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朱色の円柱と続く白壁。草模様の格子が装飾のようにはめられている円形の窓が、間隔をあけて並んでいる。
こちらでよく見る形式の廊下を、理音を担いだままフォーエンは歩んだ。
どこからか漂う花の香りは炊かれた香の匂いで、円柱の足元にある小さな穴に隠された香炉で炊かれていた。
いつもは仄かに香るのに、今日は一段と強い香りに感じるのは気のせいではないだろう。
槍を持った兵が守る扉をくぐり廊下を通ると、その香りで鉄の錆びた匂いが薄れた。
次の門に差し掛かる時、フォーエンは足を止めた。前にいた兵士がその重厚な扉をゆっくりと開ける。
大仰な音は、その扉の重みを知らせた。
柱と同じく、朱色に塗られた鉄の門。その先は回廊となり、幾つかに分岐している。
いつも通る道以外、どこに辿り着くかは知らない。けれど同じ道を通れば、知っている館へと入ることができる。
フォーエンはゆっくりと理音を肩から下ろすと、するりと指先で頰を撫でた。
頰が赤く染まったかもしれないが、つねられたせいで既に赤いので、フォーエンは何も気づかないはずだ。
会いたかった人が目の前にいる。突然現れて敵を一瞬で倒したなんて、どこのヒーローだろうか。
しかし、この国の皇帝様である。その皇帝様が手を伸ばさずとも触れられるところにいて、むしろ皇帝様から頰に触れるのだ。
それが当たり前だった。なのに、ずっと会うことすら叶わなかった。
だからだろうか、何も考えずに体が動いていた。
巻きついた腰は鎧越しで、いつもよりずっと太身の腰回りだった。柔らかみのない金属に顔を埋めたかったが、飛びつくように抱きしめたので、額をぶつけた。
間抜けな顔で跳ね返ると、フォーエンは一瞬真顔になったが、その後完全に笑いを堪えていた。
悪かったな、雰囲気を大事にできないキャラで。
フォーエンは笑いを噛み殺しながら、跳ね返った理音の背にそっと腕を回した。跳ね返らない程度にゆるりと抱きしめて、理音の頭に頰を寄せた。
微かに鼻腔につく、錆びた匂い。
フォーエンが皇帝であるために、行わねばならない戦い。
その身を投じて、行う戦いだ。
背中に回った手の温度が、彼が生きている証拠だった。その温もりに、泣きそうになる。
生きて、会えた。もう二度と会えないと思っていたのに。
こちらに二度来ることになっても、会えるような場所に到着しなかった。
言葉がわかっても、時代すら違うと思っていた。
誰かのツテがなければ、この城に入ることすら許されない。そこにいると知っていても、会うことはあり得ない身分差だ。
本来なら姿を見ることすらできない、遠い存在。
けれど、会えた。
それが、何よりも嬉しかった。
どれくらい抱きしめられていただろうか。
段々と冷静さを取り戻して、理音はそろりと顔を上げた。
仰いだ先、接近しすぎたフォーエンのまつ毛の数すら数えられそうな近さで、美しさに恐れおののきそうになる。
戦いに身を投じる勇気と腕を持ちながら、女神のように美しい。まるで人を惑わす妖女のようで、しかし実際は、鬼神のごとく信念を持ち断罪する力を持つ者である。
会えていなかった分感じる、引力のように惹きつけられる、その存在。
「怪我はないな」
フォーエンは微かに目を細めて問うた。確信に満ちた声だったが、念のため聞いたのだろう。理音は無言で頷く。
自分の体温が高くなる気がする。気のせいではないだろう。触れられた場所と頰が熱を持った。
もう一度確かめるように、フォーエンは顔の輪郭を撫で、顎に触れたまま、そこで停止した。
言葉を発さず、何を言うこともない。ただフォーエンは目を細めるだけ。言葉もないので、その視線から逃れたくなる。
紺色の、夜の闇のように美しい、吸い込まれそうになる深い色。
吸い寄せられて、捕らえられたら、離れることなんてできない。
まるでブラックホールだ。なんて、天文部っぽいことが頭によぎって、それを押しのける形で視線を避けた。
「フォーエンは!?怪我ない!?」
おそらくフォーエンに怪我はない。所々鎧や着物に滲んだどす黒い血の跡に傷はなかった。返り血が付いているだけだろう。だから怪我がないことはわかっていたが、言葉がないので照れ隠しに問いかけた。
しかし、フォーエンは何かが気に食わなかったらしく、口をへの字にしてきた。
何だその顔。
「怪我などない」
不機嫌に言い放って、そうして、眉を寄せた。
何を怒っているのだ。怪我がなくて当然だと言いたいのだろうか。
言葉がわかるのに、フォーエンはやはり言葉を発しない。元々話すのが嫌いなのだろうか。
眉を寄せたままで、フォーエンは理音の後ろを指差す。差された方向は知っている道だ。
この回廊の先、まあ幾つかの分岐があるわけだが、先には理音がしばらく住んでいた屋敷がある。
それがわかるだろうと、ちらりと理音を横目で見た。
「一人で行くの?」
ここで足を止めたと言うことは、一人で戻れと言うことだ。理音を一人、屋敷に戻らせて、フォーエンは今来た道を戻る。
「私が戻るまで、静かにしていろ。勝手に抜け出すなよ?」
そう言って、顔を寄せると、当たり前のように理音の首筋に触れた。それが離れてフォーエンの濃紺の瞳と目があった時、やっと口付けだと気づいた。
「な、何。何っ!?」
「何がだ?」
何がだではない。バックステップで飛び跳ねたが、フォーエンはいつの間にか人の腰を支えていて、そこから抜け出すことはできなかった。当たり前のように腰に手を添えて首筋に口付ける男である。
微かな温度が首筋に残って、理音の頰を染めた。何度も言うが、頰をつねられたせいで、頰を染めたことは気づかれていないはずだ。そうであってほしい。
たまにこういうことをする男である。それを忘れていた。
「お前がいた宮に、ツワが控えている。いいな、私が戻るまで、そこから抜け出すな」
麗しい顔で凄まれても、怖さより見てはいけないものを見た気しかしない。だから、むやみやたら人を落とす顔を見せないでほしい。
さっと目を逸らすと、頭を片手で鷲掴みされた。
「い・い・な?」
「わか、わかった!わかったから!」
フォーエンは絶対だぞと、念を押す。ついでに人を信じていない目を向けてくる。
じゃあ、さっさと戻ってこいよと言いたいが、言ったら顔面を掴まれそうなのでやめておいた。相変わらず疑ぐり深い男だ。
どんな話し方をするのか知らないのに、やはり想像通りの男だと思うと、内心緩むものがある。ついそれが顔に出て、フォーエンは青筋を立てて片手に力を込めた。
「います!います!」
ほとんど脅しである。理音の返事に、フォーエンは目を眇めて疑り深い横目を向けて踵を返した。
返そうとして、まだ信用ならないと、もう一度こちらに振り向く。
「余計な真似をせず、大人しくしていろ」
しつこい男である。目を眇めて言ってくる辺り、信じている顔ではない。どんだけだ。
そうして、何か思い立ったと、一瞬表情が変わった。それをいやらしい顔で隠す。否、明らかに何かを思い付き、実行しようとする顔をして近づいた。
「な、何。何!?」
絶対頰をつねられる。そんな意地悪い顔をしている。フォーエンは理音の襟首をいきなり掴むと、大きく口を開けた。
「いだーーーーっ!!」
がぶり、と首元にフォーエンがかぶりついた。
甘噛みではない。りんごでもかじるように、がっつりと噛み付いてくれたのだ。
しばらく噛み付いたのち、フォーエンは満足気に鼻を鳴らす。
しかも、痛みに悶える理音を見ると、細目を見せて緩やかな笑みを浮かべたのだ。
真性サドである。
人の首にかぶりついておきながら、無駄にキラキラ光る攻撃をしてくる。意味がわからない。
眩しさに目が眩むとはこのことである。フォーエンは人の心知らずと、今度は理音の頭を引き寄せて、あろうことか額に口付けた。
「忘れるなよ。宮で私を待っていろ」
そうして、フォーエンはやっと理音に背を向け、来た道を戻ったのだ。
え、何なの。ツンでデレなの?
呆然とする理音に振り向きもしない。
人の首に噛み付いて嬉しそうな表情をさせて、更に額に口付けとは。全くもって意図がわからない。嫌がらせをしてきたのだろうか。そうとしか思えない。
首元が痛いのに、なのに口付けられた額が熱い。痛んだ首よりも額を抑えて、理音は遠く離れたフォーエンの背を追った。
頰はずっと赤くなっているはずだ。つねられたよりずっと。
久しぶりに会えた彼は、相変わらず人の心をかき乱していく。
戻ってきて、結局気づくだけだ。
好きで好きで、仕方ないことを。
ただ、気づかされた。
こちらでよく見る形式の廊下を、理音を担いだままフォーエンは歩んだ。
どこからか漂う花の香りは炊かれた香の匂いで、円柱の足元にある小さな穴に隠された香炉で炊かれていた。
いつもは仄かに香るのに、今日は一段と強い香りに感じるのは気のせいではないだろう。
槍を持った兵が守る扉をくぐり廊下を通ると、その香りで鉄の錆びた匂いが薄れた。
次の門に差し掛かる時、フォーエンは足を止めた。前にいた兵士がその重厚な扉をゆっくりと開ける。
大仰な音は、その扉の重みを知らせた。
柱と同じく、朱色に塗られた鉄の門。その先は回廊となり、幾つかに分岐している。
いつも通る道以外、どこに辿り着くかは知らない。けれど同じ道を通れば、知っている館へと入ることができる。
フォーエンはゆっくりと理音を肩から下ろすと、するりと指先で頰を撫でた。
頰が赤く染まったかもしれないが、つねられたせいで既に赤いので、フォーエンは何も気づかないはずだ。
会いたかった人が目の前にいる。突然現れて敵を一瞬で倒したなんて、どこのヒーローだろうか。
しかし、この国の皇帝様である。その皇帝様が手を伸ばさずとも触れられるところにいて、むしろ皇帝様から頰に触れるのだ。
それが当たり前だった。なのに、ずっと会うことすら叶わなかった。
だからだろうか、何も考えずに体が動いていた。
巻きついた腰は鎧越しで、いつもよりずっと太身の腰回りだった。柔らかみのない金属に顔を埋めたかったが、飛びつくように抱きしめたので、額をぶつけた。
間抜けな顔で跳ね返ると、フォーエンは一瞬真顔になったが、その後完全に笑いを堪えていた。
悪かったな、雰囲気を大事にできないキャラで。
フォーエンは笑いを噛み殺しながら、跳ね返った理音の背にそっと腕を回した。跳ね返らない程度にゆるりと抱きしめて、理音の頭に頰を寄せた。
微かに鼻腔につく、錆びた匂い。
フォーエンが皇帝であるために、行わねばならない戦い。
その身を投じて、行う戦いだ。
背中に回った手の温度が、彼が生きている証拠だった。その温もりに、泣きそうになる。
生きて、会えた。もう二度と会えないと思っていたのに。
こちらに二度来ることになっても、会えるような場所に到着しなかった。
言葉がわかっても、時代すら違うと思っていた。
誰かのツテがなければ、この城に入ることすら許されない。そこにいると知っていても、会うことはあり得ない身分差だ。
本来なら姿を見ることすらできない、遠い存在。
けれど、会えた。
それが、何よりも嬉しかった。
どれくらい抱きしめられていただろうか。
段々と冷静さを取り戻して、理音はそろりと顔を上げた。
仰いだ先、接近しすぎたフォーエンのまつ毛の数すら数えられそうな近さで、美しさに恐れおののきそうになる。
戦いに身を投じる勇気と腕を持ちながら、女神のように美しい。まるで人を惑わす妖女のようで、しかし実際は、鬼神のごとく信念を持ち断罪する力を持つ者である。
会えていなかった分感じる、引力のように惹きつけられる、その存在。
「怪我はないな」
フォーエンは微かに目を細めて問うた。確信に満ちた声だったが、念のため聞いたのだろう。理音は無言で頷く。
自分の体温が高くなる気がする。気のせいではないだろう。触れられた場所と頰が熱を持った。
もう一度確かめるように、フォーエンは顔の輪郭を撫で、顎に触れたまま、そこで停止した。
言葉を発さず、何を言うこともない。ただフォーエンは目を細めるだけ。言葉もないので、その視線から逃れたくなる。
紺色の、夜の闇のように美しい、吸い込まれそうになる深い色。
吸い寄せられて、捕らえられたら、離れることなんてできない。
まるでブラックホールだ。なんて、天文部っぽいことが頭によぎって、それを押しのける形で視線を避けた。
「フォーエンは!?怪我ない!?」
おそらくフォーエンに怪我はない。所々鎧や着物に滲んだどす黒い血の跡に傷はなかった。返り血が付いているだけだろう。だから怪我がないことはわかっていたが、言葉がないので照れ隠しに問いかけた。
しかし、フォーエンは何かが気に食わなかったらしく、口をへの字にしてきた。
何だその顔。
「怪我などない」
不機嫌に言い放って、そうして、眉を寄せた。
何を怒っているのだ。怪我がなくて当然だと言いたいのだろうか。
言葉がわかるのに、フォーエンはやはり言葉を発しない。元々話すのが嫌いなのだろうか。
眉を寄せたままで、フォーエンは理音の後ろを指差す。差された方向は知っている道だ。
この回廊の先、まあ幾つかの分岐があるわけだが、先には理音がしばらく住んでいた屋敷がある。
それがわかるだろうと、ちらりと理音を横目で見た。
「一人で行くの?」
ここで足を止めたと言うことは、一人で戻れと言うことだ。理音を一人、屋敷に戻らせて、フォーエンは今来た道を戻る。
「私が戻るまで、静かにしていろ。勝手に抜け出すなよ?」
そう言って、顔を寄せると、当たり前のように理音の首筋に触れた。それが離れてフォーエンの濃紺の瞳と目があった時、やっと口付けだと気づいた。
「な、何。何っ!?」
「何がだ?」
何がだではない。バックステップで飛び跳ねたが、フォーエンはいつの間にか人の腰を支えていて、そこから抜け出すことはできなかった。当たり前のように腰に手を添えて首筋に口付ける男である。
微かな温度が首筋に残って、理音の頰を染めた。何度も言うが、頰をつねられたせいで、頰を染めたことは気づかれていないはずだ。そうであってほしい。
たまにこういうことをする男である。それを忘れていた。
「お前がいた宮に、ツワが控えている。いいな、私が戻るまで、そこから抜け出すな」
麗しい顔で凄まれても、怖さより見てはいけないものを見た気しかしない。だから、むやみやたら人を落とす顔を見せないでほしい。
さっと目を逸らすと、頭を片手で鷲掴みされた。
「い・い・な?」
「わか、わかった!わかったから!」
フォーエンは絶対だぞと、念を押す。ついでに人を信じていない目を向けてくる。
じゃあ、さっさと戻ってこいよと言いたいが、言ったら顔面を掴まれそうなのでやめておいた。相変わらず疑ぐり深い男だ。
どんな話し方をするのか知らないのに、やはり想像通りの男だと思うと、内心緩むものがある。ついそれが顔に出て、フォーエンは青筋を立てて片手に力を込めた。
「います!います!」
ほとんど脅しである。理音の返事に、フォーエンは目を眇めて疑り深い横目を向けて踵を返した。
返そうとして、まだ信用ならないと、もう一度こちらに振り向く。
「余計な真似をせず、大人しくしていろ」
しつこい男である。目を眇めて言ってくる辺り、信じている顔ではない。どんだけだ。
そうして、何か思い立ったと、一瞬表情が変わった。それをいやらしい顔で隠す。否、明らかに何かを思い付き、実行しようとする顔をして近づいた。
「な、何。何!?」
絶対頰をつねられる。そんな意地悪い顔をしている。フォーエンは理音の襟首をいきなり掴むと、大きく口を開けた。
「いだーーーーっ!!」
がぶり、と首元にフォーエンがかぶりついた。
甘噛みではない。りんごでもかじるように、がっつりと噛み付いてくれたのだ。
しばらく噛み付いたのち、フォーエンは満足気に鼻を鳴らす。
しかも、痛みに悶える理音を見ると、細目を見せて緩やかな笑みを浮かべたのだ。
真性サドである。
人の首にかぶりついておきながら、無駄にキラキラ光る攻撃をしてくる。意味がわからない。
眩しさに目が眩むとはこのことである。フォーエンは人の心知らずと、今度は理音の頭を引き寄せて、あろうことか額に口付けた。
「忘れるなよ。宮で私を待っていろ」
そうして、フォーエンはやっと理音に背を向け、来た道を戻ったのだ。
え、何なの。ツンでデレなの?
呆然とする理音に振り向きもしない。
人の首に噛み付いて嬉しそうな表情をさせて、更に額に口付けとは。全くもって意図がわからない。嫌がらせをしてきたのだろうか。そうとしか思えない。
首元が痛いのに、なのに口付けられた額が熱い。痛んだ首よりも額を抑えて、理音は遠く離れたフォーエンの背を追った。
頰はずっと赤くなっているはずだ。つねられたよりずっと。
久しぶりに会えた彼は、相変わらず人の心をかき乱していく。
戻ってきて、結局気づくだけだ。
好きで好きで、仕方ないことを。
ただ、気づかされた。
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