上 下
35 / 148
恋を知る

これが叶わない恋だとしても。

しおりを挟む
「おはよう」


君は、どこにいるの?


なんでもなかったたわいもない挨拶が、
今はこんなにも愛しい。


同じ時間を同じ教室で過ごして、
僕はくすぐったい気持ちを知ったんだ。




君が笑う。怒る。泣く。困る。


表情がころころと変わる君は
なんだか面白くて、
ついちょっかいを出してみたり。


でもきっとその頃から既に、
僕は君に恋をしていたんだね。


僕は素直になれなくて
つい意地悪なことを言ってしまったけれど、
本当は、
もっと優しくしてあげたかったんだよ。


ずっと同じクラスで、
君のことはもっと前から知っていたのに。


やっと声をかけれたと思ったら、
あともう一年しか
一緒にいられなかったんだよね。


なんでもっと早く、
声をかけられなかったんだろう。


今更後悔しても仕方が無いけれど、
本当にそう思うよ。


どうせ叶わない恋ならば、
もっと君との時間が欲しかった。


他の誰よりも君が好きだ。


ありきたりの言葉になってしまうけれど、
言えもしない気持ちを
言葉にだけはさせてほしい。




君は、なにをしているの?


あれから随分時が過ぎた。


君は誰の隣で笑っているのかな。


僕は君が忘れられないよ。


君の中のNo.1は僕じゃなくてもいいから、
僕の中のNo.1は君でいさせて。


これからもきっと、ずっと君を想ってる。


これが叶わない恋だとしても。
しおりを挟む

処理中です...