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92 ー自分ー
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アンテイ門。
そこを行き来するかもしれない。そこが一番手薄な門であると。
市民を巻き込むならば、王宮への道を開けなければならない。そこが開けば、群衆心理において入り込もうとする市民が流れ込める。
犯人たちは誘導するだろう。そこが開いていれば入れるかもしれない。
火は空を黒へと染めていく。火の数も多くなってきた。一体何人の者が放火をしているのだろうか。風のせいで状況が悪くなっている。
騒ぎに人が溢れてきていた。火を消しにそちらへ走る姿も見られる。
進んでいく先で同じ言葉が耳に届いた。皇帝が放火を命令したのだと。
そんなはずないのに。よく考えればありえないことなのに。
混乱した状態では、誰もが耳を傾けてしまう。
火の手は市民の暮らす市街地にばかり上がっていた。高位の者たちが住まう場所ではない。そちらにはきっと兵士が集まっているだろう。
市民の火事には対応しないのか。そう思っている矢先、鎧を纏った兵士たちが火消しに走った。市民に何かすることは想定していたのだろうか。フォーエンの命令に違いないと、理音は彼らが来た方向へ進んだ。
民衆に紛れて兵士が走る。風上に人々を誘導し始めていた。
それほどの混乱にはならないかもしれない。けれど火は風に乗って風下へと広がっていく。兵士たちは手漕ぎのポンプのようなものを使い、水をかけてそれを治めようとする。
「あつ…」
熱風がどこからか流れてくる。消してもどこかで火がつくのか、一向におさまる様子が見えない。
大通りは人が溢れてきたため、理音は小道へと走った。知らない道だが王宮の方向はわかる。火の気のない方へと進んでいくと、理音はそれを目撃した。
「あんた、何してんのよ!」
木屑を山にして、男が石を叩いている。そこから赤い色が見えて理音は叫んだ。それに気づいた男が、焦ったように逃げていく。
火は一瞬で燃え上がった。油でも染み込ませていたのかもしれない。
「誰か!火をつけられた!誰か、来て!」
理音の声と燃えていく木屑に、誰かが声を上げる。それにつられて更に人が現れ、騒ぎになった。
あれだけ人が来れば、誰かが火を消すだろう。
だから理音は走り出した。あれが誰にやられたのか、見たのは自分だ。男は背中に荷物を背負っていた。こげ茶の背を隠す大きな荷物の中に、放火用の材料が入ってるのだ。
油と木屑を背負ってあちこち火をつけ回っているのならば、行く方向がどちらか検討はつく。
火のない方へ走っていったのを見て、そちらへと続いた。
荷物があればそこまで早く走れまい。理音も足が早い方ではないが、男はきっと人気のないところで、また火をつけるはずだ。
男が走っていった方向に進むと、そこはなぜか戦いの場だった。鎧を着た兵士が色の違がう鎧を着た兵士と戦っているのだ。
「こんなとこで」
こちらはまだ市街地だ。騒ぎを治める兵士たちと、市民たちを誘導するための兵士たちが集まってきていたのだろうか。フォーエンを信じて騒ぎを治める兵士たちと、火事に乗じてフォーエンを敵と偽り、非道な行いに怒る市民たちを王宮へと誘うための兵士たちの戦いだ。
アンテイ門はここから近い。そうであれば兵士たちが戦っているのは頷ける。
戦いの隙間を縫って行くのは無理だった。迂回して別の小道へと入っていく。しかし、そこで座り込んでいる男の姿を見て、理音はとっさに側にあった木の棒を握りしめた。
やれるかどうか。
男の頭を、叩き割るほど殴れるかどうか。
それができるかできないかで、自分がここに他人事でいるのか、そうでないかがわかるだろう。
だから走った。走りながら振りかぶった。逃げられるならば、ここで叩きのめす。それをしなければならなかった。
ガツンと鳴ったその音が地面を叩きつけた音で、男が仰け反りながら避けていても、それを止めたりはしなかった。
「この、」
振った棒の先が、男のこめかみを掠っていく。けれど致命傷には至らない。男は腰にある刀に手を伸ばした。それを抜かれる前に振りかぶる。しかし、男の抜く手の方が早い。抜き身の刃が空を擦り、理音の目の前を過ぎていく。
否、握っていた棒にめり込み、男がそこに力を入れた。押された力に棒を離しそうになる。けれどここで棒を手放せば、自分を守るものがなくなる。
力をかけられた状態で背中が壁にぶつかった。男の顔が近づいて、唇を舐める仕草に寒気がした。
自分の武器はこの棒で、あとやれることが一つしかない。
「ぎゃっ!」
膝が急所に入り、男がうずくまる。その足をもう一度蹴り上げると、見事に男の顎にヒットした。けれど、力が足りずに男は尻餅をついただけだ。だから、棒をもう一度振り上げた。
刀がついてようと気にもしない。
まるで野球のバッティングのように、振り抜いた棒は男の頭を直撃し、頭は棒と同じ方向へと滑りこんだ。
息が上がり、やってしまったことよりも、次をどうするのかが頭を巡った。
男はまだ生きている。男の着物の帯を無理やり引き抜いて腕を取ると、近くの建物の柱へと引きずり寄せた。
手首に帯を巻きつけて、柱に絡ませると、そのまま縛り上げる。帯で緩みそうだったのでとにかくきつく結んでやると、物足りないと男の着物の裾を頭まで引っ張って、更にそれを柱に結びつけてやった。
刀を拾ったが、棒にはまったままで中々抜けない。仕方ないので、それを側の家の屋根に投げた。雨どいに引っかかり落ちてこないのを確認する。
これで武器は使えない。できればこの男を兵士に渡したいが、放置することにした。
男は自分の着ている着物に頭を包まれて、下着姿の下半身を出したまま間抜けに気を失っていた。その内目が覚めても、腕が縛られてしばらく逃げることはできないだろう。おかしな格好の不審者に誰かが声をかけるはずだ。その時荷物に気づかれて、放火の犯人だとわかればいい。
理音は興奮で息が上がったままだった。
運がよかっただけだ。棒に刀がはまったりしなければ、自分は斬られていた。
怖い。
怖いに決まっている。
これは他人事ではない。
自分が自分で経験していることなのだ。
震える腕を抑えて通りへと出ると、兵士たちが近くで戦っていた。その戦いもどちらかに優勢になっていた。
地面に倒れこんだ兵士は身動き一つしない。その周りを、刀を交えながら別の兵士が過ぎていく。
現実だ。
フォーエンもきっと戦っている。
今行かなければ後悔する。
会えないことを望んだけれど、彼が死ぬことで会えなくなることとは話が違った。
そこを行き来するかもしれない。そこが一番手薄な門であると。
市民を巻き込むならば、王宮への道を開けなければならない。そこが開けば、群衆心理において入り込もうとする市民が流れ込める。
犯人たちは誘導するだろう。そこが開いていれば入れるかもしれない。
火は空を黒へと染めていく。火の数も多くなってきた。一体何人の者が放火をしているのだろうか。風のせいで状況が悪くなっている。
騒ぎに人が溢れてきていた。火を消しにそちらへ走る姿も見られる。
進んでいく先で同じ言葉が耳に届いた。皇帝が放火を命令したのだと。
そんなはずないのに。よく考えればありえないことなのに。
混乱した状態では、誰もが耳を傾けてしまう。
火の手は市民の暮らす市街地にばかり上がっていた。高位の者たちが住まう場所ではない。そちらにはきっと兵士が集まっているだろう。
市民の火事には対応しないのか。そう思っている矢先、鎧を纏った兵士たちが火消しに走った。市民に何かすることは想定していたのだろうか。フォーエンの命令に違いないと、理音は彼らが来た方向へ進んだ。
民衆に紛れて兵士が走る。風上に人々を誘導し始めていた。
それほどの混乱にはならないかもしれない。けれど火は風に乗って風下へと広がっていく。兵士たちは手漕ぎのポンプのようなものを使い、水をかけてそれを治めようとする。
「あつ…」
熱風がどこからか流れてくる。消してもどこかで火がつくのか、一向におさまる様子が見えない。
大通りは人が溢れてきたため、理音は小道へと走った。知らない道だが王宮の方向はわかる。火の気のない方へと進んでいくと、理音はそれを目撃した。
「あんた、何してんのよ!」
木屑を山にして、男が石を叩いている。そこから赤い色が見えて理音は叫んだ。それに気づいた男が、焦ったように逃げていく。
火は一瞬で燃え上がった。油でも染み込ませていたのかもしれない。
「誰か!火をつけられた!誰か、来て!」
理音の声と燃えていく木屑に、誰かが声を上げる。それにつられて更に人が現れ、騒ぎになった。
あれだけ人が来れば、誰かが火を消すだろう。
だから理音は走り出した。あれが誰にやられたのか、見たのは自分だ。男は背中に荷物を背負っていた。こげ茶の背を隠す大きな荷物の中に、放火用の材料が入ってるのだ。
油と木屑を背負ってあちこち火をつけ回っているのならば、行く方向がどちらか検討はつく。
火のない方へ走っていったのを見て、そちらへと続いた。
荷物があればそこまで早く走れまい。理音も足が早い方ではないが、男はきっと人気のないところで、また火をつけるはずだ。
男が走っていった方向に進むと、そこはなぜか戦いの場だった。鎧を着た兵士が色の違がう鎧を着た兵士と戦っているのだ。
「こんなとこで」
こちらはまだ市街地だ。騒ぎを治める兵士たちと、市民たちを誘導するための兵士たちが集まってきていたのだろうか。フォーエンを信じて騒ぎを治める兵士たちと、火事に乗じてフォーエンを敵と偽り、非道な行いに怒る市民たちを王宮へと誘うための兵士たちの戦いだ。
アンテイ門はここから近い。そうであれば兵士たちが戦っているのは頷ける。
戦いの隙間を縫って行くのは無理だった。迂回して別の小道へと入っていく。しかし、そこで座り込んでいる男の姿を見て、理音はとっさに側にあった木の棒を握りしめた。
やれるかどうか。
男の頭を、叩き割るほど殴れるかどうか。
それができるかできないかで、自分がここに他人事でいるのか、そうでないかがわかるだろう。
だから走った。走りながら振りかぶった。逃げられるならば、ここで叩きのめす。それをしなければならなかった。
ガツンと鳴ったその音が地面を叩きつけた音で、男が仰け反りながら避けていても、それを止めたりはしなかった。
「この、」
振った棒の先が、男のこめかみを掠っていく。けれど致命傷には至らない。男は腰にある刀に手を伸ばした。それを抜かれる前に振りかぶる。しかし、男の抜く手の方が早い。抜き身の刃が空を擦り、理音の目の前を過ぎていく。
否、握っていた棒にめり込み、男がそこに力を入れた。押された力に棒を離しそうになる。けれどここで棒を手放せば、自分を守るものがなくなる。
力をかけられた状態で背中が壁にぶつかった。男の顔が近づいて、唇を舐める仕草に寒気がした。
自分の武器はこの棒で、あとやれることが一つしかない。
「ぎゃっ!」
膝が急所に入り、男がうずくまる。その足をもう一度蹴り上げると、見事に男の顎にヒットした。けれど、力が足りずに男は尻餅をついただけだ。だから、棒をもう一度振り上げた。
刀がついてようと気にもしない。
まるで野球のバッティングのように、振り抜いた棒は男の頭を直撃し、頭は棒と同じ方向へと滑りこんだ。
息が上がり、やってしまったことよりも、次をどうするのかが頭を巡った。
男はまだ生きている。男の着物の帯を無理やり引き抜いて腕を取ると、近くの建物の柱へと引きずり寄せた。
手首に帯を巻きつけて、柱に絡ませると、そのまま縛り上げる。帯で緩みそうだったのでとにかくきつく結んでやると、物足りないと男の着物の裾を頭まで引っ張って、更にそれを柱に結びつけてやった。
刀を拾ったが、棒にはまったままで中々抜けない。仕方ないので、それを側の家の屋根に投げた。雨どいに引っかかり落ちてこないのを確認する。
これで武器は使えない。できればこの男を兵士に渡したいが、放置することにした。
男は自分の着ている着物に頭を包まれて、下着姿の下半身を出したまま間抜けに気を失っていた。その内目が覚めても、腕が縛られてしばらく逃げることはできないだろう。おかしな格好の不審者に誰かが声をかけるはずだ。その時荷物に気づかれて、放火の犯人だとわかればいい。
理音は興奮で息が上がったままだった。
運がよかっただけだ。棒に刀がはまったりしなければ、自分は斬られていた。
怖い。
怖いに決まっている。
これは他人事ではない。
自分が自分で経験していることなのだ。
震える腕を抑えて通りへと出ると、兵士たちが近くで戦っていた。その戦いもどちらかに優勢になっていた。
地面に倒れこんだ兵士は身動き一つしない。その周りを、刀を交えながら別の兵士が過ぎていく。
現実だ。
フォーエンもきっと戦っている。
今行かなければ後悔する。
会えないことを望んだけれど、彼が死ぬことで会えなくなることとは話が違った。
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