53 / 103
27② ー混乱ー
しおりを挟む
モーリスは大きなため息を吐き出した。ため息しか出ない。主人が目の前にいようが気にすることなく、もう一度息を吐き出す。
「旦那様……」
「セレスティーヌは衣装や宝飾を好む人だった」
「ですが、今は違いますよね」
それには気付いているはずだ。すぐに言い返してくるあたり、分かっていたのに店の者を呼んだのである。
クラウディオは椅子に座ったまま、沈んだ顔をして、ただ唇を噛み締める。
「どうしていいか、分からないんだ」
クラウディオは苦悩を声に出すと、頭を抱えるようにして体を丸めた。
(悩んだのは奥様の方だろうに)
呼ばれた店の者たちを前にしても、セレスティーヌは自分の衣装を購入することはしなかった。代わりにメイドや乳母たちの衣装を購入し、彼女たちを喜ばせたのである。
もう、昔のセレスティーヌではない。自分の衣装ばかりを買い求め、美しく着飾ってはクラウディオに見せに来る彼女ではないのに。
クラウディオもそのイメージは薄れているはずなのに、それでセレスティーヌを喜ばせられるとも思っていないのに、セレスティーヌにそれらを送ったのだ。
(今までは女性が勝手についてきていたから、振り向かせる方法も考えたことがないのだろう)
猫を保護し、アロイスと共に遊ぶことができたのだから、なにがセレスティーヌにとって喜ばれることか理解していたはずなのに、ここで悪手を打ってしまった。
感覚的にしか分かっておらず、頭では理解していないのがよく分かる。
(着飾って振り向かせようとする方しか、側にいなかったからな……)
母親のこともある。昔のセレスティーヌも同じ。クラウディオに近付く女性たちは、多くが新しい衣装や宝飾を好み、男性に見てもらおうとする。
そればかりを見ていたせいか、いざ喜ばせようとしたら、それしか思い付かなかったのだ。
「お気持ちが変わったんですか? 奥様とは距離を置くのではなかったのですか。ダンスも踊られたと言っておりましたが」
クラウディオは泣きそうな顔を向けてくる。子供の頃ですら見たことのない、情けない顔だ。
「ダンスは、……私が踊りたかったからだ。どうしてそんな気持ちになったのか分からない」
混乱しているのは本人か。気持ちの整理ができておらず、ただ衝動的に行動してしまっている。それはセレスティーヌも面食らうだろう。二人が会っている間、結構な頻度でセレスティーヌが目を白黒させていた。
クラウディオは自らが女性を追い掛けることなど考えたことがない。だからなのか、今なぜ混乱しているのかも分かっていないのだ。
(気付かなかったが、ここまで愛に疎かったのだな……。そして、こんなにも不器用だったか)
それが環境のせいであっても、大切な友人や好ましい女性がいれば変わりようがあっただろうが、変わることなどなかった。クラウディオには今までそんな人がいなかったことになる。
今回のことを喜んでいいのかどうか。
「奥様は随分変わられたと思います。旦那様はその奥様ならば、今までのことがあっても許せるのでしょう」
借金については、セレスティーヌの両親が半ば強引に融資を申し出てきた。それで承諾しなければならなかったのは、彼らが手回しをして周囲からの融資や援助を抑えたからである。
どれだけの力を持ち始めたのか。王が警戒するだけあって、影響力は強かった。
セレスティーヌはそこで胡坐をかくように、結婚を迫ってきたのだ。
初めは断りを入れた。そのようなことで結婚など、馬鹿馬鹿しいと批判的だった。拒絶したのは母親のこともあったからだろう。セレスティーヌからの視線を苦々しく感じていた。
しかもその時のセレスティーヌの言葉に、クラウディオは憤りを感じていた。
クラウディオが嫌悪したのは、セレスティーヌが結婚を条件に融資を申し出てきたからだけではない。
『結婚を約束いただければ、お金をお貸しします。クラウディオ様が優雅に暮らせるお金が、我が家にはありますから』
領民が家を失い病に侵され苦しんでいると言うのに、その融資を全て潰しておきながら、優雅に暮らせる金と言ってきた。
セレスティーヌはクラウディオがなんのために金を得たいのか理解しておらずに、笑いながら結婚を迫ってきたのだ。
どれだけ馬鹿にした女なのだと、激しい怒りを見せていた。
それでも、王からそれなりに助けてもらい、なんとかしようと画策した。それでも、周囲は融資を拒んだ。デュパール公爵家も手助けをしてくれ、領土を立て直そうとしても、なにかしらの邪魔が入る。
薬、建材、食料。医師や復興に関わる人材。なぜかどこかで不足が生じ、一向に前へ進めない。
とうとう万策尽き、クラウディオはセレスティーヌとの結婚を受け入れたのだ。
(あの両親の目的が分かっていることもあって、奥様との距離を空けていたわけだが……)
ここでセレスティーヌと手を取り合うとしたら、あの両親の影響力を滞らせる必要がある。
(それは、今言うことではないな)
「奥様は、ご両親についても冷静に判断されているようですし、王位に関しても今の奥様は望まないと思います」
「王位に関しては、彼女は元々興味がないだろう。王を怖がっていたし、そういった身分には興味がなさそうだった。母についても詳しく聞こうとはしてこなかったからな」
「興味があることは旦那様だけだったのは、確かでしたね」
セレスティーヌは他の女性と違い、元王女であるクラウディオの母親や、その弟である王について知りたがったりしなかった。
モーリスもセレスティーヌからそんな話を聞かれたことはない。
(それ以外も、ほとんど聞かれたことなどないが……)
セレスティーヌが聞いてくることはいつも同じ。クラウディオがどこにいるのか、仕事はいつ終わるのか。クラウディオの空いている時間しか聞くことはない。そこに疲労はあるのか、余裕はあるのか。一度として聞かれたことはない。
借金についてもなんのためなのか理解していなかったのだから、当たり前に高額の衣装や宝飾を購入し、無神経に見せにくる。
セレスティーヌのクラウディオへの興味はとても浅いもので、クラウディオの内心を慮るものではない。
セレスティーヌもまた愛について疎く、相手の心を得ようとすることに対し、一方的な考え方しか持っていなかった。
両親に抑圧されてきたからなのか。両親はあれで、姉もヒステリックな人だと聞いている。
「セレスティーヌはなににでも言われたらそれに合わせなければならないと、常に怯えるような性格をしている人だった。私を好んだのも、両親からなにか言われたからだろう。その両親にああいった態度をするのならば……」
ここにきて、性格は一変し、セレスティーヌはなにもこだわらなくなったのである。
常に自然体で、クラウディオには執着せず、両親にも素っ気ない。
「今は、アロイスに対してだけ、目に見えるほどの愛情を注いでいる」
「そう思うのであれば、旦那様は奥様の身になってお考えください。やり直したいのならば、奥様のためになることを行い、それを常に問い、奥様の反応を理解しなければなりません。そうでなければ、奥様の心は離れていくでしょう。今までの態度を鑑みて、よくよくお考えください」
「……分かった」
クラウディオはやっと納得したか、大きく頷いた。
まるで子供に諭しているようだ。幼い頃からなんでも上手く行っていたから、心が成長していないとは気付かなかった。
物心つく前から母親に虐げられ、両親を亡くすのも早く、公爵を継いだ。そのせいでか他人の心に疎く未完成な心のまま成長してしまった。
この年でやっと心に留められる人が見つかったのかもしれない。
だが……。
(問題は、奥様がこだわらなくなったのは、旦那様へも同じ。奥様の心がもうとっくに離れてしまっていたら……)
そう考えながら、頭の中でかぶりを振る。
クラウディオを嫌っているようには見えなかった。遠慮している風はあるが。
モーリスはただただ息を大きく吐き出す。
(旦那様の考え方を慮ったのは、奥様の方だったのだろう)
「旦那様……」
「セレスティーヌは衣装や宝飾を好む人だった」
「ですが、今は違いますよね」
それには気付いているはずだ。すぐに言い返してくるあたり、分かっていたのに店の者を呼んだのである。
クラウディオは椅子に座ったまま、沈んだ顔をして、ただ唇を噛み締める。
「どうしていいか、分からないんだ」
クラウディオは苦悩を声に出すと、頭を抱えるようにして体を丸めた。
(悩んだのは奥様の方だろうに)
呼ばれた店の者たちを前にしても、セレスティーヌは自分の衣装を購入することはしなかった。代わりにメイドや乳母たちの衣装を購入し、彼女たちを喜ばせたのである。
もう、昔のセレスティーヌではない。自分の衣装ばかりを買い求め、美しく着飾ってはクラウディオに見せに来る彼女ではないのに。
クラウディオもそのイメージは薄れているはずなのに、それでセレスティーヌを喜ばせられるとも思っていないのに、セレスティーヌにそれらを送ったのだ。
(今までは女性が勝手についてきていたから、振り向かせる方法も考えたことがないのだろう)
猫を保護し、アロイスと共に遊ぶことができたのだから、なにがセレスティーヌにとって喜ばれることか理解していたはずなのに、ここで悪手を打ってしまった。
感覚的にしか分かっておらず、頭では理解していないのがよく分かる。
(着飾って振り向かせようとする方しか、側にいなかったからな……)
母親のこともある。昔のセレスティーヌも同じ。クラウディオに近付く女性たちは、多くが新しい衣装や宝飾を好み、男性に見てもらおうとする。
そればかりを見ていたせいか、いざ喜ばせようとしたら、それしか思い付かなかったのだ。
「お気持ちが変わったんですか? 奥様とは距離を置くのではなかったのですか。ダンスも踊られたと言っておりましたが」
クラウディオは泣きそうな顔を向けてくる。子供の頃ですら見たことのない、情けない顔だ。
「ダンスは、……私が踊りたかったからだ。どうしてそんな気持ちになったのか分からない」
混乱しているのは本人か。気持ちの整理ができておらず、ただ衝動的に行動してしまっている。それはセレスティーヌも面食らうだろう。二人が会っている間、結構な頻度でセレスティーヌが目を白黒させていた。
クラウディオは自らが女性を追い掛けることなど考えたことがない。だからなのか、今なぜ混乱しているのかも分かっていないのだ。
(気付かなかったが、ここまで愛に疎かったのだな……。そして、こんなにも不器用だったか)
それが環境のせいであっても、大切な友人や好ましい女性がいれば変わりようがあっただろうが、変わることなどなかった。クラウディオには今までそんな人がいなかったことになる。
今回のことを喜んでいいのかどうか。
「奥様は随分変わられたと思います。旦那様はその奥様ならば、今までのことがあっても許せるのでしょう」
借金については、セレスティーヌの両親が半ば強引に融資を申し出てきた。それで承諾しなければならなかったのは、彼らが手回しをして周囲からの融資や援助を抑えたからである。
どれだけの力を持ち始めたのか。王が警戒するだけあって、影響力は強かった。
セレスティーヌはそこで胡坐をかくように、結婚を迫ってきたのだ。
初めは断りを入れた。そのようなことで結婚など、馬鹿馬鹿しいと批判的だった。拒絶したのは母親のこともあったからだろう。セレスティーヌからの視線を苦々しく感じていた。
しかもその時のセレスティーヌの言葉に、クラウディオは憤りを感じていた。
クラウディオが嫌悪したのは、セレスティーヌが結婚を条件に融資を申し出てきたからだけではない。
『結婚を約束いただければ、お金をお貸しします。クラウディオ様が優雅に暮らせるお金が、我が家にはありますから』
領民が家を失い病に侵され苦しんでいると言うのに、その融資を全て潰しておきながら、優雅に暮らせる金と言ってきた。
セレスティーヌはクラウディオがなんのために金を得たいのか理解しておらずに、笑いながら結婚を迫ってきたのだ。
どれだけ馬鹿にした女なのだと、激しい怒りを見せていた。
それでも、王からそれなりに助けてもらい、なんとかしようと画策した。それでも、周囲は融資を拒んだ。デュパール公爵家も手助けをしてくれ、領土を立て直そうとしても、なにかしらの邪魔が入る。
薬、建材、食料。医師や復興に関わる人材。なぜかどこかで不足が生じ、一向に前へ進めない。
とうとう万策尽き、クラウディオはセレスティーヌとの結婚を受け入れたのだ。
(あの両親の目的が分かっていることもあって、奥様との距離を空けていたわけだが……)
ここでセレスティーヌと手を取り合うとしたら、あの両親の影響力を滞らせる必要がある。
(それは、今言うことではないな)
「奥様は、ご両親についても冷静に判断されているようですし、王位に関しても今の奥様は望まないと思います」
「王位に関しては、彼女は元々興味がないだろう。王を怖がっていたし、そういった身分には興味がなさそうだった。母についても詳しく聞こうとはしてこなかったからな」
「興味があることは旦那様だけだったのは、確かでしたね」
セレスティーヌは他の女性と違い、元王女であるクラウディオの母親や、その弟である王について知りたがったりしなかった。
モーリスもセレスティーヌからそんな話を聞かれたことはない。
(それ以外も、ほとんど聞かれたことなどないが……)
セレスティーヌが聞いてくることはいつも同じ。クラウディオがどこにいるのか、仕事はいつ終わるのか。クラウディオの空いている時間しか聞くことはない。そこに疲労はあるのか、余裕はあるのか。一度として聞かれたことはない。
借金についてもなんのためなのか理解していなかったのだから、当たり前に高額の衣装や宝飾を購入し、無神経に見せにくる。
セレスティーヌのクラウディオへの興味はとても浅いもので、クラウディオの内心を慮るものではない。
セレスティーヌもまた愛について疎く、相手の心を得ようとすることに対し、一方的な考え方しか持っていなかった。
両親に抑圧されてきたからなのか。両親はあれで、姉もヒステリックな人だと聞いている。
「セレスティーヌはなににでも言われたらそれに合わせなければならないと、常に怯えるような性格をしている人だった。私を好んだのも、両親からなにか言われたからだろう。その両親にああいった態度をするのならば……」
ここにきて、性格は一変し、セレスティーヌはなにもこだわらなくなったのである。
常に自然体で、クラウディオには執着せず、両親にも素っ気ない。
「今は、アロイスに対してだけ、目に見えるほどの愛情を注いでいる」
「そう思うのであれば、旦那様は奥様の身になってお考えください。やり直したいのならば、奥様のためになることを行い、それを常に問い、奥様の反応を理解しなければなりません。そうでなければ、奥様の心は離れていくでしょう。今までの態度を鑑みて、よくよくお考えください」
「……分かった」
クラウディオはやっと納得したか、大きく頷いた。
まるで子供に諭しているようだ。幼い頃からなんでも上手く行っていたから、心が成長していないとは気付かなかった。
物心つく前から母親に虐げられ、両親を亡くすのも早く、公爵を継いだ。そのせいでか他人の心に疎く未完成な心のまま成長してしまった。
この年でやっと心に留められる人が見つかったのかもしれない。
だが……。
(問題は、奥様がこだわらなくなったのは、旦那様へも同じ。奥様の心がもうとっくに離れてしまっていたら……)
そう考えながら、頭の中でかぶりを振る。
クラウディオを嫌っているようには見えなかった。遠慮している風はあるが。
モーリスはただただ息を大きく吐き出す。
(旦那様の考え方を慮ったのは、奥様の方だったのだろう)
130
お気に入りに追加
3,288
あなたにおすすめの小説
【完結】惨めな最期は二度と御免です!不遇な転生令嬢は、今度こそ幸せな結末を迎えます。
糸掛 理真
恋愛
倉田香奈、享年19歳。
死因、交通事故。
異世界に転生した彼女は、異世界でエマ・ヘスティア・ユリシーズ伯爵令嬢として暮らしていたが、前世と同じ平凡さと運の悪さによって不遇をかこっていた。
「今世こそは誰かにとって特別な存在となって幸せに暮らす」
という目標を達成するために、エマは空回りしまくりながらも自分なりに試行錯誤し続ける。
果たして不遇な転生令嬢の未来に幸せはあるのか。
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―
望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」
【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。
そして、それに返したオリービアの一言は、
「あらあら、まぁ」
の六文字だった。
屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。
ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて……
※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。
【完結】長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる