上 下
141 / 148
さよならが待ってる。

不器用な奴

しおりを挟む
知らないよ。知らないよ。

僕は知らないよ、君の事なんか。


僕は僕のやりたいようにするだけ。

暴れたいから、暴れるだけ。


決して、君の為なんかじゃない。


僕は僕で、僕の護りたいものを護る。


自分の所為で、なんて思わないでくれ。

僕が勝手にやって、
勝手に傷ついてるだけなんだから。



僕は君とは無関係だ。


何の縁も所縁もない。


見ず知らずの他人だ。



余計な口は叩かないで。


ただ、僕の言っていることに
頷いていればいい。



僕は知らないよ。


君のことなんか。



君が何と言おうと、
誰も耳を貸す者はいない。


皆僕の言うことだけを信じる。



だから、君は今すぐここから消えてくれ。


早く、もっと遠くに。


僕の目の届かないところまで。



僕は赤の他人だ。


そうだろう?


頷いてくれ。


そうしないと僕は……。




護れないよ。


僕の護りたいものが、護れないよ。




思いっきり暴れられないじゃないか。


君じゃ足手まといだ。

早く、僕の視界から消えてくれ。


邪魔なんだよ。


早く失せろ。




最後くらい、
僕の言うことを聞いてくれよ……。


頼むから………。







「あいつは覚悟してたんだよ。
   何もかも…。
   お前の心を傷付けてでも、
   お前を逃がしたかったんだよ。」
しおりを挟む

処理中です...