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はじまりの唄

ちいさきもの

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小さきものよ、豊かであれ。

人間は、大きくなると世知辛い。

小さき時こそ、自由であれ。

成長するということ、
大きくなるということ、
それは清い水が汚染されていくようなことで、
後戻りは出来ない。

水は汚れたら清めればいい。

しかし1度汚れてしまった人間を清めるのは、汚す時間の倍以上の時間とエネルギーが要る。

やりなおす、というのは、
時間も力も金もかかる。

しかし、出来ない訳ではない。

出来るさ、何度だって。

大きいものでも。

再び小さきものになることは出来なくても、大きいまま、また始めればいい。

周りなんて、気にしていられない。

なりふり構っていられない。

ただただがむしゃらに突き進んで、
迷いながらも前を向いて。

信じる道を進むことは、誰にだって出来ること。

自分を見失いさえしなければ。

小さきものよ、愉快であれ。

人間は、大きくなると退屈だ。

小さき時こそ、純真であれ。


すぐバレる嘘はついても良い。

バレない自信のある嘘は絶対にするな。

もしついてしまったのなら、死ぬまでずっとその嘘を貫き通せ。


小さきものよ、素直であれ。

人間は、大きくなると捻くれる。

小さき時こそ、真面目であれ。


我慢はしなくていい。

でも、我儘はしてはいけない。

望むことと迷惑をかけることは、
決して同義ではない。

少しずつ意味が異なることを、
大きくなると理解できるようになる。

理解した上で、過ちを犯すのは間違っている。
知らないでしてしまったのなら仕方がない。

でも、悪い事をしたならそれを認め、謝罪をしなければならない。

大きい君なら、それは分かっているはずだ。

小さきものは、大きくなる時知ればいい。

全くをもって、
人間は、大きくても小さくても、
実に興味深い生き物よ。
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