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41① ー疑いー
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「バラチア公爵。裏が取れました」
「間違いないか?」
「間違いなく彼女です。愚かな真似をしたものですね……」
ノエルは残念そうな言い方をしながら、鋭い目つきで自分の部屋を出る。その後を追って、研究所の部屋に集まっている赤い髪の一人の女性に近付いた。
「カタリーナ・ウェット!」
呼びかけに顔を上げたカタリーナは、クラウディオを見るなり顔を綻ばせたが、ノエルが発した魔法によって拘束されて、何事かと悲鳴を上げる。
「な、なんですか、これは!? ノエル様!? クラウディオ様! 助けてください!!」
「この薬に覚えがあるな?」
腕ごと巻き込んで体に絡まる鎖に拘束されて、座り込んだカタリーナの前に、クラウディオは液体の入った瓶を見せた。
「妻への薬を作ったのは、お前か?」
瓶を見た瞬間顔を引き攣らせたが、さらに問うとカタリーナはひくひくと口元を震わせて視線を逸らす。
「な、なにを。なんの話ですか??」
「誰に頼まれた」
周囲にいた者たちがざわめいた。クラウディオが剣を抜いたからだ。
その剣を躊躇なく振りかぶると、一斉に悲鳴が上がる。
ガキン!
カタリーナの真横を通り過ぎ、剣が床に突き刺さった。
一切の間を置かず容赦無く振り下ろされた剣を、カタリーナが震える体で見つめ、カチカチと歯を鳴らしながらクラウディオの顔を見上げた。
「死にたくなければ、誰に頼まれたのか言うんだな」
まるで化け物を見るかのような怯えた瞳にも、クラウディオはなんの感情も抱くことなくもう一度剣を握りしめると、それを大きく振り上げた。
魔獣の討伐は、思ったより時間がかかってしまった。
討伐だけでなく、魔獣がなぜ現れたのかの真相を究明する必要もあったため、時間がかかるとは想定していたが、途中トラブルもあり予定していた日数以上に時間がかかってしまった。
早く戻り、セレスティーヌの顔を見たい。
それだけでほとんど休まずに馬を走らせたのは、さすがに急ぎすぎだったと後で反省したが、討伐から戻り直接屋敷に帰れば、セレスティーヌが走り寄ってしがみつくように抱き付いてきた。
「クラウディオ!」
名を呼ばれたうえ、抱きしめられて、一瞬頭の中が真っ白になる。
セレスティーヌはクラウディオの放心する心をきつくしめるように、抱き付く腕に力を入れた。
帰ってきたことに喜びながら涙を流す顔を見て、浮き立ちそうなると口にしたら、セレスティーヌは怒るだろうか。
彼女の父親のことをどう話すべきか。それを考えつつも、嬉しさに頬が緩みそうだった。
セレスティーヌに討伐であったことを、話せるだけ話し、さっさと一人で帰ってきてしまったことで王への報告を怠っていると思われてはならないと、王宮に行くことにした。
心の中では、もう少しセレスティーヌと話していたかったのだが。
残念がりながらも、彼女の部屋を出て廊下を歩くと、ふと、思い出したことがあった。
「そうだ、お守りの礼を伝えていない」
急いで部屋に戻り、礼を言わなければ。
お守りの中身にはノエルも興味を持っていた。討伐では食料や薬を持つ者が決まっており、個々に持つことはない。たまに薬草などを持っている者はいたが、食料や治療道具、薬草をセットにして持ち運ぶ者はいなかった。
一人一人持たせても良いのではないか提案すると言っていたほどで、自分が行ったことではなくとも鼻を高くしたくなった。
それを伝えよう。セレスティーヌの部屋の前で扉をノックしようとした時、中から聞こえてきた呼び名や話し方に違和感を覚えた。
「フィオナ様、……」
「大丈夫です。……」
お互いに敬語を使い合う。そして、リディにさんをつける。
(リディは、誰の名を呼んでいるのだ?)
「旦那様!?」
扉が開いた時の、リディの驚愕の表情。セレスティーヌの青ざめた顔。
(なぜ、そんな顔をするんだ)
「セレスティーヌ、礼を言うのを忘れて……」
(聞き間違い?)
それでも、前からおかしなことはあった。
分かってはいたが、そこに違和感があってもセレスティーヌはセレスティーヌだ。別人になれるわけがない。
アロイスが来てから、子供のために多くを考え実行し始めたのだ。
そう、言い聞かせていた。別人のようだと思っていても、別人になるなど無理があるからだ。
だが、ノエルでさえ、討伐でおかしなことを言っていた。
「夫人は、前々からあのような性格でしたか?」
なにが言いたいのか。分かっていても、頷く勇気がない。
「変わられましたよね」
変わっただけだ。それがなんの意味を持つ。
けれど、心の中でわだかまりが残っていた。
そして、ある日、セレスティーヌの父親が公爵邸の前で、剣を抜いたのが見えた。
「奥様!!」
メイドたちの悲鳴。騎士たちの慌てた顔。
しかし、何者かが防御の魔法を使い、剣を弾き返した。
(今のは誰がやった。騎士か? その前にもっと早く剣を奪うべきだろう)
鍛錬が足りなさすぎる。
確かに騎士たちはセレスティーヌから離れていた。皆が父親の方に注目していた。だが、実の父親が娘を攻撃するとは思わなかったにしても、すぐに反応すべきだ。
「旦那様が戻ってきてくださっていて良かったです」
「危ないところでした。まさか、剣を投げるなんて」
「誰も、助けなかったのか?」
「申し訳ありません。反応が遅くなってしまい。旦那様の防御が一番早かったのです」
騎士たちが情けないと頭を下げる。門から遠かったため、対応が遅れたのだと。
(ならば、誰があの剣を弾いたんだ?)
考えれば考えるほど、思い当たる者が浮かんでくる。
————魔法の真似事をして、袖を焦がした。
ノエルが教えるはずないのに、魔法を行えた。あの時は魔法に興味があって、学校に行きたがっているのかとまぬけな想像をしていたが、魔法が使える時点でおかしいと分かっていただろうに。
目を瞑ったのか。分からぬふりをしたのか。
(いや、分かっていて、考えなかっただけだ)
セレスティーヌが魔法を使うなど、学んでもいない素人が簡単に魔法を使うなど、あり得ない。
知っている。変わったことくらい。けれどそれがなぜなのか、今は考えたくなかった。
なぜなら今は幸福で、彼女が変わったことを、自分は好意的に受け入れているからだ。
勢いよく扉を開けると、ノエルがびくりと肩を上げた。
集中していると扉を開けたくらいでは気付かないが、あまりに大きな音を立てて開いたので、さすがに驚いたと扉を開けた主を睨め付けてくる。
「いきなりなんです。珍しい方がいらっしゃったようですが」
「セレスティーヌが別人だと、どうして思ったんだ? お前は何を知っている!」
「……急ですね。何かあったんですか」
おかしなことだらけで、なにから言えば良いのか分からない。
ずっと問題ないと無視し続けていた。おかしいと分かっていながら、問題にしなかった。
セレスティーヌが変わった理由よりも、今のセレスティーヌであることの方が大切だからだ。
「おかしなところでもありましたか?」
「ずっとおかしかった。それくらいは、私だって分かっていた。だが……」
(別人などありえない。確かに倒れてから性格が変わったが、他人が彼女のフリをするのは無理だ。そんな魔法もない!)
けれど、彼女は、間違いなく別人である。
「間違いないか?」
「間違いなく彼女です。愚かな真似をしたものですね……」
ノエルは残念そうな言い方をしながら、鋭い目つきで自分の部屋を出る。その後を追って、研究所の部屋に集まっている赤い髪の一人の女性に近付いた。
「カタリーナ・ウェット!」
呼びかけに顔を上げたカタリーナは、クラウディオを見るなり顔を綻ばせたが、ノエルが発した魔法によって拘束されて、何事かと悲鳴を上げる。
「な、なんですか、これは!? ノエル様!? クラウディオ様! 助けてください!!」
「この薬に覚えがあるな?」
腕ごと巻き込んで体に絡まる鎖に拘束されて、座り込んだカタリーナの前に、クラウディオは液体の入った瓶を見せた。
「妻への薬を作ったのは、お前か?」
瓶を見た瞬間顔を引き攣らせたが、さらに問うとカタリーナはひくひくと口元を震わせて視線を逸らす。
「な、なにを。なんの話ですか??」
「誰に頼まれた」
周囲にいた者たちがざわめいた。クラウディオが剣を抜いたからだ。
その剣を躊躇なく振りかぶると、一斉に悲鳴が上がる。
ガキン!
カタリーナの真横を通り過ぎ、剣が床に突き刺さった。
一切の間を置かず容赦無く振り下ろされた剣を、カタリーナが震える体で見つめ、カチカチと歯を鳴らしながらクラウディオの顔を見上げた。
「死にたくなければ、誰に頼まれたのか言うんだな」
まるで化け物を見るかのような怯えた瞳にも、クラウディオはなんの感情も抱くことなくもう一度剣を握りしめると、それを大きく振り上げた。
魔獣の討伐は、思ったより時間がかかってしまった。
討伐だけでなく、魔獣がなぜ現れたのかの真相を究明する必要もあったため、時間がかかるとは想定していたが、途中トラブルもあり予定していた日数以上に時間がかかってしまった。
早く戻り、セレスティーヌの顔を見たい。
それだけでほとんど休まずに馬を走らせたのは、さすがに急ぎすぎだったと後で反省したが、討伐から戻り直接屋敷に帰れば、セレスティーヌが走り寄ってしがみつくように抱き付いてきた。
「クラウディオ!」
名を呼ばれたうえ、抱きしめられて、一瞬頭の中が真っ白になる。
セレスティーヌはクラウディオの放心する心をきつくしめるように、抱き付く腕に力を入れた。
帰ってきたことに喜びながら涙を流す顔を見て、浮き立ちそうなると口にしたら、セレスティーヌは怒るだろうか。
彼女の父親のことをどう話すべきか。それを考えつつも、嬉しさに頬が緩みそうだった。
セレスティーヌに討伐であったことを、話せるだけ話し、さっさと一人で帰ってきてしまったことで王への報告を怠っていると思われてはならないと、王宮に行くことにした。
心の中では、もう少しセレスティーヌと話していたかったのだが。
残念がりながらも、彼女の部屋を出て廊下を歩くと、ふと、思い出したことがあった。
「そうだ、お守りの礼を伝えていない」
急いで部屋に戻り、礼を言わなければ。
お守りの中身にはノエルも興味を持っていた。討伐では食料や薬を持つ者が決まっており、個々に持つことはない。たまに薬草などを持っている者はいたが、食料や治療道具、薬草をセットにして持ち運ぶ者はいなかった。
一人一人持たせても良いのではないか提案すると言っていたほどで、自分が行ったことではなくとも鼻を高くしたくなった。
それを伝えよう。セレスティーヌの部屋の前で扉をノックしようとした時、中から聞こえてきた呼び名や話し方に違和感を覚えた。
「フィオナ様、……」
「大丈夫です。……」
お互いに敬語を使い合う。そして、リディにさんをつける。
(リディは、誰の名を呼んでいるのだ?)
「旦那様!?」
扉が開いた時の、リディの驚愕の表情。セレスティーヌの青ざめた顔。
(なぜ、そんな顔をするんだ)
「セレスティーヌ、礼を言うのを忘れて……」
(聞き間違い?)
それでも、前からおかしなことはあった。
分かってはいたが、そこに違和感があってもセレスティーヌはセレスティーヌだ。別人になれるわけがない。
アロイスが来てから、子供のために多くを考え実行し始めたのだ。
そう、言い聞かせていた。別人のようだと思っていても、別人になるなど無理があるからだ。
だが、ノエルでさえ、討伐でおかしなことを言っていた。
「夫人は、前々からあのような性格でしたか?」
なにが言いたいのか。分かっていても、頷く勇気がない。
「変わられましたよね」
変わっただけだ。それがなんの意味を持つ。
けれど、心の中でわだかまりが残っていた。
そして、ある日、セレスティーヌの父親が公爵邸の前で、剣を抜いたのが見えた。
「奥様!!」
メイドたちの悲鳴。騎士たちの慌てた顔。
しかし、何者かが防御の魔法を使い、剣を弾き返した。
(今のは誰がやった。騎士か? その前にもっと早く剣を奪うべきだろう)
鍛錬が足りなさすぎる。
確かに騎士たちはセレスティーヌから離れていた。皆が父親の方に注目していた。だが、実の父親が娘を攻撃するとは思わなかったにしても、すぐに反応すべきだ。
「旦那様が戻ってきてくださっていて良かったです」
「危ないところでした。まさか、剣を投げるなんて」
「誰も、助けなかったのか?」
「申し訳ありません。反応が遅くなってしまい。旦那様の防御が一番早かったのです」
騎士たちが情けないと頭を下げる。門から遠かったため、対応が遅れたのだと。
(ならば、誰があの剣を弾いたんだ?)
考えれば考えるほど、思い当たる者が浮かんでくる。
————魔法の真似事をして、袖を焦がした。
ノエルが教えるはずないのに、魔法を行えた。あの時は魔法に興味があって、学校に行きたがっているのかとまぬけな想像をしていたが、魔法が使える時点でおかしいと分かっていただろうに。
目を瞑ったのか。分からぬふりをしたのか。
(いや、分かっていて、考えなかっただけだ)
セレスティーヌが魔法を使うなど、学んでもいない素人が簡単に魔法を使うなど、あり得ない。
知っている。変わったことくらい。けれどそれがなぜなのか、今は考えたくなかった。
なぜなら今は幸福で、彼女が変わったことを、自分は好意的に受け入れているからだ。
勢いよく扉を開けると、ノエルがびくりと肩を上げた。
集中していると扉を開けたくらいでは気付かないが、あまりに大きな音を立てて開いたので、さすがに驚いたと扉を開けた主を睨め付けてくる。
「いきなりなんです。珍しい方がいらっしゃったようですが」
「セレスティーヌが別人だと、どうして思ったんだ? お前は何を知っている!」
「……急ですね。何かあったんですか」
おかしなことだらけで、なにから言えば良いのか分からない。
ずっと問題ないと無視し続けていた。おかしいと分かっていながら、問題にしなかった。
セレスティーヌが変わった理由よりも、今のセレスティーヌであることの方が大切だからだ。
「おかしなところでもありましたか?」
「ずっとおかしかった。それくらいは、私だって分かっていた。だが……」
(別人などありえない。確かに倒れてから性格が変わったが、他人が彼女のフリをするのは無理だ。そんな魔法もない!)
けれど、彼女は、間違いなく別人である。
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