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36① ー騒ぎー
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両親がなにを行っているか。セレスティーヌは知っているだろうか。
「リディさん、お待たせしました」
「お疲れ様でした。フィオナ様。やはりエルネスト様だったのですか?」
馬車で待っていたリディに先程の話とフィオナの考えを伝えると、リディはひどく険しい顔をした。ノエルに魔法陣について他言無用だと口止めされているが、そこは聞かなかったことにする。
「では、エルネスト様が、最初から奥様を犠牲にして、旦那様に害をなそうとしたことで間違いないと?」
「クラウディオになにかしらの害を与えたかったのは間違いないです。セレスティーヌさんを生贄にして魔法使いや魔獣を呼びたかったのか、ただ単に口封じをしたかっただけなのかは分かりませんが、どちらにしてもクラウディオが近くにいて行うべきだと伝えてきました」
クラウディオの身分や継承権、その立場を崩すための手立てとして、妻が最悪を呼ぼうとした。禁書の中でも特に厳しく管理がされている魔法陣を使用して。
(これだけでもバラチア公爵の地位が揺らぐ可能性があるのかもね……)
学び舎以外で教えることはない魔法。それを魔法師の妻が知識なく行った。魔法を使えないセレスティーヌが魔法陣を使用し事件でも起こせば、クラウディオの評判はガタ落ちだ。
規律を守ることのできない妻を持った夫として、しかもそれらを教えた者として罰が下されるだろう。
「すべて想定ではありますけど、エルネストがクラウディオを恨んでいるのは間違いないです」
「奥様は、セレスティーヌ様は、そんなことのために巻き込まれたのですか……?」
リディはウッと嗚咽を漏らす。
エルネストの一方的な恨みに、セレスティーヌは利用された。それは許される行為ではない。
グッとスカートを握るリディの手に触れて、フィオナはその手を握りしめる。
「私に考えていることが。少し時間は掛かりますが、なんとか解決してみせます」
「フィオナ様……」
「エルネストには協力者もいるはずなんです。今回のことを善意で教えているとは思えません。セレスティーヌかクラウディオを恨んでいる者が他にもいるはずです。それを調べなきゃならないことと、あと、両親のことなんですが」
「セレスティーヌ様のご両親のことでしょうか?」
「王に目を付けられるような、悪いことしてるって噂、耳にしたことあります……?」
「それは……っ」
リディは思い当たることがあるようだ。目を左右に揺らし、言い淀む。
「教えてください。セレスティーヌさんの体でいる間、あの両親もなんとかしたいんです。エルネストの話が本当かどうかは半信半疑ですが、もし本当に王に目を付けられているのならば、クラウディオに迷惑がかかるのはセレスティーヌさんも避けたいはず。私が今できることがあるならば、全部解決したいんです」
「フィオナ様、どうしてそんな……」
「……私は、この生活、楽しんでるんですよ。ひどいでしょう? 自分が、フィオナだった頃の自分ではできないことを経験させてもらいました。体が弱くて寿命もあやしかったのに、人の体を奪って楽しんで生活し続けるなんて、ひどい話ですよね」
「ですが、それはフィオナ様のせいでは……」
「でも、結果的にセレスティーヌさんが追い出されてしまっている。なんとかして元に戻すから、それまでにセレスティーヌさんが解決できないことを解決しておきたいんです」
ヴァルラムの封印をブルイエ家がしっかりと管理していれば、こんなことは起きなかっただろうか。けれどヴァルラムも被害者で、封印が壊れた方が彼にとっては良かったのか。
なにがいいのかなど判断はできないが、フィオナがセレスティーヌの体を乗っ取っていることは間違いだ。
それに、この体でいることが、少しずつ苦しくなってきている……。
「セレスティーヌさんの両親って、どんなことをしてるんですか?」
「わ、私も、そこまで詳しくはないのです。ただ、一度だけ、セレスティーヌ様が夜、血相変えて部屋に戻ってきたことが」
リディは、まだセレスティーヌが公爵家に入る前に、セレスティーヌが怯えるように部屋に帰ってきたことを覚えているそうだ。
その時、セレスティーヌは父親に聞きたいことがあると部屋を出ていたらしい。
「ひどく顔を青ざめさせて、震えながら戻ってきたんです。何事かと思って、どうしたのか尋ねたところ、その時はなんでもない、なんでもないと言い続けて、ベッドに潜ってしまったのですが」
セレスティーヌは前から両親には従順で、口答えをする人ではなかった。アロイスの母親である姉もヒステリックできつい性格のようで、幼い頃から自分の意見を口にできる環境ではなかったそうだ。
しかし、その夜の一件の後、セレスティーヌは父親の顔色をさらに伺うようになった。
様子がおかしいと思ったリディが、セレスティーヌに詰め寄ったところ、
「購入した魔獣が、人を殺したと話していた?」
「地下に、その魔獣がおり、運ぶ途中で人を噛み殺したとか。すぐに地下に閉じ込めたが、その遺体をどうするか、家令と相談していたそうです」
「それで、地下に確認に行ったんですか?」
「いえ、セレスティーヌ様はそこまで勇気のある方では……。ただ、その魔獣で自分が殺されるのではないかと怯えていました。その、セレスティーヌ様はお父様によく役に立たないと罵られていたことがありましたので……」
それで、自分が餌にされるとでも思ってしまったのか。ただでさえ虐げられていたのに、殺されると思い怯えていたとは。
「実際、それが本当のことかは分からないんです。あのお屋敷では仕事を辞めてしまう人が多いので、死んだのか辞めたのか分からなくて。それに、私もどの地下なのか一度見て回ったことがあるんですが、そう簡単に入られないのか、見付けることはできず……」
魔獣の話を聞いたのはそれだけで、地下に魔獣がいることも、誰かが死んだことも分からなかった。だが、セレスティーヌは常に怯え、家を出たがっていたのだ。
「バラチア家に嫁いで、クラウディオの心を掴みたいと思ったのも、そんなことがあったからとか……?」
「一目惚れだったのは本当です! 旦那様に初めてお会いした時のお話を聞いた時は、少しは幸せなことがあったのだとホッとしましたから! お姉様が嫁がれてから結婚を夢見られていて、微笑ましかったんです!! ……ですが、借金の件で旦那様と婚約できると聞いて、喜んだのは、……家を出れるのか? ということでした……」
「……そう、なんですか……」
「で、ですが、奥様なりに旦那様を愛していたんです。男性に興味を持たれていなかった奥様が、興味を持ったのは旦那様だけですから。……結婚については、家に帰りたくないからなのか、旦那様の側にいたいからなのか、どちらに重点があるかは私には分かりませんでしたが、旦那様と離れたくなかったのは確かです。だから、身なりに気を付けて旦那様に気に入られようと、あの手この手を!」
リディは力説した。セレスティーヌはクラウディオと一緒にいたかったのだと。
それは間違いない。だからエルネストの甘言に騙されて、薬をあおったのだから。
「……奥様には、幸せになってもらいたんです」
ぽそりと口にしながら、リディは涙した。セレスティーヌはずっと一人で抑圧され、怯えてばかりだったのだと。
「リディさん、大丈夫ですか? そろそろ公爵邸に着きます」
「だ、大丈夫です。申し訳ありません」
帰る道中、リディはずっと涙を流していた。今まで我慢もしていたのだろう。堰が切ったかのように泣き続けて、やっと落ち着いたと息をつく。目が腫れぼったくなっていたので、フィオナはハンカチに魔法を掛けた。凍つく寒さが一瞬馬車の中で感じられて、リディが驚いた顔をする。
「これで抑えてください。少しは腫れが引きますから」
「フィオナ様、魔法を……」
「これくらいなら簡単なんですよ。攻撃とかじゃないですからね」
「すごい、ですね」
「すごいのはセレスティーヌさんですよ。魔力が半端ないですから。なんでもできちゃいそうです」
「奥様も、魔法を習えれば、使えるんですね」
少しは元気が出たか、リディはハンカチで目元を抑えて小さく笑う。
「……、なにか、変ね」
「なにがですか?」
馬車が停まり、公爵邸に着くと、メイドたちや騎士たちがなにかを叫び、こちらにやってくる。モーリスも慌てて出てきたかのように、転びそうになって馬車の側に走ってきた。
「モーリス、なにかあったの?」
「奥様! 旦那様が、旦那様が、討伐で行方不明に!!」
「リディさん、お待たせしました」
「お疲れ様でした。フィオナ様。やはりエルネスト様だったのですか?」
馬車で待っていたリディに先程の話とフィオナの考えを伝えると、リディはひどく険しい顔をした。ノエルに魔法陣について他言無用だと口止めされているが、そこは聞かなかったことにする。
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(これだけでもバラチア公爵の地位が揺らぐ可能性があるのかもね……)
学び舎以外で教えることはない魔法。それを魔法師の妻が知識なく行った。魔法を使えないセレスティーヌが魔法陣を使用し事件でも起こせば、クラウディオの評判はガタ落ちだ。
規律を守ることのできない妻を持った夫として、しかもそれらを教えた者として罰が下されるだろう。
「すべて想定ではありますけど、エルネストがクラウディオを恨んでいるのは間違いないです」
「奥様は、セレスティーヌ様は、そんなことのために巻き込まれたのですか……?」
リディはウッと嗚咽を漏らす。
エルネストの一方的な恨みに、セレスティーヌは利用された。それは許される行為ではない。
グッとスカートを握るリディの手に触れて、フィオナはその手を握りしめる。
「私に考えていることが。少し時間は掛かりますが、なんとか解決してみせます」
「フィオナ様……」
「エルネストには協力者もいるはずなんです。今回のことを善意で教えているとは思えません。セレスティーヌかクラウディオを恨んでいる者が他にもいるはずです。それを調べなきゃならないことと、あと、両親のことなんですが」
「セレスティーヌ様のご両親のことでしょうか?」
「王に目を付けられるような、悪いことしてるって噂、耳にしたことあります……?」
「それは……っ」
リディは思い当たることがあるようだ。目を左右に揺らし、言い淀む。
「教えてください。セレスティーヌさんの体でいる間、あの両親もなんとかしたいんです。エルネストの話が本当かどうかは半信半疑ですが、もし本当に王に目を付けられているのならば、クラウディオに迷惑がかかるのはセレスティーヌさんも避けたいはず。私が今できることがあるならば、全部解決したいんです」
「フィオナ様、どうしてそんな……」
「……私は、この生活、楽しんでるんですよ。ひどいでしょう? 自分が、フィオナだった頃の自分ではできないことを経験させてもらいました。体が弱くて寿命もあやしかったのに、人の体を奪って楽しんで生活し続けるなんて、ひどい話ですよね」
「ですが、それはフィオナ様のせいでは……」
「でも、結果的にセレスティーヌさんが追い出されてしまっている。なんとかして元に戻すから、それまでにセレスティーヌさんが解決できないことを解決しておきたいんです」
ヴァルラムの封印をブルイエ家がしっかりと管理していれば、こんなことは起きなかっただろうか。けれどヴァルラムも被害者で、封印が壊れた方が彼にとっては良かったのか。
なにがいいのかなど判断はできないが、フィオナがセレスティーヌの体を乗っ取っていることは間違いだ。
それに、この体でいることが、少しずつ苦しくなってきている……。
「セレスティーヌさんの両親って、どんなことをしてるんですか?」
「わ、私も、そこまで詳しくはないのです。ただ、一度だけ、セレスティーヌ様が夜、血相変えて部屋に戻ってきたことが」
リディは、まだセレスティーヌが公爵家に入る前に、セレスティーヌが怯えるように部屋に帰ってきたことを覚えているそうだ。
その時、セレスティーヌは父親に聞きたいことがあると部屋を出ていたらしい。
「ひどく顔を青ざめさせて、震えながら戻ってきたんです。何事かと思って、どうしたのか尋ねたところ、その時はなんでもない、なんでもないと言い続けて、ベッドに潜ってしまったのですが」
セレスティーヌは前から両親には従順で、口答えをする人ではなかった。アロイスの母親である姉もヒステリックできつい性格のようで、幼い頃から自分の意見を口にできる環境ではなかったそうだ。
しかし、その夜の一件の後、セレスティーヌは父親の顔色をさらに伺うようになった。
様子がおかしいと思ったリディが、セレスティーヌに詰め寄ったところ、
「購入した魔獣が、人を殺したと話していた?」
「地下に、その魔獣がおり、運ぶ途中で人を噛み殺したとか。すぐに地下に閉じ込めたが、その遺体をどうするか、家令と相談していたそうです」
「それで、地下に確認に行ったんですか?」
「いえ、セレスティーヌ様はそこまで勇気のある方では……。ただ、その魔獣で自分が殺されるのではないかと怯えていました。その、セレスティーヌ様はお父様によく役に立たないと罵られていたことがありましたので……」
それで、自分が餌にされるとでも思ってしまったのか。ただでさえ虐げられていたのに、殺されると思い怯えていたとは。
「実際、それが本当のことかは分からないんです。あのお屋敷では仕事を辞めてしまう人が多いので、死んだのか辞めたのか分からなくて。それに、私もどの地下なのか一度見て回ったことがあるんですが、そう簡単に入られないのか、見付けることはできず……」
魔獣の話を聞いたのはそれだけで、地下に魔獣がいることも、誰かが死んだことも分からなかった。だが、セレスティーヌは常に怯え、家を出たがっていたのだ。
「バラチア家に嫁いで、クラウディオの心を掴みたいと思ったのも、そんなことがあったからとか……?」
「一目惚れだったのは本当です! 旦那様に初めてお会いした時のお話を聞いた時は、少しは幸せなことがあったのだとホッとしましたから! お姉様が嫁がれてから結婚を夢見られていて、微笑ましかったんです!! ……ですが、借金の件で旦那様と婚約できると聞いて、喜んだのは、……家を出れるのか? ということでした……」
「……そう、なんですか……」
「で、ですが、奥様なりに旦那様を愛していたんです。男性に興味を持たれていなかった奥様が、興味を持ったのは旦那様だけですから。……結婚については、家に帰りたくないからなのか、旦那様の側にいたいからなのか、どちらに重点があるかは私には分かりませんでしたが、旦那様と離れたくなかったのは確かです。だから、身なりに気を付けて旦那様に気に入られようと、あの手この手を!」
リディは力説した。セレスティーヌはクラウディオと一緒にいたかったのだと。
それは間違いない。だからエルネストの甘言に騙されて、薬をあおったのだから。
「……奥様には、幸せになってもらいたんです」
ぽそりと口にしながら、リディは涙した。セレスティーヌはずっと一人で抑圧され、怯えてばかりだったのだと。
「リディさん、大丈夫ですか? そろそろ公爵邸に着きます」
「だ、大丈夫です。申し訳ありません」
帰る道中、リディはずっと涙を流していた。今まで我慢もしていたのだろう。堰が切ったかのように泣き続けて、やっと落ち着いたと息をつく。目が腫れぼったくなっていたので、フィオナはハンカチに魔法を掛けた。凍つく寒さが一瞬馬車の中で感じられて、リディが驚いた顔をする。
「これで抑えてください。少しは腫れが引きますから」
「フィオナ様、魔法を……」
「これくらいなら簡単なんですよ。攻撃とかじゃないですからね」
「すごい、ですね」
「すごいのはセレスティーヌさんですよ。魔力が半端ないですから。なんでもできちゃいそうです」
「奥様も、魔法を習えれば、使えるんですね」
少しは元気が出たか、リディはハンカチで目元を抑えて小さく笑う。
「……、なにか、変ね」
「なにがですか?」
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