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3.魔法の森
8.海蛇の群れを超えて
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変化を突如として訪れた。新たな蛇だ。それは口から水を吐き、すべてを洗い流そうとする。
水が足を襲う。足を踏ん張り、水に耐える。足を動かそうとすると、足が持っていかれそうになる。通り過ぎた後は、足元が滑りやすくなっている。戦い方が変わってしまう。
シーサーペント。何とも厄介なことをしてくれたのだろう。口を大きく開けたシーサーペントの口の中に刃が入っていき、顎を捌く。そして、頭を砕く。
幾程の時間がたっただろう。
だいぶ数が減った。しかし、ここまで多くの海蛇達が出現したのは、何かの兆候なのかもしれない。調査をしている余裕はない。前線は相当の消耗をしている。
「うぷ」
アストロとエンドローゼはすでに吐きそうになっていた。
魔術は使いすぎると吐き気を催す。魔素を取り込み魔力に変換し、魔術を放つ。この魔力変換の工程は行いすぎると魔力酔いを起こしてしまう。魔力酔いは吐き気と頭痛が主な症状だ。
エンドローゼが魔力酔いを起こしてしまったので、回復の供給がないためあまり無茶ができなくなってしまった。前線の者たちは次々と噛み傷を作っていく。
「くっそ。終わんねェ!」
「先を見たら駄目だ!今だけを見ろ。気付いた時には結果が残ってる!!」
「きつい」
矢がもうない。一本も当たってないのにもうなくなった。もう泣きそう。アレンは打開策を探すために目を凝らす。魔力を目に集中させていき、遠距離を見る。
蒼い珠が見えた。何だあの珠は?珠が怪しく光るとエルダーサーペントが生まれた。あれが蛇たちを生んでいるのか。しかし、遠い。近接の方々に任せるには間に魔物が多すぎる。
「アストロさん」
「何?」
アストロがアレンを恨みがましく睨み付ける。魔力酔いのせいで機嫌が最悪に近い。
「あの珠に魔術を撃つことは可能ですか?」
「”たま”ってどれよ」
「あれです」
アレンが指をさすがアストロには海蛇の群れしか見えない。
「見えないわ。どこよ(怒)。距離は?それだけわかればなんとかなるから」
「ありがとうございます。200メートルほど先です。行けますか?」
「ほどって、正確性に欠けるわね。ここら一帯を巻き込むわよ。否定の言葉は聞かないわ」
「分かりました。お願いします」
アストロは自身の魔力酔いを押し込めるように深呼吸をし、魔力を集中させる。200メートルは遠い。結構な集中力が必要になる。アストロの額に嫌な汗が浮かぶ。
「……いける」
アストロの放つ雷撃が珠に向かって落ちる。前線にいた3人の毛が少しだけ逆立つ。あそこまで電気が届いたのか。雷は直撃したわけではないが消滅したらしい。海蛇が増えなくなった。終わりが見えたことでコストイラ達が活気づく。
「越えた?」
コストイラは嬉しそうに伸びをして、一気に脱力する。脱力しすぎてそのまま倒れこむ。アレン達もそれに倣うように座っていく。休憩を入れなくてはこのまま歩くことは出来ない。疲れの溜まったままの脚で水辺に辿り着く。もう一度休憩を入れる。各々が水を飲みながら木に体を預ける。エンドローゼは寝ている。すでに昼を超えてしまっている。今日はどこまで歩けるだろうか。
だいぶ休んだのち、アレン達は進行を再開する。
少し進んだところで丘を上り始めていた。いつの間にか上り坂になっており、疲労が舞い戻ってくる。何とか丘の頂上まで辿り着く。あぁ、なんて、暑いんだ。
「いや、落差ありすぎだろ」
「さっきまで水が近くにあったから涼しいまであったが、ここは凄い乾燥しているな」
コストイラが思わず突っ込みを入れてしまう。アシドは自身の喉を触りながら感想を述べる。
あぁ、砂がたくさんあるなぁ。
うん。どう見ても砂丘だ。駄目だな。現実逃避だってしたくなる。
水が足を襲う。足を踏ん張り、水に耐える。足を動かそうとすると、足が持っていかれそうになる。通り過ぎた後は、足元が滑りやすくなっている。戦い方が変わってしまう。
シーサーペント。何とも厄介なことをしてくれたのだろう。口を大きく開けたシーサーペントの口の中に刃が入っていき、顎を捌く。そして、頭を砕く。
幾程の時間がたっただろう。
だいぶ数が減った。しかし、ここまで多くの海蛇達が出現したのは、何かの兆候なのかもしれない。調査をしている余裕はない。前線は相当の消耗をしている。
「うぷ」
アストロとエンドローゼはすでに吐きそうになっていた。
魔術は使いすぎると吐き気を催す。魔素を取り込み魔力に変換し、魔術を放つ。この魔力変換の工程は行いすぎると魔力酔いを起こしてしまう。魔力酔いは吐き気と頭痛が主な症状だ。
エンドローゼが魔力酔いを起こしてしまったので、回復の供給がないためあまり無茶ができなくなってしまった。前線の者たちは次々と噛み傷を作っていく。
「くっそ。終わんねェ!」
「先を見たら駄目だ!今だけを見ろ。気付いた時には結果が残ってる!!」
「きつい」
矢がもうない。一本も当たってないのにもうなくなった。もう泣きそう。アレンは打開策を探すために目を凝らす。魔力を目に集中させていき、遠距離を見る。
蒼い珠が見えた。何だあの珠は?珠が怪しく光るとエルダーサーペントが生まれた。あれが蛇たちを生んでいるのか。しかし、遠い。近接の方々に任せるには間に魔物が多すぎる。
「アストロさん」
「何?」
アストロがアレンを恨みがましく睨み付ける。魔力酔いのせいで機嫌が最悪に近い。
「あの珠に魔術を撃つことは可能ですか?」
「”たま”ってどれよ」
「あれです」
アレンが指をさすがアストロには海蛇の群れしか見えない。
「見えないわ。どこよ(怒)。距離は?それだけわかればなんとかなるから」
「ありがとうございます。200メートルほど先です。行けますか?」
「ほどって、正確性に欠けるわね。ここら一帯を巻き込むわよ。否定の言葉は聞かないわ」
「分かりました。お願いします」
アストロは自身の魔力酔いを押し込めるように深呼吸をし、魔力を集中させる。200メートルは遠い。結構な集中力が必要になる。アストロの額に嫌な汗が浮かぶ。
「……いける」
アストロの放つ雷撃が珠に向かって落ちる。前線にいた3人の毛が少しだけ逆立つ。あそこまで電気が届いたのか。雷は直撃したわけではないが消滅したらしい。海蛇が増えなくなった。終わりが見えたことでコストイラ達が活気づく。
「越えた?」
コストイラは嬉しそうに伸びをして、一気に脱力する。脱力しすぎてそのまま倒れこむ。アレン達もそれに倣うように座っていく。休憩を入れなくてはこのまま歩くことは出来ない。疲れの溜まったままの脚で水辺に辿り着く。もう一度休憩を入れる。各々が水を飲みながら木に体を預ける。エンドローゼは寝ている。すでに昼を超えてしまっている。今日はどこまで歩けるだろうか。
だいぶ休んだのち、アレン達は進行を再開する。
少し進んだところで丘を上り始めていた。いつの間にか上り坂になっており、疲労が舞い戻ってくる。何とか丘の頂上まで辿り着く。あぁ、なんて、暑いんだ。
「いや、落差ありすぎだろ」
「さっきまで水が近くにあったから涼しいまであったが、ここは凄い乾燥しているな」
コストイラが思わず突っ込みを入れてしまう。アシドは自身の喉を触りながら感想を述べる。
あぁ、砂がたくさんあるなぁ。
うん。どう見ても砂丘だ。駄目だな。現実逃避だってしたくなる。
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