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転生者
第7話
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「よし、飯も食ったし最終フロアの攻略に行くか!」
気合を入れて俺達は地下5階のフロアに足を踏み入れた。階段フロアを抜けるとそこにはアイアンゴーレムがいた。
「さっそくだな!」
「ええ、行きましょう!」
俺はストーンゴーレムを一撃で破壊できる威力を乗せた一撃をアイアンゴーレムに叩き込む!そしてサラも如意棒を音速発射してアイアンゴーレムに攻撃を加える。
「やったか?」
「それ完全にフラグよ?」
うん、分かってた。倒せてないよね。殴った感触で分かってたの。でも言いたかったの。
俺の一撃やサラの一撃を受けてどこまでダメージが入ったのか分からないが、まだまだ元気そうだ。少し距離を取る。
「この手のヤツって物理衝撃系と魔法に弱いってのが相場だよな?」
少し期待を込めてサラを見る。
「エルフがみんな高火力魔法特化だと思っているの?そんなのは幻想、一部だけよ」
そういってサラは武器を握りしめた。次の攻撃も引き続き如意棒で殴るって事を態度で示していた。
「昔の偉い人は言いました。レベルを上げて物理で殴る!作戦だ!」
元帥として完璧な作戦を提示できた事に満足しながら俺は作戦実行の為地面を蹴りアイアンゴーレムに突っ込んで行く。
ストーンゴーレムの上位版とはいえ、動きは早くない。というか上位版なのに同程度の動きってどうなんだよ。
巨躯を生かして踏みふけようとする大きな足を回避しながら両腕のライトウェポンに魔力を組み込み殴る!殴る!殴る!
いつの間にかサラは敵の背後に回って如意棒で突いて突いて突きまくっている。
そしてトドメとばかり跳び上がり、顔面をフルパワーで殴ってやると、首がポロってとれた。
そしてそのまま動かなくなりその場に崩れ落ちた。
「よっしゃ!この雑魚がっ!!」
作戦通りに事が運び嬉しくなった俺がついお上品ではない言葉が口から飛び出ていた。それを聞いたサラも一瞬は驚いた顔をしたが、ガッツポーズをとって喜びを共有してくれた。
この笑顔の為なら何度でも戦える!
倒した後のアイアンゴーレムはボロボロと大小様々な形となって崩れ落ちていたので俺達は素材のため出来る限りを収納庫に入れておいた。
地下5階は通路も部屋も広めではあったものの、普通のダンジョンという感じだった。
たまにエンカウントする敵はアイアンゴーレム以外にもいたが。そしてマッピングしながら探索を続け、最奥と思われる部屋へとたどり着く。
トラップを警戒しつつ辺りを見回すが、この部屋で特に目につくものは一つしかない。宝箱が一つ。これだけ。
「こういう場合やっぱり宝箱がトラップが多いよな」
「私もそう思うわ。ちょっと下がってて」
サラはこの部屋の入り口にほど近い場所まで俺を下がらせると如意棒を伸ばし、棒の先で宝箱を器用に開く。
宝箱とは言ったものの、鍵など掛かっていない只の蓋つきの箱だ。開けるだけなら遠くから棒を使っても問題なくできた。
ただ、中を確認するためにはどちらかが近くまで行く必要はある。
「開けた瞬間に発動するトラップじゃないのは良かった。俺が見てくるからサラは待っていてくれ」
「いえ、何かあった場合私の方が危険を回避できるのよ? 私が行く」
「いや、回避不能なトラップの可能性だってある。その場合防御力の高い俺の方がいいだろう」
「回避不能ってゲームじゃないんだからあり得ないわよ。物理的に危険より早く逃げれば回避できるのは至極当然よ。アインシュタインもそんな事言っていたわ」
「アインシュタインはそんな事言わないよ。そもそもこういう場合、かのシェイクスピアは男が行くのが王道だと言っている」
シェイクスピアはそんな事は言ってませんけどね。
「それは男女差別よ。そもそもどっちが行っても問題ない場合において男女の違いを理由にするのは差別よ? つまり、ゲンスイさんの負け」
「すでに前提が違う。もし何かがあった場合に綺麗な君の肌が傷つくのは世界の損失だ」
「それこそ女性を見た目でしか判断していないものじゃない。人の存在価値は見た目じゃないわよ」
「君の存在価値は見た目だけじゃないが、見た目も含まれる。もちろん俺はその匂いも含めて君に惚れたんだ。そして中身も含めてサラ、君なんだよ」
「わたっ!私はそんなんじゃないわ。それに恩人であるあなたを傷つくのを黙って見るなんて出来ない。ここはやっぱり私が行くの」
サラが俺の話をぶった切り自分がさっさと行こうとするが、もちろん俺はサラの腕を掴んで止める。
「ちょっ待てよっ!」
精一杯男前を演出しようとした結果だ。大目に見てほしい。
「ププ…似てなさすぎ。もうちょっと寄せる努力しなさいよ」
「自分でも似てないのは自覚できたよ」
「「ふふふ……」」
少し笑い合った俺達は先ほど腕を掴んで引き寄せたサラと至近距離になっている為、目と目が合うだけでうっとりしてしまう。サラも動きを止め、俺の目を見返している。
どちらともなく唇と唇が近づく……
目を綴じようとしたその時、視界の端で何かが動いたのを捉える。
俺はサラの肩をトントンと軽く叩き合図を送ると、目線でその正体を追いかける。
動きがあったのはやはり宝箱だった。その中から20センチ程の石素材でできたっぽい蛙?が出て来たのだ。
宝箱の上にぴょこんと乗っかると両手を広げ、ヤレヤレみたいな動きをしそこから飛び降りる。
着地した時に音は無くそのまま床をぴょんぴょん跳ねて移動する。そして壁まで行くと顔を水掻きの付いた手でパタパタと動かすその姿は暑いときに団扇で仰ぐような仕草だ。
ふぅ、と一息吐く仕草のあと壁際を移動し、壁の隅にあった小さな穴へと消えて行った。
思わずその人間的な仕草に何も反応できなかったが、あれはもしかして俺達の甘い雰囲気に充てられたとでもいうのだろうか。
カエルが???
しかし、そうとしか考えられない動きにサラを見ると驚きの顔のまま固まっていた。
その姿が可愛いけど面白くてまた二人で笑った。
気合を入れて俺達は地下5階のフロアに足を踏み入れた。階段フロアを抜けるとそこにはアイアンゴーレムがいた。
「さっそくだな!」
「ええ、行きましょう!」
俺はストーンゴーレムを一撃で破壊できる威力を乗せた一撃をアイアンゴーレムに叩き込む!そしてサラも如意棒を音速発射してアイアンゴーレムに攻撃を加える。
「やったか?」
「それ完全にフラグよ?」
うん、分かってた。倒せてないよね。殴った感触で分かってたの。でも言いたかったの。
俺の一撃やサラの一撃を受けてどこまでダメージが入ったのか分からないが、まだまだ元気そうだ。少し距離を取る。
「この手のヤツって物理衝撃系と魔法に弱いってのが相場だよな?」
少し期待を込めてサラを見る。
「エルフがみんな高火力魔法特化だと思っているの?そんなのは幻想、一部だけよ」
そういってサラは武器を握りしめた。次の攻撃も引き続き如意棒で殴るって事を態度で示していた。
「昔の偉い人は言いました。レベルを上げて物理で殴る!作戦だ!」
元帥として完璧な作戦を提示できた事に満足しながら俺は作戦実行の為地面を蹴りアイアンゴーレムに突っ込んで行く。
ストーンゴーレムの上位版とはいえ、動きは早くない。というか上位版なのに同程度の動きってどうなんだよ。
巨躯を生かして踏みふけようとする大きな足を回避しながら両腕のライトウェポンに魔力を組み込み殴る!殴る!殴る!
いつの間にかサラは敵の背後に回って如意棒で突いて突いて突きまくっている。
そしてトドメとばかり跳び上がり、顔面をフルパワーで殴ってやると、首がポロってとれた。
そしてそのまま動かなくなりその場に崩れ落ちた。
「よっしゃ!この雑魚がっ!!」
作戦通りに事が運び嬉しくなった俺がついお上品ではない言葉が口から飛び出ていた。それを聞いたサラも一瞬は驚いた顔をしたが、ガッツポーズをとって喜びを共有してくれた。
この笑顔の為なら何度でも戦える!
倒した後のアイアンゴーレムはボロボロと大小様々な形となって崩れ落ちていたので俺達は素材のため出来る限りを収納庫に入れておいた。
地下5階は通路も部屋も広めではあったものの、普通のダンジョンという感じだった。
たまにエンカウントする敵はアイアンゴーレム以外にもいたが。そしてマッピングしながら探索を続け、最奥と思われる部屋へとたどり着く。
トラップを警戒しつつ辺りを見回すが、この部屋で特に目につくものは一つしかない。宝箱が一つ。これだけ。
「こういう場合やっぱり宝箱がトラップが多いよな」
「私もそう思うわ。ちょっと下がってて」
サラはこの部屋の入り口にほど近い場所まで俺を下がらせると如意棒を伸ばし、棒の先で宝箱を器用に開く。
宝箱とは言ったものの、鍵など掛かっていない只の蓋つきの箱だ。開けるだけなら遠くから棒を使っても問題なくできた。
ただ、中を確認するためにはどちらかが近くまで行く必要はある。
「開けた瞬間に発動するトラップじゃないのは良かった。俺が見てくるからサラは待っていてくれ」
「いえ、何かあった場合私の方が危険を回避できるのよ? 私が行く」
「いや、回避不能なトラップの可能性だってある。その場合防御力の高い俺の方がいいだろう」
「回避不能ってゲームじゃないんだからあり得ないわよ。物理的に危険より早く逃げれば回避できるのは至極当然よ。アインシュタインもそんな事言っていたわ」
「アインシュタインはそんな事言わないよ。そもそもこういう場合、かのシェイクスピアは男が行くのが王道だと言っている」
シェイクスピアはそんな事は言ってませんけどね。
「それは男女差別よ。そもそもどっちが行っても問題ない場合において男女の違いを理由にするのは差別よ? つまり、ゲンスイさんの負け」
「すでに前提が違う。もし何かがあった場合に綺麗な君の肌が傷つくのは世界の損失だ」
「それこそ女性を見た目でしか判断していないものじゃない。人の存在価値は見た目じゃないわよ」
「君の存在価値は見た目だけじゃないが、見た目も含まれる。もちろん俺はその匂いも含めて君に惚れたんだ。そして中身も含めてサラ、君なんだよ」
「わたっ!私はそんなんじゃないわ。それに恩人であるあなたを傷つくのを黙って見るなんて出来ない。ここはやっぱり私が行くの」
サラが俺の話をぶった切り自分がさっさと行こうとするが、もちろん俺はサラの腕を掴んで止める。
「ちょっ待てよっ!」
精一杯男前を演出しようとした結果だ。大目に見てほしい。
「ププ…似てなさすぎ。もうちょっと寄せる努力しなさいよ」
「自分でも似てないのは自覚できたよ」
「「ふふふ……」」
少し笑い合った俺達は先ほど腕を掴んで引き寄せたサラと至近距離になっている為、目と目が合うだけでうっとりしてしまう。サラも動きを止め、俺の目を見返している。
どちらともなく唇と唇が近づく……
目を綴じようとしたその時、視界の端で何かが動いたのを捉える。
俺はサラの肩をトントンと軽く叩き合図を送ると、目線でその正体を追いかける。
動きがあったのはやはり宝箱だった。その中から20センチ程の石素材でできたっぽい蛙?が出て来たのだ。
宝箱の上にぴょこんと乗っかると両手を広げ、ヤレヤレみたいな動きをしそこから飛び降りる。
着地した時に音は無くそのまま床をぴょんぴょん跳ねて移動する。そして壁まで行くと顔を水掻きの付いた手でパタパタと動かすその姿は暑いときに団扇で仰ぐような仕草だ。
ふぅ、と一息吐く仕草のあと壁際を移動し、壁の隅にあった小さな穴へと消えて行った。
思わずその人間的な仕草に何も反応できなかったが、あれはもしかして俺達の甘い雰囲気に充てられたとでもいうのだろうか。
カエルが???
しかし、そうとしか考えられない動きにサラを見ると驚きの顔のまま固まっていた。
その姿が可愛いけど面白くてまた二人で笑った。
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