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217 ー食事ー
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後宮の外に出られる大きな門があり、列をなして後宮から出ていく。そして空いた部屋や棟から荷物が出され掃除が終わると、新しい妃たちが入るのが普通だそうだ。
「けど、今回その予定はないみたいよ。後宮の人数を減らすんですって。陛下はレイセン宮の方にしか興味ないから、後宮を縮小されるのは当然だって聞いたわ」
もっと人数を減らしたいと言うフォーエンの希望は通ったのか。皇帝の威厳が損なわれると反対は根強いと聞いていたが。
この後宮から出られて喜びを表わす者が多いといいのだが。
ウーランが遠ざかるのを見て、罪悪感か胸が痛んだ。後宮の縮小はかねてからのフォーエンの希望だ。そして、これからその内誰かを望むとしても、ウーランが選ばれることはない。
おそらく今後、ウの姫が選ばれると噂されている。その噂は理音の耳にも入った。未だ皇帝陛下が会いに来る気配はないが、ウの方を内大臣にして姫を後宮に入れたのだから、得体の知れないレイセン宮にいる者よりずっと妃に近いだろうと言われている。
「あら、やだ。どこから入ったのかしら」
渡り廊下の下で、子猫がにゃあんと鳴いた。真っ白な猫で、寒いのかぷるぷる震えながらこちらに寄ってくる。
「どなたかの猫かしら。首輪をしていないけれど」
「野良猫ちゃんですかね」
「後宮では許可を得た動物以外は取り締まられるのよ。野良猫なんて入られないはずなんだけど」
ルーシは言いながら、足元に身体を擦り寄せてくる子猫から逃げた。野良猫の場合病気を持っているかもしれないとのことだ。あと、猫が苦手らしい。子猫はもう一度にゃあんと鳴いて、擦り寄る相手を理音に変えた。
「リン。その猫、どっかやって来てよ。くずかごは私が持ってくから!」
半ば強制的に奪い取って、ルーシは逃げるように棟へ戻っていく。
ウの姫の棟はすぐそこなのだが、ルーシには耐えられなかったようだ。座り込んで子猫に手招きすると、じゃれてなあなあ鳴きながら、理音の指にパンチを繰り出してくる。
「はわー、かわいい」
まだ成長しきっていないからか首輪はしていないが、毛並みは綺麗で汚れもないように見えた。病気をしているような目にも見えないし、飼われている猫ではないのだろうか。
動物は勝手に増えると困るので、許可がない動物は飼うことができない。野良猫がいるはずはないのだと言うし、野良猫ではなさそうだ。
「さて、どうしようかなあ。迷子っぽいもんね。こう言うのって誰に言えばいいんだ?」
子猫を持ち上げて門へ行くか、ユイにでも聞くか迷う。子猫と言ってもそんなに小さいわけではないので、大人しくしてくれないと落としそうになる。
とりあえず一番近い場所にいるユイにどうするか聞こうとウの姫の棟へと歩むと、子猫がここぞとばかりに理音の腕から飛び出した。
「あ、こらこら」
建物の中に入れるわけにはいかない。そう思ったのだが、換気のために開いていた窓に飛び乗り、するりと廊下に入ってしまった。
急いで窓から入り込み、逃げていく猫を追いかける。窓から入ったのは誰にも見られていないと思う。子猫は悠々と廊下を歩み、理音が追いかけるとびくりとして走り出した。
「ちょ、まずいまずい。猫ちゃん」
これは大目玉を喰らう。そう思うのも束の間、子猫は入ってはいけない部屋へと進み、扉の隙間からするりと中に入ってしまった。
よりによって、その部屋!?である。子猫はまさかのウの姫の部屋に入ってしまったのだ。扉はしっかり閉まっていなかったようで、子猫が入るとパタリと閉まった。
追いかけた方がいいだろうか。部屋には近づくなと言われているので、この部屋に入ったことはない。しかし、野良猫かもしれないと言われている子猫を、姫の部屋に入れたまま放置するわけにもいかない。
仕方なく扉をノックする。もしウの姫が猫アレルギーだとしたら、大事件になってしまう。外にいた猫なので、その対応も必要かもしれない。ウの姫は自分と同じ環境の相手ではないので、どんなことが起きるかわからなかった。
ウの姫は中にいるはずだが返事がない。こう言う時に限って廊下を誰も通らない。
何度かノックをして、しかし返事がないため、理音は扉の中に入る決意をした。
「失礼します」
キイィと言う小さな音をたてて扉を開けて中を覗くと、レイセン宮の理音の部屋と同じ二間の部屋だった。広間には人はいない。豪華なテーブルや椅子、ソファがあり、飾られた梅の木が机の上に置かれている。
ジョアンが抱えて持つほどの花瓶が机の上に置いても違和感のない大きな机だが、それ以外に机には何も置かれず、広間の中も綺麗に片付けられて、人の気配が全くしなかった。
もしかして隣の部屋で眠っているのだろうか。声を掛けてみたが返事はなく、代わりに子猫の、にゃあん、が聞こえた。
「失礼します。女官のリンです。子猫が侵入してしまったので、お部屋に入らせていただきます」
聞こえているかわからないが、一応声を掛けて、広間に入る。子猫の鳴き声は隣の部屋から聞こえた。寝室に入るための扉が少しだけ開いており、そこから子猫が入ったのがわかる。
寝室の扉をノックする。しかし返事はない。
留守なのか、眠っているのか。だが、子猫がにゃあにゃあ鳴いて、暴れているような音が聞こえた。
引っ掻かれでもしたら大変だ。理音はノックをして入りますと声を掛けて中に入り込んだ。
部屋は寝室のための部屋で、大きなベッドと長椅子、小さなテーブルがあった。ベッドの天板から中を隠すように布が垂れ下がっていたが、猫が布を引っ張り中を見せていた。ベッドの布団は膨らみがなく、姫の姿は見えなかった。
肝心の子猫は、その布に爪を絡ませてしまったか、ベッドの上で踊るようににゃんにゃん鳴いている。
「暴れないで。今とってあげるから」
子猫の爪から布を取っていると、かちゃり、と隣から音がする。
誰か部屋に入ってきた。さすがにこの状態は絶対に怒られる。
布を取ると、再び子猫は逃げるようにベッドから飛び降り、広間への扉を擦り抜けていく。
「あら、どこから入ったの、お前」
この声はジョアンだ。これは大きな雷をもらうだろう。ため息混じりに広間へ行こうとしたら、扉からぷうんといい匂いがした。もうお昼の時間なのだ。姫のために食事を持ってきたのだろう。
かたり、と陶器が擦れる音がして、理音は扉を開けようとした手を止めた。
咀嚼している音がする。
姫の声はない。子猫に反応している様子はない。ジョアンが毒味をしているのだろうか。
そっと覗いた先、ジョアンがテーブル席に座り、猫を膝に乗せて食事を口にしていた。毒味ではなく、そのまま箸をつけて食事をしている。
この部屋は姫部屋だ。間違いない。しかしジョアンは当たり前に座り、姫の食事であろう食べ物を口にし、汁物を飲み込んだ。
しばらくして、布が擦れる音がし、猫の鳴き声と共に音が遠ざかる。扉を閉め、ジョアンが出て行ったのがわかった。
広間には誰もいない。食事をしたが跡が残っており、片付けずそのままにされていた。ジョアンは半分ほど食べており、毒味などではなく、食している。
理音は廊下を見回してそっと部屋を出た。ジョアンの姿はもう廊下にはない。しんとした廊下は誰も歩んでいなかった。
「えーと」
さて、どうしようか。
姫の食事をこっそり食べていた。残りを姫に食べさせるいじめ問題。
姫はどこかへこっそり出掛けている。それこそ理音と同じように、侵入捜査。
いやいや、どうなってるのか。首を左右にぶんぶん振って、その考えを捨てる。
フォーエンは知っていることなのか。いや、調べろと言われていないし、フォーエンの手であるユイもいるのだから、調べることになっても動くのはユイの方だろう。
「様子見るか…」
姫には会うことはないと言われていたのだし、何かあるのだろう。そこで何も言われていないのだから、自分は関わらない方がいいはずだ。変に関わると、注意を受けると思われる。
そう言うわけで、見て見ぬふりをした。先程の子猫はジョアンが連れて行ってしまったので、きっとあるべきところに連れて行ってくれるだろう。
「けど、今回その予定はないみたいよ。後宮の人数を減らすんですって。陛下はレイセン宮の方にしか興味ないから、後宮を縮小されるのは当然だって聞いたわ」
もっと人数を減らしたいと言うフォーエンの希望は通ったのか。皇帝の威厳が損なわれると反対は根強いと聞いていたが。
この後宮から出られて喜びを表わす者が多いといいのだが。
ウーランが遠ざかるのを見て、罪悪感か胸が痛んだ。後宮の縮小はかねてからのフォーエンの希望だ。そして、これからその内誰かを望むとしても、ウーランが選ばれることはない。
おそらく今後、ウの姫が選ばれると噂されている。その噂は理音の耳にも入った。未だ皇帝陛下が会いに来る気配はないが、ウの方を内大臣にして姫を後宮に入れたのだから、得体の知れないレイセン宮にいる者よりずっと妃に近いだろうと言われている。
「あら、やだ。どこから入ったのかしら」
渡り廊下の下で、子猫がにゃあんと鳴いた。真っ白な猫で、寒いのかぷるぷる震えながらこちらに寄ってくる。
「どなたかの猫かしら。首輪をしていないけれど」
「野良猫ちゃんですかね」
「後宮では許可を得た動物以外は取り締まられるのよ。野良猫なんて入られないはずなんだけど」
ルーシは言いながら、足元に身体を擦り寄せてくる子猫から逃げた。野良猫の場合病気を持っているかもしれないとのことだ。あと、猫が苦手らしい。子猫はもう一度にゃあんと鳴いて、擦り寄る相手を理音に変えた。
「リン。その猫、どっかやって来てよ。くずかごは私が持ってくから!」
半ば強制的に奪い取って、ルーシは逃げるように棟へ戻っていく。
ウの姫の棟はすぐそこなのだが、ルーシには耐えられなかったようだ。座り込んで子猫に手招きすると、じゃれてなあなあ鳴きながら、理音の指にパンチを繰り出してくる。
「はわー、かわいい」
まだ成長しきっていないからか首輪はしていないが、毛並みは綺麗で汚れもないように見えた。病気をしているような目にも見えないし、飼われている猫ではないのだろうか。
動物は勝手に増えると困るので、許可がない動物は飼うことができない。野良猫がいるはずはないのだと言うし、野良猫ではなさそうだ。
「さて、どうしようかなあ。迷子っぽいもんね。こう言うのって誰に言えばいいんだ?」
子猫を持ち上げて門へ行くか、ユイにでも聞くか迷う。子猫と言ってもそんなに小さいわけではないので、大人しくしてくれないと落としそうになる。
とりあえず一番近い場所にいるユイにどうするか聞こうとウの姫の棟へと歩むと、子猫がここぞとばかりに理音の腕から飛び出した。
「あ、こらこら」
建物の中に入れるわけにはいかない。そう思ったのだが、換気のために開いていた窓に飛び乗り、するりと廊下に入ってしまった。
急いで窓から入り込み、逃げていく猫を追いかける。窓から入ったのは誰にも見られていないと思う。子猫は悠々と廊下を歩み、理音が追いかけるとびくりとして走り出した。
「ちょ、まずいまずい。猫ちゃん」
これは大目玉を喰らう。そう思うのも束の間、子猫は入ってはいけない部屋へと進み、扉の隙間からするりと中に入ってしまった。
よりによって、その部屋!?である。子猫はまさかのウの姫の部屋に入ってしまったのだ。扉はしっかり閉まっていなかったようで、子猫が入るとパタリと閉まった。
追いかけた方がいいだろうか。部屋には近づくなと言われているので、この部屋に入ったことはない。しかし、野良猫かもしれないと言われている子猫を、姫の部屋に入れたまま放置するわけにもいかない。
仕方なく扉をノックする。もしウの姫が猫アレルギーだとしたら、大事件になってしまう。外にいた猫なので、その対応も必要かもしれない。ウの姫は自分と同じ環境の相手ではないので、どんなことが起きるかわからなかった。
ウの姫は中にいるはずだが返事がない。こう言う時に限って廊下を誰も通らない。
何度かノックをして、しかし返事がないため、理音は扉の中に入る決意をした。
「失礼します」
キイィと言う小さな音をたてて扉を開けて中を覗くと、レイセン宮の理音の部屋と同じ二間の部屋だった。広間には人はいない。豪華なテーブルや椅子、ソファがあり、飾られた梅の木が机の上に置かれている。
ジョアンが抱えて持つほどの花瓶が机の上に置いても違和感のない大きな机だが、それ以外に机には何も置かれず、広間の中も綺麗に片付けられて、人の気配が全くしなかった。
もしかして隣の部屋で眠っているのだろうか。声を掛けてみたが返事はなく、代わりに子猫の、にゃあん、が聞こえた。
「失礼します。女官のリンです。子猫が侵入してしまったので、お部屋に入らせていただきます」
聞こえているかわからないが、一応声を掛けて、広間に入る。子猫の鳴き声は隣の部屋から聞こえた。寝室に入るための扉が少しだけ開いており、そこから子猫が入ったのがわかる。
寝室の扉をノックする。しかし返事はない。
留守なのか、眠っているのか。だが、子猫がにゃあにゃあ鳴いて、暴れているような音が聞こえた。
引っ掻かれでもしたら大変だ。理音はノックをして入りますと声を掛けて中に入り込んだ。
部屋は寝室のための部屋で、大きなベッドと長椅子、小さなテーブルがあった。ベッドの天板から中を隠すように布が垂れ下がっていたが、猫が布を引っ張り中を見せていた。ベッドの布団は膨らみがなく、姫の姿は見えなかった。
肝心の子猫は、その布に爪を絡ませてしまったか、ベッドの上で踊るようににゃんにゃん鳴いている。
「暴れないで。今とってあげるから」
子猫の爪から布を取っていると、かちゃり、と隣から音がする。
誰か部屋に入ってきた。さすがにこの状態は絶対に怒られる。
布を取ると、再び子猫は逃げるようにベッドから飛び降り、広間への扉を擦り抜けていく。
「あら、どこから入ったの、お前」
この声はジョアンだ。これは大きな雷をもらうだろう。ため息混じりに広間へ行こうとしたら、扉からぷうんといい匂いがした。もうお昼の時間なのだ。姫のために食事を持ってきたのだろう。
かたり、と陶器が擦れる音がして、理音は扉を開けようとした手を止めた。
咀嚼している音がする。
姫の声はない。子猫に反応している様子はない。ジョアンが毒味をしているのだろうか。
そっと覗いた先、ジョアンがテーブル席に座り、猫を膝に乗せて食事を口にしていた。毒味ではなく、そのまま箸をつけて食事をしている。
この部屋は姫部屋だ。間違いない。しかしジョアンは当たり前に座り、姫の食事であろう食べ物を口にし、汁物を飲み込んだ。
しばらくして、布が擦れる音がし、猫の鳴き声と共に音が遠ざかる。扉を閉め、ジョアンが出て行ったのがわかった。
広間には誰もいない。食事をしたが跡が残っており、片付けずそのままにされていた。ジョアンは半分ほど食べており、毒味などではなく、食している。
理音は廊下を見回してそっと部屋を出た。ジョアンの姿はもう廊下にはない。しんとした廊下は誰も歩んでいなかった。
「えーと」
さて、どうしようか。
姫の食事をこっそり食べていた。残りを姫に食べさせるいじめ問題。
姫はどこかへこっそり出掛けている。それこそ理音と同じように、侵入捜査。
いやいや、どうなってるのか。首を左右にぶんぶん振って、その考えを捨てる。
フォーエンは知っていることなのか。いや、調べろと言われていないし、フォーエンの手であるユイもいるのだから、調べることになっても動くのはユイの方だろう。
「様子見るか…」
姫には会うことはないと言われていたのだし、何かあるのだろう。そこで何も言われていないのだから、自分は関わらない方がいいはずだ。変に関わると、注意を受けると思われる。
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