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C級の絶望(1-3)
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シェリルは朝から早速仲間探しをすることにした。
この街は大きく、冒険者ギルドも大きいため、冒険者が集まりやすく、街のいたるところに冒険者がいるらしい。
武装してる者や旅装の者はたいてい冒険者だそうだ。
朝は通りに朝市や屋台が並ぶため、そこで食事を摂ってから、クエストに出る者も多いらしい。
屋台で朝食を買い、空いているテーブルを見回していると、冒険者達の姿が目に入る。
昨日の忠告を受けて、改めて冒険者達を見てみると、やはり男女のパーティには恋人や夫婦といった、親密さが伺えた。
…やっぱりそうゆうことなんだぁ。
絶対とびっきり格好いい人を見つけよう!!…
昨夜貰ったお守りが入ったポケットをぎゅうっと気合いと共に握り締めた。
「なぁ。嬢ちゃん。1人かい?仲間探し中か?」
シェリルが空いたテーブルに着き、朝食を食べながら、周りの冒険者達の様子をぼんやり眺めていると、お世辞にも格好いいとは言えない、中年の男が近づいてきた。
…うぇ~。パス~…
と心の中でボヤきながら
「そうなんです。出来たら同年代の女の子の仲間を探してて。」
シェリルはにっこりと微笑む。
「え~っ!別におっさんでもいいじゃん。俺D級よ?結構強いし、頼りになるってぇ。」
中年の男は長椅子の隣にどかっと座り、シェリルににじり寄ってくる。
「え~。でも女の子がいいし。なんだかお父さんといるみたいでちょっと…。」
「イヤイヤ。親子で冒険してるやつもいるって。親子みたいに年の差カップルもいるし。おじさんまだまだ現役だし、大丈夫だって。」
中年の男がシェリルの腰に手をまわす。
「困ります!」
…全然大丈夫じゃないし!妥協しないって決めたんだから!!
シェリルは中年男の体を一生懸命押し返す。
…え~ん。しつこすぎ。どうしよう。ウォーターボールお見舞いしてもいいかなぁ。
でも、D級だし、怒らせたらどうしよう…
シェリルが泣きそうになっていると
「もう。その辺で辞めといたら?」
助けを求めて振り向くシェリルの目に、赤い騎士服を纏った黒髪黒眼の長身の青年が映った。
「へっ。おいでなすった。」
中年男がフンと鼻を鳴らす。
「女の子が困ってるから、助けてあげて。って呼ばれてね。」
青年はアシメトリーに整えられた前髪を左側に払うように流して、2人の正面の長椅子に座り、爽やかに微笑んだ。
「誰も困ってねぇよ。仲良くしてるだけだっつの。」
中年男はシェリルに更にくっつこうとする。
「嘘です!めちゃくちゃ困ってます!!」
シェリルは必至に抵抗しながら、助けを求めた。
「どうする?彼女は嫌がってるけど?これ以上続けるつもりなら、一戦交えても構わないけど…?」
青年が目を細めた。
「へいへい。諦めますよ~。C級には敵いませんからね。"爆炎の騎士"ランスロット様に丸焦げにされちゃたまったもんじゃねぇ。」
中年男はすごすごと退散した。
「大丈夫かい?」
「ランスロット様。助けて頂き、ありがとうございました。」
シェリルは恭しく頭を下げた。
「そんな。大したことはしてないよ。それに、僕はC級のクエストがない時は、自警団の仕事も手伝っていてね。こちらこそ、ああいった輩にちゃんと対処が出来ていなくて申し訳ない。」
ランスロットも頭を下げる。
…っ!!なんって好青年なのっ!!
「ここはああいった輩が多いからね。君みたいに可愛い女の子が1人でいるのは危ないよ?僕は明日討伐クエストに出る予定なんだけど、今日はもうのんびりするつもりだったんだ。もし良かったら、仲間探し手伝おうか?」
「いいんですか!!仲間探しのコツとか色々教えて下さい!私シェリルって言います。」
「僕はランスロット。長いからランスでいいよ。」
「はい。ランスさん。よろしくおねがいします。」
「じゃあ、少し歩こうか?」
「はい!」
シェリルは朝食のトレーをお店に返却して、ランスの後についた。
2人で冒険者が多いところを見て回る。
「ランスさんは"爆炎の騎士"だなんて、格好いい二つ名があるんですね。」
「恥ずかしいことに、魔法はまだ練習中でね。火力が上手く調整できないんだ…。それで草原を焼け野原にしてしまって…。その名前をつけられちゃってね。その名前恥ずかしいからやめてほしいんだけど…。それに、馬に乗ったまま戦うことなんてめったにないから…。本当は剣士なんだけどね。」
「格好いいのに…」
…なんて、謙虚で素敵な人なの…
「ランスさんはどんなお仲間さんがいるんですか?」
「僕はC級だし、この街が好きで、クエストがなくてもここにいたくてね。基本的に、上級冒険者は上級者向けのクエストを取り尽くすと、違う街に行くから…。誰かとパーティを組む訳にも行かなくてね…。」
「でも、お一人で討伐できるなんてすごいです。」
「どうってことないよ。それに今度の討伐もスナッピングタートルだから、モンスターの階級も低いし、そんなに問題なさそうだし。」
モンスターにも討伐難易度によって階級がつけられており、冒険者の階級と同じなら冒険者の方が強く、討伐できるように設定されている。
今回のスナッピングタートルはD級のためランスには全く問題ないクエストだった。
「なかなか、良さそうな人いないね?」
たいていは、既にカップルが出来上がっていたり、1人でいる者はごりごりに厳つい感じで気後れしてしまったり(本当はタイプじゃない)…、でなかなか声をかけられずにいた。
「そうですね…。まだクエストもしたことないのに、仲間探しで難航するなんて…。」
「今回限りなら、僕が手伝ってあげられなくはないけど…。ただスナッピングタートルの巣までは馬車で3日かかる距離だから、途中でF級の討伐依頼を2.3個こなしながら向かって片道5日位はかかっちゃうし、馬で行くことになるけど…。乗馬経験はあるかい?」
「えっ!?いいんですか?私馬は持ってないけど、乗れます!」
…ランスさんは格好いいし、冒険もその他の色々も初めてはランスさんみたいな素敵な人がいい!!!
「僕のクエストも仲間として、登録すれば成果報酬は得られるし、帰ってきたらE級にはあがれるんじゃないかな?そんなに強いモンスターじゃないから、僕が守ってあげられると思うし…」
「C級冒険者の討伐が見られるなんて、勉強になります!!すっごく嬉しい!」
シェリルは満面の笑みを浮かべた。
「じゃあ、明日の朝、西門で待ち合わせしよう。女の子は色々準備するものがあるだろうから、これから準備するといいよ。僕は荷造りは終わってるから、シェリルに良さそうなクエストを適当に見繕って、登録しておくよ。馬や天幕なんかも準備しておくから、シェリルは自分の支度だけしてきてくれたらいいからね。」
「ありがとうございます。よろしくおねがいします。」
シェリルはまた頭を下げた。
「それじゃあ、また明日ね。」
ランスが手を軽く振ると
「はい。また明日。」
シェリルも手をぶんぶんと振り返し、小走りで走り去った。
シェリルは薬草など、携行品を買い揃え、早めに宿に帰って、食事を済ませて、風呂に長めに入り、眠りについた。
…明日から、冒険だっ!!色々頑張らなくっちゃ!!
この街は大きく、冒険者ギルドも大きいため、冒険者が集まりやすく、街のいたるところに冒険者がいるらしい。
武装してる者や旅装の者はたいてい冒険者だそうだ。
朝は通りに朝市や屋台が並ぶため、そこで食事を摂ってから、クエストに出る者も多いらしい。
屋台で朝食を買い、空いているテーブルを見回していると、冒険者達の姿が目に入る。
昨日の忠告を受けて、改めて冒険者達を見てみると、やはり男女のパーティには恋人や夫婦といった、親密さが伺えた。
…やっぱりそうゆうことなんだぁ。
絶対とびっきり格好いい人を見つけよう!!…
昨夜貰ったお守りが入ったポケットをぎゅうっと気合いと共に握り締めた。
「なぁ。嬢ちゃん。1人かい?仲間探し中か?」
シェリルが空いたテーブルに着き、朝食を食べながら、周りの冒険者達の様子をぼんやり眺めていると、お世辞にも格好いいとは言えない、中年の男が近づいてきた。
…うぇ~。パス~…
と心の中でボヤきながら
「そうなんです。出来たら同年代の女の子の仲間を探してて。」
シェリルはにっこりと微笑む。
「え~っ!別におっさんでもいいじゃん。俺D級よ?結構強いし、頼りになるってぇ。」
中年の男は長椅子の隣にどかっと座り、シェリルににじり寄ってくる。
「え~。でも女の子がいいし。なんだかお父さんといるみたいでちょっと…。」
「イヤイヤ。親子で冒険してるやつもいるって。親子みたいに年の差カップルもいるし。おじさんまだまだ現役だし、大丈夫だって。」
中年の男がシェリルの腰に手をまわす。
「困ります!」
…全然大丈夫じゃないし!妥協しないって決めたんだから!!
シェリルは中年男の体を一生懸命押し返す。
…え~ん。しつこすぎ。どうしよう。ウォーターボールお見舞いしてもいいかなぁ。
でも、D級だし、怒らせたらどうしよう…
シェリルが泣きそうになっていると
「もう。その辺で辞めといたら?」
助けを求めて振り向くシェリルの目に、赤い騎士服を纏った黒髪黒眼の長身の青年が映った。
「へっ。おいでなすった。」
中年男がフンと鼻を鳴らす。
「女の子が困ってるから、助けてあげて。って呼ばれてね。」
青年はアシメトリーに整えられた前髪を左側に払うように流して、2人の正面の長椅子に座り、爽やかに微笑んだ。
「誰も困ってねぇよ。仲良くしてるだけだっつの。」
中年男はシェリルに更にくっつこうとする。
「嘘です!めちゃくちゃ困ってます!!」
シェリルは必至に抵抗しながら、助けを求めた。
「どうする?彼女は嫌がってるけど?これ以上続けるつもりなら、一戦交えても構わないけど…?」
青年が目を細めた。
「へいへい。諦めますよ~。C級には敵いませんからね。"爆炎の騎士"ランスロット様に丸焦げにされちゃたまったもんじゃねぇ。」
中年男はすごすごと退散した。
「大丈夫かい?」
「ランスロット様。助けて頂き、ありがとうございました。」
シェリルは恭しく頭を下げた。
「そんな。大したことはしてないよ。それに、僕はC級のクエストがない時は、自警団の仕事も手伝っていてね。こちらこそ、ああいった輩にちゃんと対処が出来ていなくて申し訳ない。」
ランスロットも頭を下げる。
…っ!!なんって好青年なのっ!!
「ここはああいった輩が多いからね。君みたいに可愛い女の子が1人でいるのは危ないよ?僕は明日討伐クエストに出る予定なんだけど、今日はもうのんびりするつもりだったんだ。もし良かったら、仲間探し手伝おうか?」
「いいんですか!!仲間探しのコツとか色々教えて下さい!私シェリルって言います。」
「僕はランスロット。長いからランスでいいよ。」
「はい。ランスさん。よろしくおねがいします。」
「じゃあ、少し歩こうか?」
「はい!」
シェリルは朝食のトレーをお店に返却して、ランスの後についた。
2人で冒険者が多いところを見て回る。
「ランスさんは"爆炎の騎士"だなんて、格好いい二つ名があるんですね。」
「恥ずかしいことに、魔法はまだ練習中でね。火力が上手く調整できないんだ…。それで草原を焼け野原にしてしまって…。その名前をつけられちゃってね。その名前恥ずかしいからやめてほしいんだけど…。それに、馬に乗ったまま戦うことなんてめったにないから…。本当は剣士なんだけどね。」
「格好いいのに…」
…なんて、謙虚で素敵な人なの…
「ランスさんはどんなお仲間さんがいるんですか?」
「僕はC級だし、この街が好きで、クエストがなくてもここにいたくてね。基本的に、上級冒険者は上級者向けのクエストを取り尽くすと、違う街に行くから…。誰かとパーティを組む訳にも行かなくてね…。」
「でも、お一人で討伐できるなんてすごいです。」
「どうってことないよ。それに今度の討伐もスナッピングタートルだから、モンスターの階級も低いし、そんなに問題なさそうだし。」
モンスターにも討伐難易度によって階級がつけられており、冒険者の階級と同じなら冒険者の方が強く、討伐できるように設定されている。
今回のスナッピングタートルはD級のためランスには全く問題ないクエストだった。
「なかなか、良さそうな人いないね?」
たいていは、既にカップルが出来上がっていたり、1人でいる者はごりごりに厳つい感じで気後れしてしまったり(本当はタイプじゃない)…、でなかなか声をかけられずにいた。
「そうですね…。まだクエストもしたことないのに、仲間探しで難航するなんて…。」
「今回限りなら、僕が手伝ってあげられなくはないけど…。ただスナッピングタートルの巣までは馬車で3日かかる距離だから、途中でF級の討伐依頼を2.3個こなしながら向かって片道5日位はかかっちゃうし、馬で行くことになるけど…。乗馬経験はあるかい?」
「えっ!?いいんですか?私馬は持ってないけど、乗れます!」
…ランスさんは格好いいし、冒険もその他の色々も初めてはランスさんみたいな素敵な人がいい!!!
「僕のクエストも仲間として、登録すれば成果報酬は得られるし、帰ってきたらE級にはあがれるんじゃないかな?そんなに強いモンスターじゃないから、僕が守ってあげられると思うし…」
「C級冒険者の討伐が見られるなんて、勉強になります!!すっごく嬉しい!」
シェリルは満面の笑みを浮かべた。
「じゃあ、明日の朝、西門で待ち合わせしよう。女の子は色々準備するものがあるだろうから、これから準備するといいよ。僕は荷造りは終わってるから、シェリルに良さそうなクエストを適当に見繕って、登録しておくよ。馬や天幕なんかも準備しておくから、シェリルは自分の支度だけしてきてくれたらいいからね。」
「ありがとうございます。よろしくおねがいします。」
シェリルはまた頭を下げた。
「それじゃあ、また明日ね。」
ランスが手を軽く振ると
「はい。また明日。」
シェリルも手をぶんぶんと振り返し、小走りで走り去った。
シェリルは薬草など、携行品を買い揃え、早めに宿に帰って、食事を済ませて、風呂に長めに入り、眠りについた。
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