33 / 50
21 離脱
しおりを挟む
ぽちゃん、とカップの中で、紅茶が跳ねた。
雫が落ちるように。けれど、一度雫が登り、すぐに降りて、紅茶が波打つ。
ぽちゃん。ぽちゃん。
紅茶から感じる、精霊の力。洗濯物をあっという間に洗って乾かした、水の使い手。その魔力が、雫が跳ねるたびに、滲むように感じてくる。
「ラシェル!」
「ラシェル様。そろそろ、お部屋にお戻りください。あなたの体調が悪くなってしまいます」
「大丈夫ですよ。まだ熱があるから、私が診ています」
「わかりました。気分などが悪くなる前に、部屋にお戻りくださいね」
「ありがとうございます」
コンラードが部屋を出ていくのを見送って、ラシェルは立ったまま、小さく息を吐いた。
普段は凛とした態度で、理不尽に舌打ちしながらも、正面を向いて歩くような、気丈な女性だ。堂々とした態度をしているせいか、身長が高くなくとも、小さく見えることはない。
けれど、今後ろ姿を見ていると、やけに華奢に見えた。
「公爵様!? 目が覚めたんですか!?」
「ラシェル……」
ラシェルは、振り向くと、すぐにベッドに近寄った。眠っていないのか、顔色が悪く、目の下が青白い。
(戻ってきたのか)
部屋はヴァレリアンの寝所で、ベッドは自分が使っているものだ。
ラシェルが大丈夫だと呟くのを聞きながら、落ちてきた雨粒に包まれたのを最後に、記憶がない。
「水があれば、転移できるのか」
「手に触れるくらい近ければ。それなりに水も必要だし、魔力も必要ですけれどね」
だから、川から落ちても無傷だったのか。雨粒に包まれるのならば、川の水にも包まれるわけだ。水の壁を防御にして、そのまま流れたのかと思っていた。
「精霊の力とは、恐ろしいな」
「何を言っているんですか。精霊もなく、二度も転移できる魔力を持っている方がすごいですよ!!」
ラシェルは力説する。
ラシェルは魔力はあるが、簡単な魔法しか使えない。トビアがいるため、トビアの力を使うことができるだけだと言う。
転移が高度な魔法であるとわかるのは、ラシェル自身が、転移を行う際に、相当な魔力を奪われるからわかるのだ。
「トビアがいればできることであって、普通じゃ二度もできないって、トビアが言ってました。それより、気分は悪くないですか? お腹は減っていないですか? 何か飲み物でも持ってきます!」
お前が持ってくるのか?
そう突っ込みたくなる。メイドの仕事に慣れすぎだろう。本来は、子爵令嬢であるのに。
それでも、メイドをしなければならない事情。
部屋を出て行こうとするラシェルの手を取れば、お水ですかと、水差しを手にしようとする。
「そうじゃない。……大丈夫か?」
「私ですか? 大丈夫ですよ。さっきも言った通り、トビアの力を借りているので、」
「そのことではない」
言葉を遮ると、ラシェルは口を閉じて、一瞬混乱したような顔をした。
しかし、一歩遅れて、「まったくもって、なんの問題もありません」とはっきり口にする。
「むしろ、寒気すら感じます。なにをどうして、あそこまで、いってしまったのか。あんなに、変な人だったかなって、思った程度です」
ラシェルは肩をすくめる。それは嘘ではないだろうが、憔悴しているように見えた。
未練も何もなく、あの男の一挙一動に、心を痛めることもない。
(それほど、吹っ切れているのだと、言ってくれれば、安心できるのだが)
「私よりも、公爵様の方でしょう。まだ熱は高いですし、ずっと寝ていたんですよ。二日も!」
「たいしたことではない」
「何言ってるんですか! たいしたことあるでしょう!? どれだけ心配したと思っているんですか!」
「心配したのか? だから、そんなに顔色が悪いのか?」
頬に触れれば、ラシェルは触れた部分を赤く染めた。
「ち、がいます。これは、眠っていないからです」
「眠れなかったのか? 俺を心配して?」
「ち、……無茶しすぎて寝込む人ですからね」
嫌味は忘れないらしい。素直に心配したと言わないあたりが、このラシェルという女性か。
その割に顔に出ているのだから、なんともおかしくなってくる。
「何笑っているんですか」
「いや。心配させて、申し訳なく思っている。君を、危険に晒したことも」
「私は大丈夫です。それよりも、もう少し休んでください。熱が下がっていないんですから。今、コンラードさんを呼んできます」
ラシェルは子供をあやすかのように、毛布を軽く叩いた。もう大丈夫だと、落ち着かせるような、優しい手だった。
(クリストフがなついた意味がわかるな)
貴族は心のうちを隠すことを求められるが、ラシェルの地の性格はそれとは真逆で、平民のように表情に出し、素直に笑う。それはたしかに貴族としてあるまじき態度であるが、時と場所は弁えている。
それを見たのが街中であれば、クリストフからすれば、表情豊かな魅惑的な女性と見えただろう。
そして、口うるさく言う割に面倒見が良いのだから、クリストフが興味を持つことが想像できる。
ラシェル・ボワロー子爵令嬢は、両親共に金遣いが荒く、親の遺産を食い潰すような、愚鈍な輩だった。どこで親を見限ったのかはわからないが、ラシェルは一人、屋敷を抜け出して街へ働きに出る。
街の平民の給料などたかが知れているが、貴族として生きる気がなければ、国外に逃げるための金は稼げるだろう。時間はかかるが、無理なことではない。
精霊の存在が、彼女を大きく助けることになった。そう考えて、頭の中でかぶりを振る。
「そんなことで、諦める女性ではないか」
精霊がいなくとも、何かを考えて、実行する性格だろう。
クリストフの趣味は良かった。けれど、それだけだ。
「クリストフには勿体なさすぎるな」
ノックの音が聞こえて、コンラードがやってくる。ラシェルは部屋で休んだようだ。姿が見えない。
「お部屋にお戻りです。ずっと寝ずに看病されていましたから」
「余計な心労をかけたな」
「そうですね。それでも、良いご令嬢です」
なにをいうでもなく、コンラードはラシェルの素行を褒める。だから今詫びろと言われても、もう後戻りはできない。すでにクリストフが事実を知った。これから、どう出てくるだろうか。
「状況は?」
「騎士は二人とも生きていますが、容赦はなかったようで。二人とも重症ですよ」
「クリストフはそれなりの使い手だとは知っていたが、それほどだったか。あれだけ警戒しろと言っていたのに。だが、王妃の手下かと思えば、クリストフとはな」
「本人が攻撃してくるとは、ラシェル様も驚いていらっしゃいました」
「あれほど狂っているやつだとは思わなかった。昔は、もう少しおとなしいやつだったはずだが。王妃の洗脳がうまくいっていたのだろう」
「それにしても無茶されましたね。しばらくは動けません」
「わかっている」
ラシェルを巻き込んでしまったのだから、彼女を守らなければならない。それなのに、この体たらく。むしろ彼女に守られることになってしまった。
「情けないことだな」
「そうであれば、今後のことをお考えください。それと、こちら、お手紙が届いています」
渡された封蝋の印は、見覚えのない印だ。中は確認したと、コンラードが差し出してくる。
「今後、必要な方になるかと」
雫が落ちるように。けれど、一度雫が登り、すぐに降りて、紅茶が波打つ。
ぽちゃん。ぽちゃん。
紅茶から感じる、精霊の力。洗濯物をあっという間に洗って乾かした、水の使い手。その魔力が、雫が跳ねるたびに、滲むように感じてくる。
「ラシェル!」
「ラシェル様。そろそろ、お部屋にお戻りください。あなたの体調が悪くなってしまいます」
「大丈夫ですよ。まだ熱があるから、私が診ています」
「わかりました。気分などが悪くなる前に、部屋にお戻りくださいね」
「ありがとうございます」
コンラードが部屋を出ていくのを見送って、ラシェルは立ったまま、小さく息を吐いた。
普段は凛とした態度で、理不尽に舌打ちしながらも、正面を向いて歩くような、気丈な女性だ。堂々とした態度をしているせいか、身長が高くなくとも、小さく見えることはない。
けれど、今後ろ姿を見ていると、やけに華奢に見えた。
「公爵様!? 目が覚めたんですか!?」
「ラシェル……」
ラシェルは、振り向くと、すぐにベッドに近寄った。眠っていないのか、顔色が悪く、目の下が青白い。
(戻ってきたのか)
部屋はヴァレリアンの寝所で、ベッドは自分が使っているものだ。
ラシェルが大丈夫だと呟くのを聞きながら、落ちてきた雨粒に包まれたのを最後に、記憶がない。
「水があれば、転移できるのか」
「手に触れるくらい近ければ。それなりに水も必要だし、魔力も必要ですけれどね」
だから、川から落ちても無傷だったのか。雨粒に包まれるのならば、川の水にも包まれるわけだ。水の壁を防御にして、そのまま流れたのかと思っていた。
「精霊の力とは、恐ろしいな」
「何を言っているんですか。精霊もなく、二度も転移できる魔力を持っている方がすごいですよ!!」
ラシェルは力説する。
ラシェルは魔力はあるが、簡単な魔法しか使えない。トビアがいるため、トビアの力を使うことができるだけだと言う。
転移が高度な魔法であるとわかるのは、ラシェル自身が、転移を行う際に、相当な魔力を奪われるからわかるのだ。
「トビアがいればできることであって、普通じゃ二度もできないって、トビアが言ってました。それより、気分は悪くないですか? お腹は減っていないですか? 何か飲み物でも持ってきます!」
お前が持ってくるのか?
そう突っ込みたくなる。メイドの仕事に慣れすぎだろう。本来は、子爵令嬢であるのに。
それでも、メイドをしなければならない事情。
部屋を出て行こうとするラシェルの手を取れば、お水ですかと、水差しを手にしようとする。
「そうじゃない。……大丈夫か?」
「私ですか? 大丈夫ですよ。さっきも言った通り、トビアの力を借りているので、」
「そのことではない」
言葉を遮ると、ラシェルは口を閉じて、一瞬混乱したような顔をした。
しかし、一歩遅れて、「まったくもって、なんの問題もありません」とはっきり口にする。
「むしろ、寒気すら感じます。なにをどうして、あそこまで、いってしまったのか。あんなに、変な人だったかなって、思った程度です」
ラシェルは肩をすくめる。それは嘘ではないだろうが、憔悴しているように見えた。
未練も何もなく、あの男の一挙一動に、心を痛めることもない。
(それほど、吹っ切れているのだと、言ってくれれば、安心できるのだが)
「私よりも、公爵様の方でしょう。まだ熱は高いですし、ずっと寝ていたんですよ。二日も!」
「たいしたことではない」
「何言ってるんですか! たいしたことあるでしょう!? どれだけ心配したと思っているんですか!」
「心配したのか? だから、そんなに顔色が悪いのか?」
頬に触れれば、ラシェルは触れた部分を赤く染めた。
「ち、がいます。これは、眠っていないからです」
「眠れなかったのか? 俺を心配して?」
「ち、……無茶しすぎて寝込む人ですからね」
嫌味は忘れないらしい。素直に心配したと言わないあたりが、このラシェルという女性か。
その割に顔に出ているのだから、なんともおかしくなってくる。
「何笑っているんですか」
「いや。心配させて、申し訳なく思っている。君を、危険に晒したことも」
「私は大丈夫です。それよりも、もう少し休んでください。熱が下がっていないんですから。今、コンラードさんを呼んできます」
ラシェルは子供をあやすかのように、毛布を軽く叩いた。もう大丈夫だと、落ち着かせるような、優しい手だった。
(クリストフがなついた意味がわかるな)
貴族は心のうちを隠すことを求められるが、ラシェルの地の性格はそれとは真逆で、平民のように表情に出し、素直に笑う。それはたしかに貴族としてあるまじき態度であるが、時と場所は弁えている。
それを見たのが街中であれば、クリストフからすれば、表情豊かな魅惑的な女性と見えただろう。
そして、口うるさく言う割に面倒見が良いのだから、クリストフが興味を持つことが想像できる。
ラシェル・ボワロー子爵令嬢は、両親共に金遣いが荒く、親の遺産を食い潰すような、愚鈍な輩だった。どこで親を見限ったのかはわからないが、ラシェルは一人、屋敷を抜け出して街へ働きに出る。
街の平民の給料などたかが知れているが、貴族として生きる気がなければ、国外に逃げるための金は稼げるだろう。時間はかかるが、無理なことではない。
精霊の存在が、彼女を大きく助けることになった。そう考えて、頭の中でかぶりを振る。
「そんなことで、諦める女性ではないか」
精霊がいなくとも、何かを考えて、実行する性格だろう。
クリストフの趣味は良かった。けれど、それだけだ。
「クリストフには勿体なさすぎるな」
ノックの音が聞こえて、コンラードがやってくる。ラシェルは部屋で休んだようだ。姿が見えない。
「お部屋にお戻りです。ずっと寝ずに看病されていましたから」
「余計な心労をかけたな」
「そうですね。それでも、良いご令嬢です」
なにをいうでもなく、コンラードはラシェルの素行を褒める。だから今詫びろと言われても、もう後戻りはできない。すでにクリストフが事実を知った。これから、どう出てくるだろうか。
「状況は?」
「騎士は二人とも生きていますが、容赦はなかったようで。二人とも重症ですよ」
「クリストフはそれなりの使い手だとは知っていたが、それほどだったか。あれだけ警戒しろと言っていたのに。だが、王妃の手下かと思えば、クリストフとはな」
「本人が攻撃してくるとは、ラシェル様も驚いていらっしゃいました」
「あれほど狂っているやつだとは思わなかった。昔は、もう少しおとなしいやつだったはずだが。王妃の洗脳がうまくいっていたのだろう」
「それにしても無茶されましたね。しばらくは動けません」
「わかっている」
ラシェルを巻き込んでしまったのだから、彼女を守らなければならない。それなのに、この体たらく。むしろ彼女に守られることになってしまった。
「情けないことだな」
「そうであれば、今後のことをお考えください。それと、こちら、お手紙が届いています」
渡された封蝋の印は、見覚えのない印だ。中は確認したと、コンラードが差し出してくる。
「今後、必要な方になるかと」
473
お気に入りに追加
1,276
あなたにおすすめの小説
変態婚約者を無事妹に奪わせて婚約破棄されたので気ままな城下町ライフを送っていたらなぜだか王太子に溺愛されることになってしまいました?!
utsugi
恋愛
私、こんなにも婚約者として貴方に尽くしてまいりましたのにひどすぎますわ!(笑)
妹に婚約者を奪われ婚約破棄された令嬢マリアベルは悲しみのあまり(?)生家を抜け出し城下町で庶民として気ままな生活を送ることになった。身分を隠して自由に生きようと思っていたのにひょんなことから光魔法の能力が開花し半強制的に魔法学校に入学させられることに。そのうちなぜか王太子から溺愛されるようになったけれど王太子にはなにやら秘密がありそうで……?!
※適宜内容を修正する場合があります
「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。
海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。
アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。
しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。
「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」
聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。
※本編は全7話で完結します。
※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。
【完結】伯爵令嬢の格差婚約のお相手は、王太子殿下でした ~王太子と伯爵令嬢の、とある格差婚約の裏事情~
瀬里
恋愛
【HOTランキング7位ありがとうございます!】
ここ最近、ティント王国では「婚約破棄」前提の「格差婚約」が流行っている。
爵位に差がある家同士で結ばれ、正式な婚約者が決まるまでの期間、仮の婚約者を立てるという格差婚約は、破棄された令嬢には明るくない未来をもたらしていた。
伯爵令嬢であるサリアは、高すぎず低すぎない爵位と、背後で睨みをきかせる公爵家の伯父や優しい父に守られそんな風潮と自分とは縁がないものだと思っていた。
まさか、我が家に格差婚約を申し渡せるたった一つの家門――「王家」が婚約を申し込んでくるなど、思いもしなかったのだ。
婚約破棄された令嬢の未来は明るくはないが、この格差婚約で、サリアは、絶望よりもむしろ期待に胸を膨らませることとなる。なぜなら婚約破棄後であれば、許されるかもしれないのだ。
――「結婚をしない」という選択肢が。
格差婚約において一番大切なことは、周りには格差婚約だと悟らせない事。
努力家で優しい王太子殿下のために、二年後の婚約破棄を見据えて「お互いを想い合う婚約者」のお役目をはたすべく努力をするサリアだが、現実はそう甘くなくて――。
他のサイトでも公開してます。全12話です。
この婚約は白い結婚に繋がっていたはずですが? 〜深窓の令嬢は赤獅子騎士団長に溺愛される〜
氷雨そら
恋愛
婚約相手のいない婚約式。
通常であれば、この上なく惨めであろうその場所に、辺境伯令嬢ルナシェは、美しいベールをなびかせて、毅然とした姿で立っていた。
ベールから、こぼれ落ちるような髪は白銀にも見える。プラチナブロンドが、日差しに輝いて神々しい。
さすがは、白薔薇姫との呼び名高い辺境伯令嬢だという周囲の感嘆。
けれど、ルナシェの内心は、実はそれどころではなかった。
(まさかのやり直し……?)
先ほど確かに、ルナシェは断頭台に露と消えたのだ。しかし、この場所は確かに、あの日経験した、たった一人の婚約式だった。
ルナシェは、人生を変えるため、婚約式に現れなかった婚約者に、婚約破棄を告げるため、激戦の地へと足を向けるのだった。
小説家になろう様にも投稿しています。
婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。
婚約者からの断罪が終わったので北の修道院へバカンスに行ってきます。
四折 柊
恋愛
嫌いな婚約者から冤罪により婚約破棄をされたアンジェリカは北の修道院に送られることになった。その企みは知っていたのでそれを利用することにした。先に手を打って快適に過ごせるように修道院を改修して準備万端にしてバカンスに行く。そこで大好きな人と楽しく過ごすことにしたアンジェリカのお話。
(断罪シーンはありません)前編:アンジェリカ(公爵令嬢) 後編:ラフェエル(従者)となります。※8/6に後日談2を追加しました。
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる