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黒銀の魔女
黒銀の魔女 4
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魔女集会の翌日、魔女とリヒトは再び手を繋いで異界の扉を潜り魔の森に戻ってきた。軽やかな足取りで森を進む魔女の、風に踊る毛先が一房結晶になり砕け散る。魔女が転ばないように、と魔女の先を進むリヒトは魔女から魔石が発生したことに気付かなかった。
前を進むリヒトの背中を見つめ、魔女は柔らかな微笑みを浮かべる。『私の事は覚えてなくて良い。魔力過多症なんて知らなくて良い。リヒトは光の道を進みなさい』と、声に出さずに言葉を贈った。
家へ戻ると、リヒトは魔女を椅子に座らせ魔女の為に香茶を入れる。
「はい、母さん。これ飲んでゆっくりしてて。俺は街に買い物行ってくるから」
魔女を一人残し、リヒトは街へと向かった。魔女が人間に傷付けられないように、と言う気持ちも勿論ある。しかしリヒトが街へ一人で下りる理由はただ一つ。『魔女に言い寄る虫が湧かないように』である。自分以外を見るのも嫌だ、そんな理由でリヒトは魔女が街へ行かないように自分が街への用事を引き受ける。
礼儀正しいしっかり者に育ったリヒトは、人間に厭われる黒を持ちながらもその人柄で周囲の人間に受け入れられていた。リヒトの行く先々で娘達が秋波を送るも彼はにこやかに手を振り避けていく。そんなつれないところも素敵、とリヒトに想いを寄せる娘達。魔女は飽和直前の体内の魔力を放出して魔石を量産しながら水鏡でその様子を見ていた。そしてふと、うちの息子そろそろ嫁を貰ってくる年頃なんじゃないか、と言う考えに至る。子の心親知らず。魔女は、リヒトとまだ見ぬリヒトの番の事を考えながら限界まで魔力を放出し、新たに熱々の香茶を入れマグカップを冷たくなった指先を温め始めた。そしてポツリと言葉をこぼした。
「リトが料理してくれるのは嬉しいんだけど、気を付けないと直ぐに魔力が飽和しちゃうのよね。そろそろ私は食事不要って言うべきかしら?でも悲しい顔はさせたくないし、やっぱりリトが居ない間に限界まで魔力を抜いておくしかないのかしらねぇ。嫁の事はリトが戻ったら早速聞いてみよう」
街での買い物を済ませたリヒトは、そんな魔女の考えなど知る由もなく飛ぶようにして魔女の待つ森の家へと帰ってくる。魔女と過ごした10年の間に、リヒトは『魔女が魔法以外は殆どまともにできないおっとりした人物』であると認識していた。魔女がまともな食事を摂り始めたのはリヒトを拾ってからであり、彼は魔女が食事をしない理由を未だに教えられていなかったのだ。故に一人にするとまともな食事をしなくなる魔女をリヒトが放って置くはずもなく、彼は日々せっせと魔女の世話を焼くのである。
「ただいま、母さん。今日は小麦とチーズとミルクを買って来たよ。小麦だけのつもりだったんだけど良いチーズ見つけちゃったんだ。今晩はチーズを使ったシチューにしようよ」
「おかえりリト、早かったわね。もう少しゆっくりしてきても良かったのに。リトの作ったご飯は美味しいから楽しみだわ。私は何をすれば良いかしら?」
親子の共同作業ね、とワクワクした様子の魔女にリヒトはやんわりと否と伝える。
「俺が作るから母さんは座って待っててね。母さんには俺の手料理を食べてほしいんだ。また今度一緒に作ろ?」
「あらそう?じゃあ座って待ってるわ」
魔女は残念そうな顔をして、立ち上がりかけていた椅子に再度腰を下ろした。靴を脱ぎ、マグカップを持ったまま椅子の上で膝を抱える様はまるで子供のようで、リヒトは小さく笑みをこぼした。
魔女が香茶を飲み終える頃、パンの焼ける香ばしい香りとシチューの香りが部屋に漂い始め、料理をしていたリヒトがカチャカチャと食器を並べていく。
「ごめんね、母さん。パンは今朝のを焼き直しただけなんだけど……」
眉を下げて申し訳なさげな表情をするリヒトに、魔女はニコニコと言葉を返す。
「あら。そんな風に言わないでちょうだい。このパンだって今朝リトが焼いてくれた物だし、わざわざ焼き直してくれたんでしょう?とっても嬉しいわ!」
二人は会話を楽しみつつ食事を始めた。チーズの香りが食欲をそそるシチューに焼いたパンを浸し、柔らかくしてからスプーンで口に運ぶ魔女と、パンでシチューを掬うようにして食べるリヒト。美味しい、と頬を緩める魔女の表情にリヒトは嬉しそうに笑っていた。
「ご飯とっても美味しかったわ、リト。ありがとね。食器は私が片付けるよ」
食事で回復した魔力を少しでも減らしておきたいし、と口の中で続け魔女はリヒトが言葉を発する前に魔法で食器を洗い片付け始めた。終わったら暖炉の前でゆっくりしようよ、と魔女はリヒトに声を掛ける。
「母さんも。母さんも一緒にゆっくりしてくれるなら」
まるで幼子のようなことを言うリヒトに、魔女はお風呂に入ってからねと返し浴室へと向かった。
「そうだ。親子ってお風呂に一緒に入るものらしいね。リトも一緒にお風呂入るかい?」
扉から顔を覗かせ、リヒトに声を掛ける。
「母さん!!!」
頬を赤らめたリヒトを笑いながら、魔女はけらけらと笑いながら冗談だよと返しそのまま扉の向こうに消えた。勘弁して下さいよ、とリヒトは赤い顔のまま頭を抱え床に座り込んだのであった。そして魔女と入れ替わりで浴室に向かい手早く風呂を済ませると、暖炉の前の椅子で膝を抱えて座っている魔女の元へ向かった。
「母さん。いつも言ってるでしょ。髪ちゃんと乾かさなきゃ風邪引くよ」
リヒトは魔女の濡れたままの髪に乾いたタオルを当て、魔女の長い髪を優しく乾かしていく。
「んー。リトが乾かしてくれるから濡れたままでも良いの」
魔女の言葉にリヒトは嬉しそうな顔をしたが、続いた魔女の言葉に肩を落とした。しかし魔女には人間に関しての知識が足りないことを知っている彼は冷静に言葉を返す。
「リトもイケメンに成長したよねぇ。人間的にはお年頃ってやつなんじゃない?そろそろ嫁の一人や二人見つけてきたらどうなの?」
「突然だね。俺はまだ成長途中の子供なので嫁はもらえませんよ。心配はまだまだ不要です」
「そうなの?そっか……人間の成長って思ってたよりゆっくりなのねぇ、知らなかったわ。お前の綺麗な顔気に入ってるからお前に子供出来たら可愛がりたかったのに当分先かぁ」
「ん゛ん゛……!」
リヒトの言葉を真に受けた魔女は残念そうに口をとがらせると、背後で自分の髪を乾かしているリヒトに背中を預けそのまま寝る体制に入った。そんな魔女の様子が彼の何かを刺激したのか、リヒトは片手でにやけかけた口を覆い隠し喉を鳴らした。簡単に騙され過ぎです、そんな言葉は喉の奥に飲み込んで彼は魔女を抱き上げ寝室へと連れて行った。
「もう。母さんってば俺も『オトコ』ってこと忘れてるの?後で後悔しても知らないよ」
眠ってしまった魔女には聞こえていないと理解していながらもリヒトはそんな呟きを漏らした。彼が魔女にとって『息子』でなくなる日はまだ遠い。
翌日、寝室から出てきた魔女は朝食の準備をしていたリヒトに忘れていたと言いながら小さな包みを手渡した。
「昨日は先に寝ちゃってごめんね。運んでくれてありがとう。昨日はリヒトと家族になって丁度十年だったでしょう?プレゼントをね、用意していたの」
「開けても?」
リヒトが包みを開けると、小さな緋色の魔石でできたピアスが出てきた。コロリとリヒトの掌で転がる小さなそのピアスは、偽装の細工が施され一見ではわからないが恐ろしく高純度な魔石を加工して作られた物だった。魔女から発生した魔石を最小サイズまで圧縮し、護りの陣を施した魔女のリヒトへと愛だった。
「母さん……ありがとう……」
異性にアクセサリーを贈る意味を知らないんだろうな、とリヒトの頭にそんな言葉が浮かぶ。けれどそれでも良い、とリヒトは嬉しそうに笑い耳にピアスを填めた。黒髪から覗く白い肌に赤が映える。
「良かった。とても似合ってるよ、リト」
恋人同士でアクセサリーを贈る事はあっても親子でアクセサリーを贈る事はない。しかし魔女は『異性への贈り物ならアクセサリー』と水晶を使って街で仕入れた情報のままにアクセサリーを贈った。親子であればナイフなどが主流だろうか。
残念ながらそれに気付かないまま魔女は、自ら街の娘達に『リヒトには恋人がいるから恋愛は諦めろ』と言うメッセージを発する事になるのであった。
前を進むリヒトの背中を見つめ、魔女は柔らかな微笑みを浮かべる。『私の事は覚えてなくて良い。魔力過多症なんて知らなくて良い。リヒトは光の道を進みなさい』と、声に出さずに言葉を贈った。
家へ戻ると、リヒトは魔女を椅子に座らせ魔女の為に香茶を入れる。
「はい、母さん。これ飲んでゆっくりしてて。俺は街に買い物行ってくるから」
魔女を一人残し、リヒトは街へと向かった。魔女が人間に傷付けられないように、と言う気持ちも勿論ある。しかしリヒトが街へ一人で下りる理由はただ一つ。『魔女に言い寄る虫が湧かないように』である。自分以外を見るのも嫌だ、そんな理由でリヒトは魔女が街へ行かないように自分が街への用事を引き受ける。
礼儀正しいしっかり者に育ったリヒトは、人間に厭われる黒を持ちながらもその人柄で周囲の人間に受け入れられていた。リヒトの行く先々で娘達が秋波を送るも彼はにこやかに手を振り避けていく。そんなつれないところも素敵、とリヒトに想いを寄せる娘達。魔女は飽和直前の体内の魔力を放出して魔石を量産しながら水鏡でその様子を見ていた。そしてふと、うちの息子そろそろ嫁を貰ってくる年頃なんじゃないか、と言う考えに至る。子の心親知らず。魔女は、リヒトとまだ見ぬリヒトの番の事を考えながら限界まで魔力を放出し、新たに熱々の香茶を入れマグカップを冷たくなった指先を温め始めた。そしてポツリと言葉をこぼした。
「リトが料理してくれるのは嬉しいんだけど、気を付けないと直ぐに魔力が飽和しちゃうのよね。そろそろ私は食事不要って言うべきかしら?でも悲しい顔はさせたくないし、やっぱりリトが居ない間に限界まで魔力を抜いておくしかないのかしらねぇ。嫁の事はリトが戻ったら早速聞いてみよう」
街での買い物を済ませたリヒトは、そんな魔女の考えなど知る由もなく飛ぶようにして魔女の待つ森の家へと帰ってくる。魔女と過ごした10年の間に、リヒトは『魔女が魔法以外は殆どまともにできないおっとりした人物』であると認識していた。魔女がまともな食事を摂り始めたのはリヒトを拾ってからであり、彼は魔女が食事をしない理由を未だに教えられていなかったのだ。故に一人にするとまともな食事をしなくなる魔女をリヒトが放って置くはずもなく、彼は日々せっせと魔女の世話を焼くのである。
「ただいま、母さん。今日は小麦とチーズとミルクを買って来たよ。小麦だけのつもりだったんだけど良いチーズ見つけちゃったんだ。今晩はチーズを使ったシチューにしようよ」
「おかえりリト、早かったわね。もう少しゆっくりしてきても良かったのに。リトの作ったご飯は美味しいから楽しみだわ。私は何をすれば良いかしら?」
親子の共同作業ね、とワクワクした様子の魔女にリヒトはやんわりと否と伝える。
「俺が作るから母さんは座って待っててね。母さんには俺の手料理を食べてほしいんだ。また今度一緒に作ろ?」
「あらそう?じゃあ座って待ってるわ」
魔女は残念そうな顔をして、立ち上がりかけていた椅子に再度腰を下ろした。靴を脱ぎ、マグカップを持ったまま椅子の上で膝を抱える様はまるで子供のようで、リヒトは小さく笑みをこぼした。
魔女が香茶を飲み終える頃、パンの焼ける香ばしい香りとシチューの香りが部屋に漂い始め、料理をしていたリヒトがカチャカチャと食器を並べていく。
「ごめんね、母さん。パンは今朝のを焼き直しただけなんだけど……」
眉を下げて申し訳なさげな表情をするリヒトに、魔女はニコニコと言葉を返す。
「あら。そんな風に言わないでちょうだい。このパンだって今朝リトが焼いてくれた物だし、わざわざ焼き直してくれたんでしょう?とっても嬉しいわ!」
二人は会話を楽しみつつ食事を始めた。チーズの香りが食欲をそそるシチューに焼いたパンを浸し、柔らかくしてからスプーンで口に運ぶ魔女と、パンでシチューを掬うようにして食べるリヒト。美味しい、と頬を緩める魔女の表情にリヒトは嬉しそうに笑っていた。
「ご飯とっても美味しかったわ、リト。ありがとね。食器は私が片付けるよ」
食事で回復した魔力を少しでも減らしておきたいし、と口の中で続け魔女はリヒトが言葉を発する前に魔法で食器を洗い片付け始めた。終わったら暖炉の前でゆっくりしようよ、と魔女はリヒトに声を掛ける。
「母さんも。母さんも一緒にゆっくりしてくれるなら」
まるで幼子のようなことを言うリヒトに、魔女はお風呂に入ってからねと返し浴室へと向かった。
「そうだ。親子ってお風呂に一緒に入るものらしいね。リトも一緒にお風呂入るかい?」
扉から顔を覗かせ、リヒトに声を掛ける。
「母さん!!!」
頬を赤らめたリヒトを笑いながら、魔女はけらけらと笑いながら冗談だよと返しそのまま扉の向こうに消えた。勘弁して下さいよ、とリヒトは赤い顔のまま頭を抱え床に座り込んだのであった。そして魔女と入れ替わりで浴室に向かい手早く風呂を済ませると、暖炉の前の椅子で膝を抱えて座っている魔女の元へ向かった。
「母さん。いつも言ってるでしょ。髪ちゃんと乾かさなきゃ風邪引くよ」
リヒトは魔女の濡れたままの髪に乾いたタオルを当て、魔女の長い髪を優しく乾かしていく。
「んー。リトが乾かしてくれるから濡れたままでも良いの」
魔女の言葉にリヒトは嬉しそうな顔をしたが、続いた魔女の言葉に肩を落とした。しかし魔女には人間に関しての知識が足りないことを知っている彼は冷静に言葉を返す。
「リトもイケメンに成長したよねぇ。人間的にはお年頃ってやつなんじゃない?そろそろ嫁の一人や二人見つけてきたらどうなの?」
「突然だね。俺はまだ成長途中の子供なので嫁はもらえませんよ。心配はまだまだ不要です」
「そうなの?そっか……人間の成長って思ってたよりゆっくりなのねぇ、知らなかったわ。お前の綺麗な顔気に入ってるからお前に子供出来たら可愛がりたかったのに当分先かぁ」
「ん゛ん゛……!」
リヒトの言葉を真に受けた魔女は残念そうに口をとがらせると、背後で自分の髪を乾かしているリヒトに背中を預けそのまま寝る体制に入った。そんな魔女の様子が彼の何かを刺激したのか、リヒトは片手でにやけかけた口を覆い隠し喉を鳴らした。簡単に騙され過ぎです、そんな言葉は喉の奥に飲み込んで彼は魔女を抱き上げ寝室へと連れて行った。
「もう。母さんってば俺も『オトコ』ってこと忘れてるの?後で後悔しても知らないよ」
眠ってしまった魔女には聞こえていないと理解していながらもリヒトはそんな呟きを漏らした。彼が魔女にとって『息子』でなくなる日はまだ遠い。
翌日、寝室から出てきた魔女は朝食の準備をしていたリヒトに忘れていたと言いながら小さな包みを手渡した。
「昨日は先に寝ちゃってごめんね。運んでくれてありがとう。昨日はリヒトと家族になって丁度十年だったでしょう?プレゼントをね、用意していたの」
「開けても?」
リヒトが包みを開けると、小さな緋色の魔石でできたピアスが出てきた。コロリとリヒトの掌で転がる小さなそのピアスは、偽装の細工が施され一見ではわからないが恐ろしく高純度な魔石を加工して作られた物だった。魔女から発生した魔石を最小サイズまで圧縮し、護りの陣を施した魔女のリヒトへと愛だった。
「母さん……ありがとう……」
異性にアクセサリーを贈る意味を知らないんだろうな、とリヒトの頭にそんな言葉が浮かぶ。けれどそれでも良い、とリヒトは嬉しそうに笑い耳にピアスを填めた。黒髪から覗く白い肌に赤が映える。
「良かった。とても似合ってるよ、リト」
恋人同士でアクセサリーを贈る事はあっても親子でアクセサリーを贈る事はない。しかし魔女は『異性への贈り物ならアクセサリー』と水晶を使って街で仕入れた情報のままにアクセサリーを贈った。親子であればナイフなどが主流だろうか。
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