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3.魔法の森
20.流れ出る心
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とある洞窟の中で骨の割れる音が響いた。ガレットは緩慢な動きで音のした方を見る。自分の食べた魔物の骨の跡に積まれている一本の骨が割れたのだ。
ガレットはその骨を拾い上げた。そして、最後に見かけた少女を思い出す。あの腐敗の進んだ少女。
ガレットは洞窟から出る決意をした。
猫は痛みを感じ、右前脚を注目する。切り傷、そしてそこから流れる血。
いつだ?いや、そんなのは分かっている。あの赤い青年だ。猫はコストイラが吹っ飛んだ先を見るが、もういない。そして、いつの間にか飛ばした奴らは猫の元に集まっていた。
「2回戦目だぜ♪」
今にも鼻歌を歌い出しそうな弾んだ声で宣言がなされる。言い終わると同時にアシドとシキが走り出す。
『ならもう一度潰すまで』
振るう前脚を槍で叩き、そこを支点に回転し、懐に入ると猫の顔の横を切り裂く。傷口からは奥歯が覗けた。
『ギニャッ!』
猫は痛みに声を上げる。その振動は傷口に伝わり、余計に痛みを増やす。しかし、叫んだところで攻撃は止むわけではない。
シキのナイフが、アシドの槍が、アストロの魔術がふた又の外皮を切り開いていく。最後に攻撃してきたのはレイド。
大丈夫だ。さっき受け止めることができてる。次も止められる。
振り下ろされる大剣に爪を合わせる。大丈夫だ。ここから逆転できる。やっぱこうじゃなきゃね、餌は。最後の時は抵抗するものさ。その方が喰い応えがあるってもんでしょ。
そして、そして、そして。
爪が砕けた。
「オオオオオオオオオオォォ!!!!」
『グィニャアアアアアアアアアァァァァ!!!!』
爪を砕いた大剣はふた又の頭蓋骨を叩き、陥没させ、ひれ伏せる。
ドロドロと、本来流れ出てはいけないであろうものまで露出する。
「我々の勝ちだ」
猫はニヤリと口角を上げた。
魔法の森を抜けるのは猫と戦った後すぐだった。ナカウまでの道は残り3分の1。しかし、目の前の光景は心を折りにきていた。その状況を月だけが見ていた。
ガレットはその骨を拾い上げた。そして、最後に見かけた少女を思い出す。あの腐敗の進んだ少女。
ガレットは洞窟から出る決意をした。
猫は痛みを感じ、右前脚を注目する。切り傷、そしてそこから流れる血。
いつだ?いや、そんなのは分かっている。あの赤い青年だ。猫はコストイラが吹っ飛んだ先を見るが、もういない。そして、いつの間にか飛ばした奴らは猫の元に集まっていた。
「2回戦目だぜ♪」
今にも鼻歌を歌い出しそうな弾んだ声で宣言がなされる。言い終わると同時にアシドとシキが走り出す。
『ならもう一度潰すまで』
振るう前脚を槍で叩き、そこを支点に回転し、懐に入ると猫の顔の横を切り裂く。傷口からは奥歯が覗けた。
『ギニャッ!』
猫は痛みに声を上げる。その振動は傷口に伝わり、余計に痛みを増やす。しかし、叫んだところで攻撃は止むわけではない。
シキのナイフが、アシドの槍が、アストロの魔術がふた又の外皮を切り開いていく。最後に攻撃してきたのはレイド。
大丈夫だ。さっき受け止めることができてる。次も止められる。
振り下ろされる大剣に爪を合わせる。大丈夫だ。ここから逆転できる。やっぱこうじゃなきゃね、餌は。最後の時は抵抗するものさ。その方が喰い応えがあるってもんでしょ。
そして、そして、そして。
爪が砕けた。
「オオオオオオオオオオォォ!!!!」
『グィニャアアアアアアアアアァァァァ!!!!』
爪を砕いた大剣はふた又の頭蓋骨を叩き、陥没させ、ひれ伏せる。
ドロドロと、本来流れ出てはいけないであろうものまで露出する。
「我々の勝ちだ」
猫はニヤリと口角を上げた。
魔法の森を抜けるのは猫と戦った後すぐだった。ナカウまでの道は残り3分の1。しかし、目の前の光景は心を折りにきていた。その状況を月だけが見ていた。
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