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3.魔法の森
1.何かが潜む森
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アレン達は森の中を歩いていた。すでに治癒院を出発しており、次の街を目指している。ギルド職員に聞いてみると、ナカウというところをおススメされた。オレリアさんがいないことも気になったが、どうやらアレン達がクリアした塩漬け寸前クエストが手柄になり、異動になったらしい。
ナカウは五重塔という修行場兼観光名所があり、割と人が訪れる街である。海が近く、料理がおいしいので移住者が増えている。
森の中を歩く時は、魔物に注意しなければならない。隠れる場所が多くどこから攻撃が飛んでくるか分からない。さらに罠があるのかも分からない。
「西、ガゼル」
コストイラが相手に気付かれる前に隠れ、刺激しないように呟く。目の前にいるロックガゼルは魔物だ。
通常のガゼルと違い、岩場に住み人間を害を与える魔獣。普通は警戒心が強く滅多に会うことができない。魔素に汚染された眼はオレンジに濁り光を反射していない。
ロックガゼルはコストイラ達に気付き、急速に距離を詰める。コストイラは突進してくるロックガゼルを最小限の動きで躱し、その首を介錯する。完全に切り落とせていない首から血とオレンジと黒の混じった煙が垂れ流される。ロックガゼルは自身を鼓舞させるために嘶く。ふらふらと動くロックガゼルは血を失いすぎたがために斃れる。
「即死は無理か」
「ほぼ一撃みたいなものだと思いますけど」
「そ、そ、そうです。す、すごいです」
アレンの意見にエンドローゼも首を縦に振り同調する。
「五重塔ってとこはどのレベルの戦いができんのかなァ」
「五重って言っているんで五回は強い人と戦えるんじゃないですか?」
「そう願うわ」
「活躍の場がない」
「あの特攻野郎め」
幼馴染の2人は舌打ちをする。
がさり。幼馴染の後ろの叢から音が鳴る。シキよりも背の少し高い二足歩行の猫が出てくる。大きな小判を手にした猫はその小判を背中につけて、爪を伸ばしひっかきに飛び掛かる。
レイドは前に出て楯で防ぐ。アシドは動きの止まった猫へ突きを繰り出す。猫はその穂先を爪に滑らせ、うまく往なす。コストイラの刀はバックステップで躱す。
アストロが魔力を放つが、背負っていた小判を楯代わりにして防ぐ。
コバンネコはその姿に似合わぬ雄たけびを上げる。猫の速度がどんどん上がっていく。コバンネコはすでにアシドより早くなっていた。ただし、速くても勝てる方法はある。
コストイラは炎を纏いながら、猫へ迫る。猫は火を嫌い、距離を取る。
猫は髭で空気の流れを感知して、最小限の動きでアシドやコストイラ、シキの攻撃を躱していく。
横から槍が来ることが分かっている。上から矢が落ちてくるのも分かっている。後ろからナイフだって気付ける。正面の魔術は見えてる。見ていなくても紙一重で躱していく。
コバンネコはニチャリと嫌らしく笑う。相手からの攻撃全て見える。コバンネコは爪を伸ばし、すべてを切り裂きにかかる。
コバンネコの後ろに空気が流れている。この流れの速さは何かが燃えているのか?
しかし、気付いた時にはもう遅い。後ろからコストイラが斬りかかってくる。すでに身を空中に置いてしまっているコバンネコには避ける手立てがない。
コストイラの炎は猫の左半身を巻き込んで地面を焼く。髭の大半が燃え、感覚の大部分が消える。
『ガっ!』
猫は木に顔面をぶつけ、目をチカチカさせる。
コストイラの刀が弧を描き、猫の首を捕らえる。コストイラは燃える死体を最後まで見ずに、アレン達と合流した。
『オイ、お前。あの女よくねェか?』
『そうっすね。あのボンキュッボンはいいっすね。むしゃぶりつきたいっす』
『違ェよ。あのオドオドしてる子だよ。目一杯に目の前に贅沢品で埋め尽くさせて全部プレゼントして、挙動不審にさせるんだよ』
『…………ずいぶんな趣味っすね』
ナカウは五重塔という修行場兼観光名所があり、割と人が訪れる街である。海が近く、料理がおいしいので移住者が増えている。
森の中を歩く時は、魔物に注意しなければならない。隠れる場所が多くどこから攻撃が飛んでくるか分からない。さらに罠があるのかも分からない。
「西、ガゼル」
コストイラが相手に気付かれる前に隠れ、刺激しないように呟く。目の前にいるロックガゼルは魔物だ。
通常のガゼルと違い、岩場に住み人間を害を与える魔獣。普通は警戒心が強く滅多に会うことができない。魔素に汚染された眼はオレンジに濁り光を反射していない。
ロックガゼルはコストイラ達に気付き、急速に距離を詰める。コストイラは突進してくるロックガゼルを最小限の動きで躱し、その首を介錯する。完全に切り落とせていない首から血とオレンジと黒の混じった煙が垂れ流される。ロックガゼルは自身を鼓舞させるために嘶く。ふらふらと動くロックガゼルは血を失いすぎたがために斃れる。
「即死は無理か」
「ほぼ一撃みたいなものだと思いますけど」
「そ、そ、そうです。す、すごいです」
アレンの意見にエンドローゼも首を縦に振り同調する。
「五重塔ってとこはどのレベルの戦いができんのかなァ」
「五重って言っているんで五回は強い人と戦えるんじゃないですか?」
「そう願うわ」
「活躍の場がない」
「あの特攻野郎め」
幼馴染の2人は舌打ちをする。
がさり。幼馴染の後ろの叢から音が鳴る。シキよりも背の少し高い二足歩行の猫が出てくる。大きな小判を手にした猫はその小判を背中につけて、爪を伸ばしひっかきに飛び掛かる。
レイドは前に出て楯で防ぐ。アシドは動きの止まった猫へ突きを繰り出す。猫はその穂先を爪に滑らせ、うまく往なす。コストイラの刀はバックステップで躱す。
アストロが魔力を放つが、背負っていた小判を楯代わりにして防ぐ。
コバンネコはその姿に似合わぬ雄たけびを上げる。猫の速度がどんどん上がっていく。コバンネコはすでにアシドより早くなっていた。ただし、速くても勝てる方法はある。
コストイラは炎を纏いながら、猫へ迫る。猫は火を嫌い、距離を取る。
猫は髭で空気の流れを感知して、最小限の動きでアシドやコストイラ、シキの攻撃を躱していく。
横から槍が来ることが分かっている。上から矢が落ちてくるのも分かっている。後ろからナイフだって気付ける。正面の魔術は見えてる。見ていなくても紙一重で躱していく。
コバンネコはニチャリと嫌らしく笑う。相手からの攻撃全て見える。コバンネコは爪を伸ばし、すべてを切り裂きにかかる。
コバンネコの後ろに空気が流れている。この流れの速さは何かが燃えているのか?
しかし、気付いた時にはもう遅い。後ろからコストイラが斬りかかってくる。すでに身を空中に置いてしまっているコバンネコには避ける手立てがない。
コストイラの炎は猫の左半身を巻き込んで地面を焼く。髭の大半が燃え、感覚の大部分が消える。
『ガっ!』
猫は木に顔面をぶつけ、目をチカチカさせる。
コストイラの刀が弧を描き、猫の首を捕らえる。コストイラは燃える死体を最後まで見ずに、アレン達と合流した。
『オイ、お前。あの女よくねェか?』
『そうっすね。あのボンキュッボンはいいっすね。むしゃぶりつきたいっす』
『違ェよ。あのオドオドしてる子だよ。目一杯に目の前に贅沢品で埋め尽くさせて全部プレゼントして、挙動不審にさせるんだよ』
『…………ずいぶんな趣味っすね』
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