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水の精霊編
レンの防具は褌。防具ってなんだっけ?
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リビングルームに行くとレンがいた。
「ケン様、お疲れ様です。なにかありましたか?」
「いや、ちょっと疲れただけだ。何か飲み物をもらえるか?」
「はい! 体力回復・滋養強壮・性欲増強ドリンクでいいですか?」
「ちょっとまて。俺はこれから仮眠をとるんだ。そんなのいらん!」
「ああ、ではハーブティーを用意しますね。きっといい夢が見れますよ」
レンが言うとなんか怪しく聞こえる
「変な夢じゃないだろうね?」
「とんでもない!これはサーシェ様が寝る前に好んで飲まれているものですよ」
だったら大丈夫……なのかな。
差し出された紅茶を一口飲むと、爽やかな香りと共に深い味わいが口の中に広がった。
「これは、うん。美味しいね」
「それはよかったです。先ほどまで見張り台のほうで魔力が不思議な動きをしていました。きっとケン様でしょう?」
「ああ、まぁそうだね」
歯切れの悪い返答になるのは半分ウンディーネせいなんだけど。
「あれだけの魔力を使われるとお疲れでしょう」
「そうだね、魔力というより精神的に疲れたよ」
そういうと紅茶を飲みほした。
「これ、ありがとう。じゃあ何かあったら起こしてね」
「承知しました、ケン様」
そういって俺は寝室へと向かった。
リンダが寝ているのが見えたが、今日はモフモフよりもゆっくり寝たいので空いているベッドに入って仮眠した。
「ふぁ~あ」
俺はあくびを一つすると上体を起こした。
あれ?確か空いているベッドに入ったはずなのに、だれかが潜り込んでいる。
そっと布団をめくるとレンがいた。俺の足を抱き枕にして寝ていたようだ。
「あ、おはようございます」
起こしてしまったようだ。
「おはよう。ところでなんでレンがここで寝てるんだ?」
「ああ、ケン様が少しお疲れのご様子でしたので僭越ながらわたくしが添い寝させていただいておりました」
うん。疲れてたら添い寝する習慣なんてこの世界にもない。
でも突っ込んだら負けな気がするののでスルーしよう。
「そうかい。じゃあ俺は見張りに行くよ」
俺は剣を装備して寝室を出ると、メインマストを登り見張り台にやってきた。
「変わりはなさそうだね。見張り、交代するよ」
「変わりなし!じゃああとはお願いね」
そういうとジーナは見張り台を降りて行き、入れ替わるようにレンがやってきた。
「温かいお茶をお持ちしました」
「おお、気が効くね」
「ボクも丁度喉が渇いていたんだ、ありがとう」
そういうと俺とライカはお茶を受け取った。
そのままレンも見張り台に座り込むと自分用のお茶を飲み始める。
「レンはここにいても大丈夫なのかい?」
「はい、サーシェ様は今自室にてグインさんとお仕事をされておりました。しばらくはお呼びもかからないでしょうから、大丈夫です」
「そうか」
「今日は月も出ていて星も見えるね。月明りがあるからこのサーチライトが無くても遠くまで見渡せるね」
ライカにそう言われて見渡すと、確かに今日は月明りで明るい。空も快晴のため星もよく見えた。
この世界に来て思ったのは、星の配置は前世と全く違うということだ。
前世の星について詳しいわけじゃないけど、冬の大三角形とかオリオン座とか、有名なものくらいは知っていた。
でも、どの季節においても同じ配置は全くなかった。
おそらくは、地球とは全く違うんだろうと思う。
「ねぇ、あの辺だけ海の上に霧がかかってない?」
そう言われて見ると、確かに左舷後方の遠くの方だけ霧がかかっていた。
「確かに、あそこだけっていうのは不自然な感じがするね。まさか!?」
俺はサーチライトを向ける。
霧がかかった辺りまでは遠すぎて光は届かないが異変がないかよく見る。
しばらく見ていると、うっすらと船の影が見えた
「やっぱり幽霊船だ! レン、操舵室に伝えてくれ」
「分かりました」
そういうとレンは見張り台を降りた。
レンが操舵室に入ってしばらくするとサーシェさんが操舵室に入っていった。
そして、休んでいたユイ、ジーナ、リンダが出て来た。
そしてゴインさんが見張り台に上がってきた。
「ケン様、ライカ様、見張りは代わります。幽霊船の対応お願いします」
そう言われて俺達は見張り台から降り操舵室へ入った。
「サーシェさん、やっぱりまた来たようです」
「そうらしいな。では、攻撃部隊も防御部隊も左舷にて待機、乗り移れるようになったら攻撃部隊は出てくれ。できるだけこちらの船に損害がでないように頼む」
「わかりました」
それだけ言うと、俺達は甲板に出て左舷に向かった。
ライカとレンは俺にぴったりついてきていたが、ユイとジーナとリンダはすでに左舷にて待機していた。
レンはいつのまにか腰に小刀を装備していた。
防具は……褌のみのようだ。いいのか、それで。
そんなことを思っていると、幽霊船を迎えるように船の速度が少し落ちた。
オーベルさん、ナイスタイミング。
遠くに見えていた幽霊船は霧から出てだいぶ近づいてくる。
サーチライトに照らされた幽霊船は、やはりボロボロだった。
しかし、ボロボロながらも前に燃やしたはずの帆はついていた。それに船体も結構燃えたはずなのに焦げなどは見当たらなかった。
幽霊船はかなり接近してくると速度を落とし接舷する。
と同時に、碇がひとりでにこちらの船に飛んできたと思ったら、メインマストに絡みついた。
「なにあれ……勝手にあんな動きしないよね」
「さすが幽霊船。狙った獲物は逃がさないって感じが伝わるね。が、そうはさせない。俺達も行こう!」
俺とユイとライカ、それにレンの4人は幽霊船に飛び乗った!
幽霊船の甲板は、見た目埃を被ったように古くなっていたし歩くとギシギシ鳴るが、結構頑丈そうだ。
俺達はまず、操舵室を目指した。
周りには全く気配がない。
「【索敵】」
念のため、索敵魔法を使った。
まったく反応がない。
「何も反応がない。本当に無人なのか??」
「特殊な空間では索敵魔法が通用しないケースもあります。気を付けてください」
そういう場合もあるのか。
流石魔族で300歳を超えるレンは俺達よりも知識はあるようだ。
辺りを調べながら操舵室に入る。
誰もいない。
誰もいないのに操船できていたのか。
オートクルーズ機能かな。
そんな最新設備が整っているようにはまったくもって見えない。
操舵室の中に、船内へと降りる階段があったので俺達はゆっくりと降りていく。
中は部屋になっており、壁や天井、それに床にカビが生えていてそれが薄ぼんやりと光っていたため、視界は確保できた。
「便利なコケだな」
「ヒカリゴケですね」
異世界ファンタジー特有の種だろう。
「でも、まだ暗いから灯りをつけちゃおう。【照光】」
俺は適当に天井の向かって魔法を使った。
ゴゴゴゴゴゴ・・・ギギギギギギ・・・・
【照光】が天井に張り付いた瞬間、船が大きく揺れた!
「船自体も光魔法に弱いのかもしれませんね」
「なるほどね。じゃあどっから調べようか」
階段を降りると部屋になっており、そのさきに扉は一つしかない。
「扉は一つしかないよ。取り合えずここからじゃない?」
「ライカの意見採用! んじゃ、ここからいくよ」
俺達は武器を構え、そっと扉を開けた。
中を覗き込むと……魔物と目が合う。
瞬間、魔物が襲ってきた!
俺達は部屋に戻ると、出て来た魔物を切りつけた!
スカッ!
くっそ!半透明でサーベルを持った魔物が群れで部屋から出てくる!
「物理攻撃が効かないぞ」
「ケン様、光る剣を出してください。セーラーゴーストは精神体です!」
「その手があった!じゃじゃーん!らいとせーばー!!」
俺は剣に【照光】を張り付けて刃部分全体を光らせた!
そして切り付ける!
スカッ!
手ごたえはない。
「グァアアアアア」
が、なんか苦しんでいるっぽい。
「手ごたえはないけど、なんか効いているっぽいぞ」
続いてユイもライトセーバーで攻撃!
相手を素通りするが、やっぱり苦しんでいるように見える。
「じゃあ魔法で攻撃するよ!【火球】」
ライカは杖を構えるとセーラーゴーストに向けて魔法を撃った!
ゴォオオオオ!
轟音を上げて魔物が燃え始めた!
「おお、魔法はガッツリ効いてるね」
しばらく燃えていたセーラーゴーストは、燃え尽きたのか炎と共に消え去った。
「次々くるよ!【火球】」
次の部屋もこの部屋と同じくらいの広さしかないのに何匹詰まっていたんだ。
俺達は次から次に出てくる魔物に攻撃を重ねて行った。
幸い、セーラーゴーストの動きは遅く攻撃される前に倒して行けたし、攻撃してきたのが分かってからでも回避は十分に間に合った。
20体以上倒したところで出てこなくなったので次の部屋を改めて覗き込んだ。
部屋自体の作りは最初の部屋と同じようで次の部屋に行く扉がひとつ、魔物はもういなかった。
「とりあえず全部倒せたみたいだね」
「物理攻撃は効かなかったけど、倒したら魔石は出てきてるね。回収しとこう」
魔石を全部回収したら24個あった。
次の部屋も最初の部屋と同じようにヒカリゴケがあちこちについていた。
が、
「【照光】」
ゴゴゴゴゴ……ギギギギギ……
天井に灯りを張り付けておいた。
「さって、これだけ暴れたんだから次の部屋に魔物がいたら気づいてこっちに来そうなものだけど何もこないね」
「ということは次の部屋は空き部屋なのかな?」
そういいながら、俺は扉をそっと開けた。
魔物と目があった!
瞬間、襲い掛かってきた!
「うわっ!」
襲ってきたのは両手に剣を持った骨のみの兵士だ!
こいつも動きは遅かったので回避できた。
「次はボーンソルジャーですね。こいつは物理も効きますよ!」
「おっけー、んじゃ一発!」
俺はライトセーバーを思いっきり振り下ろした!
ザシュッ!
今度は手ごたえがあった。
そして肩から足まで真っ二つにしてやったボーンソルジャーはその場で灰になった
「次、来てるよ!【火球】」
扉からは次々とボーンソルジャーが入ってきている。
一番手前にいたヤツにライカの魔法が当たり、その場で灰になった。
が、後ろからどんどんやってくる。
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
俺達は4人がかりで火魔法を撃ちまくった。
しばらくすると、魔物が入ってこなくなったので次の部屋を覗く。
と、すべて倒したようで中には何もいなかった。
「【照光】」
ゴゴゴゴゴ……ギギギギギギ……
船が多少揺れたが、次の部屋も造りは同じ・・・か。
「じゃあ魔石拾っとくか」
というと手分けして魔石を拾う。
ふと見ると、俺達が入ってきた扉が閉まっていた。
「だれか、後ろの扉閉めた?」
そういいながら扉を開けようと近づく。
「いえ、だれも触ってないと思いますが」
ガチャ……ガチャガチャ!
開かない。しっかりロックされているようだ。
「あれ? 開かないんだけど」
「後戻りは出来ない仕掛けのようですね」
「一時撤退は許さないってことか」
「頑張って破壊してみる?」
俺とユイはなんとなく扉を燃やし尽くしてみようかと考えていた。
「それもありですが、とりあえずまだ進める道はありますから進みませんか?」
と言われ、試すのをあきらめた。
まぁこういう場合不思議な力で燃えなかったり壊れなかったりするのがパターンだろうしね。
「じゃあ次にいってみるか」
俺は次の部屋に進む扉をそっと開けた。
魔物と目があった!
瞬間、襲い掛かってきた!
「そうくると思ったよ!」
言いながら俺は回避行動をとる。
今度は骨だけの魚が泳ぎながら襲い掛かってきた!キラーフィッシュサイズなのでまぁまぁデカいし今度は動きもそこそこ早い。
「インドアフィッシュですね。こいつも物理も効きますよ」
俺はライトセーバーで思いっきり斬り付ける
ザシュッ!
真っ二つになったインドアフィッシュは床に落ちると灰になった。
「次々来るよ!」
見ると魚の群れがどんどん入ってくる
俺とユイは剣撃で、ライカとレンは魔法で攻撃していった。
【身体機能強化】を使ったライカも魔族であるレンもこの程度の動きだったら掠らせもしない。
問題なく撃破していった。
次の部屋を覗くと、やはり同じ作りっぽかった。
「一つの部屋には敵が一種類。倒すと次の部屋への扉へ進める。前の扉はいつの間にか閉じて戻れなくなる。このパターンばかりなのかな」
「どうかな。一つの部屋自体はそこまで大きくないけど、そろそろ船の先端部分くらいになるんじゃない?」
確かに船のほぼ中央にあった操舵室の階段を降りて、船首側に向って部屋が延びている。そして何部屋か通り過ぎたが、外から見た感じだとそろそろ船首に辿り着く位のはずだ。
「となると部屋の作りがそろそろ変わるかな?」
「じゃあ次、開けるよ」
俺はそーっと次の部屋の扉を開ける。
魔物と目が合う。
と同時に襲い掛かってきた!
が、俺も学習した。
「【火結界】」
魔物と目が合った瞬間次の部屋全体を覆うように炎で結界を作った!
「流石に同じパターンを何度も繰り返すならこういう対策だって思いつくよね」
部屋の中、結界の中にはどうみてもゾンビがうようよ犇めいていたが炎の結界に阻まれて身動きが出来ないようだ。
「じゃあ、さっさと焼却しますか」
というと俺は手のひらに魔力を込め、【火結界】を少しずつ縮める。
居場所のなくなったゾンビは炎の壁に焼かれて灰となっていく。
部屋の半分位まで縮めると、最後は床から天井に集まった炎が勢いよく床に落ち、中にいるゾンビをすべて焼き尽くした。
「うわぁ。すごい魔法ですね。【火結界】をそんな風に使うのははじめてみましたが……すごい威力ですね。あれじゃアンブレラゾンビも一たまりもないでしょう」
「せっかく捕まえた敵は殲滅しなきゃね。他にも色々アイデアはあるけど、今回はこれで問題ないでしょ」
俺は答えると、次の部屋に入っていく。
「予想は外れてまた直進する方向にしか扉はないね」
「もういい加減船首部分に達していると思うんだけどなぁ。見た目より中は広いってことかな?」
どうだろうか。多少の誤差はあれどさすがにそろそろだと思うんだけどな。
まぁ、まだ続くならもう一回進んでみるか。
「じゃあ次の扉を開けるよ」
俺はそっと扉を開けた
魔物と目が合う!
「【火結界】」
先ほどと同じ手順で次の部屋を殲滅する。
「今度はヘルズファントムですか。単独で戦ってもそこそこ強い奴なんですけどね」
半透明の赤黒いそいつらは、ヘルズファントムって言うらしい。
が、何もできないまま俺の炎に燃やし尽くされ、残ったのは魔石だけだった。
次の部屋も【照光】をつけて照らし出す。
またしても直進方向にしか扉がない。
直進方向はもう船の範囲を出るんじゃないだろうか。
「さすがにこれっておかしくないかな」
「確かにね。俺達が乗ってきた船よりも大きいとはいえ、ここまで広くはないはずだ」
「とすると考えられるのは、船自体が異次元ダンジョンみたいな話か?」
「異次元ってなんですか?」
レンに聞かれた。
異次元っていう概念そのものがないのかもしれない。
「なんだろうね」
もう説明もできそうにないや。
「レンはどう思う?」
「単純に、階段を降りた先っていうのは魔法鞄の中みたいになっているのではないでしょうか?」
船自体が魔法鞄になっていれば、見た目よりもずっと大きな船内ってことか。
「なるほど。ということは見た目の3倍とか5倍とかの広さがあるってこと?」
「何倍になるのかは分かりませんが、おそらく」
「ということは、何倍だとしても終わりはあるって事か」
「その考え方でいくならば、そうなります」
「しかし、船の中を魔法鞄にしてしまおうって発想がすごいね」
「そうですか? 実は国が作った船とかそうなっているのもありますよ。あと、とある国の王宮とか古代迷宮とかも」
「まじか」
「はい」
確かにこの方法を使えば、狭い住宅でも広々使えるという夢のような話だ。
「ただしかなり複雑で高額な魔法陣をあちこちに設置する必要がありますので、それこそ国とかの単位でないと破産しますけどね」
「なるほど。そんな便利な方法が一般的になっているならどこかで見ているはずだもんな」
「今のところ、あまり一般的ではないですね」
「でもま、そういう理屈なら限度があるってことだ。ならばどんどん進んでみるか」
そういって俺は次の扉をそーっと開いた。
予想通り魔物と目が合った。
魔物が襲い掛か・・・る前に
「【火結界】」
炎の壁で閉じ込めた。
部屋の中にいた敵は銀髪にオールバック、黒いマントで姿を隠しているがその八重歯が特徴的。
「これってもしかして、吸血鬼?」
「そうです。見たことがあるのですか?」
「いや、ないけど何となくね」
俺は結界にさらに魔力を送り、すべてを燃やし尽くした。
部屋に灯りをつけて魔石を回収しながら、これだけの炎を出しても部屋には多少焦げた跡はあってもそれだけですんでいることが不思議だった。
それからさらに同じ手順で進む。
次の部屋にいたのはセーラーゴースト。
次はボーンソルジャー。
次はインドアフィッシュ。
次はアンブレラゾンビ。
次はヘルズファントム。
さっきと同じ流れがもう一度来ている感じだ。
このままだと次の部屋は吸血鬼のはずだ。
が、ここで様子が変わる。
「ケン様、お疲れ様です。なにかありましたか?」
「いや、ちょっと疲れただけだ。何か飲み物をもらえるか?」
「はい! 体力回復・滋養強壮・性欲増強ドリンクでいいですか?」
「ちょっとまて。俺はこれから仮眠をとるんだ。そんなのいらん!」
「ああ、ではハーブティーを用意しますね。きっといい夢が見れますよ」
レンが言うとなんか怪しく聞こえる
「変な夢じゃないだろうね?」
「とんでもない!これはサーシェ様が寝る前に好んで飲まれているものですよ」
だったら大丈夫……なのかな。
差し出された紅茶を一口飲むと、爽やかな香りと共に深い味わいが口の中に広がった。
「これは、うん。美味しいね」
「それはよかったです。先ほどまで見張り台のほうで魔力が不思議な動きをしていました。きっとケン様でしょう?」
「ああ、まぁそうだね」
歯切れの悪い返答になるのは半分ウンディーネせいなんだけど。
「あれだけの魔力を使われるとお疲れでしょう」
「そうだね、魔力というより精神的に疲れたよ」
そういうと紅茶を飲みほした。
「これ、ありがとう。じゃあ何かあったら起こしてね」
「承知しました、ケン様」
そういって俺は寝室へと向かった。
リンダが寝ているのが見えたが、今日はモフモフよりもゆっくり寝たいので空いているベッドに入って仮眠した。
「ふぁ~あ」
俺はあくびを一つすると上体を起こした。
あれ?確か空いているベッドに入ったはずなのに、だれかが潜り込んでいる。
そっと布団をめくるとレンがいた。俺の足を抱き枕にして寝ていたようだ。
「あ、おはようございます」
起こしてしまったようだ。
「おはよう。ところでなんでレンがここで寝てるんだ?」
「ああ、ケン様が少しお疲れのご様子でしたので僭越ながらわたくしが添い寝させていただいておりました」
うん。疲れてたら添い寝する習慣なんてこの世界にもない。
でも突っ込んだら負けな気がするののでスルーしよう。
「そうかい。じゃあ俺は見張りに行くよ」
俺は剣を装備して寝室を出ると、メインマストを登り見張り台にやってきた。
「変わりはなさそうだね。見張り、交代するよ」
「変わりなし!じゃああとはお願いね」
そういうとジーナは見張り台を降りて行き、入れ替わるようにレンがやってきた。
「温かいお茶をお持ちしました」
「おお、気が効くね」
「ボクも丁度喉が渇いていたんだ、ありがとう」
そういうと俺とライカはお茶を受け取った。
そのままレンも見張り台に座り込むと自分用のお茶を飲み始める。
「レンはここにいても大丈夫なのかい?」
「はい、サーシェ様は今自室にてグインさんとお仕事をされておりました。しばらくはお呼びもかからないでしょうから、大丈夫です」
「そうか」
「今日は月も出ていて星も見えるね。月明りがあるからこのサーチライトが無くても遠くまで見渡せるね」
ライカにそう言われて見渡すと、確かに今日は月明りで明るい。空も快晴のため星もよく見えた。
この世界に来て思ったのは、星の配置は前世と全く違うということだ。
前世の星について詳しいわけじゃないけど、冬の大三角形とかオリオン座とか、有名なものくらいは知っていた。
でも、どの季節においても同じ配置は全くなかった。
おそらくは、地球とは全く違うんだろうと思う。
「ねぇ、あの辺だけ海の上に霧がかかってない?」
そう言われて見ると、確かに左舷後方の遠くの方だけ霧がかかっていた。
「確かに、あそこだけっていうのは不自然な感じがするね。まさか!?」
俺はサーチライトを向ける。
霧がかかった辺りまでは遠すぎて光は届かないが異変がないかよく見る。
しばらく見ていると、うっすらと船の影が見えた
「やっぱり幽霊船だ! レン、操舵室に伝えてくれ」
「分かりました」
そういうとレンは見張り台を降りた。
レンが操舵室に入ってしばらくするとサーシェさんが操舵室に入っていった。
そして、休んでいたユイ、ジーナ、リンダが出て来た。
そしてゴインさんが見張り台に上がってきた。
「ケン様、ライカ様、見張りは代わります。幽霊船の対応お願いします」
そう言われて俺達は見張り台から降り操舵室へ入った。
「サーシェさん、やっぱりまた来たようです」
「そうらしいな。では、攻撃部隊も防御部隊も左舷にて待機、乗り移れるようになったら攻撃部隊は出てくれ。できるだけこちらの船に損害がでないように頼む」
「わかりました」
それだけ言うと、俺達は甲板に出て左舷に向かった。
ライカとレンは俺にぴったりついてきていたが、ユイとジーナとリンダはすでに左舷にて待機していた。
レンはいつのまにか腰に小刀を装備していた。
防具は……褌のみのようだ。いいのか、それで。
そんなことを思っていると、幽霊船を迎えるように船の速度が少し落ちた。
オーベルさん、ナイスタイミング。
遠くに見えていた幽霊船は霧から出てだいぶ近づいてくる。
サーチライトに照らされた幽霊船は、やはりボロボロだった。
しかし、ボロボロながらも前に燃やしたはずの帆はついていた。それに船体も結構燃えたはずなのに焦げなどは見当たらなかった。
幽霊船はかなり接近してくると速度を落とし接舷する。
と同時に、碇がひとりでにこちらの船に飛んできたと思ったら、メインマストに絡みついた。
「なにあれ……勝手にあんな動きしないよね」
「さすが幽霊船。狙った獲物は逃がさないって感じが伝わるね。が、そうはさせない。俺達も行こう!」
俺とユイとライカ、それにレンの4人は幽霊船に飛び乗った!
幽霊船の甲板は、見た目埃を被ったように古くなっていたし歩くとギシギシ鳴るが、結構頑丈そうだ。
俺達はまず、操舵室を目指した。
周りには全く気配がない。
「【索敵】」
念のため、索敵魔法を使った。
まったく反応がない。
「何も反応がない。本当に無人なのか??」
「特殊な空間では索敵魔法が通用しないケースもあります。気を付けてください」
そういう場合もあるのか。
流石魔族で300歳を超えるレンは俺達よりも知識はあるようだ。
辺りを調べながら操舵室に入る。
誰もいない。
誰もいないのに操船できていたのか。
オートクルーズ機能かな。
そんな最新設備が整っているようにはまったくもって見えない。
操舵室の中に、船内へと降りる階段があったので俺達はゆっくりと降りていく。
中は部屋になっており、壁や天井、それに床にカビが生えていてそれが薄ぼんやりと光っていたため、視界は確保できた。
「便利なコケだな」
「ヒカリゴケですね」
異世界ファンタジー特有の種だろう。
「でも、まだ暗いから灯りをつけちゃおう。【照光】」
俺は適当に天井の向かって魔法を使った。
ゴゴゴゴゴゴ・・・ギギギギギギ・・・・
【照光】が天井に張り付いた瞬間、船が大きく揺れた!
「船自体も光魔法に弱いのかもしれませんね」
「なるほどね。じゃあどっから調べようか」
階段を降りると部屋になっており、そのさきに扉は一つしかない。
「扉は一つしかないよ。取り合えずここからじゃない?」
「ライカの意見採用! んじゃ、ここからいくよ」
俺達は武器を構え、そっと扉を開けた。
中を覗き込むと……魔物と目が合う。
瞬間、魔物が襲ってきた!
俺達は部屋に戻ると、出て来た魔物を切りつけた!
スカッ!
くっそ!半透明でサーベルを持った魔物が群れで部屋から出てくる!
「物理攻撃が効かないぞ」
「ケン様、光る剣を出してください。セーラーゴーストは精神体です!」
「その手があった!じゃじゃーん!らいとせーばー!!」
俺は剣に【照光】を張り付けて刃部分全体を光らせた!
そして切り付ける!
スカッ!
手ごたえはない。
「グァアアアアア」
が、なんか苦しんでいるっぽい。
「手ごたえはないけど、なんか効いているっぽいぞ」
続いてユイもライトセーバーで攻撃!
相手を素通りするが、やっぱり苦しんでいるように見える。
「じゃあ魔法で攻撃するよ!【火球】」
ライカは杖を構えるとセーラーゴーストに向けて魔法を撃った!
ゴォオオオオ!
轟音を上げて魔物が燃え始めた!
「おお、魔法はガッツリ効いてるね」
しばらく燃えていたセーラーゴーストは、燃え尽きたのか炎と共に消え去った。
「次々くるよ!【火球】」
次の部屋もこの部屋と同じくらいの広さしかないのに何匹詰まっていたんだ。
俺達は次から次に出てくる魔物に攻撃を重ねて行った。
幸い、セーラーゴーストの動きは遅く攻撃される前に倒して行けたし、攻撃してきたのが分かってからでも回避は十分に間に合った。
20体以上倒したところで出てこなくなったので次の部屋を改めて覗き込んだ。
部屋自体の作りは最初の部屋と同じようで次の部屋に行く扉がひとつ、魔物はもういなかった。
「とりあえず全部倒せたみたいだね」
「物理攻撃は効かなかったけど、倒したら魔石は出てきてるね。回収しとこう」
魔石を全部回収したら24個あった。
次の部屋も最初の部屋と同じようにヒカリゴケがあちこちについていた。
が、
「【照光】」
ゴゴゴゴゴ……ギギギギギ……
天井に灯りを張り付けておいた。
「さって、これだけ暴れたんだから次の部屋に魔物がいたら気づいてこっちに来そうなものだけど何もこないね」
「ということは次の部屋は空き部屋なのかな?」
そういいながら、俺は扉をそっと開けた。
魔物と目があった!
瞬間、襲い掛かってきた!
「うわっ!」
襲ってきたのは両手に剣を持った骨のみの兵士だ!
こいつも動きは遅かったので回避できた。
「次はボーンソルジャーですね。こいつは物理も効きますよ!」
「おっけー、んじゃ一発!」
俺はライトセーバーを思いっきり振り下ろした!
ザシュッ!
今度は手ごたえがあった。
そして肩から足まで真っ二つにしてやったボーンソルジャーはその場で灰になった
「次、来てるよ!【火球】」
扉からは次々とボーンソルジャーが入ってきている。
一番手前にいたヤツにライカの魔法が当たり、その場で灰になった。
が、後ろからどんどんやってくる。
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
「【火球】」
俺達は4人がかりで火魔法を撃ちまくった。
しばらくすると、魔物が入ってこなくなったので次の部屋を覗く。
と、すべて倒したようで中には何もいなかった。
「【照光】」
ゴゴゴゴゴ……ギギギギギギ……
船が多少揺れたが、次の部屋も造りは同じ・・・か。
「じゃあ魔石拾っとくか」
というと手分けして魔石を拾う。
ふと見ると、俺達が入ってきた扉が閉まっていた。
「だれか、後ろの扉閉めた?」
そういいながら扉を開けようと近づく。
「いえ、だれも触ってないと思いますが」
ガチャ……ガチャガチャ!
開かない。しっかりロックされているようだ。
「あれ? 開かないんだけど」
「後戻りは出来ない仕掛けのようですね」
「一時撤退は許さないってことか」
「頑張って破壊してみる?」
俺とユイはなんとなく扉を燃やし尽くしてみようかと考えていた。
「それもありですが、とりあえずまだ進める道はありますから進みませんか?」
と言われ、試すのをあきらめた。
まぁこういう場合不思議な力で燃えなかったり壊れなかったりするのがパターンだろうしね。
「じゃあ次にいってみるか」
俺は次の部屋に進む扉をそっと開けた。
魔物と目があった!
瞬間、襲い掛かってきた!
「そうくると思ったよ!」
言いながら俺は回避行動をとる。
今度は骨だけの魚が泳ぎながら襲い掛かってきた!キラーフィッシュサイズなのでまぁまぁデカいし今度は動きもそこそこ早い。
「インドアフィッシュですね。こいつも物理も効きますよ」
俺はライトセーバーで思いっきり斬り付ける
ザシュッ!
真っ二つになったインドアフィッシュは床に落ちると灰になった。
「次々来るよ!」
見ると魚の群れがどんどん入ってくる
俺とユイは剣撃で、ライカとレンは魔法で攻撃していった。
【身体機能強化】を使ったライカも魔族であるレンもこの程度の動きだったら掠らせもしない。
問題なく撃破していった。
次の部屋を覗くと、やはり同じ作りっぽかった。
「一つの部屋には敵が一種類。倒すと次の部屋への扉へ進める。前の扉はいつの間にか閉じて戻れなくなる。このパターンばかりなのかな」
「どうかな。一つの部屋自体はそこまで大きくないけど、そろそろ船の先端部分くらいになるんじゃない?」
確かに船のほぼ中央にあった操舵室の階段を降りて、船首側に向って部屋が延びている。そして何部屋か通り過ぎたが、外から見た感じだとそろそろ船首に辿り着く位のはずだ。
「となると部屋の作りがそろそろ変わるかな?」
「じゃあ次、開けるよ」
俺はそーっと次の部屋の扉を開ける。
魔物と目が合う。
と同時に襲い掛かってきた!
が、俺も学習した。
「【火結界】」
魔物と目が合った瞬間次の部屋全体を覆うように炎で結界を作った!
「流石に同じパターンを何度も繰り返すならこういう対策だって思いつくよね」
部屋の中、結界の中にはどうみてもゾンビがうようよ犇めいていたが炎の結界に阻まれて身動きが出来ないようだ。
「じゃあ、さっさと焼却しますか」
というと俺は手のひらに魔力を込め、【火結界】を少しずつ縮める。
居場所のなくなったゾンビは炎の壁に焼かれて灰となっていく。
部屋の半分位まで縮めると、最後は床から天井に集まった炎が勢いよく床に落ち、中にいるゾンビをすべて焼き尽くした。
「うわぁ。すごい魔法ですね。【火結界】をそんな風に使うのははじめてみましたが……すごい威力ですね。あれじゃアンブレラゾンビも一たまりもないでしょう」
「せっかく捕まえた敵は殲滅しなきゃね。他にも色々アイデアはあるけど、今回はこれで問題ないでしょ」
俺は答えると、次の部屋に入っていく。
「予想は外れてまた直進する方向にしか扉はないね」
「もういい加減船首部分に達していると思うんだけどなぁ。見た目より中は広いってことかな?」
どうだろうか。多少の誤差はあれどさすがにそろそろだと思うんだけどな。
まぁ、まだ続くならもう一回進んでみるか。
「じゃあ次の扉を開けるよ」
俺はそっと扉を開けた
魔物と目が合う!
「【火結界】」
先ほどと同じ手順で次の部屋を殲滅する。
「今度はヘルズファントムですか。単独で戦ってもそこそこ強い奴なんですけどね」
半透明の赤黒いそいつらは、ヘルズファントムって言うらしい。
が、何もできないまま俺の炎に燃やし尽くされ、残ったのは魔石だけだった。
次の部屋も【照光】をつけて照らし出す。
またしても直進方向にしか扉がない。
直進方向はもう船の範囲を出るんじゃないだろうか。
「さすがにこれっておかしくないかな」
「確かにね。俺達が乗ってきた船よりも大きいとはいえ、ここまで広くはないはずだ」
「とすると考えられるのは、船自体が異次元ダンジョンみたいな話か?」
「異次元ってなんですか?」
レンに聞かれた。
異次元っていう概念そのものがないのかもしれない。
「なんだろうね」
もう説明もできそうにないや。
「レンはどう思う?」
「単純に、階段を降りた先っていうのは魔法鞄の中みたいになっているのではないでしょうか?」
船自体が魔法鞄になっていれば、見た目よりもずっと大きな船内ってことか。
「なるほど。ということは見た目の3倍とか5倍とかの広さがあるってこと?」
「何倍になるのかは分かりませんが、おそらく」
「ということは、何倍だとしても終わりはあるって事か」
「その考え方でいくならば、そうなります」
「しかし、船の中を魔法鞄にしてしまおうって発想がすごいね」
「そうですか? 実は国が作った船とかそうなっているのもありますよ。あと、とある国の王宮とか古代迷宮とかも」
「まじか」
「はい」
確かにこの方法を使えば、狭い住宅でも広々使えるという夢のような話だ。
「ただしかなり複雑で高額な魔法陣をあちこちに設置する必要がありますので、それこそ国とかの単位でないと破産しますけどね」
「なるほど。そんな便利な方法が一般的になっているならどこかで見ているはずだもんな」
「今のところ、あまり一般的ではないですね」
「でもま、そういう理屈なら限度があるってことだ。ならばどんどん進んでみるか」
そういって俺は次の扉をそーっと開いた。
予想通り魔物と目が合った。
魔物が襲い掛か・・・る前に
「【火結界】」
炎の壁で閉じ込めた。
部屋の中にいた敵は銀髪にオールバック、黒いマントで姿を隠しているがその八重歯が特徴的。
「これってもしかして、吸血鬼?」
「そうです。見たことがあるのですか?」
「いや、ないけど何となくね」
俺は結界にさらに魔力を送り、すべてを燃やし尽くした。
部屋に灯りをつけて魔石を回収しながら、これだけの炎を出しても部屋には多少焦げた跡はあってもそれだけですんでいることが不思議だった。
それからさらに同じ手順で進む。
次の部屋にいたのはセーラーゴースト。
次はボーンソルジャー。
次はインドアフィッシュ。
次はアンブレラゾンビ。
次はヘルズファントム。
さっきと同じ流れがもう一度来ている感じだ。
このままだと次の部屋は吸血鬼のはずだ。
が、ここで様子が変わる。
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