、にさま」
弟のロニーが乳母と一緒に廊下にやってきた。ロニーは叔母のフィオナにとても懐いていて、フィオナがいないとよく泣く。昔のアロイスみたいだとクラウディオは言うが、今だってフィオナは大好きだ。
クラウディオは父親ではないが、アロイスはずっとこの屋敷に住んでいる。クラウディオとフィオナは叔父と叔母で両親ではないが、アロイスはずっと二人と一緒だ。
結構前に、母親と父親がいる屋敷に行った。その時はあまりよく分かっていなかったけれど、フィオナはアロイスをその屋敷に置いていくつもりだった。
けれど、クラウディオとフィオナ、母親と父親が話している時に、フィオナがひどく怖い顔で怒ったことがある。
フィオナは怒鳴ったが、母親と父親は変な顔をしていただけだ。
怒ったフィオナが立って帰ろうとしたのを見て、アロイスはここに置いていかれるのかと思った。けれど、クラウディオがアロイスを抱っこし、そのままいつもの家に帰った。
アロイスはあの屋敷にいないでいいのだと安堵したが、なぜかもう一人、一緒についてきたのがいる。
弟のロニーだ。
「にーさま。にいさま。お外であそぼ?」
「ダメだよ。フィオナ叔母さまを待ってるんだから」
フィオナはお腹に赤ちゃんがいて、ずっと苦しんでいる。
クラウディオは顔を青くしてうろうろしているし、モーリスも一緒に青くなっていた。
メイドのリディはフィオナと一緒だが、ずっと部屋から出てこない。
クラウディオとフィオナの赤ちゃんが生まれれば、アロイスとロニーは二人の本当の子供ではないから、追い出されるだろう。
メイドたちが話しているのを聞いたことがある。
赤ちゃんが生まれるとどうして追い出されるのか分からないが、ここから出ていくのは嫌だと思った。
だったら、生まれなければいいのに。
なのに、部屋の中で、大きな泣き声が聞こえた。
「旦那様! 女の子です!」
「フィオナ!!」
クラウディオは部屋に入った。アロイスも入ろうとしたがモーリスに抑えられて、入ることができない。
赤ちゃんが生まれたら、この家から追い出されるかもしれない。生まれたから、追い出される。
(ここにいたいのに! どうして追い出されなきゃいけないの!?)
「アロイス、おいで……」
泣きそうになっていたら、クラウディオがアロイスを呼んだ。
ここで家を出ていけと言われるんだ。泣きたくなって、クラウディオにしがみつきながら部屋に入ると、ぐったりしているフィオナがいた。
「アロイス。女の子が生まれたの」
フィオナの隣で、小さい赤ちゃんがあぶあぶ言っている。顔が真っ赤で、アロイスが近付くと、ぎゃあ。と泣いた。
びくりとして、クラウディオの後ろに隠れると、フィオナが、大丈夫よ。と優しく声をかけてくれる。
「ねえ、アロイス。この子にはまだ名前がないんだけれど、アロイスはこの子のお兄ちゃんになってくれるかしら」
「……お兄ちゃん?」
「アロイスと、ロニー。それからこの子。三人一緒に、このお屋敷で元気に過ごすのよ。アロイスとロニーみたいにお外を走り回って、ご飯を食べて、たくさんお昼寝して、そのうちアロイスみたいにお勉強をしたりして。アロイスみたいにすくすく大きくなるの」
「一緒に? ここで、一緒に?」
「そうよ。当然でしょう。アロイスはこのお屋敷で私とクラウディオと一緒にいるでしょう? アロイスも、ロニーも、この子も一緒よ」
フィオナはにっこり笑ってアロイスを近くに呼ぶ。
アロイスが、お屋敷を出ていきたいって言うまで、ずっと一緒よ。
その囁きに、涙が出てきた。フィオナがアロイスの頭をなでると、もっと涙が出てくる。
「三人とも、一緒に大きくなるの。きっと楽しいわ」
フィオナは何度もアロイスの頭をなでて、だから、泣かないで。と何度も言った。
「アロイスお兄さま、ロニーお兄さま、待って」
「お前は木に登るなよ。デイジー。リディに怒られるぞ」
「お母さまは怒らないもの!」
「フィオナ叔母さまは、登れるなら登ってたって言ってたよ」
「余計なことを言うな。ロニー」
弟のロニーと木に登っていると、一番年下のデイジーがスカートで木に登ろうとしてくる。
学び舎から帰ってきて、木の上でゆっくり本を読もうとしていたのに、ロニーはついてくるし、デイジーは真似しようとしてきて、相変わらずくっつき虫だと思う。
ロニーとデイジーはすぐにアロイスの真似をしようとする。リディは怒るが、フィオナは止めない。一回登って、危ないってことを知ればいいからね。なんて結構適当なことを言う。
デイジーが登りはじめて、一つ目の枝に手を伸ばす。足を上げてスカートがめくれたがお構いなしだ。さすがにどうかと思って注意をしても、デイジーはやめない。
足が枝にかかり、そのまま上がれるかと思えば、ずるりと体が下がった。
「デイジー!」
「きゃああっ!!」
大きな悲鳴と共にデイジーが地面に落下した。
けれど、手足を上に伸ばしたまま、地面すれすれでふわふわ浮いている。
「おバカなことをしているのはどの子なの?」
「フィオナ叔母さま!」
瞬間、ぼすん、とデイジーが地面に落ちた。フィオナはデイジーに防御の魔法をかけていたのか、木に登ることを前提として放置していたようだ。
「デイジー。落ちた時どう思った?」
「こ、こわかったあ!!」
デイジーがフィオナに抱きついて、わんわん泣き出した。そのデイジーにフィオナは視線を合わせるために座ると、ぎゅっとデイジーの腕を握る。
「なら、もう無理はしちゃだめよ。危ないと言われたのだから、危険なことはしないの。いいわね?」
フィオナの説教に、デイジーは鼻水を垂らしながら何度も頷く。
(フィオナ叔母さまの魔法って、本当にすごいんだよなあ)
あれを見ていると、勉強をもっと頑張らなければと思う。魔法の技術が昔より上がり、人に迷惑をかけなければいつでも使えるようになった。それでも魔法を使う者はそんなにいないのに、この家ではやたら魔法が飛び交う。
フィオナ叔母さまと、たまにやってくるノエル魔法師は、庭で魔法の掛け合いなどをして、魔法技術のレベルを上げようと奮闘している。
側でクラウディオ叔父さまが腕を組みながら青筋立てて見ていたり、時折混ざって言い合ったりするので、三人になるとすごく賑やかだ。面白い魔法が見られると、クラウディオ叔父さまは興奮してフィオナ叔母さまを褒め称えた。
「アロイス、ロニー。いらっしゃい。お茶にしましょう。ケーキを作ったのよ」
「食べる!!」
「僕も食べる!!」
木から降りて、フィオナ叔母さまに駆け寄る。フィオナ叔母さまはくっつくデイジーをなでながらも、アロイスとロニーをなでて背中を押した。
最初はアロイス一人だった。そのうちロニーが増えて、デイジーが生まれた。
三人一緒。フィオナが約束してくれた通り、クラウディオとフィオナ、アロイス、ロニー、デイジー。みんなで一緒に暮らしている。
(だって、僕たちは、家族だから……)
◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇
これでお話は完結になります。
ヴァルラムの番外編が思った以上に長くなり、停滞した感じになってしまいましたが、
チェルシーの話はずっと書きたかったので満足です。
もっとさらっと終わるはずでしたが、戦争の話が軽くなるわけがなかった。。。
アロイスのお話は姉の二人目どうなるんだ。の疑問があったので追加しました。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。感謝申し上げます!!
◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇
「だ、大丈夫そうに見えるか?」
「……見えません」
叔父であるクラウディオと執事のモーリスがそんなことを言いながら、お互い顔を見合わせて視線を逸らすと、お互いに大きく息を吐く。
「フィオナ叔母さまは……?」
「まだ待つんだ。アロイス。落ち着いて、待つんだ!」
クラウディオは自分に言い聞かせるようにして、扉の前でうろうろした。ものすごい速さでうろうろしている。ものすごい速さだ!
叔母の名前はセレスティーヌだが、屋敷ではクラウディオはフィオナと呼んだ。どうして名前が二つあるのか分からないが、誰も何も言わないので、叔母の名前はフィオナだと思っている。
それは外では使うなと優しく言われたが。
クラウディオは、祈るように、フィオナ、フィオナ。と言っている。
部屋には入られないので、みんなで扉の前で待っていた。別の部屋で待っていていいと言われたが、なんだか大変なことらしいので、一緒に廊下で待っている。
「にーさま、にさま」
弟のロニーが乳母と一緒に廊下にやってきた。ロニーは叔母のフィオナにとても懐いていて、フィオナがいないとよく泣く。昔のアロイスみたいだとクラウディオは言うが、今だってフィオナは大好きだ。
クラウディオは父親ではないが、アロイスはずっとこの屋敷に住んでいる。クラウディオとフィオナは叔父と叔母で両親ではないが、アロイスはずっと二人と一緒だ。
結構前に、母親と父親がいる屋敷に行った。その時はあまりよく分かっていなかったけれど、フィオナはアロイスをその屋敷に置いていくつもりだった。
けれど、クラウディオとフィオナ、母親と父親が話している時に、フィオナがひどく怖い顔で怒ったことがある。
フィオナは怒鳴ったが、母親と父親は変な顔をしていただけだ。
怒ったフィオナが立って帰ろうとしたのを見て、アロイスはここに置いていかれるのかと思った。けれど、クラウディオがアロイスを抱っこし、そのままいつもの家に帰った。
アロイスはあの屋敷にいないでいいのだと安堵したが、なぜかもう一人、一緒についてきたのがいる。
弟のロニーだ。
「にーさま。にいさま。お外であそぼ?」
「ダメだよ。フィオナ叔母さまを待ってるんだから」
フィオナはお腹に赤ちゃんがいて、ずっと苦しんでいる。
クラウディオは顔を青くしてうろうろしているし、モーリスも一緒に青くなっていた。
メイドのリディはフィオナと一緒だが、ずっと部屋から出てこない。
クラウディオとフィオナの赤ちゃんが生まれれば、アロイスとロニーは二人の本当の子供ではないから、追い出されるだろう。
メイドたちが話しているのを聞いたことがある。
赤ちゃんが生まれるとどうして追い出されるのか分からないが、ここから出ていくのは嫌だと思った。
だったら、生まれなければいいのに。
なのに、部屋の中で、大きな泣き声が聞こえた。
「旦那様! 女の子です!」
「フィオナ!!」
クラウディオは部屋に入った。アロイスも入ろうとしたがモーリスに抑えられて、入ることができない。
赤ちゃんが生まれたら、この家から追い出されるかもしれない。生まれたから、追い出される。
(ここにいたいのに! どうして追い出されなきゃいけないの!?)
「アロイス、おいで……」
泣きそうになっていたら、クラウディオがアロイスを呼んだ。
ここで家を出ていけと言われるんだ。泣きたくなって、クラウディオにしがみつきながら部屋に入ると、ぐったりしているフィオナがいた。
「アロイス。女の子が生まれたの」
フィオナの隣で、小さい赤ちゃんがあぶあぶ言っている。顔が真っ赤で、アロイスが近付くと、ぎゃあ。と泣いた。
びくりとして、クラウディオの後ろに隠れると、フィオナが、大丈夫よ。と優しく声をかけてくれる。
「ねえ、アロイス。この子にはまだ名前がないんだけれど、アロイスはこの子のお兄ちゃんになってくれるかしら」
「……お兄ちゃん?」
「アロイスと、ロニー。それからこの子。三人一緒に、このお屋敷で元気に過ごすのよ。アロイスとロニーみたいにお外を走り回って、ご飯を食べて、たくさんお昼寝して、そのうちアロイスみたいにお勉強をしたりして。アロイスみたいにすくすく大きくなるの」
「一緒に? ここで、一緒に?」
「そうよ。当然でしょう。アロイスはこのお屋敷で私とクラウディオと一緒にいるでしょう? アロイスも、ロニーも、この子も一緒よ」
フィオナはにっこり笑ってアロイスを近くに呼ぶ。
アロイスが、お屋敷を出ていきたいって言うまで、ずっと一緒よ。
その囁きに、涙が出てきた。フィオナがアロイスの頭をなでると、もっと涙が出てくる。
「三人とも、一緒に大きくなるの。きっと楽しいわ」
フィオナは何度もアロイスの頭をなでて、だから、泣かないで。と何度も言った。
「アロイスお兄さま、ロニーお兄さま、待って」
「お前は木に登るなよ。デイジー。リディに怒られるぞ」
「お母さまは怒らないもの!」
「フィオナ叔母さまは、登れるなら登ってたって言ってたよ」
「余計なことを言うな。ロニー」
弟のロニーと木に登っていると、一番年下のデイジーがスカートで木に登ろうとしてくる。
学び舎から帰ってきて、木の上でゆっくり本を読もうとしていたのに、ロニーはついてくるし、デイジーは真似しようとしてきて、相変わらずくっつき虫だと思う。
ロニーとデイジーはすぐにアロイスの真似をしようとする。リディは怒るが、フィオナは止めない。一回登って、危ないってことを知ればいいからね。なんて結構適当なことを言う。
デイジーが登りはじめて、一つ目の枝に手を伸ばす。足を上げてスカートがめくれたがお構いなしだ。さすがにどうかと思って注意をしても、デイジーはやめない。
足が枝にかかり、そのまま上がれるかと思えば、ずるりと体が下がった。
「デイジー!」
「きゃああっ!!」
大きな悲鳴と共にデイジーが地面に落下した。
けれど、手足を上に伸ばしたまま、地面すれすれでふわふわ浮いている。
「おバカなことをしているのはどの子なの?」
「フィオナ叔母さま!」
瞬間、ぼすん、とデイジーが地面に落ちた。フィオナはデイジーに防御の魔法をかけていたのか、木に登ることを前提として放置していたようだ。
「デイジー。落ちた時どう思った?」
「こ、こわかったあ!!」
デイジーがフィオナに抱きついて、わんわん泣き出した。そのデイジーにフィオナは視線を合わせるために座ると、ぎゅっとデイジーの腕を握る。
「なら、もう無理はしちゃだめよ。危ないと言われたのだから、危険なことはしないの。いいわね?」
フィオナの説教に、デイジーは鼻水を垂らしながら何度も頷く。
(フィオナ叔母さまの魔法って、本当にすごいんだよなあ)
あれを見ていると、勉強をもっと頑張らなければと思う。魔法の技術が昔より上がり、人に迷惑をかけなければいつでも使えるようになった。それでも魔法を使う者はそんなにいないのに、この家ではやたら魔法が飛び交う。
フィオナ叔母さまと、たまにやってくるノエル魔法師は、庭で魔法の掛け合いなどをして、魔法技術のレベルを上げようと奮闘している。
側でクラウディオ叔父さまが腕を組みながら青筋立てて見ていたり、時折混ざって言い合ったりするので、三人になるとすごく賑やかだ。面白い魔法が見られると、クラウディオ叔父さまは興奮してフィオナ叔母さまを褒め称えた。
「アロイス、ロニー。いらっしゃい。お茶にしましょう。ケーキを作ったのよ」
「食べる!!」
「僕も食べる!!」
木から降りて、フィオナ叔母さまに駆け寄る。フィオナ叔母さまはくっつくデイジーをなでながらも、アロイスとロニーをなでて背中を押した。
最初はアロイス一人だった。そのうちロニーが増えて、デイジーが生まれた。
三人一緒。フィオナが約束してくれた通り、クラウディオとフィオナ、アロイス、ロニー、デイジー。みんなで一緒に暮らしている。
(だって、僕たちは、家族だから……)
◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇
これでお話は完結になります。
ヴァルラムの番外編が思った以上に長くなり、停滞した感じになってしまいましたが、
チェルシーの話はずっと書きたかったので満足です。
もっとさらっと終わるはずでしたが、戦争の話が軽くなるわけがなかった。。。
アロイスのお話は姉の二人目どうなるんだ。の疑問があったので追加しました。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。感謝申し上げます!!
◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇・・・◇
387
お気に入りに追加
3,346
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(75件)
あなたにおすすめの小説
白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
異世界に転生したフランカは公爵夫人として暮らしてきたが、前世から叶えたい夢があった。パティシエールになる。その夢を叶えようと夫である王国財務総括大臣ドミニクに相談するも答えはノー。夫婦らしい交流も、信頼もない中、三年の月日が近づき──フランカは賭に出る。白い結婚三年目で離縁できる条件を満たしていると迫り、夢を叶えられないのなら離縁すると宣言。そこから公爵家一同でフランカに考え直すように動き、ドミニクと話し合いの機会を得るのだがこの夫、山のように隠し事はあった。
無言で睨む夫だが、心の中は──。
【詰んだああああああああああ! もうチェックメイトじゃないか!? 情状酌量の余地はないと!? ああ、どうにかして侍女の準備を阻まなければ! いやそれでは根本的な解決にならない! だいたいなぜ後妻? そんな者はいないのに……。ど、どどどどどうしよう。いなくなるって聞いただけで悲しい。死にたい……うう】
4万文字ぐらいの中編になります。
※小説なろう、エブリスタに記載してます

報われなくても平気ですので、私のことは秘密にしていただけますか?
小桜
恋愛
レフィナード城の片隅で治癒師として働く男爵令嬢のペルラ・アマーブレは、騎士隊長のルイス・クラベルへ密かに思いを寄せていた。
しかし、ルイスは命の恩人である美しい女性に心惹かれ、恋人同士となってしまう。
突然の失恋に、落ち込むペルラ。
そんなある日、謎の騎士アルビレオ・ロメロがペルラの前に現れた。
「俺は、放っておけないから来たのです」
初対面であるはずのアルビレオだが、なぜか彼はペルラこそがルイスの恩人だと確信していて――
ペルラには報われてほしいと願う一途なアルビレオと、絶対に真実は隠し通したいペルラの物語です。

婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~
ゆうき
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。
そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。
シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。
ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。
それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。
それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。
なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた――
☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆
☆全文字はだいたい14万文字になっています☆
☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆

悪役令嬢は処刑されないように家出しました。
克全
恋愛
「アルファポリス」と「小説家になろう」にも投稿しています。
サンディランズ公爵家令嬢ルシアは毎夜悪夢にうなされた。婚約者のダニエル王太子に裏切られて処刑される夢。実の兄ディビッドが聖女マルティナを愛するあまり、歓心を買うために自分を処刑する夢。兄の友人である次期左将軍マルティンや次期右将軍ディエゴまでが、聖女マルティナを巡って私を陥れて処刑する。どれほど努力し、どれほど正直に生き、どれほど関係を断とうとしても処刑されるのだ。

王太子に婚約破棄されてから一年、今更何の用ですか?
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しいます。
ゴードン公爵家の長女ノヴァは、辺境の冒険者街で薬屋を開業していた。ちょうど一年前、婚約者だった王太子が平民娘相手に恋の熱病にかかり、婚約を破棄されてしまっていた。王太子の恋愛問題が王位継承問題に発展するくらいの大問題となり、平民娘に負けて社交界に残れないほどの大恥をかかされ、理不尽にも公爵家を追放されてしまったのだ。ようやく傷心が癒えたノヴァのところに、やつれた王太子が現れた。
【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
扇 レンナ
恋愛
スパダリ系執着王太子×愛を知らない純情令嬢――婚約破棄から始まる、極上の恋
伯爵令嬢テレジアは小さな頃から両親に《次期公爵閣下の婚約者》という価値しか見出してもらえなかった。
それでもその利用価値に縋っていたテレジアだが、努力も虚しく婚約破棄を突きつけられる。
途方に暮れるテレジアを助けたのは、留学中だったはずの王太子ラインヴァルト。彼は何故かテレジアに「好きだ」と告げて、熱烈に愛してくれる。
その真意が、テレジアにはわからなくて……。
*hotランキング 最高68位ありがとうございます♡
▼掲載先→ベリーズカフェ、エブリスタ、アルファポリス

なんでも思い通りにしないと気が済まない妹から逃げ出したい
木崎優
恋愛
「君には大変申し訳なく思っている」
私の婚約者はそう言って、心苦しそうに顔を歪めた。「私が悪いの」と言いながら瞳を潤ませている、私の妹アニエスの肩を抱きながら。
アニエスはいつだって私の前に立ちはだかった。
これまで何ひとつとして、私の思い通りになったことはない。すべてアニエスが決めて、両親はアニエスが言うことならと頷いた。
だからきっと、この婚約者の入れ替えも両親は快諾するのだろう。アニエスが決めたのなら間違いないからと。
もういい加減、妹から離れたい。
そう思った私は、魔術師の弟子ノエルに結婚を前提としたお付き合いを申し込んだ。互いに利のある契約として。
だけど弟子だと思ってたその人は実は魔術師で、しかも私を好きだったらしい。

幼い頃、義母に酸で顔を焼かれた公爵令嬢は、それでも愛してくれた王太子が冤罪で追放されたので、ついていくことにしました。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
設定はゆるくなっています、気になる方は最初から読まないでください。
ウィンターレン公爵家令嬢ジェミーは、幼い頃に義母のアイラに酸で顔を焼かれてしまった。何とか命は助かったものの、とても社交界にデビューできるような顔ではなかった。だが不屈の精神力と仮面をつける事で、社交界にデビューを果たした。そんなジェミーを、心優しく人の本質を見抜ける王太子レオナルドが見初めた。王太子はジェミーを婚約者に選び、幸せな家庭を築くかに思われたが、王位を狙う邪悪な弟に冤罪を着せられ追放刑にされてしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
はじめまして、、
更新中は、毎日楽しみに読ませていただいてました。
読み返したくなって昨日からまた読んでました。
すごく好きです。
読み返すのも何度目かなのですが、ほんとに好きだなぁと思ってコメントさせていただきました。
すみません、、、
次の作品も楽しみに待っております。
わああ。何度も読んでいただけるとは、嬉しすぎます!
ありがとうございます!!
次の作品も頑張ります!!
完結お疲れでした。
更新されるのが毎回楽しみでした。
ハッピーエンドに終わってよかったです。
ただ、アロイスは、なぜ第二子が生まれてからも実親に引き取られず、第二子までもが、フィオナとクラウディオに養育されることになったのですか?
ありがとうございます!
アロイスを両親に戻しても幸せになれないとフィオナは判断したので、二人とも引き取ることにしました。
家を継げば良いくらいで、子供を育てる気がなかったと申しましょうか。二人とも連れて帰って文句は言われてません。
詳しく書くと虐待の話などに逸れるので割愛しています。
完結おめでとうございます。すごく好きなお話で、毎回更新楽しみにしておりました。
なんだか、ミニシアターで上映してるヨーロッパのアート映画を観たような読後感です。フィオナは素敵な女性ですね。セレスティーナは可哀想な子でしたが、何回も転生していろいろ経験していつか愛し愛される人生を送ってほしいな、と思いました。
アート映画!!少しでも心に残るようであれば嬉しく思います!
ご感想ありがとうございました!