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これだけは誰にも負けない

仲良きことは美しきかな

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仲の良い友人ほど、恐ろしいものはない。



僕はいつだってそうだ。



仲が良くなるだけ、
その人が自分から離れて行くのが怖いのだ。



この人はいつまで
僕の側にいてくれるのだろう。

この人はいつになったら
僕から離れて行ってしまうのだろう。



そんなことばかり考えてしまって、
僕は毎日必死なんだ。



いつ飽きられてしまうのだろうか。


いつ見捨てられてしまうのだろうか。


いつ突き放されてしまうのだろうか。



僕はそれが怖い。



友人が僕に愛想を尽かして
去って行ってしまうのか。


いつまでは、僕の側にいてくれるのか。



そんなこと、分かるはずもないのに…。



重いと思われるのも怖い。


この気持ちは、
きっとその友人からしたら
とても重いものなのかもしれない。


それを悟られまいと、
常日頃から気を配って過ごしている。


捨てられないように。

見放されないように。

置いていかれないように。



役に立たないと。

優れていないと。

笑っていないと。



常に新しくないと。



捨てられてしまう。



誰も彼もが、僕から離れて行ってしまう。



それは嫌だ。


悲しいし、淋しい。





でも、こういうことを思うことで、
僕は努力することが出来る。


そして、自分を知ることが出来るんだ。



こういう気持ちは、
決して悪い訳ではない。


そうかもしれないけれど、
思いたいだけかもしれない。



それでも、僕は…。





人間らしく有りたい。





最近、よくそう思うんだ。




可笑しいかな?
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