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25 衝撃 (少々内容が暗くなっております)
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公爵領に戻らず、ヴァレリアンは都に滞在した。なにかとやっているようだが、詳しくは聞いていない。
王妃を恐れていないのか、ヴァレリアンの引きこもり理由を全く知らないのか、連日客が訪れているからだ。
「公爵が公爵領を出たからには、繋ぎをつけなければ、という輩は多いのでしょうけれど、知らないって怖いわね」
『おーひに、めをつへられる。っておもう、やつは、きそーにないと、おもーけど?』
トビアは部屋の水槽で寝転んで、居心地良さそうに、メイドたちが持ってきたお菓子を食べている。
水の中にクリームを入れるのはいただけないので、とけないような飴やキャラメルだ。モゴモゴ言いながら、ラシェルの話に付き合ってくれる。
都の屋敷に来て、パーティに出かけたのち、襲撃されたせいで、危険もあるので屋敷から出られない。しかし、代わりに客がやってくる。
ラシェルの死が嘘だったことを見せるために、わざわざわラシェルが会うこともあれば、ヴァレリアンだけで会うこともある。使える者は使う気という、ヴァレリアンの意思は見えるが、公爵領に帰らないところを見ると、こちらでなにかを待っているような気もした。
「結局、誰からの襲撃だったのかしらねえ。王妃の犯行でなければ、ヴァレリアンや私を狙う理由って、なにかしら」
『おーひに頼まれたってだけじゃないの? 馬車狙ってるんだし』
「その王妃のやり方にしては、お粗末だと言うのならば、よほど切羽詰まっているってことかしら?」
『あのバカ王子のせいじゃない?』
「そうなると、口封じなのだけれど」
『じゃないの? 時間がない。誰が、早く二人を殺せって。死人に口なしだよお』
このところずっと嫌な思いをしているせいか、トビアの考え方がすれてきている。
もう少し穏やかな想像をしたいところだが、穏やかでない日々を過ごしているのだから、仕方がないか。
庭園にある噴水に潜っては、水飛沫を上げて、メイドたちを喜ばせているが、本当ならばもっと自然豊かな場所を好む精霊だ。他国に逃げたら海辺か川辺に住むつもりだったが、結局都に戻ってきてしまったので、トビアもストレスがあるだろう。
ラシェルはため息をつく。待つことは性に合わない。公爵家にいるのに、なんの反応もない。いつものクリストフならば、屋敷に飛び込んできそうなものなのに。
「そうしたら、もうあなたにはうんざりして、がっかりして、大嫌いになったと、目の前で言ってやるのだけれど」
『音沙汰ないの、逆に不安だよねえ』
トビアと一緒に、ほう、っと息をつく。肩透かしを食ったせいで、今後が見通せないのだ。
二人でぼんやりしていると、扉をノックする音が聞こえた。メイドが呼びに来て、ヴァレリアンが待っていると伝えてくる。
急ぎと言うのだが、客が来たわけではないようだ。
「なにかありましたか?」
部屋に行けば、ヴァレリアンが何かを握りしめていた。手紙だろうか。
側に控えていたコンラードの顔色は悪く、その雰囲気に、ヴァレリアンをもう一度確認する。
「……王宮で火事があったようだ」
「火事ですか?」
珍しいことではないが、ラシェルはなぜか嫌な予感を感じた。厨房などで火事はたまにある。さすがに王宮で有事になることはないが、ヴァレリアンが話を耳にするほどならば、大きな火事だったのだろう。
だからといって、勿体ぶって話す話ではない。
ヴァレリアンは言葉を選ぶように、ゆっくり話しだす。
「火事は、一つの宮を丸ごと燃やした。多くのメイドや、そこに訪れていた者たちが多く死んだそうだ」
「ひとつの、宮?」
嫌な予感しかしない。宮と言われて思い出すのは、ラシェルが住んでいた宮だ。
だが、あの宮は誰も住んでおらず、ラシェルに渡された。ラシェルが出て行って、誰かが使ったわけではないだろう。
けれど、
「この間の、メイドも、そこにいたそうだ」
「え……?」
「こちらに入った情報では、宮にいた者たちには傷があり、殺した後、火を放ったのではないかと。おそらく、証拠を隠滅したのではないか」
『ラシェル!?』
「ラシェル! コンラード、水をもってこい!」
コンラードがバタバタと足音をたてた。ラシェルには何が起きたかわからなかった。一瞬目の前が真っ暗になったからだ。
いつの間にかラシェルの体を支えていたヴァレリアンが、苦渋を見せるように、眉間に深い皺を寄せて、ラシェルを見下ろす。
(今、なんと言ったの?)
「お水です!」
「ラシェル。水を、」
「なんで、そんな。王妃が殺したんですか!? 証拠隠滅を図ったということですか!?」
「……わからない。だが、王妃に関わっていた者たち、特にメイドの多くが死んだそうだ。そこに婚約者候補も入っている。全員ではないが、数名が炎に巻かれた」
「なんということを! いまさら、私に嫌がらせをしていた者たちを殺して、王妃の命令であることを知られないようにしたということですか!?」
「口止めをするにも、時間が経ちすぎているのはたしかだ。ただ、王妃とクリストフが言い争ったことをかんがみて、その線が濃厚ではないかということだが……」
「あの子、シェリーは、結婚するって言っていたんですよ? もう、やめるって!!」
ヴァレリアンに言っても仕方がない。それがわかっていても、言わずにはいられなかった。
ヴァレリアンを掴みかからん勢いで、それを口にしても、どうにもならないとわかっていても。
ラシェルが喚けば、ヴァレリアンがきつく抱きしめてくる。その胸の中で、ただ、嘆くしかできなかった。
「言葉がありません」
泣き喚いて、王妃を殺しに行かんばかりに、ラシェルはシェリーを殺した犯人への恨みを吐き出した。
嗚咽を漏らし、息苦しそうにしながら、ヴァレリアンにしがみついて泣き続けた姿を見たため、コンラードがなんとも言えない表情で呟く。
「自分が襲われても、あそこまで動揺しなかったのにな」
ラシェルは、自分に向かう悪意には立ち向かえる強さを持っている。トビアがいることもあり、自身に対しては気丈だ。そのラシェルが、あそこまで取り乱した。なんとか部屋に連れて行き、トビアに、ラシェルに短気を起こさないように気をつけておけと伝えておいたが、ラシェルは今にも飛び出して行きそうな気配すらあった。
「放火をして、口止めというのも、お粗末だな」
「ですが、メイドだけでなく、数人の婚約者候補が入っています。王妃の一番推薦の令嬢は、無事のようですが」
「オーグレン伯爵令嬢か。だが、王妃の仕業だとしても、あまりに短絡的すぎる。この間の襲撃もそうだが、他の誰かが行ったとしか思えない」
「ラシェル様を殺そうとした騎士たちを始末するのならばわかりますが、嫌がらせを知っている者まで殺すとは、尋常ではありません」
コンラードも困惑の表情だ。今まで経験した王妃の手とは、別と考えた方がいいだろう。
ヴァレリアンは、さらに詳しい情報を得られるように命令する。
ラシェルの死体を用意して、葬式まで行っているのだから、その辺りの者たちも殺されているのだろうか。
遺体を持って帰ったのはアーロンたち、王子の騎士だ。そこに王妃の手がいて、その手が殺されていれば、王妃の命令かもしれないが。
「なんのためなのか。口止めするにも、中途半端すぎる。王宮で、なにがあったのか」
とにもかくにも、ラシェルが不幸すぎた。
(彼女は自分のせいだと思っているのだろう)
「なんと声をかければ良いかもわからないな」
「そうですね……」
沈鬱な気持ちを持ったまま、ヴァレリアンはただため息を吐いて、今も嘆いているラシェルの心の痛みを憂いた。
王妃を恐れていないのか、ヴァレリアンの引きこもり理由を全く知らないのか、連日客が訪れているからだ。
「公爵が公爵領を出たからには、繋ぎをつけなければ、という輩は多いのでしょうけれど、知らないって怖いわね」
『おーひに、めをつへられる。っておもう、やつは、きそーにないと、おもーけど?』
トビアは部屋の水槽で寝転んで、居心地良さそうに、メイドたちが持ってきたお菓子を食べている。
水の中にクリームを入れるのはいただけないので、とけないような飴やキャラメルだ。モゴモゴ言いながら、ラシェルの話に付き合ってくれる。
都の屋敷に来て、パーティに出かけたのち、襲撃されたせいで、危険もあるので屋敷から出られない。しかし、代わりに客がやってくる。
ラシェルの死が嘘だったことを見せるために、わざわざわラシェルが会うこともあれば、ヴァレリアンだけで会うこともある。使える者は使う気という、ヴァレリアンの意思は見えるが、公爵領に帰らないところを見ると、こちらでなにかを待っているような気もした。
「結局、誰からの襲撃だったのかしらねえ。王妃の犯行でなければ、ヴァレリアンや私を狙う理由って、なにかしら」
『おーひに頼まれたってだけじゃないの? 馬車狙ってるんだし』
「その王妃のやり方にしては、お粗末だと言うのならば、よほど切羽詰まっているってことかしら?」
『あのバカ王子のせいじゃない?』
「そうなると、口封じなのだけれど」
『じゃないの? 時間がない。誰が、早く二人を殺せって。死人に口なしだよお』
このところずっと嫌な思いをしているせいか、トビアの考え方がすれてきている。
もう少し穏やかな想像をしたいところだが、穏やかでない日々を過ごしているのだから、仕方がないか。
庭園にある噴水に潜っては、水飛沫を上げて、メイドたちを喜ばせているが、本当ならばもっと自然豊かな場所を好む精霊だ。他国に逃げたら海辺か川辺に住むつもりだったが、結局都に戻ってきてしまったので、トビアもストレスがあるだろう。
ラシェルはため息をつく。待つことは性に合わない。公爵家にいるのに、なんの反応もない。いつものクリストフならば、屋敷に飛び込んできそうなものなのに。
「そうしたら、もうあなたにはうんざりして、がっかりして、大嫌いになったと、目の前で言ってやるのだけれど」
『音沙汰ないの、逆に不安だよねえ』
トビアと一緒に、ほう、っと息をつく。肩透かしを食ったせいで、今後が見通せないのだ。
二人でぼんやりしていると、扉をノックする音が聞こえた。メイドが呼びに来て、ヴァレリアンが待っていると伝えてくる。
急ぎと言うのだが、客が来たわけではないようだ。
「なにかありましたか?」
部屋に行けば、ヴァレリアンが何かを握りしめていた。手紙だろうか。
側に控えていたコンラードの顔色は悪く、その雰囲気に、ヴァレリアンをもう一度確認する。
「……王宮で火事があったようだ」
「火事ですか?」
珍しいことではないが、ラシェルはなぜか嫌な予感を感じた。厨房などで火事はたまにある。さすがに王宮で有事になることはないが、ヴァレリアンが話を耳にするほどならば、大きな火事だったのだろう。
だからといって、勿体ぶって話す話ではない。
ヴァレリアンは言葉を選ぶように、ゆっくり話しだす。
「火事は、一つの宮を丸ごと燃やした。多くのメイドや、そこに訪れていた者たちが多く死んだそうだ」
「ひとつの、宮?」
嫌な予感しかしない。宮と言われて思い出すのは、ラシェルが住んでいた宮だ。
だが、あの宮は誰も住んでおらず、ラシェルに渡された。ラシェルが出て行って、誰かが使ったわけではないだろう。
けれど、
「この間の、メイドも、そこにいたそうだ」
「え……?」
「こちらに入った情報では、宮にいた者たちには傷があり、殺した後、火を放ったのではないかと。おそらく、証拠を隠滅したのではないか」
『ラシェル!?』
「ラシェル! コンラード、水をもってこい!」
コンラードがバタバタと足音をたてた。ラシェルには何が起きたかわからなかった。一瞬目の前が真っ暗になったからだ。
いつの間にかラシェルの体を支えていたヴァレリアンが、苦渋を見せるように、眉間に深い皺を寄せて、ラシェルを見下ろす。
(今、なんと言ったの?)
「お水です!」
「ラシェル。水を、」
「なんで、そんな。王妃が殺したんですか!? 証拠隠滅を図ったということですか!?」
「……わからない。だが、王妃に関わっていた者たち、特にメイドの多くが死んだそうだ。そこに婚約者候補も入っている。全員ではないが、数名が炎に巻かれた」
「なんということを! いまさら、私に嫌がらせをしていた者たちを殺して、王妃の命令であることを知られないようにしたということですか!?」
「口止めをするにも、時間が経ちすぎているのはたしかだ。ただ、王妃とクリストフが言い争ったことをかんがみて、その線が濃厚ではないかということだが……」
「あの子、シェリーは、結婚するって言っていたんですよ? もう、やめるって!!」
ヴァレリアンに言っても仕方がない。それがわかっていても、言わずにはいられなかった。
ヴァレリアンを掴みかからん勢いで、それを口にしても、どうにもならないとわかっていても。
ラシェルが喚けば、ヴァレリアンがきつく抱きしめてくる。その胸の中で、ただ、嘆くしかできなかった。
「言葉がありません」
泣き喚いて、王妃を殺しに行かんばかりに、ラシェルはシェリーを殺した犯人への恨みを吐き出した。
嗚咽を漏らし、息苦しそうにしながら、ヴァレリアンにしがみついて泣き続けた姿を見たため、コンラードがなんとも言えない表情で呟く。
「自分が襲われても、あそこまで動揺しなかったのにな」
ラシェルは、自分に向かう悪意には立ち向かえる強さを持っている。トビアがいることもあり、自身に対しては気丈だ。そのラシェルが、あそこまで取り乱した。なんとか部屋に連れて行き、トビアに、ラシェルに短気を起こさないように気をつけておけと伝えておいたが、ラシェルは今にも飛び出して行きそうな気配すらあった。
「放火をして、口止めというのも、お粗末だな」
「ですが、メイドだけでなく、数人の婚約者候補が入っています。王妃の一番推薦の令嬢は、無事のようですが」
「オーグレン伯爵令嬢か。だが、王妃の仕業だとしても、あまりに短絡的すぎる。この間の襲撃もそうだが、他の誰かが行ったとしか思えない」
「ラシェル様を殺そうとした騎士たちを始末するのならばわかりますが、嫌がらせを知っている者まで殺すとは、尋常ではありません」
コンラードも困惑の表情だ。今まで経験した王妃の手とは、別と考えた方がいいだろう。
ヴァレリアンは、さらに詳しい情報を得られるように命令する。
ラシェルの死体を用意して、葬式まで行っているのだから、その辺りの者たちも殺されているのだろうか。
遺体を持って帰ったのはアーロンたち、王子の騎士だ。そこに王妃の手がいて、その手が殺されていれば、王妃の命令かもしれないが。
「なんのためなのか。口止めするにも、中途半端すぎる。王宮で、なにがあったのか」
とにもかくにも、ラシェルが不幸すぎた。
(彼女は自分のせいだと思っているのだろう)
「なんと声をかければ良いかもわからないな」
「そうですね……」
沈鬱な気持ちを持ったまま、ヴァレリアンはただため息を吐いて、今も嘆いているラシェルの心の痛みを憂いた。
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