メグルユメ

パラサイト豚ねぎそば

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5.無縁塚

5.洞窟への橋

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「つ、着いた」



「まだ、対岸ですよ」



 橋を前にして疲労感がすごい。軽く伸びをするとパキパキと体から音が出た。体も疲労を訴えているが、アシド達は張り切っているのでたぶん休憩はしないのだろう。



「橋か。何かありそうよね。特に魔物的な意味で」



 アストロは溜め息を吐いた。



 木によって造られた橋は水面からの高さは約50センチメートル、長さは約30メートルほど。大きめの波が来れば一発で橋は水に包まれるだろう。



 慎重に歩いていると変化は突然訪れた。恐れていた波が来たのだ。それも作為的なものが。皆が波のせいで橋の端っこに寄り、欄干を摑む。水面から手が出てきて、アシドの足首を摑んだ。



「ほぉあ!」



 水に引き摺り込まれる。足を取られバランスを崩したアシドは橋の縁に顔をぶつけ、鼻血を出す。そのまま、アシドが水の中に消えていく。



「アシドッ!?」



「何が中にいるのか分かりません。飛び込むのは危険です」



「だけど」



「コストイラ!アレンの言う通りよ。そもそもアンタが水に潜ったところで何ができるの?無駄死によ。自分のこと分かってんの?」



 飛び込もうとするコストイラを止めようとアレンが促すと、アストロが過激な援護を出し、コストイラをボロクソに言う。















 水中ならば水棲の魔物は圧倒的な潜在能力を発揮する。陸上主体の冒険者ならば、水中に引き摺り込まれた段階でパフォーマンスは大きく低下する。冒険者が敵の土俵で水棲の魔物と互角に戦うためには、水中活動に大きな恩恵をもたらす特殊な能力が必要になる。



 落ちたら終わり。魔物に嬲り殺しにされる。



 しかし、アシドは違った。



 この場合の対処法を知っていた。



 とっとと陸に上がればいい。この手に限る。



 ザバリとすぐさまアシドが陸に上がってくる。アシドが川に向かって親指を立てる。アストロは意図に気付き雷の魔術を落とす。電気は水の表面を走り、アシドにも当たる。



「違ェよ!!!雷じゃなくて炎だよ!見ての通り感電するだろ!それと水中は無理。とっとと逃げるに限るぜ」



「慣れてるんですか?」



「水中はな!感電は慣れてねェよ!」



 キレていた。体に電気が少し纏われており、速度が落ちていた。麻痺ったか?



 走りながら、問われた疑問に複雑そうな顔をしながら答える。麻痺ったこと以外にも何か事情がありそうだ。しかし、コストイラ同様にアシドはそれ以上語ろうとはしなかった。
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