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18 危機
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真っ暗闇の中、重い体を引きずるように足を進めた。足が泥に沈むたびに、体力を奪っていく。
音のない世界で一人残されたような感覚に、寒気が走った。
ふと、耳になにかが届く。
「――――。――――ヌ、エヴリーヌ!!」
叫ぶような必死の呼びかけに、エヴリーヌは重い瞼を上げた。
見覚えのある天井だと気づくのに時間がかかる。やけに薄暗くて、うたた寝でもしてしまったのかと起き上がれば、カリスが視界に入った。
「エヴリーヌ!」
「え、なに? え??」
カリスがいきなり抱きついてきた。何事なのか、その腕に力を入れてくる。しかも震えているのか、触れている体が揺れていた。
「あの、カリス? 大丈夫?」
「それはこちらのセリフだ! 倒れたまま、目が覚めないかと」
「倒れたまま……」
「君は、魔力を使い果たして、丸一日眠っていたんだ!」
叫ぶように言われて、一瞬唖然としてしまった。自分になにが起きたのか思い出すまで時間がかかる。
そうだった。急いで来いという連絡をもらい、神殿に赴いて、聖騎士たちと魔物が溢れ出した現場に討伐へ行ったのだ。
神殿からの連絡は急を要していた。
先遣隊の話では、魔物の多い要警戒区域で地面が陥没し、そこから魔物が溢れ出ている。ということだった。
現在、魔物は繁殖期を迎えている。地下に住まう魔物たちが、卵から孵った子供のために住処を拡大して、地盤の緩い穴を掘り進め巣穴を崩してしまったのではないかという話があり、その想定で討伐に向かった。
魔物は卵から孵って一ヶ月も経たないうちに成獣になる。生まれたばかりの魔物は腹を空かせているので、成獣よりも動きは遅いが凶暴だ。個体は小さいが数が多いため、急ぎの対処が必要だった。
陥没した地面がさらに崩れる可能性がある。できるだけ固まって動かず、魔物を分散して倒す必要があった。エヴリーヌは地盤の緩い部分を確認し、そこに近づかないように先導し、聖騎士たちの戦いを補助しなければならなかった。
しかし、
(いきなり、山が崩れてきたのよ)
地面が陥没したせいなのか、山の土が移動した。すべてを薙ぎ倒すように山がずれてきて、エヴリーヌは咄嗟に防御の魔法を使った。
そのまま皆を逃がせればよかったのだが、そこは魔物との戦いの場。魔物を追いやりながら、撤退する必要がある。流れてくる土を押し止めて、揺れる地面を押さえ、聖騎士たちが下がるのを待たなければならなかった。しかし、聖騎士たちはお互い離れて戦いを行っていた。その弊害もあり、エヴリーヌは広範囲で防御魔法をかけ、長く維持しなければならなかったのだ。
意識が朦朧としてきていた中、聖騎士たちが撤退し終えてビセンテが大声を出してエヴリーヌを呼んだ。
しかし、魔力がほとんど失われている状態で、足が動かなかった。もう耐えられないと思った時、一頭の馬が走ってきた。
(カリスが来たんだわ)
カリスは馬に乗ったままエヴリーヌを持ち上げて、馬を走らせた。意識を失いそうになる前、轟音がとどろいた。その音を耳にした後、暗闇に覆われたのだ。
「気絶したのね。カリスが助けてくれなかったら、土の中だったわ」
「少しでも遅かったらと思ったら、」
そこから言葉が紡げないと、カリスは目を潤ませた。もう一度エヴリーヌを引き寄せて抱きしめる。心配していたのだと、エヴリーヌに痛いところはないか、体調は悪くないかと聞いてくる。どこも痛くないし、体調も悪くない。
そんなに心配してもらえるとは思わなかった。必死に抱きしめてくるカリスの温もりが、安心すると同時、恥ずかしくもあった。
(なんだか、くすぐったい気持ちになってくるわ)
来なくていいと言ったのに、カリスは来てくれたのだ。しかもこんな必死になって。
「ありがとう。カリス。助けに来てくれて」
「あ、いや……、」
カリスはいきなり立ち上がった。拳で顔を隠すようにすると、後ろを向いてしまう。もしかして、照れているのだろうか。顔が見えなくなってしまってよくわからない。
(心配はしてくれたのよね。二年は仲の良い夫婦のふりなのだから、神殿から緊急の手紙を受け取れば、行かなければと思ったのだろうけど)
それでも、助けに来てくれたのは嬉しい。地盤沈下があり、カリスに危険があっては困ると思って追いかけてこないように伝言していたのだが、来てくれていなければ自分は今頃土の中だっただろう。
「その、お腹は空いていないか? 飲み物は? すぐにメイドを呼ぼう」
「ありがとう。それより、明かりをつけましょ? もう夕暮れなのね。丸一日眠っていたとは思わなかったわ」
日没前の夕暮れ時か、部屋は薄暗い。討伐の時にこれくらいの時間だったので、本当に一日丸っと眠っていたようだ。ランプくらいつければいいものを、メイドの誰も火を入れに来ていないようだ。
カリスが手持ちのランプに火を入れた。ベッドの側に持ってくると、辺りが明るくなる。
「魔力を失ったせいか、髪の色が銀になっているから、」
「本当だわ。気が抜けても戻ったりしないのに。よほど魔力がなかったのね。カリス?」
「君は……、」
ランプを手にしたまま、カリスは呆然とエヴリーヌを見つめていた。驚きを隠せないように、口を開けたまま静止している。
なにかおかしなところがあるだろうか。眠り続けていたので寝癖でもあるか? 服がそのままか? メイドが着替えさせてくれたのか、寝巻きを着ている。そのせいでカリスが凝視したのかと思ったが、カリスはエヴリーヌの顔をまっすぐ見つめていた。
「あの、カリス?」
「君は、……瞳の色も、変えていたのか?」
「え? ああ。目立つのが嫌だったので、髪と目の色を変えてるのよ。前に言わなかったかしら?」
「前は、髪の色を、変えていると」
そういえば、髪の色を変えているとしか伝えなかったか。
エヴリーヌは髪と目の色を変えていた。銀色の髪は母親譲り、瞳の色は、誰にも似ていない、金の瞳をしていた。
「金色は大聖女の瞳の色と一緒でしょう? そんな大層な力なんて持っていないし、この瞳の色というだけで大騒ぎする人がいるから、神殿長が隠した方がいいと言ってくれたの。同じ色だからって、大聖女のような力を持っているわけではないもの」
金の瞳は歴史に残る大聖女の瞳の色だ。珍しい色だからか、エヴリーヌの瞳を見て大聖女だと崇める者たちがいた。主に平民の老年の方だが。しかしそれが噂になり、貴族から引き抜かれたら困るからと、神殿長が色を変えることを提案した。実際に大聖女のように力があるのならば、瞳の色など関係なく崇められるだろうと言って。
幼い頃から持ち上げられて、偏屈な性格にならないように気づかったのだろう。まだ成長過程であるのに、努力せず崇められては成長に悪いという理由だ。
銀の髪、金の瞳。あまりに目立つその容姿は、大聖女再来ともてはやされることになったかもしれない。隠して正解だったのだ。
「っと、」
「エヴリーヌ、大丈夫か!?」
ふいに頭痛がして頭を押さえる。めまいがあるようだ。カリスが飛びつくように心配の声を上げた。
「医者を呼んでくる! 眠っていてくれ。軽い食事も用意させて、誰か、いないのか! 少し待っていろ!」
「そんな、飛び出さないでも」
いいのに。
カリスはあっという間に部屋を飛び出して行ってしまった。心優しい彼は、本気でエヴリーヌを心配し、気にしてくれているのだろう。どれだけ人が良いのだろうか。
最初は会ってすぐに離婚の話をするなんてなんてやつと思ったが、今ではカリスの優しさに甘えてばかりで、彼と一緒にいると心が穏やかになるのを感じている。
「はあ、不毛ね」
ため息混じりにベッドに横になると、目の奥が痛んで目を瞑った。
(今回はさすがに危なかったわね)
あの規模で結界使うのはまだいいが、長時間保つのはさすがにつらかった。
「魔法陣とか描いていれば少しは違ったけど、そんな暇なかったし」
一日も寝込むなんて。なんたる失態。カリスに迷惑をかけた。ビセンテたちは大丈夫だっただろうか。全員退くのは見えたので、逃げられたと思うが。
それにしても、大きな地滑りだった。魔物が多かったせいか強い魔力を感じて山頂を見上げたのだ。木々が揺れ動き同じ方向に倒れるのが見えて、とっさに結界を張った。気づくのが遅ければ、あの規模の防御結界は作れなかっただろう。
音のない世界で一人残されたような感覚に、寒気が走った。
ふと、耳になにかが届く。
「――――。――――ヌ、エヴリーヌ!!」
叫ぶような必死の呼びかけに、エヴリーヌは重い瞼を上げた。
見覚えのある天井だと気づくのに時間がかかる。やけに薄暗くて、うたた寝でもしてしまったのかと起き上がれば、カリスが視界に入った。
「エヴリーヌ!」
「え、なに? え??」
カリスがいきなり抱きついてきた。何事なのか、その腕に力を入れてくる。しかも震えているのか、触れている体が揺れていた。
「あの、カリス? 大丈夫?」
「それはこちらのセリフだ! 倒れたまま、目が覚めないかと」
「倒れたまま……」
「君は、魔力を使い果たして、丸一日眠っていたんだ!」
叫ぶように言われて、一瞬唖然としてしまった。自分になにが起きたのか思い出すまで時間がかかる。
そうだった。急いで来いという連絡をもらい、神殿に赴いて、聖騎士たちと魔物が溢れ出した現場に討伐へ行ったのだ。
神殿からの連絡は急を要していた。
先遣隊の話では、魔物の多い要警戒区域で地面が陥没し、そこから魔物が溢れ出ている。ということだった。
現在、魔物は繁殖期を迎えている。地下に住まう魔物たちが、卵から孵った子供のために住処を拡大して、地盤の緩い穴を掘り進め巣穴を崩してしまったのではないかという話があり、その想定で討伐に向かった。
魔物は卵から孵って一ヶ月も経たないうちに成獣になる。生まれたばかりの魔物は腹を空かせているので、成獣よりも動きは遅いが凶暴だ。個体は小さいが数が多いため、急ぎの対処が必要だった。
陥没した地面がさらに崩れる可能性がある。できるだけ固まって動かず、魔物を分散して倒す必要があった。エヴリーヌは地盤の緩い部分を確認し、そこに近づかないように先導し、聖騎士たちの戦いを補助しなければならなかった。
しかし、
(いきなり、山が崩れてきたのよ)
地面が陥没したせいなのか、山の土が移動した。すべてを薙ぎ倒すように山がずれてきて、エヴリーヌは咄嗟に防御の魔法を使った。
そのまま皆を逃がせればよかったのだが、そこは魔物との戦いの場。魔物を追いやりながら、撤退する必要がある。流れてくる土を押し止めて、揺れる地面を押さえ、聖騎士たちが下がるのを待たなければならなかった。しかし、聖騎士たちはお互い離れて戦いを行っていた。その弊害もあり、エヴリーヌは広範囲で防御魔法をかけ、長く維持しなければならなかったのだ。
意識が朦朧としてきていた中、聖騎士たちが撤退し終えてビセンテが大声を出してエヴリーヌを呼んだ。
しかし、魔力がほとんど失われている状態で、足が動かなかった。もう耐えられないと思った時、一頭の馬が走ってきた。
(カリスが来たんだわ)
カリスは馬に乗ったままエヴリーヌを持ち上げて、馬を走らせた。意識を失いそうになる前、轟音がとどろいた。その音を耳にした後、暗闇に覆われたのだ。
「気絶したのね。カリスが助けてくれなかったら、土の中だったわ」
「少しでも遅かったらと思ったら、」
そこから言葉が紡げないと、カリスは目を潤ませた。もう一度エヴリーヌを引き寄せて抱きしめる。心配していたのだと、エヴリーヌに痛いところはないか、体調は悪くないかと聞いてくる。どこも痛くないし、体調も悪くない。
そんなに心配してもらえるとは思わなかった。必死に抱きしめてくるカリスの温もりが、安心すると同時、恥ずかしくもあった。
(なんだか、くすぐったい気持ちになってくるわ)
来なくていいと言ったのに、カリスは来てくれたのだ。しかもこんな必死になって。
「ありがとう。カリス。助けに来てくれて」
「あ、いや……、」
カリスはいきなり立ち上がった。拳で顔を隠すようにすると、後ろを向いてしまう。もしかして、照れているのだろうか。顔が見えなくなってしまってよくわからない。
(心配はしてくれたのよね。二年は仲の良い夫婦のふりなのだから、神殿から緊急の手紙を受け取れば、行かなければと思ったのだろうけど)
それでも、助けに来てくれたのは嬉しい。地盤沈下があり、カリスに危険があっては困ると思って追いかけてこないように伝言していたのだが、来てくれていなければ自分は今頃土の中だっただろう。
「その、お腹は空いていないか? 飲み物は? すぐにメイドを呼ぼう」
「ありがとう。それより、明かりをつけましょ? もう夕暮れなのね。丸一日眠っていたとは思わなかったわ」
日没前の夕暮れ時か、部屋は薄暗い。討伐の時にこれくらいの時間だったので、本当に一日丸っと眠っていたようだ。ランプくらいつければいいものを、メイドの誰も火を入れに来ていないようだ。
カリスが手持ちのランプに火を入れた。ベッドの側に持ってくると、辺りが明るくなる。
「魔力を失ったせいか、髪の色が銀になっているから、」
「本当だわ。気が抜けても戻ったりしないのに。よほど魔力がなかったのね。カリス?」
「君は……、」
ランプを手にしたまま、カリスは呆然とエヴリーヌを見つめていた。驚きを隠せないように、口を開けたまま静止している。
なにかおかしなところがあるだろうか。眠り続けていたので寝癖でもあるか? 服がそのままか? メイドが着替えさせてくれたのか、寝巻きを着ている。そのせいでカリスが凝視したのかと思ったが、カリスはエヴリーヌの顔をまっすぐ見つめていた。
「あの、カリス?」
「君は、……瞳の色も、変えていたのか?」
「え? ああ。目立つのが嫌だったので、髪と目の色を変えてるのよ。前に言わなかったかしら?」
「前は、髪の色を、変えていると」
そういえば、髪の色を変えているとしか伝えなかったか。
エヴリーヌは髪と目の色を変えていた。銀色の髪は母親譲り、瞳の色は、誰にも似ていない、金の瞳をしていた。
「金色は大聖女の瞳の色と一緒でしょう? そんな大層な力なんて持っていないし、この瞳の色というだけで大騒ぎする人がいるから、神殿長が隠した方がいいと言ってくれたの。同じ色だからって、大聖女のような力を持っているわけではないもの」
金の瞳は歴史に残る大聖女の瞳の色だ。珍しい色だからか、エヴリーヌの瞳を見て大聖女だと崇める者たちがいた。主に平民の老年の方だが。しかしそれが噂になり、貴族から引き抜かれたら困るからと、神殿長が色を変えることを提案した。実際に大聖女のように力があるのならば、瞳の色など関係なく崇められるだろうと言って。
幼い頃から持ち上げられて、偏屈な性格にならないように気づかったのだろう。まだ成長過程であるのに、努力せず崇められては成長に悪いという理由だ。
銀の髪、金の瞳。あまりに目立つその容姿は、大聖女再来ともてはやされることになったかもしれない。隠して正解だったのだ。
「っと、」
「エヴリーヌ、大丈夫か!?」
ふいに頭痛がして頭を押さえる。めまいがあるようだ。カリスが飛びつくように心配の声を上げた。
「医者を呼んでくる! 眠っていてくれ。軽い食事も用意させて、誰か、いないのか! 少し待っていろ!」
「そんな、飛び出さないでも」
いいのに。
カリスはあっという間に部屋を飛び出して行ってしまった。心優しい彼は、本気でエヴリーヌを心配し、気にしてくれているのだろう。どれだけ人が良いのだろうか。
最初は会ってすぐに離婚の話をするなんてなんてやつと思ったが、今ではカリスの優しさに甘えてばかりで、彼と一緒にいると心が穏やかになるのを感じている。
「はあ、不毛ね」
ため息混じりにベッドに横になると、目の奥が痛んで目を瞑った。
(今回はさすがに危なかったわね)
あの規模で結界使うのはまだいいが、長時間保つのはさすがにつらかった。
「魔法陣とか描いていれば少しは違ったけど、そんな暇なかったし」
一日も寝込むなんて。なんたる失態。カリスに迷惑をかけた。ビセンテたちは大丈夫だっただろうか。全員退くのは見えたので、逃げられたと思うが。
それにしても、大きな地滑りだった。魔物が多かったせいか強い魔力を感じて山頂を見上げたのだ。木々が揺れ動き同じ方向に倒れるのが見えて、とっさに結界を張った。気づくのが遅ければ、あの規模の防御結界は作れなかっただろう。
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