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17.彼岸
20.地獄の門
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シキ達勇者一行は目の前に一本道を見つけた。正直、それだけだったらどれほどよかっただろう。それだけであれば興味が湧かなかっただろう。しかし、その一本道は崖であり、中間地点に門が設置されているのだ。
ここまでされてコストイラ達が興味を示さない方がおかしい。
とはいえ、今はそれどころではない。赤鬼の群れが現れたのだ。全員が自然では絶対に見ることができないであろう棍棒を手にしており、すでに臨戦態勢に入っていた。
超暴力による棍棒が振られる。コストイラは身を低くして躱し、一気に距離を詰めると刀を抜いた。鞘から解かれた刀は当然の如く赤鬼の体を切り裂く。
仲間の死に憤慨した赤鬼達は奮起するも、仲良く刎頸される。残された仲間はいつの間にか後ろにいたシキに殺される。
「慢心をするつもりはないけど、大抵の場合、あの2人で終わっちゃうのよね」
魔術を放とうとしたままの姿勢を解き、肩を竦めた。アストロはそのまま指で銃を作り、横を指した。何かと思ったら、指から魔力が発射された。その先にいたステンノ―の顔面が打ち抜かれた。
そちらにはステンノ―の群れがいた。ステンノ―の群れにアシドが突っ込む。振るわれる槍に丸盾を挟むが、ステンノ―の体が浮かび上がる。アシドが勢いよく突きを繰り出す。ステンノ―の体に風穴が開いた。
後ろから魔術が通り過ぎる。アストロの魔術コントロールはトップクラスだ。だからこそアシドは驚いたりしない。
ステンノ―全員が魔術の餌食となる。流石アストロと思ったアシドの後頭部に魔力が当たった。
「ブッ!?」
すごい勢いで前傾になり、体が浮き上がりそうになる。アシドは自ら跳んで一回転して着地した。
「は?」
後頭部を押さえながら振り返る。アシドが信じられないという目をアストロに向ける。
「あ、ごめ、当たっちゃった」
「おい、ごめんじゃねぇだろ。オレに当たったのは魔術じゃなくて魔力。わざとぶつけただろ!」
「何かぶつけなきゃいけない気がしたのよ」
「ぬぁ~~に~~!?」
アシドとアストロが額を突き合わせて口論している。コストイラが鞘に収めながら目を逸らした。あまり中に割って入ることは考えていない。
シキはナイフに付着した血液を拭いながら合流する。シキはナイフを腰に取り付けている鞘にしまった。何もなくなった手を2,3回開閉すると、エンドローゼに近づいた。エンドローゼにはなぜ近づいてくるのか分からず、狼狽えてしまう。
回復が欲しいのかと思い手を翳すと、シキがその手を握った。エンドローゼは訳が分からず混乱してしまう。アレンは羨ましそうに見つめるが、シキもエンドローゼも気づかない。
バキベキと木々が倒れた。何かと思うが、音の主は大きすぎてよく見えた。
サラマンドラは、長い首を擡げてこちらを睥睨してくる。サラマンドラと戦うこと自体は何も問題でもないが、土地の方に問題がある。ここは森だ。火を吐かれたらあっという間に燃え広がるだろう。そして逃げ場がないほどに燃え上がるだろう。
そもそものことだが、サラマンドラは火山口付近に住んでいるはずだ。無論、すべての個体がそうではないことぐらいは理解しているつもりだ。何と戦いづらいことか。
サラマンドラが遠慮なしに炎を吐いてくる。正直そんなことするな、と怒りたいくらいだが、そんな時間はない。
自然と手摺のない一本道に誘導される。近づいて初めて分かったが、この崖相当高い位置にある。これまで様々な高所から落ちてきたアレン達だが、この高さは恐怖を覚えてしまう。まぁ、怖がっているのは高所恐怖症のアレンとエンドローゼだけなのだが。
アシド、コストイラ、シキの3人はすぐに反転して走り出す。
サラマンドラは喉に炎を溜めていた。アシドは槍をゴルフクラブのように下から上に振り上げ、石を弾き飛ばす。石は砕けたことでショットガンのようになっており、すべてが喉を攻撃する。
シキがサラマンドラの前脚を切り刻む。足が体を支えることができず頭が下がる。コストイラが刀に炎を纏わせると、螺旋状にジャンプして首を斬る。森の中で炎を扱うのは駄目だと思っていたのだが、コストイラは簡単に使う。もしかして感覚がおかしいのはアレンの方か?
ここまでされてコストイラ達が興味を示さない方がおかしい。
とはいえ、今はそれどころではない。赤鬼の群れが現れたのだ。全員が自然では絶対に見ることができないであろう棍棒を手にしており、すでに臨戦態勢に入っていた。
超暴力による棍棒が振られる。コストイラは身を低くして躱し、一気に距離を詰めると刀を抜いた。鞘から解かれた刀は当然の如く赤鬼の体を切り裂く。
仲間の死に憤慨した赤鬼達は奮起するも、仲良く刎頸される。残された仲間はいつの間にか後ろにいたシキに殺される。
「慢心をするつもりはないけど、大抵の場合、あの2人で終わっちゃうのよね」
魔術を放とうとしたままの姿勢を解き、肩を竦めた。アストロはそのまま指で銃を作り、横を指した。何かと思ったら、指から魔力が発射された。その先にいたステンノ―の顔面が打ち抜かれた。
そちらにはステンノ―の群れがいた。ステンノ―の群れにアシドが突っ込む。振るわれる槍に丸盾を挟むが、ステンノ―の体が浮かび上がる。アシドが勢いよく突きを繰り出す。ステンノ―の体に風穴が開いた。
後ろから魔術が通り過ぎる。アストロの魔術コントロールはトップクラスだ。だからこそアシドは驚いたりしない。
ステンノ―全員が魔術の餌食となる。流石アストロと思ったアシドの後頭部に魔力が当たった。
「ブッ!?」
すごい勢いで前傾になり、体が浮き上がりそうになる。アシドは自ら跳んで一回転して着地した。
「は?」
後頭部を押さえながら振り返る。アシドが信じられないという目をアストロに向ける。
「あ、ごめ、当たっちゃった」
「おい、ごめんじゃねぇだろ。オレに当たったのは魔術じゃなくて魔力。わざとぶつけただろ!」
「何かぶつけなきゃいけない気がしたのよ」
「ぬぁ~~に~~!?」
アシドとアストロが額を突き合わせて口論している。コストイラが鞘に収めながら目を逸らした。あまり中に割って入ることは考えていない。
シキはナイフに付着した血液を拭いながら合流する。シキはナイフを腰に取り付けている鞘にしまった。何もなくなった手を2,3回開閉すると、エンドローゼに近づいた。エンドローゼにはなぜ近づいてくるのか分からず、狼狽えてしまう。
回復が欲しいのかと思い手を翳すと、シキがその手を握った。エンドローゼは訳が分からず混乱してしまう。アレンは羨ましそうに見つめるが、シキもエンドローゼも気づかない。
バキベキと木々が倒れた。何かと思うが、音の主は大きすぎてよく見えた。
サラマンドラは、長い首を擡げてこちらを睥睨してくる。サラマンドラと戦うこと自体は何も問題でもないが、土地の方に問題がある。ここは森だ。火を吐かれたらあっという間に燃え広がるだろう。そして逃げ場がないほどに燃え上がるだろう。
そもそものことだが、サラマンドラは火山口付近に住んでいるはずだ。無論、すべての個体がそうではないことぐらいは理解しているつもりだ。何と戦いづらいことか。
サラマンドラが遠慮なしに炎を吐いてくる。正直そんなことするな、と怒りたいくらいだが、そんな時間はない。
自然と手摺のない一本道に誘導される。近づいて初めて分かったが、この崖相当高い位置にある。これまで様々な高所から落ちてきたアレン達だが、この高さは恐怖を覚えてしまう。まぁ、怖がっているのは高所恐怖症のアレンとエンドローゼだけなのだが。
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サラマンドラは喉に炎を溜めていた。アシドは槍をゴルフクラブのように下から上に振り上げ、石を弾き飛ばす。石は砕けたことでショットガンのようになっており、すべてが喉を攻撃する。
シキがサラマンドラの前脚を切り刻む。足が体を支えることができず頭が下がる。コストイラが刀に炎を纏わせると、螺旋状にジャンプして首を斬る。森の中で炎を扱うのは駄目だと思っていたのだが、コストイラは簡単に使う。もしかして感覚がおかしいのはアレンの方か?
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