74 / 244
74 ー盗みー
しおりを挟む
「あーあ」
制服を着込んでスタンバイしていたわけだが、残念な結果に終わった。
「切り替えよ」
帰られると信じて生きていくしかない。
散歩でもして頭の中を切り替えて、冴えた頭を少しでも和らげるために、朧月でも見てさっさと眠ろう。
星は見えないが、月は時折流れる雲の隙間から見え隠れする。それを眺めるのも一興だ。
中庭に入るために回廊をのんびり歩いて、屋敷に隠れようとする大月を見上げる。
夜はいつも疲れて眠ってしまうので部屋から見る月夜ばかりだったが、久しぶりに外で見るとやはり美しい。
サイズの大きさが、普通の月よりも迫力がある。
物音一つしない夜の空に時を忘れそうになると、それはごとりと耳に届いた。
どこかで物音がした。
近くではない。少し遠目の、小さい音ではあったが、けれど耳に覚えのある音だ。
それは確か、木箱を地面に落とした音。
そう気づけば足が倉庫に向かっていた。ここから建物を挟んだ奥の塀に近い、人のいない離れた場所。
たどり着いた先、男たち数人が倉庫から荷物を運び出している。声もかけず、静かにただ黙々と。
盗みならば声を上げるべきだ。
悲鳴でも上げれば衛兵がやってくる。重みのある荷物を持って逃げることは不可能だろう。
運んでいる間に捕まるのがオチだ。
けれど、声は上げられなかった。
見知った顔がいる。
錠を管理しているアスナと、従者の一人。後三人はわからない。
手際よく荷物を台車に乗せて積み上げていく様は、急に思い立って行っているわけではないだろう。
倉庫はもう満杯で、次に荷物が来たら入らないほどである。物がなくなればすぐに気づかれる。しかも錠の管理はアスナで、錠に何の細工もされず中の物が盗まれたならば、アスナが真っ先に疑われるだろう。鍵を盗まれたと言っても、罪には問われるはずだ。
なのに。
大胆な盗みとしか言いようがない。
誰も箱の中を確認していないのだから、箱だけそのままにして中身を持っていけば気づかれずに済むのに。一気に箱が無くなれば、誰だって盗まれたとすぐに気づく。
台車に乗せるだけ乗せてこのまま彼が荷物と一緒に逃げるのならば、そこで大声を上げて衛兵を呼べばいいだろうか。
台車に荷物を乗せきると、男たちは移動し始めた。しかし、どう言うことかアスナと従者は部屋へと戻っていく。
男三人だけが荷物を運び出しているのだ。
あれではあとでアスナが罰せられるのではないだろうか。鍵の管理を怠ったと。
まごまごしていると、アスナたちは屋敷に入ってしまった。ここで声を上げてもアスナともう一人が共謀していた証拠が出せない。
逆にアスナに目をつけられてしまうだけだ。
もっと早く声を出していればよかった。
しかし、この間にも台車が運ばれていく。
迷っている暇はなかった。
理音は近くに落ちていた拳ほどの石を手にすると、屋敷の窓へと思いきり投げつけたのだ。
ガシャーンと言う破砕音が響くと、すぐに声が聞こえてくる。ガラスの割れた音に衛兵が何事かと集まってくるのだ。
男たちは慌てて台車を押す。
逃げられる前に、理音はもう一度石を投げつけた。
今度は男たちに近い屋敷の窓だ。
衛兵が気づいて声を上げる。男たちは台車を捨てて走り出した。
「どうした!」
今まさに気づいた。そんな顔をして衛兵へ走り寄っていく。アスナは衛兵に混じると、何事が起きたのかと白々しく紛れていく。
ここにいるとアスナに気づかれる。理音は集まる男たちを尻目に、自分の部屋に急いで戻った。そしてさも今起きたように、シュンエイの部屋へと走った。
「何かあったの?」
「わかんない。急に騒がしくなって」
キノリの問いをかわして、シュンエイの寝所を守っていた従者の警備に混じった。
「何があったんだ?」
「わかんない。シュンエイ様は?」
「ご無事だ。一体何があったのだろう」
「泥棒でも出たのかな」
従者たちが往々にして廊下を走った。シュンエイも目が覚めたか、ユムユナが声をかけている。
自分の姿は見られていないだろう。
台車は置いていったのだから盗みは止められたが、アスナともう一人の男が屋敷に残ったままである。
彼らが盗みに関わっている証拠がないので、自分が誰かに伝えても信じられないだろう。
しかし、アスナが盗みとは、少なからずショックである。親しい兄のように感じていたのに。
「失礼致します。ユムユナ様。先ほど何者かが盗みに入り、何も持たず逃げ去った模様です」
男たちは捕まえられなかったのか。従者の報告に内心がっかりした。
捕まえれば芋ずる式に、もしかしたらアスナたちも罪に問えたかもしれないのだが。
パーテーションの後ろで、ユムユナは静かに立ち上がった。
「シュンエイ様はお休みです。静かになさい。侵入者はアスナに任せるように。大尉のご迷惑にならぬよう動くようにと伝えなさい。事を大きく荒立てぬよう。お前たちはもう戻って休みなさい」
「え?ですが」
従者が言った。理音も同じ事を聞き返そうとした。今侵入者があったのに、ここを守らなくていいのかと。
「アスナに任せればよい。お前たちはお戻り」
ユムユナの言葉に従者は首を垂れつつも、納得のいかない顔で引き下がっていく。理音もその後につくように、部屋を下がった。
引っかかることは、この王都に来てからままあるわけだが。
思い返してみると、引っかかることは、初めから道筋よく並んでいたのかもしれない。
荷物が多く送られてくる。
それを倉庫に入れろと言ったのはユムユナだ。中の確認もせずに積み上げて、それを指示するのはアスナである。錠の鍵を持っているのはアスナで、盗みに加担しているのもアスナ。
そして、今の言葉、アスナに任せる。
わかりやすく繋がっている。
「でもな…」
部屋に戻って一人、布団に入り込んで空を見上げた。まだ空は曇っている。
「そのうち売っちゃうからって言ってたんだし、そのお金、ちょろまかせばいいじゃん?」
なぜ、わざわざ夜中に運ぶような真似をしたのだろう。台車で運んで、今回のように見つかれば大事になるのに。
まず、台車が入り込んだ時点で門番もグルになるわけだが。
この屋敷に近い門を守る者とアスナたち、ユムユナを加えて、およそ七人は今回のことを知っている。もしかしたら、もっといるかもしれない。
あちこちに不穏な輩がいるわけである。
ユムユナが関わっているのならば、頭となるのは彼女だろう。彼女より上の身分はいないからだ。
シュンエイは関わっていないはずだ。だが、ユムユナたちが盗みを働いていると、シュンエイに伝えても何もならない。彼女は実質ただの子供で、周囲の良し悪しに判断もつかないだろう。
だとしたら大尉に伝えるのが妥当であるが、理音が大尉に伝えても信じられる証拠がないのだ。どうにもならない。
安全そうで安全ではない、この屋敷ですら。
犯罪に巻き込まれても逃げる場所がない。次の日川に投げ捨てられて、土左衛門もありえる環境なのだ。
あの時に声を上げないで正解だった。アスナに見られていたら、殺されていたかもしれない。
「フォーエンもこんなかな…」
どこへ行っても、誰を信じていいのかわからない。
陰謀の渦巻く中。彼は比べものにならないほど、危険の渦中にいる。
「助けてあげれればな」
囮でも何でも、彼の安寧のために手助けできることがあるならば、できることがあるならば、手を差し出すのに。
制服を着込んでスタンバイしていたわけだが、残念な結果に終わった。
「切り替えよ」
帰られると信じて生きていくしかない。
散歩でもして頭の中を切り替えて、冴えた頭を少しでも和らげるために、朧月でも見てさっさと眠ろう。
星は見えないが、月は時折流れる雲の隙間から見え隠れする。それを眺めるのも一興だ。
中庭に入るために回廊をのんびり歩いて、屋敷に隠れようとする大月を見上げる。
夜はいつも疲れて眠ってしまうので部屋から見る月夜ばかりだったが、久しぶりに外で見るとやはり美しい。
サイズの大きさが、普通の月よりも迫力がある。
物音一つしない夜の空に時を忘れそうになると、それはごとりと耳に届いた。
どこかで物音がした。
近くではない。少し遠目の、小さい音ではあったが、けれど耳に覚えのある音だ。
それは確か、木箱を地面に落とした音。
そう気づけば足が倉庫に向かっていた。ここから建物を挟んだ奥の塀に近い、人のいない離れた場所。
たどり着いた先、男たち数人が倉庫から荷物を運び出している。声もかけず、静かにただ黙々と。
盗みならば声を上げるべきだ。
悲鳴でも上げれば衛兵がやってくる。重みのある荷物を持って逃げることは不可能だろう。
運んでいる間に捕まるのがオチだ。
けれど、声は上げられなかった。
見知った顔がいる。
錠を管理しているアスナと、従者の一人。後三人はわからない。
手際よく荷物を台車に乗せて積み上げていく様は、急に思い立って行っているわけではないだろう。
倉庫はもう満杯で、次に荷物が来たら入らないほどである。物がなくなればすぐに気づかれる。しかも錠の管理はアスナで、錠に何の細工もされず中の物が盗まれたならば、アスナが真っ先に疑われるだろう。鍵を盗まれたと言っても、罪には問われるはずだ。
なのに。
大胆な盗みとしか言いようがない。
誰も箱の中を確認していないのだから、箱だけそのままにして中身を持っていけば気づかれずに済むのに。一気に箱が無くなれば、誰だって盗まれたとすぐに気づく。
台車に乗せるだけ乗せてこのまま彼が荷物と一緒に逃げるのならば、そこで大声を上げて衛兵を呼べばいいだろうか。
台車に荷物を乗せきると、男たちは移動し始めた。しかし、どう言うことかアスナと従者は部屋へと戻っていく。
男三人だけが荷物を運び出しているのだ。
あれではあとでアスナが罰せられるのではないだろうか。鍵の管理を怠ったと。
まごまごしていると、アスナたちは屋敷に入ってしまった。ここで声を上げてもアスナともう一人が共謀していた証拠が出せない。
逆にアスナに目をつけられてしまうだけだ。
もっと早く声を出していればよかった。
しかし、この間にも台車が運ばれていく。
迷っている暇はなかった。
理音は近くに落ちていた拳ほどの石を手にすると、屋敷の窓へと思いきり投げつけたのだ。
ガシャーンと言う破砕音が響くと、すぐに声が聞こえてくる。ガラスの割れた音に衛兵が何事かと集まってくるのだ。
男たちは慌てて台車を押す。
逃げられる前に、理音はもう一度石を投げつけた。
今度は男たちに近い屋敷の窓だ。
衛兵が気づいて声を上げる。男たちは台車を捨てて走り出した。
「どうした!」
今まさに気づいた。そんな顔をして衛兵へ走り寄っていく。アスナは衛兵に混じると、何事が起きたのかと白々しく紛れていく。
ここにいるとアスナに気づかれる。理音は集まる男たちを尻目に、自分の部屋に急いで戻った。そしてさも今起きたように、シュンエイの部屋へと走った。
「何かあったの?」
「わかんない。急に騒がしくなって」
キノリの問いをかわして、シュンエイの寝所を守っていた従者の警備に混じった。
「何があったんだ?」
「わかんない。シュンエイ様は?」
「ご無事だ。一体何があったのだろう」
「泥棒でも出たのかな」
従者たちが往々にして廊下を走った。シュンエイも目が覚めたか、ユムユナが声をかけている。
自分の姿は見られていないだろう。
台車は置いていったのだから盗みは止められたが、アスナともう一人の男が屋敷に残ったままである。
彼らが盗みに関わっている証拠がないので、自分が誰かに伝えても信じられないだろう。
しかし、アスナが盗みとは、少なからずショックである。親しい兄のように感じていたのに。
「失礼致します。ユムユナ様。先ほど何者かが盗みに入り、何も持たず逃げ去った模様です」
男たちは捕まえられなかったのか。従者の報告に内心がっかりした。
捕まえれば芋ずる式に、もしかしたらアスナたちも罪に問えたかもしれないのだが。
パーテーションの後ろで、ユムユナは静かに立ち上がった。
「シュンエイ様はお休みです。静かになさい。侵入者はアスナに任せるように。大尉のご迷惑にならぬよう動くようにと伝えなさい。事を大きく荒立てぬよう。お前たちはもう戻って休みなさい」
「え?ですが」
従者が言った。理音も同じ事を聞き返そうとした。今侵入者があったのに、ここを守らなくていいのかと。
「アスナに任せればよい。お前たちはお戻り」
ユムユナの言葉に従者は首を垂れつつも、納得のいかない顔で引き下がっていく。理音もその後につくように、部屋を下がった。
引っかかることは、この王都に来てからままあるわけだが。
思い返してみると、引っかかることは、初めから道筋よく並んでいたのかもしれない。
荷物が多く送られてくる。
それを倉庫に入れろと言ったのはユムユナだ。中の確認もせずに積み上げて、それを指示するのはアスナである。錠の鍵を持っているのはアスナで、盗みに加担しているのもアスナ。
そして、今の言葉、アスナに任せる。
わかりやすく繋がっている。
「でもな…」
部屋に戻って一人、布団に入り込んで空を見上げた。まだ空は曇っている。
「そのうち売っちゃうからって言ってたんだし、そのお金、ちょろまかせばいいじゃん?」
なぜ、わざわざ夜中に運ぶような真似をしたのだろう。台車で運んで、今回のように見つかれば大事になるのに。
まず、台車が入り込んだ時点で門番もグルになるわけだが。
この屋敷に近い門を守る者とアスナたち、ユムユナを加えて、およそ七人は今回のことを知っている。もしかしたら、もっといるかもしれない。
あちこちに不穏な輩がいるわけである。
ユムユナが関わっているのならば、頭となるのは彼女だろう。彼女より上の身分はいないからだ。
シュンエイは関わっていないはずだ。だが、ユムユナたちが盗みを働いていると、シュンエイに伝えても何もならない。彼女は実質ただの子供で、周囲の良し悪しに判断もつかないだろう。
だとしたら大尉に伝えるのが妥当であるが、理音が大尉に伝えても信じられる証拠がないのだ。どうにもならない。
安全そうで安全ではない、この屋敷ですら。
犯罪に巻き込まれても逃げる場所がない。次の日川に投げ捨てられて、土左衛門もありえる環境なのだ。
あの時に声を上げないで正解だった。アスナに見られていたら、殺されていたかもしれない。
「フォーエンもこんなかな…」
どこへ行っても、誰を信じていいのかわからない。
陰謀の渦巻く中。彼は比べものにならないほど、危険の渦中にいる。
「助けてあげれればな」
囮でも何でも、彼の安寧のために手助けできることがあるならば、できることがあるならば、手を差し出すのに。
0
お気に入りに追加
79
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
私、異世界で監禁されました!?
星宮歌
恋愛
ただただ、苦しかった。
暴力をふるわれ、いじめられる毎日。それでも過ぎていく日常。けれど、ある日、いじめっ子グループに突き飛ばされ、トラックに轢かれたことで全てが変わる。
『ここ、どこ?』
声にならない声、見たこともない豪奢な部屋。混乱する私にもたらされるのは、幸せか、不幸せか。
今、全ての歯車が動き出す。
片翼シリーズ第一弾の作品です。
続編は『わたくし、異世界で婚約破棄されました!?』ですので、そちらもどうぞ!
溺愛は結構後半です。
なろうでも公開してます。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる