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転生者
第55話
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ロックイーターの縦穴に落ちてから俺達は出口を求めて歩き続けたわけだが、横穴の終わりは地下空間に繋がっていた。
こういう風景に出くわすとは思いもよらなかった。
「これはある意味壮観だな」
「そんないいもんじゃないでしょ」
「でも~考えてみたら~あり得る話よね~」
「気持ち悪いよ~」
4人がそれぞれに感想を述べたわけだが、巨大な地下空間はすり鉢状になっておりその一番下の部分にはロックイーターがうじゃうじゃいたわけだ。
「大きさ的に、さっきのヤツの子供かしら?」
「その可能性が高いわね~」
うじゃうじゃいるロックイーターは俺達が元々知っているサイズぐらいはあるが、さっきのデカいヤツを見た後だけに子供なんじゃないかと思えるわけだ。卵っぽいのもいくつか見て取れるし。
「あっちを見て~」
シェリーさんが指さした方向は、今いる俺達と同じ位の高さにいくつか横穴があった。つまり、ここもそうだがデカロックイーターの通り道になっているのだろう。
「あそこまで行ければ……」
「でもどの穴が正解か分かりませんよ」
「確かにな。そしてどの道もあのデカいロックイーターと出くわす可能性があるわけだ」
「それにあそこまでロックイーターに見つからずに行くなんて無理じゃないですか?」
問題はそれだ。すり鉢状になっているこの空間、遮蔽物がないのだから当然丸見えなのだ。
「見つからないように~、そ~っと~横穴まで行くしか~ないんじゃないかしら~」
シェリーさんが妥当な案を出したわけだが……
「なぁ、俺思うんだけどさ」
三人の視線が俺に集まるのを感じつつ続ける
「何かしら~」
代表してシェリーさんが反応した
「もし仮に見つからずに横穴までたどり着くじゃん。でそれが運よくドワーフの坑道と繋がっていたとする。そして無事に脱出できたとしてなんだけどな」
「それが目的でしょ~」
「そうか? もし脱出できてもそれだとアダマンタイトを精製してもらえないと思うんだ。確か俺達の目標はロックイーターの撃破だよな?」
「そうね~。でも~、あんなロックイーターは想定外でしょ~? 一度撤退して戦力を整えてから討伐が妥当じゃないかしら~」
むむ、確かに。
「ゲンスイさんの言いたいことは分かったわ。戦力を整えるにしてもユジャスカ帝国がドワーフの為に動くとは考えにくい。となるとギルドを頼る事になるけど、そうなるといつになるか分からないって言いたいのよね?」
あ、そうなるのか。
うん。そう言いたかったような気がする。
そうだ。その通りだ。
「さすがゲンスイさん」
ヤマトにも褒められた。
つまり、そう言いたかったのだよ。
「えーと、だからどうなるかというと……そうだ。ここで殲滅しちゃおうぜって話だ!」
だよな?
あれ?
一瞬でガッカリした表情になったのはなんでだ?
「殲滅って~簡単に言うけど~、どうするの~?」
「一匹ずつ殴っていけばいけるだろ? デカいヤツ以外な。デカいヤツはさっき話した戦法でいけるだろ」
「いつものゲンスイさんだった」
「獣人ってホントに脳筋なんですね」
失礼なっ!
ちゃんとした戦法提示しただろ!?
「仕方ないわね~。でももし戦況が厳しそうなら撤退をしてもらうわよ~」
「ああ、もちろんだ」
しばらく考え込んだシェリーさんだったが、考えがまとまったのか話し始めた。
「サラちゃんは~火属性の上級魔法使えるわよね~?」
「一応これでもエルフだからね。使えるわよ」
「ここから上級魔法で攻撃届く?」
「ええ、届くと思うわ。でも上級魔法って私苦手で魔法発動まで時間がかかるわよ」
「問題ないわ~。サラちゃんの魔法発動が合図で一斉に接敵~。それぞれの射程距離になったらそこから攻撃でいきましょう~」
「だったら僕バフ魔法使えますのでかけておきますね。でも効果はあまり期待しないでください」
「どんなバフ?」
「攻撃力防御力素早さが上がる感じ……です。初級なので効果も持続時間も短いですけど……自分にはかけれないですし」
自信無さげだが、少しでも戦力アップはありがたい。
「いや十分だよ、ぜひ頼む」
でも待て。
初級?
だったら俺も使えるはずだけどバフやデバフ魔法なんて知らないぞ?
「へぇ~ヤマト君は光属性の適性があるんだ」
「はい、一応」
「私光属性適正なかったから覚えられなかったのよね」
「エルフだと土と風属性持ちが多いって聞きますけど」
「そうね。でも私は火と水も扱えるわよ」
子供相手にドヤ顔のサラもかわいい。
「僕は光とあとは水と闇しか適正なくて」
もしかして、獣人の国には伝わってない魔法が他の国ではたくさんあるのでは?
そういえばフィアールで臨時冒険者をしていた時そんな魔法見たような……。てっきり中級以上の魔法かと思って気にもしてなかった。
「それじゃあ魔法を編み始めるわ」
そう言ってサラはブツブツと魔法の詠唱をはじめると周囲に魔力が溢れだしてきた。
すぐ後ろでヤマトも魔法の詠唱をすると、俺達3人にバフ魔法がかかった。
体感的には少し身体全体が温かくなったくらいだけど、いつもより力が溢れている気がする。
よーし、これなら怖いもん無しだ!
いつでもいけるぜ!
シェリーさんもツインアルテミスボウを片手にいつでも飛び出せる体制だし、ヤマトも剣を持っていつでも走り出せそうだ。
でも君、剣じゃなくて魔法で戦うんだよね?
無理に接敵しちゃだめよ?
さぁ、いつでもいいぜ!
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・まだ?
上級魔法ってこんなに発動まで時間かかるのか。
こんなに時間がかかるなら戦闘中に魔法と近接の両立は無理だ。
まったく、魔法職って大変だな。
なんて考えているうちにやっと魔法発動条件が整ったらしい。
「いくわよ?」
体中に纏った魔力も視線すらそのままに、最後の確認をしてくる。
「ぶちかませ!」
「極大爆炎弾」
サラが放った魔法、それは手のひらから拳大の炎の塊だった。
それがこのすり鉢状になっている地下空間の最下層まで到達するのに数秒とかからなかった。
そして着弾した。
震度7以上の大地震でも起きたような、大地が震える轟音と共に地下空間には凄まじい熱気が溢れかなり距離が離れたこの横穴にいてもちょっとシャレにならないレベルだ。
「とてもじゃないけど~飛び出せないわ~」
「ああ、無理だな」
「ていうか、こんなのロックイーター全滅だろJK」
久しぶりにネラーヤマトが出て来た。それほど驚きだったのだろう。
もちろん俺も驚いたさ。
最初に見えた魔法がは拳大くらいのものだったからショボって思ったんだ。
そして油断した。油断していたところにこれだもの。
ってか、こんな地下空間にこんな大量の炎が一気に起こったら酸素不足になる。炎は酸素を求めて上昇、横穴にまで入って来た。
「水壁」
俺達の前に水でできた防御膜が出来上がった。
グッジョブだヤマト!
俺達がいる横穴は水の防御膜で蓋をした形になり、何とかやり過ごすことが出来そうだ。
「しっかし凄い威力だなサラ」
余裕が出来たのでやっとちゃんとサラへ声を掛けたのだが、サラはフラリとして倒れそうになっていた。
慌てて抱きとめる。
「大丈夫か!?」
「へへ、ちょっと頑張っちゃった」
魔力を使いすぎたのだろう。少し休憩しなきゃな。
とりあえずだが収納庫からMP回復ポーションを取り出すとサラに飲ませてやる。
「よくやったよサラ。これ飲んで少し休んでな」
「うん、ありがとうゲンスイさん」
こんなになるまで魔力を絞り出したのか。
俺には何もできないけど今はサラを抱きしめてあげた。
こういう風景に出くわすとは思いもよらなかった。
「これはある意味壮観だな」
「そんないいもんじゃないでしょ」
「でも~考えてみたら~あり得る話よね~」
「気持ち悪いよ~」
4人がそれぞれに感想を述べたわけだが、巨大な地下空間はすり鉢状になっておりその一番下の部分にはロックイーターがうじゃうじゃいたわけだ。
「大きさ的に、さっきのヤツの子供かしら?」
「その可能性が高いわね~」
うじゃうじゃいるロックイーターは俺達が元々知っているサイズぐらいはあるが、さっきのデカいヤツを見た後だけに子供なんじゃないかと思えるわけだ。卵っぽいのもいくつか見て取れるし。
「あっちを見て~」
シェリーさんが指さした方向は、今いる俺達と同じ位の高さにいくつか横穴があった。つまり、ここもそうだがデカロックイーターの通り道になっているのだろう。
「あそこまで行ければ……」
「でもどの穴が正解か分かりませんよ」
「確かにな。そしてどの道もあのデカいロックイーターと出くわす可能性があるわけだ」
「それにあそこまでロックイーターに見つからずに行くなんて無理じゃないですか?」
問題はそれだ。すり鉢状になっているこの空間、遮蔽物がないのだから当然丸見えなのだ。
「見つからないように~、そ~っと~横穴まで行くしか~ないんじゃないかしら~」
シェリーさんが妥当な案を出したわけだが……
「なぁ、俺思うんだけどさ」
三人の視線が俺に集まるのを感じつつ続ける
「何かしら~」
代表してシェリーさんが反応した
「もし仮に見つからずに横穴までたどり着くじゃん。でそれが運よくドワーフの坑道と繋がっていたとする。そして無事に脱出できたとしてなんだけどな」
「それが目的でしょ~」
「そうか? もし脱出できてもそれだとアダマンタイトを精製してもらえないと思うんだ。確か俺達の目標はロックイーターの撃破だよな?」
「そうね~。でも~、あんなロックイーターは想定外でしょ~? 一度撤退して戦力を整えてから討伐が妥当じゃないかしら~」
むむ、確かに。
「ゲンスイさんの言いたいことは分かったわ。戦力を整えるにしてもユジャスカ帝国がドワーフの為に動くとは考えにくい。となるとギルドを頼る事になるけど、そうなるといつになるか分からないって言いたいのよね?」
あ、そうなるのか。
うん。そう言いたかったような気がする。
そうだ。その通りだ。
「さすがゲンスイさん」
ヤマトにも褒められた。
つまり、そう言いたかったのだよ。
「えーと、だからどうなるかというと……そうだ。ここで殲滅しちゃおうぜって話だ!」
だよな?
あれ?
一瞬でガッカリした表情になったのはなんでだ?
「殲滅って~簡単に言うけど~、どうするの~?」
「一匹ずつ殴っていけばいけるだろ? デカいヤツ以外な。デカいヤツはさっき話した戦法でいけるだろ」
「いつものゲンスイさんだった」
「獣人ってホントに脳筋なんですね」
失礼なっ!
ちゃんとした戦法提示しただろ!?
「仕方ないわね~。でももし戦況が厳しそうなら撤退をしてもらうわよ~」
「ああ、もちろんだ」
しばらく考え込んだシェリーさんだったが、考えがまとまったのか話し始めた。
「サラちゃんは~火属性の上級魔法使えるわよね~?」
「一応これでもエルフだからね。使えるわよ」
「ここから上級魔法で攻撃届く?」
「ええ、届くと思うわ。でも上級魔法って私苦手で魔法発動まで時間がかかるわよ」
「問題ないわ~。サラちゃんの魔法発動が合図で一斉に接敵~。それぞれの射程距離になったらそこから攻撃でいきましょう~」
「だったら僕バフ魔法使えますのでかけておきますね。でも効果はあまり期待しないでください」
「どんなバフ?」
「攻撃力防御力素早さが上がる感じ……です。初級なので効果も持続時間も短いですけど……自分にはかけれないですし」
自信無さげだが、少しでも戦力アップはありがたい。
「いや十分だよ、ぜひ頼む」
でも待て。
初級?
だったら俺も使えるはずだけどバフやデバフ魔法なんて知らないぞ?
「へぇ~ヤマト君は光属性の適性があるんだ」
「はい、一応」
「私光属性適正なかったから覚えられなかったのよね」
「エルフだと土と風属性持ちが多いって聞きますけど」
「そうね。でも私は火と水も扱えるわよ」
子供相手にドヤ顔のサラもかわいい。
「僕は光とあとは水と闇しか適正なくて」
もしかして、獣人の国には伝わってない魔法が他の国ではたくさんあるのでは?
そういえばフィアールで臨時冒険者をしていた時そんな魔法見たような……。てっきり中級以上の魔法かと思って気にもしてなかった。
「それじゃあ魔法を編み始めるわ」
そう言ってサラはブツブツと魔法の詠唱をはじめると周囲に魔力が溢れだしてきた。
すぐ後ろでヤマトも魔法の詠唱をすると、俺達3人にバフ魔法がかかった。
体感的には少し身体全体が温かくなったくらいだけど、いつもより力が溢れている気がする。
よーし、これなら怖いもん無しだ!
いつでもいけるぜ!
シェリーさんもツインアルテミスボウを片手にいつでも飛び出せる体制だし、ヤマトも剣を持っていつでも走り出せそうだ。
でも君、剣じゃなくて魔法で戦うんだよね?
無理に接敵しちゃだめよ?
さぁ、いつでもいいぜ!
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・まだ?
上級魔法ってこんなに発動まで時間かかるのか。
こんなに時間がかかるなら戦闘中に魔法と近接の両立は無理だ。
まったく、魔法職って大変だな。
なんて考えているうちにやっと魔法発動条件が整ったらしい。
「いくわよ?」
体中に纏った魔力も視線すらそのままに、最後の確認をしてくる。
「ぶちかませ!」
「極大爆炎弾」
サラが放った魔法、それは手のひらから拳大の炎の塊だった。
それがこのすり鉢状になっている地下空間の最下層まで到達するのに数秒とかからなかった。
そして着弾した。
震度7以上の大地震でも起きたような、大地が震える轟音と共に地下空間には凄まじい熱気が溢れかなり距離が離れたこの横穴にいてもちょっとシャレにならないレベルだ。
「とてもじゃないけど~飛び出せないわ~」
「ああ、無理だな」
「ていうか、こんなのロックイーター全滅だろJK」
久しぶりにネラーヤマトが出て来た。それほど驚きだったのだろう。
もちろん俺も驚いたさ。
最初に見えた魔法がは拳大くらいのものだったからショボって思ったんだ。
そして油断した。油断していたところにこれだもの。
ってか、こんな地下空間にこんな大量の炎が一気に起こったら酸素不足になる。炎は酸素を求めて上昇、横穴にまで入って来た。
「水壁」
俺達の前に水でできた防御膜が出来上がった。
グッジョブだヤマト!
俺達がいる横穴は水の防御膜で蓋をした形になり、何とかやり過ごすことが出来そうだ。
「しっかし凄い威力だなサラ」
余裕が出来たのでやっとちゃんとサラへ声を掛けたのだが、サラはフラリとして倒れそうになっていた。
慌てて抱きとめる。
「大丈夫か!?」
「へへ、ちょっと頑張っちゃった」
魔力を使いすぎたのだろう。少し休憩しなきゃな。
とりあえずだが収納庫からMP回復ポーションを取り出すとサラに飲ませてやる。
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