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18.最果ての孤島

4.無人島開拓期

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 帝国歴3002年4月5日(ズレている可能性あり)。僕達勇者一行は(おそらく)無人島に辿り着いた。

 精霊の郷(仮)にあった洞窟を進むこと約3日。辿り着いたところから振り返ると、洞窟の道は地面の下に沈んでいっていた。どうやら、水の下にある地下道を通ってきたらしい。

 僕達はアシドの提案で海を見に行くことになった。樵の家系として山に住んでいた僕にとって、海はそれなりに恐い。あの量の多い水って怖い。恐くない?

 アシドが張り切って前に歩く。僕達はいつも森を歩いている気がする。そして、1つの森に1体は最低でも魔物がいるのだ。そろそろうんざりしてくる。

 魔物が出ない日があるのが救いなのか、もう分からない。いつ出るか分からない恐怖に怯え続けなければならないのは救いでも何でもない。早いところ魔物と戦わなくていい日常はこないだろうか。

 ズシンと嫌な地響きが聞こえた。またしても大質量のモノが地面を踏み締める音だ。大質量の相手は強いという法則があると僕は思う。大質量であればあるほど。一撃が重く、強いのだ。一撃貰っただけでも瀕死、あるいは即死だろう。

 しかも皮膚が厚く、肉はもっと分厚い。60㎝ほどある刀でも貫けないほど分厚い時だってある。

 今回はどっちか。コストイラの刀で何とか出来るのか、出来ないのか。それは僕達の戦況を大きく左右することだ。コストイラでは歯が立たないとき、その敵と戦えるのがシキしかいない可能性がある。
 息を潜めて待ち伏せしていると、地響きはどんどん近づいてくる。大質量の何かは木を薙ぎ倒して現れた。何と派手な登場だろうか。

 現れたのは体長15m越えの首長の魔物だった。幅は5mくらいか。ていうか、最近遭う敵デカくないか?
 良いんだよ? 同じくらいのサイズのレイスとかオーウェンとかヘブンズソードで。充分じゃないか。何でそこまで強いやつと戦わないといけないんだ。

 まぁ、勇者だからか。仕方ない。勇者は皆に頼られてなんぼなところあるもんな。

 もっと褒められたい。

 ディープドラゴンを彷彿とさせる姿をしているが、後頭部から背中にかけて皮骨から構成される装甲があり、更に陸を歩く4足歩行だ。

 シキがナイフ片手に僕の方を見ている。どんな布帛よりも美しい銀髪と如何なる宝石よりも眉目好い緑眼のコントラストが心を奪ってくる。端正で綺麗で美麗で可憐で、どう言い表そうともシキの美人さは語れない。

 まぁ、そんなことじゃないよね。きっとシキは命令待ちの姿勢だ。このパーティの(なぜか)司令塔をしている僕に判断を仰いでいるのだ。

 コストイラ達はやる気を出しているが、僕は逃げ出したくてしょうがない。

 いいじゃないか、逃げたって。恐いのだもの。

 よく見ると、歩くたびに地面が沈んでいる。そんな巨体を相手に狩りをするなんて馬鹿すぎる。逃げようと言おうとしたら、コストイラとアシドが飛び出していた。

 え? 司令塔無視ですか、そうですか。
 アシドがコストイラを槍で跳ね上げる。コストイラはティタノサウルスの頭よりも上に届く。コストイラが刀を振りながら、回転して落ちてくる。刃は見事にティタノサウルスの首を斬った。

 首が太すぎて切り落とすことができない。傷口から血とオレンジと黒の混じった煙が溢れだす。唐突なことで目を丸くするが、すぐに攻撃に転じる。長い首をしならせてコストイラを叩いた。
 僕は思わず声を出してしまったが、コストイラはそれを利用した。コストイラはティタノサウルスの首を斬り落とした。推定40t近い体が横倒しになった。






「ねぇ、待って。また洞窟なんだけど」

 アストロが呆れている。ちなみに僕も嫌だ。絶対に魔物に出くわして、突貫したコストイラが血を吐く光景が見える。

 しかし、洞窟へと足を踏み入れた。
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