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17 ー自分の気持ちー
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ロンは自分の部屋に入るとすぐに鍵を閉めた。部屋は小さなベッドと小さな椅子があるだけの狭い部屋だった。窓が斜めに作られて屋根裏のようだ。窓を開けば山の斜面しか見えない。そこが建物ではないことにホッとした。
シェインに言われた通り人の多そうな宿に泊まり、開け放した窓に目印で二つの鞄を無造作に置いた。外から見た部屋の窓を見て入り込むのだろう。豹の姿のシェインは離れた木と木に飛びうつるくらい跳躍がある。二階くらいの高さは大したことないはずだ。
シェインはこの町に入る前に別れた。
念のため別々に町に入ることにしたのだが、別々にして正解だ。二人でのこのこ町に入っていたら、沢山の兵士に囲まれてすぐに捕まっただろう。先程の大聖騎士団にはち合わせたことを考えれば、別々に入ったことは運が良かったと言うしかない。
緊張と疲れのせいで、ロンはベッドに座り込みぐったりすると、ついうとうとと眠ってしまった。
肩にぽんと何かが置かれた時、ロンは飛び上がって叫びそうになった。
「叫ぶなよ。案外気が小さいな」
前から口を塞ぐのは勿論シェインだ。人の姿でロンの顔の側で囁いた。吐息がかかって身体をよじって逃げると、さも残念そうにそのすわった目でロンを見やった。この男はどうにも近付いて人を驚かさないと気が済まないらしい。
「驚かすなよ。全然気配感じなかったぞ」
「良く言う。俺が着替えていても起きなかっただろうが」
そう言われてロンは顔を赤らめた。シェインは人の姿になっているのだ。服はロンの持っていた鞄に入っていたのに、シェインはもう着替えている。
「疲れてたんだよ。…それより、ここに大聖騎士団が泊まってるみたいだぞ…」
ロンは心なしか遠慮気に呟いた。けれどシェインはふうんと興味なさそうに靴を脱いで放り投げた。壁によりかかると、お腹を擦る。腹が減ったと言っているのだ。
「赤い髪の、ユタ様って呼ばれてた人がいたけど、知り合いなんでしょう?」
そう言うと、シェインは 目を丸くして、突然腹を抱えて笑いだした。
シェインにあり得ない笑い顔だ。何がおかしいのか満面の笑み。見たことのない表情にロンはあんぐり口を開けてしまった。
「そうか。ユタが出てきたか。成る程、戻ることにして正解だな。なら、あのバカに捕まる前に王都にさっさと戻るとするか」
シェインは上機嫌だ。渡した食事を口にして、ロンにも千切ってよこした。
同じ大聖騎士団だ。知り合いなのだろうが、ロンの心配をよそに、シェインはにやりと笑う。
「明日は早く出るからさっさと寝る」
ロンは首を傾げた。さっさと寝るにはベッドが二つ必要だ。だのにシェインはごろりとベッドに遠慮なく寝転がった。
「こ、ここで寝るのかよ!」
「また、言葉遣いが悪いぞ。女の姿の時は気にしたらどうだ?」
「うるさいっ。地面で寝ろよ、地面で」
「このベッドで二人で寝れる。おやすみ」
かくり、とベッドに突っ伏すと、シェインは微動だにせず寝こけた。ロンがどれだけ引っ張っても押しても、これでもかとシーツを引いても全く動かなかった。息切れしながら考えを変えて枕を引っ張ると、どすん、と頭が枕から落ちた。せせら笑ってやったがやはりシェインは動こうとしない。
ただの寝たふりだ。毛布を抱えて笑いを堪えているのが分かる。ロンは諦めてシェインのマントを鞄から取り出すと、それにくるまって地面に寝転がった。勿論奪った枕は自分の頭の下だ。地面は堅いが枕だけでも手に入ればましな方だろう。草むらで転がって野宿よりはいい。
そんなごまかしをしながら、横になってしまえばすぐに眠気がきた。シェインを背にしてうとうとすると、いきなり身体が引っ張り上げられ、ロンは大声をあげそうになった。
「強情だな。ベッドで寝るぐらい、大したことないだろ。大人しくここで眠れ」
持ち上げられてもがくより、シェインの上に引っ張られた方が早くて、ロンは動くに動けなかった。
「ちょっ、放せよ!」
羽交い締めのように背中を押さえられて、海老のように仰け反ってもシェインは放そうとしない。そのままロンを抱き締めたまま眠りはじめてしまったのだ。声にならない声を出してもがいても、シェインは放しもしない。
頭に熱がこもってまた泣きそうになった。顔がこれでもかと近くて、シェインの睫毛の数だって数えられそうだ。足をじたばた動かし手で幾ら押しても、何の気兼ねもしない。
「眠れ。何もしないから」
「してるよっ。手を放せ!」
目の前で瞳があって、ロンは顔を背けて抵抗する。シェインは聞く耳持たずとまた目を閉じてしまった。手を放す気はない。
一体、何なのだ。
問いかけたい言葉も上ずった声で消えた。うーうー、唸っても何の反応もしなかった。こんな耳元で唸り声を聞いても放さない方がすごい。実はものすごく深い眠りに入っているのではないかと思う程、寝たふりを続ける。寝たふりであるのは確かなのだ。ロンの背中を抱くシェインの力は衰えることがなかった。
ばたばた、うーうーを続ける内に、段々それが疲れてきて、そうしてロンは涙を溜めたまま、いつの間にか眠りに入ってしまった。
『ロン、今日から奥の部屋で、一人で寝るんだぞ』
何で?いつも一緒に眠ってくれたのに。
『もう一人で眠れるだろう?』
眠れないよ。恐くて一人じゃ眠れないよ。
『ロン、ロンガニア。お前は女の子で俺とは違うんだ。もう一人で眠らないと駄目なんだよ』
分からない。いつも一緒に眠ってくれたのに、何で急に一人で眠らなきゃいけないの。
何度も泣いて涙を流して、セウになだめられながらごね続けて、いつの間にか泣きつかれて眠ってしまった。
セウはずっと一緒にはいてくれない。大人になる度セウは離れて、その内一人にされるのだ。
男でいるから。ずっと男でいるから。だから一緒にいてよ。セウから離れるなんて考えられない。セウと一緒にいられないなんて考えられない。
だって私はセウが…。
「セウ…」
見なれない天井がぼやけて見えて、ロンは涙で濡れた頬に触れた。眠りながら泣いていたのだ。
私はセウが…。
言おうとした言葉は口にはできない。それを口にしたら、セウは二度とロンと一緒にいてくれない。
そんなことずっと前から分かっている。
だから甘んじて男の姿になった。この姿ならずっと側にいられると思ったからだ。
けれど、いつからかセウはロンをおいて王都へ足を伸ばしはじめた。セウが王都に行く度不安にかられる。もう二度と戻って来ないのではないかと。いつも、すごく恐かったのだ。
王都にセウを追いに行く度胸はなかった。セウが何を求めて王都に行っているのか、知りたくなかったからかもしれない。シェインが王都に無理矢理連れなければ、今後もずっと王都に行こうと思わなかっただろう。
「シェイン…?」
目が覚めればベッドにはシェインの姿がなかった。
昨日の夜閉めた窓は開け放しで、肌寒い風が入ってくる。
ベッドはロンの眠っていた場所以外冷えたままだ。いつからいないのか、シェインがベッドを離れてから時間が経っている。
「おいてかれた…?」
シェインに言われた通り人の多そうな宿に泊まり、開け放した窓に目印で二つの鞄を無造作に置いた。外から見た部屋の窓を見て入り込むのだろう。豹の姿のシェインは離れた木と木に飛びうつるくらい跳躍がある。二階くらいの高さは大したことないはずだ。
シェインはこの町に入る前に別れた。
念のため別々に町に入ることにしたのだが、別々にして正解だ。二人でのこのこ町に入っていたら、沢山の兵士に囲まれてすぐに捕まっただろう。先程の大聖騎士団にはち合わせたことを考えれば、別々に入ったことは運が良かったと言うしかない。
緊張と疲れのせいで、ロンはベッドに座り込みぐったりすると、ついうとうとと眠ってしまった。
肩にぽんと何かが置かれた時、ロンは飛び上がって叫びそうになった。
「叫ぶなよ。案外気が小さいな」
前から口を塞ぐのは勿論シェインだ。人の姿でロンの顔の側で囁いた。吐息がかかって身体をよじって逃げると、さも残念そうにそのすわった目でロンを見やった。この男はどうにも近付いて人を驚かさないと気が済まないらしい。
「驚かすなよ。全然気配感じなかったぞ」
「良く言う。俺が着替えていても起きなかっただろうが」
そう言われてロンは顔を赤らめた。シェインは人の姿になっているのだ。服はロンの持っていた鞄に入っていたのに、シェインはもう着替えている。
「疲れてたんだよ。…それより、ここに大聖騎士団が泊まってるみたいだぞ…」
ロンは心なしか遠慮気に呟いた。けれどシェインはふうんと興味なさそうに靴を脱いで放り投げた。壁によりかかると、お腹を擦る。腹が減ったと言っているのだ。
「赤い髪の、ユタ様って呼ばれてた人がいたけど、知り合いなんでしょう?」
そう言うと、シェインは 目を丸くして、突然腹を抱えて笑いだした。
シェインにあり得ない笑い顔だ。何がおかしいのか満面の笑み。見たことのない表情にロンはあんぐり口を開けてしまった。
「そうか。ユタが出てきたか。成る程、戻ることにして正解だな。なら、あのバカに捕まる前に王都にさっさと戻るとするか」
シェインは上機嫌だ。渡した食事を口にして、ロンにも千切ってよこした。
同じ大聖騎士団だ。知り合いなのだろうが、ロンの心配をよそに、シェインはにやりと笑う。
「明日は早く出るからさっさと寝る」
ロンは首を傾げた。さっさと寝るにはベッドが二つ必要だ。だのにシェインはごろりとベッドに遠慮なく寝転がった。
「こ、ここで寝るのかよ!」
「また、言葉遣いが悪いぞ。女の姿の時は気にしたらどうだ?」
「うるさいっ。地面で寝ろよ、地面で」
「このベッドで二人で寝れる。おやすみ」
かくり、とベッドに突っ伏すと、シェインは微動だにせず寝こけた。ロンがどれだけ引っ張っても押しても、これでもかとシーツを引いても全く動かなかった。息切れしながら考えを変えて枕を引っ張ると、どすん、と頭が枕から落ちた。せせら笑ってやったがやはりシェインは動こうとしない。
ただの寝たふりだ。毛布を抱えて笑いを堪えているのが分かる。ロンは諦めてシェインのマントを鞄から取り出すと、それにくるまって地面に寝転がった。勿論奪った枕は自分の頭の下だ。地面は堅いが枕だけでも手に入ればましな方だろう。草むらで転がって野宿よりはいい。
そんなごまかしをしながら、横になってしまえばすぐに眠気がきた。シェインを背にしてうとうとすると、いきなり身体が引っ張り上げられ、ロンは大声をあげそうになった。
「強情だな。ベッドで寝るぐらい、大したことないだろ。大人しくここで眠れ」
持ち上げられてもがくより、シェインの上に引っ張られた方が早くて、ロンは動くに動けなかった。
「ちょっ、放せよ!」
羽交い締めのように背中を押さえられて、海老のように仰け反ってもシェインは放そうとしない。そのままロンを抱き締めたまま眠りはじめてしまったのだ。声にならない声を出してもがいても、シェインは放しもしない。
頭に熱がこもってまた泣きそうになった。顔がこれでもかと近くて、シェインの睫毛の数だって数えられそうだ。足をじたばた動かし手で幾ら押しても、何の気兼ねもしない。
「眠れ。何もしないから」
「してるよっ。手を放せ!」
目の前で瞳があって、ロンは顔を背けて抵抗する。シェインは聞く耳持たずとまた目を閉じてしまった。手を放す気はない。
一体、何なのだ。
問いかけたい言葉も上ずった声で消えた。うーうー、唸っても何の反応もしなかった。こんな耳元で唸り声を聞いても放さない方がすごい。実はものすごく深い眠りに入っているのではないかと思う程、寝たふりを続ける。寝たふりであるのは確かなのだ。ロンの背中を抱くシェインの力は衰えることがなかった。
ばたばた、うーうーを続ける内に、段々それが疲れてきて、そうしてロンは涙を溜めたまま、いつの間にか眠りに入ってしまった。
『ロン、今日から奥の部屋で、一人で寝るんだぞ』
何で?いつも一緒に眠ってくれたのに。
『もう一人で眠れるだろう?』
眠れないよ。恐くて一人じゃ眠れないよ。
『ロン、ロンガニア。お前は女の子で俺とは違うんだ。もう一人で眠らないと駄目なんだよ』
分からない。いつも一緒に眠ってくれたのに、何で急に一人で眠らなきゃいけないの。
何度も泣いて涙を流して、セウになだめられながらごね続けて、いつの間にか泣きつかれて眠ってしまった。
セウはずっと一緒にはいてくれない。大人になる度セウは離れて、その内一人にされるのだ。
男でいるから。ずっと男でいるから。だから一緒にいてよ。セウから離れるなんて考えられない。セウと一緒にいられないなんて考えられない。
だって私はセウが…。
「セウ…」
見なれない天井がぼやけて見えて、ロンは涙で濡れた頬に触れた。眠りながら泣いていたのだ。
私はセウが…。
言おうとした言葉は口にはできない。それを口にしたら、セウは二度とロンと一緒にいてくれない。
そんなことずっと前から分かっている。
だから甘んじて男の姿になった。この姿ならずっと側にいられると思ったからだ。
けれど、いつからかセウはロンをおいて王都へ足を伸ばしはじめた。セウが王都に行く度不安にかられる。もう二度と戻って来ないのではないかと。いつも、すごく恐かったのだ。
王都にセウを追いに行く度胸はなかった。セウが何を求めて王都に行っているのか、知りたくなかったからかもしれない。シェインが王都に無理矢理連れなければ、今後もずっと王都に行こうと思わなかっただろう。
「シェイン…?」
目が覚めればベッドにはシェインの姿がなかった。
昨日の夜閉めた窓は開け放しで、肌寒い風が入ってくる。
ベッドはロンの眠っていた場所以外冷えたままだ。いつからいないのか、シェインがベッドを離れてから時間が経っている。
「おいてかれた…?」
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