140 / 244
140 ー襲撃ー
しおりを挟む
「お早く、こちらへ!」
従者が数名、焦りながら理音を促す。
足元は砂地で走りにくい。紐履を履いていたが、それでも足が砂に取られて進みが悪かった。裾をまくってすねまで見せていたが、それをたしなめる者はいない。
従者の焦りは嘘には見えず、理音は抗うことなく、自分の荷物を背負って従者について行く。背にした馬車の運転手は馬を操り、理音の乗らない馬車を動かし始めた。
「時間稼ぎを致します。どうぞこちらへ!」
先導する男は砂場から岩場を指差した。それを眺める間に、馬車は別の方向へと走っていく。
時間稼ぎって、何のだ。
問う間もなく、馬の尻を叩く音と馬車が走る音が遠のいていく。後ろを振り向いたが、従者が無理に理音を引いて岩陰へと走らせたので、理音の視界から馬車は見えなくなった。
背丈ほどの岩が続くのは近くに川があるからだろう。生臭い匂いは川の匂いで、走っていると水の音が聞こえ、寝ている間に気付かなかった谷が近くにあった。
「ここで、身を、隠してください!」
走って息が切れたか、従者の一人がたどたどしく吐き出すように言った。少し丸めの、理音より身長の低い男だ。理音の背負っている荷物を気にするように、岩と岩の間へ押し込めようとする。
間の先から川の流れが耳に届く。しかしここから川は見えない。道の先がないので、若干低い位置に川が流れているようだった。
水音からすると流れは早い。降りても川を渡れるような深さではないのかもしれない。
「一体、どこの賊だ。あんな人数」
丸めの男が言った。それに反応するように、他の従者が理音の前で剣を構えた。
「この辺りに賊が出るなんて聞いたことがない。安全な道を通って来たはずなのに」
吐き捨てるような声は、剣に伝わるように震えた。
「あと少しで次の町に辿り着くところが、こんな場所で賊とは」
「どうぞ、奥へ隠れてください。声を上げぬように、身を潜めていてください」
従者たちは理音を背にして、岩陰の向こうを剣を握りながら伺った。切っ先は地面に向け、従者たちは唇を噛み締めて、ただ握る手に力を入れていた。
ぎらぎらとした目は赤く血走り、両眼を飛び出させんと賊のいる先を睨みつけている。
理音はその様を、ぼんやりと眺めた。
ああ、彼らは知らなかったのだ。自分が囮であることを。
理音を奥へと追いやって、彼らは戦う気なのだ。
「川へ飛び込めませんか!?」
理音の声に、従者たちがギラついた目をしたまま理音に振り向く。こわばった表情のまま、小さく左右に顔を振った。
「危険です。流れが早く深い。あなた様では溺れてしまう」
「賊の人数は多いんでしょう?だったら戦うより川に逃げて、運に任せた方がましじゃないですか」
「無理です。ここでお待ちください。皇帝陛下よりあなた様を必ずお護りするよう仰せつかっております」
仰せつかっていたら、賊相手に命を懸けて戦うのか。
「だから何ですか。着物を脱いで、身を軽くして」
川に飛び込むのに厚着の着物は邪魔だ。
いきなり脱ぎ出した理音に、従者たちがぎょっとして見せたが、脱ぐ手をやめるわけがない。どうせ走るにも動きづらい格好だった。
「勝てないなら、戦う必要なんてないです!着物をできるだけ脱いで!着ていたら泳げない」
とっとと脱ぎ散らかして、あと一枚脱げばタンクトップと短パンになると言うところで、それは飛んできた。
風が凪ぐ音と、金属が弾ける音。跳ね返って回転した矢を眺める間に、次の矢が肉を突き抜けた。
「ぐあっ!」
目の前の男の胸から吹いたのは朱色の液体で、勢いよく背中から倒れる身体が地面にぶつかると、跳ねるように朱色が舞った。
「お下がりください!」
立ちふさがる男の後ろで、理音は尻餅をついた。
手に触れた暖かな朱色は、ぬるりとした感触で、地面に転がる従者から溢れてくる。それがどうして流れているかなんて、わかりきったものだ。
金属のかする音と、岩に弾かれた音。それから、肉を貫通する鈍い音が耳に届く。
幾つかが地面に突き刺さり、また従者の皮膚を破る。それが止むと地面を叩く音が近づくのに気付いた。
馬にまたがった男たちが飛び降りて剣を抜く。その姿すら唖然と見つめて、従者の男たちが理音から離れて行くのを、口を開いたまま見つめた。
それは、無理だよ。
だって、全然人数が足りない。
そんなことを思う時間が、あまりにも長く感じた。
舞った血しぶきと、呆気なく倒れた従者たちが、まるで映画のワンシーンのようだと思った。
歩むのに邪魔だとそれらを蹴り転がし、男たちは理音にゆっくりと近づいてくる。
薄汚れて所々ほつれた着物に、毛皮のようなチョッキを着ている。髪はざんばらで、気持ち程度に後ろで結ばれていたが、肩に乗った黒の毛は野良猫の尻尾のように逆立っている。
ぷうんと臭ったのは汗や泥が混じったもので、その中に鉄の錆びたような匂いも感じた。
薄汚れた手には斧のような厚みのある剣があり、剣身から鈍い銀とどす黒い赤がまだらになって見えた。切っ先から赤黒い液体がぬるりと流れ、地面を汚していく。
集まってきた賊は概ねそんな風貌だ。明らかに粗野で小汚い、荒くれ者と言う雰囲気があり、むしろこれで賊でなかったら何なのかと言う男たちの集まりだった。
がつん、と持っていた剣の先を地面に落とす。振られた勢いで生々しい色が地面に飛ぶと、じわりと砂へ濁るように混じった。
「これがその女か」
「随分貧相だな」
残っていた丸めの男とその後ろにいた理音に、賊が嘲るように言い放つ。
言葉は耳に届いていたが、それに反応する身体はなかった。金縛りにあったかのようにただ呆然と見上げるしかなかった。
それに応えたのは、残っていた丸めの男だ。
剣を地面に下ろしたまま、立ち上がり、ただ理音の前にふらりと立ちはだかった。
「そうでございます!この女が、目的の女です!」
お待ちしておりましたと言わんばかりの言葉に、理音は更に唖然とした。
丸めの男の猫背を眺めれば、その背を男たちに向け理音を指差す。
「残るはこの女のみでございます。ご命令通り、とどめをさしてやってください」
何だそれ。
その言葉が口から出たかわからない。
どうして裏切るんですか?なんてしおらしい言葉はなかった。
ただ、何だそれ。としか言葉にできない。
何だそれ。お前が手引きしたのかよ。
この国って、どんだけ命の重さが軽いんだよ。
そう思った時には、丸めの男に体当たりを食らわせていた。
豚のような猪のような鳴き声を上げてもんどり打った男は、前にいた賊に転げるようにぶつかった。
狭い岩陰で丸めの男がその身体で通せんぼをしてくれる。
それを跨ごうとする賊を横目にしながら、次に見ていたのは前に流れる川だった。
泳ぎが得意とは言わない。祖父に付き合って星を見るために山へ登ることはあっても、川遊びは稀だ。行っても飛び込むような真似なんてしない。
川に飛び込むなんて危険だ。深さがある場所は流れが早いと相場が決まっている。従者も言っていたではないか。川は流れが早く、深い。
こんな岩陰にある川がどんな速さで深さなのか、想像もつかなかった。近くに山が見えても山際ではないのだから、川の流れなど大したことがないかもしれない。
それよりも、下が川ではなくて川岸なら、石だらけなら、怪我をするかもしれない。また膝をぼろぼろにして、顎まで打ち付けて血だらけになるかもしれない。
そんな心配を、ほんの数メートルの距離で頭の中を滑るように流した。
その答えを出さぬまま、理音は地面を蹴り上げた。
茶色の地面が、青の色に変わって、それが水だと気付いた後、飛び降りてから川に入るまでに数秒かかった気がした。
ドボンと入り込んだ先は泡だらけの青で、天井からの光の帯がすり抜けていく。伸ばした手は泡を巻き込み、指先にただ掠って遠のいた。
青のグラデーションのかかる水の中は、冷たいと思うより痛いと思った。それを感じている間もなく、押されるような重力を感じた。
苦しさが、何の苦しさなのか考えられなかった。
息ができなくて苦しいのか、流れに抗えずに急流にのまれているから痛くて苦しいのか、護ろうとしてくれた人たちがあまりにも簡単に倒れたから苦しいのか、助けようとしてくれたと思ったら裏切られて苦しいのか。
苦しさを感じている間は一瞬で、けれど長くもあって、それを考えている間に、全てが闇へと巻き込まれていった。
従者が数名、焦りながら理音を促す。
足元は砂地で走りにくい。紐履を履いていたが、それでも足が砂に取られて進みが悪かった。裾をまくってすねまで見せていたが、それをたしなめる者はいない。
従者の焦りは嘘には見えず、理音は抗うことなく、自分の荷物を背負って従者について行く。背にした馬車の運転手は馬を操り、理音の乗らない馬車を動かし始めた。
「時間稼ぎを致します。どうぞこちらへ!」
先導する男は砂場から岩場を指差した。それを眺める間に、馬車は別の方向へと走っていく。
時間稼ぎって、何のだ。
問う間もなく、馬の尻を叩く音と馬車が走る音が遠のいていく。後ろを振り向いたが、従者が無理に理音を引いて岩陰へと走らせたので、理音の視界から馬車は見えなくなった。
背丈ほどの岩が続くのは近くに川があるからだろう。生臭い匂いは川の匂いで、走っていると水の音が聞こえ、寝ている間に気付かなかった谷が近くにあった。
「ここで、身を、隠してください!」
走って息が切れたか、従者の一人がたどたどしく吐き出すように言った。少し丸めの、理音より身長の低い男だ。理音の背負っている荷物を気にするように、岩と岩の間へ押し込めようとする。
間の先から川の流れが耳に届く。しかしここから川は見えない。道の先がないので、若干低い位置に川が流れているようだった。
水音からすると流れは早い。降りても川を渡れるような深さではないのかもしれない。
「一体、どこの賊だ。あんな人数」
丸めの男が言った。それに反応するように、他の従者が理音の前で剣を構えた。
「この辺りに賊が出るなんて聞いたことがない。安全な道を通って来たはずなのに」
吐き捨てるような声は、剣に伝わるように震えた。
「あと少しで次の町に辿り着くところが、こんな場所で賊とは」
「どうぞ、奥へ隠れてください。声を上げぬように、身を潜めていてください」
従者たちは理音を背にして、岩陰の向こうを剣を握りながら伺った。切っ先は地面に向け、従者たちは唇を噛み締めて、ただ握る手に力を入れていた。
ぎらぎらとした目は赤く血走り、両眼を飛び出させんと賊のいる先を睨みつけている。
理音はその様を、ぼんやりと眺めた。
ああ、彼らは知らなかったのだ。自分が囮であることを。
理音を奥へと追いやって、彼らは戦う気なのだ。
「川へ飛び込めませんか!?」
理音の声に、従者たちがギラついた目をしたまま理音に振り向く。こわばった表情のまま、小さく左右に顔を振った。
「危険です。流れが早く深い。あなた様では溺れてしまう」
「賊の人数は多いんでしょう?だったら戦うより川に逃げて、運に任せた方がましじゃないですか」
「無理です。ここでお待ちください。皇帝陛下よりあなた様を必ずお護りするよう仰せつかっております」
仰せつかっていたら、賊相手に命を懸けて戦うのか。
「だから何ですか。着物を脱いで、身を軽くして」
川に飛び込むのに厚着の着物は邪魔だ。
いきなり脱ぎ出した理音に、従者たちがぎょっとして見せたが、脱ぐ手をやめるわけがない。どうせ走るにも動きづらい格好だった。
「勝てないなら、戦う必要なんてないです!着物をできるだけ脱いで!着ていたら泳げない」
とっとと脱ぎ散らかして、あと一枚脱げばタンクトップと短パンになると言うところで、それは飛んできた。
風が凪ぐ音と、金属が弾ける音。跳ね返って回転した矢を眺める間に、次の矢が肉を突き抜けた。
「ぐあっ!」
目の前の男の胸から吹いたのは朱色の液体で、勢いよく背中から倒れる身体が地面にぶつかると、跳ねるように朱色が舞った。
「お下がりください!」
立ちふさがる男の後ろで、理音は尻餅をついた。
手に触れた暖かな朱色は、ぬるりとした感触で、地面に転がる従者から溢れてくる。それがどうして流れているかなんて、わかりきったものだ。
金属のかする音と、岩に弾かれた音。それから、肉を貫通する鈍い音が耳に届く。
幾つかが地面に突き刺さり、また従者の皮膚を破る。それが止むと地面を叩く音が近づくのに気付いた。
馬にまたがった男たちが飛び降りて剣を抜く。その姿すら唖然と見つめて、従者の男たちが理音から離れて行くのを、口を開いたまま見つめた。
それは、無理だよ。
だって、全然人数が足りない。
そんなことを思う時間が、あまりにも長く感じた。
舞った血しぶきと、呆気なく倒れた従者たちが、まるで映画のワンシーンのようだと思った。
歩むのに邪魔だとそれらを蹴り転がし、男たちは理音にゆっくりと近づいてくる。
薄汚れて所々ほつれた着物に、毛皮のようなチョッキを着ている。髪はざんばらで、気持ち程度に後ろで結ばれていたが、肩に乗った黒の毛は野良猫の尻尾のように逆立っている。
ぷうんと臭ったのは汗や泥が混じったもので、その中に鉄の錆びたような匂いも感じた。
薄汚れた手には斧のような厚みのある剣があり、剣身から鈍い銀とどす黒い赤がまだらになって見えた。切っ先から赤黒い液体がぬるりと流れ、地面を汚していく。
集まってきた賊は概ねそんな風貌だ。明らかに粗野で小汚い、荒くれ者と言う雰囲気があり、むしろこれで賊でなかったら何なのかと言う男たちの集まりだった。
がつん、と持っていた剣の先を地面に落とす。振られた勢いで生々しい色が地面に飛ぶと、じわりと砂へ濁るように混じった。
「これがその女か」
「随分貧相だな」
残っていた丸めの男とその後ろにいた理音に、賊が嘲るように言い放つ。
言葉は耳に届いていたが、それに反応する身体はなかった。金縛りにあったかのようにただ呆然と見上げるしかなかった。
それに応えたのは、残っていた丸めの男だ。
剣を地面に下ろしたまま、立ち上がり、ただ理音の前にふらりと立ちはだかった。
「そうでございます!この女が、目的の女です!」
お待ちしておりましたと言わんばかりの言葉に、理音は更に唖然とした。
丸めの男の猫背を眺めれば、その背を男たちに向け理音を指差す。
「残るはこの女のみでございます。ご命令通り、とどめをさしてやってください」
何だそれ。
その言葉が口から出たかわからない。
どうして裏切るんですか?なんてしおらしい言葉はなかった。
ただ、何だそれ。としか言葉にできない。
何だそれ。お前が手引きしたのかよ。
この国って、どんだけ命の重さが軽いんだよ。
そう思った時には、丸めの男に体当たりを食らわせていた。
豚のような猪のような鳴き声を上げてもんどり打った男は、前にいた賊に転げるようにぶつかった。
狭い岩陰で丸めの男がその身体で通せんぼをしてくれる。
それを跨ごうとする賊を横目にしながら、次に見ていたのは前に流れる川だった。
泳ぎが得意とは言わない。祖父に付き合って星を見るために山へ登ることはあっても、川遊びは稀だ。行っても飛び込むような真似なんてしない。
川に飛び込むなんて危険だ。深さがある場所は流れが早いと相場が決まっている。従者も言っていたではないか。川は流れが早く、深い。
こんな岩陰にある川がどんな速さで深さなのか、想像もつかなかった。近くに山が見えても山際ではないのだから、川の流れなど大したことがないかもしれない。
それよりも、下が川ではなくて川岸なら、石だらけなら、怪我をするかもしれない。また膝をぼろぼろにして、顎まで打ち付けて血だらけになるかもしれない。
そんな心配を、ほんの数メートルの距離で頭の中を滑るように流した。
その答えを出さぬまま、理音は地面を蹴り上げた。
茶色の地面が、青の色に変わって、それが水だと気付いた後、飛び降りてから川に入るまでに数秒かかった気がした。
ドボンと入り込んだ先は泡だらけの青で、天井からの光の帯がすり抜けていく。伸ばした手は泡を巻き込み、指先にただ掠って遠のいた。
青のグラデーションのかかる水の中は、冷たいと思うより痛いと思った。それを感じている間もなく、押されるような重力を感じた。
苦しさが、何の苦しさなのか考えられなかった。
息ができなくて苦しいのか、流れに抗えずに急流にのまれているから痛くて苦しいのか、護ろうとしてくれた人たちがあまりにも簡単に倒れたから苦しいのか、助けようとしてくれたと思ったら裏切られて苦しいのか。
苦しさを感じている間は一瞬で、けれど長くもあって、それを考えている間に、全てが闇へと巻き込まれていった。
0
お気に入りに追加
79
あなたにおすすめの小説
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
【R18】幼馴染な陛下は、わたくしのおっぱいお好きですか?💕
月極まろん
恋愛
幼なじみの陛下に告白したら、両思いだと分かったので、甘々な毎日になりました。
でも陛下、本当にわたくしに御不満はございませんか?
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる