34 / 50
34 ー不思議な植物ー
しおりを挟む
数日の間、シェインは動かなかった。
連絡用の小鳥が家に訪れ、シェインは返事を書いてそれを外へ放つ。何の連絡をとっているやら、尋ねてもだんまりだ。
そうしていつの間にか、窓の外は花祭りの準備が始まっていた。
人々は大忙しで、道に花びらの入った木箱を置いていく。水はまだ入っていないのか、風が吹くと花びらが空へ舞った。飾り付けも他の町で見たのよりずっと豪華で、ベランダにはブーケが並べて結ばれている。
幾種類もの花や薬草が飾られて、王都は花の匂いでむせ返るようだった。
それから時折花の匂いに混じって、ティオ達が訪れた。
人をしめ出して何かと相談だ。
シェインは不機嫌なままロンを奥の部屋へ追いやる。
「ごめんね、ロンちゃん。ちょっと今日は秘密の話なの。仲間はずれで悪いね」
ティオも容赦なくロンを奥の部屋に閉じ込めた。かちりと鍵までかけて、念入りだった。
こんな真似しなくとも、盗み聞きするくらいならどんな手でもあるのだが、そんな真似をするのも面倒で、ベッドへうつ伏した。
シェインの不機嫌が当分戻らないだろうと思うと、ため息が沢山出る。
この息苦しさは窓から叫びだしたい気分だった。
あと何日か経てば実際にやるところだった。その寸前だった。
「何ですか?」
明らかな不精面、しかも嫌悪丸出し、でロンはティオを迎えた。後ろのお付き三人とも同時に吹き出した。
怪異に襲わせた恨みは忘れていない。今日はロンに用があるとやって来たわけだが、にこやかに、極めて柔らかく、笑んだティオに、ロンは無言で睨み付けた。
シェインは知らん顔で頭をかいている。今まで虐められた分を精算しろとでも言わんばかりだ。
「あの、そう目くじらたてないで…」
「水、でいいですよね!」
どかん、と机に置かれたカップいっぱいなみなみの水を見て、ティオはさめざめ嘘泣きをした。知ったことかと他の三人にはまともなハーブティーを出す。
三人とも遠慮なしに飲みはじめたので、気にしないで正解だ。
ティオはさめざめを続けていたが、シェインと他の三人が話しはじめてしまい、仕方なく嘘泣きをやめた。頬杖をついてさみしそうにカップをつついている。
お付きの男は、油紙の包みをだすとロンに中身を見せた。
「これが何なのか教えてほしいんです。内密の物なので薬師に見せられません。あなたなら分かるだろうと持ってきました」
開いた袋の中は紫色のとげの付いた球体が入っていた。どぎつい色のそれは逆立ったとげが緑色をしている。大きさは拳大だ。
「珍しいですね。ディオンデの種だ。この国には生えないはずですけど。これは除草剤に使います。水を吸い取って他の根を枯らすんですけど、水を確保する時にも使いますよ。水の少ない国の植物ですから」
「それ、かなり多く植えたらどうなるの?」
いじけるのはやめたのか、ティオが口を出してきた。
「許容量が決まっているから水を枯らす程にはならないけど、一定時期になると実に溜めた水と種を地面に落とす」
少ない水で次の時代の糧を少しの間だけ助け、そうやって種の保存を続けていく植物だ。水袋としても役立ち、実の中に溜まった水も飲めた。
「水を落とす…ねえ。多いと洪水になったりとか?」
「そんな大量には含まないから、さすがにそこまでは。けど、周りが乾いて他の草は水分取られてしまい、枯れちゃうよ。その習性を使って除草剤にするので」
除草剤と言っても、実をつけて落ちる前にその草自体を根から掘り出さないと、増殖の早いディオンデはどんどん増えてしまう。
使い勝手が悪いとあまり使用されなくなった品種だ。
「実を落として薬草を枯らす長年計画?ばらまいて埋めるのも一苦労だと思うけど」
ティオはため息まじりにディオンデの種をつついた。
「でもそれ、ただの植物じゃなくて。水の匂いを感じ取ると根が動いて歩くから」
「どゆこと?」
ロンは説明が悪かったと笑いをこらえた。
桶に土を入れてそこへディオンデの種をおいた。何が始まるのかと皆が注目する。
ロンは種から少し離れたところへ水を垂らした。すると種がゆらゆら揺れはじめ、とげだと思っていた緑色のそれが昆虫の足のように広がると、カサコソ動きはじめたのだ。
「うわっ。そうくるの…?」
ティオ共々皆が眉を潜めて、声をあげた。
水を垂らした場所に移動するとそこに留まり、とげを元の形に戻したのだ。
「六日くらいで花が咲いて、実を作る。乾燥地帯で使うと水を集めてくれるよ。だから大量にばらまかれたりすると、結構な植物が枯れちゃう」
ロンの言葉にティオは大仰にため息をついた。面倒臭いと言わんばかりに顔をしかめ、自分に出された水をディオンデにかけた。
「それで、これが何なんだ?」
そろそろまともな話が聞きたいところだ。
この種が一体どのように内密なのか。シェインはティオからカップを奪って話を切り替えろと睨み付けた。
「外国から秘密裏に運ばれた植物の一つです。隣国は薬師の力を軍備だと批判しており、その外相とマルディンが手を組んだ可能性があります。この植物をマルディンが確保していることは調査済みですから」
「パンドラの話も隣国には入ってるだろうからね。マルディンが国を売ったか、もしくは隣国と手を組んで自分のものにするか。ま、碌なことじゃないでしょ。数が半端じゃないから、何をやりたいのか知りたいんだよね」
尻尾は掴みそうでも完璧な証拠がない限り、マルディンを拘束できないのが現状か。仲間が怪我だらけで、ティオも思う通りにいかないのだろう。
囮作戦でマルディンも動いてきたが、植物の輸入の意味はまだ分かっていないのだ。
「そんなのが散らばったら、六日以内に全員で畑仕事かなあ。ねえ、ロンちゃん」
薬草は専門外。何が起きるのか予想もできません、とティオは白旗を上げている。
「しかもねー、今大変なんだよ。城の中に草がうねうね。蕾をもって花咲きそうで、薬師は何とかし終えるまで避難してろって。朝からてんてこ舞い」
大変なの。と言っている割に楽しそうだ。
これにはお付きの人達は困っているらしい、三人は肩を竦めて顔を見合わせた。
「コメドキアと言う植物が第一王子の部屋のある建物を囲むように生えまして、城の中にも入り込んでいるんです。壁に這っているものですから、除草作業が難航してしまって」
コメドキアは毒性のある植物だ。花粉に毒があり、開花と同時に毒を吹き出す。それを吸い込むと吐き気をもよおすのだ。
ひどくはならないが、花を咲かせるのがとても早い。その上花の量も多いので、放っておくと大変なことになる。
第一王子の部屋を狙ったのだから嫌がらせとは思えない。
連絡用の小鳥が家に訪れ、シェインは返事を書いてそれを外へ放つ。何の連絡をとっているやら、尋ねてもだんまりだ。
そうしていつの間にか、窓の外は花祭りの準備が始まっていた。
人々は大忙しで、道に花びらの入った木箱を置いていく。水はまだ入っていないのか、風が吹くと花びらが空へ舞った。飾り付けも他の町で見たのよりずっと豪華で、ベランダにはブーケが並べて結ばれている。
幾種類もの花や薬草が飾られて、王都は花の匂いでむせ返るようだった。
それから時折花の匂いに混じって、ティオ達が訪れた。
人をしめ出して何かと相談だ。
シェインは不機嫌なままロンを奥の部屋へ追いやる。
「ごめんね、ロンちゃん。ちょっと今日は秘密の話なの。仲間はずれで悪いね」
ティオも容赦なくロンを奥の部屋に閉じ込めた。かちりと鍵までかけて、念入りだった。
こんな真似しなくとも、盗み聞きするくらいならどんな手でもあるのだが、そんな真似をするのも面倒で、ベッドへうつ伏した。
シェインの不機嫌が当分戻らないだろうと思うと、ため息が沢山出る。
この息苦しさは窓から叫びだしたい気分だった。
あと何日か経てば実際にやるところだった。その寸前だった。
「何ですか?」
明らかな不精面、しかも嫌悪丸出し、でロンはティオを迎えた。後ろのお付き三人とも同時に吹き出した。
怪異に襲わせた恨みは忘れていない。今日はロンに用があるとやって来たわけだが、にこやかに、極めて柔らかく、笑んだティオに、ロンは無言で睨み付けた。
シェインは知らん顔で頭をかいている。今まで虐められた分を精算しろとでも言わんばかりだ。
「あの、そう目くじらたてないで…」
「水、でいいですよね!」
どかん、と机に置かれたカップいっぱいなみなみの水を見て、ティオはさめざめ嘘泣きをした。知ったことかと他の三人にはまともなハーブティーを出す。
三人とも遠慮なしに飲みはじめたので、気にしないで正解だ。
ティオはさめざめを続けていたが、シェインと他の三人が話しはじめてしまい、仕方なく嘘泣きをやめた。頬杖をついてさみしそうにカップをつついている。
お付きの男は、油紙の包みをだすとロンに中身を見せた。
「これが何なのか教えてほしいんです。内密の物なので薬師に見せられません。あなたなら分かるだろうと持ってきました」
開いた袋の中は紫色のとげの付いた球体が入っていた。どぎつい色のそれは逆立ったとげが緑色をしている。大きさは拳大だ。
「珍しいですね。ディオンデの種だ。この国には生えないはずですけど。これは除草剤に使います。水を吸い取って他の根を枯らすんですけど、水を確保する時にも使いますよ。水の少ない国の植物ですから」
「それ、かなり多く植えたらどうなるの?」
いじけるのはやめたのか、ティオが口を出してきた。
「許容量が決まっているから水を枯らす程にはならないけど、一定時期になると実に溜めた水と種を地面に落とす」
少ない水で次の時代の糧を少しの間だけ助け、そうやって種の保存を続けていく植物だ。水袋としても役立ち、実の中に溜まった水も飲めた。
「水を落とす…ねえ。多いと洪水になったりとか?」
「そんな大量には含まないから、さすがにそこまでは。けど、周りが乾いて他の草は水分取られてしまい、枯れちゃうよ。その習性を使って除草剤にするので」
除草剤と言っても、実をつけて落ちる前にその草自体を根から掘り出さないと、増殖の早いディオンデはどんどん増えてしまう。
使い勝手が悪いとあまり使用されなくなった品種だ。
「実を落として薬草を枯らす長年計画?ばらまいて埋めるのも一苦労だと思うけど」
ティオはため息まじりにディオンデの種をつついた。
「でもそれ、ただの植物じゃなくて。水の匂いを感じ取ると根が動いて歩くから」
「どゆこと?」
ロンは説明が悪かったと笑いをこらえた。
桶に土を入れてそこへディオンデの種をおいた。何が始まるのかと皆が注目する。
ロンは種から少し離れたところへ水を垂らした。すると種がゆらゆら揺れはじめ、とげだと思っていた緑色のそれが昆虫の足のように広がると、カサコソ動きはじめたのだ。
「うわっ。そうくるの…?」
ティオ共々皆が眉を潜めて、声をあげた。
水を垂らした場所に移動するとそこに留まり、とげを元の形に戻したのだ。
「六日くらいで花が咲いて、実を作る。乾燥地帯で使うと水を集めてくれるよ。だから大量にばらまかれたりすると、結構な植物が枯れちゃう」
ロンの言葉にティオは大仰にため息をついた。面倒臭いと言わんばかりに顔をしかめ、自分に出された水をディオンデにかけた。
「それで、これが何なんだ?」
そろそろまともな話が聞きたいところだ。
この種が一体どのように内密なのか。シェインはティオからカップを奪って話を切り替えろと睨み付けた。
「外国から秘密裏に運ばれた植物の一つです。隣国は薬師の力を軍備だと批判しており、その外相とマルディンが手を組んだ可能性があります。この植物をマルディンが確保していることは調査済みですから」
「パンドラの話も隣国には入ってるだろうからね。マルディンが国を売ったか、もしくは隣国と手を組んで自分のものにするか。ま、碌なことじゃないでしょ。数が半端じゃないから、何をやりたいのか知りたいんだよね」
尻尾は掴みそうでも完璧な証拠がない限り、マルディンを拘束できないのが現状か。仲間が怪我だらけで、ティオも思う通りにいかないのだろう。
囮作戦でマルディンも動いてきたが、植物の輸入の意味はまだ分かっていないのだ。
「そんなのが散らばったら、六日以内に全員で畑仕事かなあ。ねえ、ロンちゃん」
薬草は専門外。何が起きるのか予想もできません、とティオは白旗を上げている。
「しかもねー、今大変なんだよ。城の中に草がうねうね。蕾をもって花咲きそうで、薬師は何とかし終えるまで避難してろって。朝からてんてこ舞い」
大変なの。と言っている割に楽しそうだ。
これにはお付きの人達は困っているらしい、三人は肩を竦めて顔を見合わせた。
「コメドキアと言う植物が第一王子の部屋のある建物を囲むように生えまして、城の中にも入り込んでいるんです。壁に這っているものですから、除草作業が難航してしまって」
コメドキアは毒性のある植物だ。花粉に毒があり、開花と同時に毒を吹き出す。それを吸い込むと吐き気をもよおすのだ。
ひどくはならないが、花を咲かせるのがとても早い。その上花の量も多いので、放っておくと大変なことになる。
第一王子の部屋を狙ったのだから嫌がらせとは思えない。
19
お気に入りに追加
96
あなたにおすすめの小説
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
処刑された王女は隣国に転生して聖女となる
空飛ぶひよこ
恋愛
旧題:魔女として処刑された王女は、隣国に転生し聖女となる
生まれ持った「癒し」の力を、民の為に惜しみなく使って来た王女アシュリナ。
しかし、その人気を妬む腹違いの兄ルイスに疎まれ、彼が連れてきたアシュリナと同じ「癒し」の力を持つ聖女ユーリアの謀略により、魔女のレッテルを貼られ処刑されてしまう。
同じ力を持ったまま、隣国にディアナという名で転生した彼女は、6歳の頃に全てを思い出す。
「ーーこの力を、誰にも知られてはいけない」
しかし、森で倒れている王子を見過ごせずに、力を使って助けたことにより、ディアナの人生は一変する。
「どうか、この国で聖女になってくれませんか。貴女の力が必要なんです」
これは、理不尽に生涯を終わらされた一人の少女が、生まれ変わって幸福を掴む物語。
婚約破棄された地味姫令嬢は獣人騎士団のブラッシング係に任命される
安眠にどね
恋愛
社交界で『地味姫』と嘲笑されている主人公、オルテシア・ケルンベルマは、ある日婚約破棄をされたことによって前世の記憶を取り戻す。
婚約破棄をされた直後、王城内で一匹の虎に出会う。婚約破棄と前世の記憶と取り戻すという二つのショックで呆然としていたオルテシアは、虎の求めるままブラッシングをしていた。その虎は、実は獣人が獣の姿になった状態だったのだ。虎の獣人であるアルディ・ザルミールに気に入られて、オルテシアは獣人が多く所属する第二騎士団のブラッシング係として働くことになり――!?
【第16回恋愛小説大賞 奨励賞受賞。ありがとうございました!】
【完結】元お飾り聖女はなぜか腹黒宰相様に溺愛されています!?
雨宮羽那
恋愛
元社畜聖女×笑顔の腹黒宰相のラブストーリー。
◇◇◇◇
名も無きお飾り聖女だった私は、過労で倒れたその日、思い出した。
自分が前世、疲れきった新卒社会人・花菱桔梗(はなびし ききょう)という日本人女性だったことに。
運良く婚約者の王子から婚約破棄を告げられたので、前世の教訓を活かし私は逃げることに決めました!
なのに、宰相閣下から求婚されて!? 何故か甘やかされているんですけど、何か裏があったりしますか!?
◇◇◇◇
お気に入り登録、エールありがとうございます♡
※ざまぁはゆっくりじわじわと進行します。
※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております(アルファポリス先行)。
※この作品はフィクションです。特定の政治思想を肯定または否定するものではありません(_ _*))
【完結】ペンギンの着ぐるみ姿で召喚されたら、可愛いもの好きな氷の王子様に溺愛されてます。
櫻野くるみ
恋愛
笠原由美は、総務部で働くごく普通の会社員だった。
ある日、会社のゆるキャラ、ペンギンのペンタンの着ぐるみが納品され、たまたま小柄な由美が試着したタイミングで棚が倒れ、下敷きになってしまう。
気付けば豪華な広間。
着飾る人々の中、ペンタンの着ぐるみ姿の由美。
どうやら、ペンギンの着ぐるみを着たまま、異世界に召喚されてしまったらしい。
え?この状況って、シュール過ぎない?
戸惑う由美だが、更に自分が王子の結婚相手として召喚されたことを知る。
現れた王子はイケメンだったが、冷たい雰囲気で、氷の王子様と呼ばれているらしい。
そんな怖そうな人の相手なんて無理!と思う由美だったが、王子はペンタンを着ている由美を見るなりメロメロになり!?
実は可愛いものに目がない王子様に溺愛されてしまうお話です。
完結しました。
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる