メグルユメ

パラサイト豚ねぎそば

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15.奈落

24.―光の試練―

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 シキが小さくなっている。レイドの時以上にエンドローゼが怒っているのだ。レイドの時は左腕1本で済んだ(?)が、シキは全身だ。
 アストロは素直にエンドローゼの指示に従い、シキを取り押さえている。豊満な胸がむぎゅっと形を変えているが、シキは無反応だ。無表情すぎて実は怒っているのではないかと思えた。エンドローゼならなりふり構わず暴れていただろう。

 包帯を腕に巻いていく。

「キツイ」
「が、我慢してください!! む、む、無茶した代償です!!」

 ぎゅっぎゅっとキツめに巻いていく。どんどん吊り上がる目に、シキは勇気を振り絞って申告したが、更に吊り上がり却下されてしまった。更にシュンとなる。アストロは見ていられなくなり、上を見て溜息を吐いた。

「シキ。アンタが無茶したからだけど。やるな、じゃなくて、数を減らせってことね。怪我するとエンドローゼが無茶するから」
「成る程」

 目の前でゴミ箱に吐いているエンドローゼの姿を見て、シキはアストロの説得力を理解した。ぐったりしているエンドローゼをこれ以上見たくないという気持ちが確かに湧いている。

 少し背を擦ってやりたいが、動くなと命令されたのでじっとしておこう。

「そういえば、アレンは」
「次、アイツの番だからって、あぁ、勝負の内容の方を聞きたいのよね」

 アストロがアシド、コストイラに目線を送ると、互いに見つめ合い頷く。

「なかなかの戦いだったよ。矢以外の武器を使うアレンは初めて見たな。あれはジャベリンを使っていたよ」
「弓矢も使っていたけど、爆弾も使っていたぞ。アイツ、見たことのねェ戦い方をしていたな」

 シキが目を張る。もう戦いが終わっていたのか。フウに勝ち、通路に戻った直後に気を失ってしまった。どれくらいで目が覚めたのか聞いていなかったが、それほど時間が経っていたのか。

「まず、戦いが始まった瞬間に爆弾を投げたんだ。敵のアイリススライムはその音に引き付けられたんだ。そっちに気が向いている間によ、爆弾を一纏めにしたやつをぶん投げたんだ」
「ありゃオレもビビったぜ。なんだかんだと言ってもアイツもレベル80近いんだなって思わせてくれたわ」

 直接目撃していないシキには想像もできない光景だ。あのアレンがそんな重そうなものを投げるなんて。

「それで、どうなったの?」

 アストロも見ていないため、気になっているのだろう。シキとしては不殺生の闘技場に何で殺傷能力の高い爆弾があるのかの方が気になる。

「着弾してよ。それからドデケェ爆発だ。1個の爆弾が連鎖する様は圧巻だったぜ」
「んで、その衝撃で核が露出したんだ。そこにアレンはジャベリンを一投。まァ、手が痛かったのか、まだ痺れてんのか、大暴投してたけどな。とはいえ、核が露出した時点でアレンの勝利は確定だったよ」
「締まんないわね」

 その幕切れの仕方に満足のいかないアストロが文句を言うが、今更なので誰もフォローしない。追い打ちもいないが。

「アレンは?」
「今、チャンピオンと戦ってんじゃねェの?」

 その戦いをレイドしか見ていない。所詮アレンの立ち位置などそんなものだ。
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