女子高生【は】拾わない。

悠生ゆう

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女子高生【は】拾わない。

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 身体が重たく感じる。
 太ってしまったというわけではない。最近、体重を測っていないから正確なところはわからないけれど、恐らく体重は落ちているくらいじゃないかと思う。
 そしてそれこそがこの身体の重さの理由だろう。
 この二週間は、食べる時間も眠る時間も削って仕事に打ち込んできた。
 仕事は楽しい。
 大学を卒業して今の会社に入り三年が過ぎた。いい仲間に恵まれたと思うし、それなりに経験も重ねられた。懸命に考えた提案が採用されたり、クライアントから評価されたりすると疲れも吹き飛ぶ。
 そしてようやくはじめてプロジェクトリーダーを任されることになったのだ。
 その抜擢は飛び上がるほどうれしかったけれど、同時に大きなプレッシャーもあった。この仕事の成否が今後の仕事に大きく影響するだろうと思う。
 だから絶対に失敗はできない。私はこれまで以上に慎重に丁寧に細心の注意を払って取り組んできた。
 企画自体はなかなかいいモノができたと思う。上司や先輩たちにも上々の評価をもらった。
 その企画のクライアントへのプレゼンが明日に迫っている。
 私は今日もギリギリまでプレゼン資料にミスがないか、プレゼン用の台詞は問題ないか、足りない情報はないかなどをチェックしていた。
 先輩たちは「もっと肩の力を抜いて」、「いつも通りにやれば大丈夫だから」などと声を掛けてくれたけれど、どれだけやっても不安が残る。
 今日だってもっとプレゼンの練習をしておきたかったけれど「準備は終わってるんでしょう? 今日はもう帰って休んで。体調を整えるのも仕事のうちだよ」と先輩に諭されて家路についたのだ。
 先輩の言う通りフラフラの状態でプレゼンに望んでも良いパフォーマンスができるとは思えない。体力的にも限界を感じている。
 今日は熱いお風呂にゆっくりと浸かって疲れを取ろう。そしてキンキンに冷えたビールを飲んで早めに眠ろう。
 そう考えて、私は重い体に鞭を打つように足を速めた。
 自宅のマンションがようやく視界に入った。駅からさほど距離があるわけではないけれど、やけに遠く感じるのはやはり疲れが溜まっているせいだろう。
 部屋に付いたらお風呂の準備をする間に一本だけビールを飲もう。そう考えた途端にこらえきれないほどの喉の渇きを感じる。
 そのときマンションの入り口近くに人影が見えた。少し目を細めて人影を探る。それはセーラー服を着た小柄な少女だった。
 時刻はもう十時を回っている。塾帰りの中学生か高校生だろうか。そう考えた瞬間、私の体がさらに重くなったように感じた。
 プロジェクトリーダーを任された頃から、毎朝駅で見かける高校生の姿にモヤモヤとした気持ちを抱くようになっていた。
 些細なことで楽しそうに笑い合う彼女たちを見ていると何とも言えない気持ちになってしまうのだ。
 私だって七年前までは女子高生だった。些細なことで笑い合い、毎日楽しく過ごしていた。だけど今になって思うと、何がそんなに楽しかったのだろうと首を捻りたくなる。
 高校生の頃には高校生なりの悩みがあった。だけど大きなプレッシャーを抱えている今は、高校生が悩みもなくキラキラと輝く青春を過ごす異星人に見えてしまう。
 高校生に対して抱いてしまうモヤモヤがただのやっかみで八つ当たりだということは自覚している。自覚しているから余計に気が重くなるのだ。
 私はできるだけその少女を見ないようにして足早に通り過ぎようとした。
「おねえさん」
 少し震えていたけれど見た目よりは大人っぽい声だった。自分に掛けられた声だと思わずに辺りを見回したけれど、私と少女以外の人影はない。
「おねえさん」
 二度目の声は震えていない。そしてその瞳は真っすぐに私を見据えていた。
「えっと、私?」
「はい。おねえさんです」
 セミロングの髪を二つに結わえた少女はニッコリと笑う。こんな時間のこんな状況でなければ、純粋にかわいい笑顔だと思えただろう。
 この近所で見たことのない制服だったが、薄化粧をした大人びた表情から高校生だろうと推測した。
「何かご用ですか?」
 道にでも迷ったのかもしれない。私は尋ねると同時に頭の中に近隣地図を広げて目印になりそうな建物やお店をざっとリストアップする。
「あ、あの……ひろって……」
「……ヒロッテ? そんな名前の場所知らないけど……」
「いえ、そうじゃなくて、私を拾ってください」
「は?」
「私を拾って欲しいんです」
 少女が何を言っているのか理解した瞬間、私は「お断りします」と即答した。
「少しくらい考えてください」
「考える余地はありません。お断りします」
 それだけ言って立ち去ろうと歩みを進めると、少女は思った以上に強い力で私の腕を引いて引き止めた。
「どうしてですか?」
 その少女の態度に少し恐怖を感じる。
 それでもこの少女と比べたら私の方が体格はいい。いくら仕事でヘロヘロでも力で押し負けることはないだろう。そう考えたら少し冷静になれた。
「見ず知らずの高校生を拾う理由がありません」
 私はきっぱりと言いながら少女の顔を改めてじっくりと見る。生徒会役員をしていると言われれば「やっぱりね」と素直に思えてしまえるような大人しい真面目な雰囲気がある。とても見ず知らずの大人に「拾ってくれ」なんて要望を突き付けるタイプには見えない。
 もしかしてどこかで会ったことがあるのだろうかと思い記憶を探るが一致する顔は浮かばない。
「どうしてですか? おねえさん、女子高生がお好きですよね?」
 少女の爆弾発言に思わず目を見開いた。
「好きではありません!」
 ここははっきり言っておかなくてはいけないところだ。
「え、うそ……そんなはずは……」
「好きではありません」
 少女は本当に予想外だったという顔で慌てふためいている。どうしてそんな思い込みをしていたのか理解できない。
「え、じゃ、じゃあ、猫だったら拾ってくれますか?」
 意味が分からない。
「猫も拾いません」
「じゃあ、何だったら拾ってくれるんですか!」
 少女はパニックになっているのか、すっかり支離滅裂になっていた。
 そんな少女の様子に何か理由があるのかもしれないと思ったが、私は結論を変える気はなかった。大事なプレゼンを前に厄介ごとを抱え込むのは御免だ。
「何であろうと拾う気はありません」
「そ、それなら、保護してあげようとか、思いませんか?」
「保護と言うのなら、警察に連絡しますけど?」
 すると少女は、途端に顔をこわばらせて首を横に振った。
「いえ、大丈夫です。もう帰ります」
 そう言うと少女はそそくさと走り去った。私は暗闇の中に少女の背中が消えるまで見送る。
 少女が完全に立ち去ったことを確認してどっと疲れが押し寄せてきた。
 以前、こんな題材のドラマについて同僚と話をしたことがある。
 そのときは「いいねー、私もかわいい子を拾って癒されたいよ」と気楽に言っていた。だが現実に起きてみると癒しとは程遠いものだった。




 翌日。
 私は後輩と二人でクライアントの会社を訪問した。
 先に会議室に通されて担当者がやってくるの緊張しながら待つ。
 待つ時間も無駄にするべきではないと思い、私は寝不足で重い頭を振って資料を開いた。
 昨夜、怪しい女子高生を追い払って無事に家に帰ったのだが、どうしてもあの女子高生のことが頭から消えなかった。追い返してしまったが、危ない目にあっていないだろうか、ちゃんと家に帰ったのだろうか、どんな事情があってあんな無茶なことを言い出したのだろうか、そんなことを考えていたら眠れなくなってしまった。
「菊池さん、緊張してますか?」
 後輩が不安そうな表情で私の顔を覗き込んだ。頭の重さは寝不足だけでなく緊張のせいもあるのだと思う。
 私はチラッと会議室の入り口に目をやり、鞄から素早くミントタブレットを取り出して一粒口に放り込む。
「ちょっと緊張して寝不足なだけだから」
 そう言って笑って見せて、ミントタブレットをカリッとかみ砕く。口の中に一気に清涼感が広がり、少しだけ頭がクリアになったような気がした。
 それからしばらくしてやっとクライアントの担当者たちが会議室に現れた。
「お待たせしてすみません」
 そう言って最初に入ってきたのは、この案件でずっと窓口を務めてくれている男性だ。その後ろに四人が続く。
 後ろの四人とは初対面のため、私は名刺を持って立ち上がった。
 担当者に紹介をされながら順番に名刺交換をしていく。
 もっとも年配の男性がこの案件の最終決定権を持っている。中年の少し頼りない雰囲気の人物は担当者の直属の上司にあたるようだ。
 私より少しだけ年上に見えるメガネの男性は、この案件が稼働したとき実務を担当するらしい。そして一番後ろに着いてきていた小柄で地味な印象の女性も実務担当者だった。
 一通りのあいさつを終えたところで私は全員に資料を配布する。
 そしてひとつ息を付いてからプレゼンを開始した。


 ビルを出たところで私は両手をグーっと挙げて背伸びをする。
「お疲れ様でした」
 後輩が清々しい笑顔を浮かべて言う。
「お疲れ様」
 私も笑顔で返した。
 プレゼンは大成功だった。少し課題も提示されたのだがプロジェクトの体勢に影響はなく、クライアントもプレゼン内容に満足しているようだった。
 会議前までの重たかった頭が嘘のように軽くなる。
「そうだ、私はこのままさっきの課題の調査に行くわね」
「僕も行きましょうか?」
「ありがとう、大丈夫。あなたは会社に戻って報告をしておいてくれる?」
「はい」
「それと、今日は直帰するから。あなたも今日は早く帰ってゆっくりして」
 それだけ伝えてビルの前で後輩と別れる。追加の調査は急ぐ必要はないが、さっさと終わらせて次のステップに入りたい。
 私はスマホの地図を開いて調査のための目的地を検索した。
 調査をはじめてから約二時間。調べたいことは調べ終わり、時間もちょうど定時になっている。
 私はクライアントが入っているあのオフィスビルまで戻ってきていた。
 ビルは次々と仕事を終えた人たちを吐き出している。私はそれらの人の顔を少しはなれば場所から見ていた。
 少し待つと目的の人物が俯きながらビルから出てきた。私はその人に歩みより進路を塞ぐ。
 その人は顔を上げ、私を見て目を丸くした。先ほどのプレゼンに同席していた女性社員だ。
「説明、してもらえますよね?」
 私が言うと、彼女は少し下唇を噛んで気まずそうに目を逸らしたが、観念したのか小さく頷いた。


 ビルから少し離れたところにあるカフェに場所を移す。
 私の正面に座った立花レイは小さい体をさらに小さくしていた。そして「すみません」と囁くような声で言う。
「謝って欲しいわけじゃないんです。理由を教えてください。動揺させてプレゼンを失敗させたかったんですか?」
「ち、違います。プレゼンへの参加は今朝急に決まって……。今日プレゼンがあるなんて知らなくて……」
 レイは少し声を震わせて今にも泣きそうな雰囲気だった。
「あなたとあんな場所で顔を合わせるなんて思ってもみなかったから、驚き過ぎて逆にリラックスできましたけどね」
 私はコーヒーを一口飲む。
 あの会議室で名刺交換をしたとき、レイの顔を見て昨夜の女子高生だとすぐに気付いた。
 でも、かわいらしい笑みを浮かべて「おねえさん」と言っていた彼女と、自分の存在を消すように控えめに佇んでいた彼女とでは随分印象が違う。
 その声や顔立ちは昨夜の女子高生と完全に一致している。それなのに身を硬くして俯いているレイからあの笑顔は想像できない。もしも人違いだと言い切られたら信じてしまいそうだ。
「あんな真似をした理由を教えてもらえますか?」
 私はできるだけ穏やかな口調で問いかける。
「あの……会社で菊池さんをお見掛けしてから気になっていて……」
 レイは少し顔を赤らめてオドオドしながらも白状をはじめた。
「駅でもお見掛けして家も近いことがわかったんです……。うれしくて、あの……仲良くなりたいと思ったんですけど、私のことなんて気付いてもらえないから……」
「気付いてほしくてコスプレしたの?」
 私は眉をひそめた。どうしてそんな発想になるんだろう。
「……はい。女子高生がお好きだと思ったので」
「昨日もそんなこと言ってたけど……私、女子高生が好きって訳じゃないわよ」
「でも駅で熱心に女子高生を見つめていたので、てっきり女子高生がお好みなのかと……」
 女子高生にねたみの視線を送っていたときのことを言っているのだろう。傍から見ると女子高生を好きだと勘違いさせるほど熱心に見つめていたということだろうか。そう考えるとかなり恥ずかしい。
「コスプレの理由はわかったけど、どうして『拾って』になるの?」
「以前、ドラマみたいに癒されたいと言われていたのを聞いて……」
 ようやく繋がった。
 ドラマの話をしていたのはクライアントとの打ち合わせを終えて帰るときのエレベーターの中での雑談だったような気がする。あのエレベーターにレイも乗っていたということだ。
 レイは本当に私のこと熱心に見つめていたのだろう。仕事に必死だったとはいえ、そのことに全く気付かなかった私はかなり鈍感なのかもしれない。
「立花さんは、その……恋愛対象として私のことが気になっているの?」
 少し躊躇しながらも私は直球の質問をした。するとレイは顔を赤くそめて「はい」と頷く。
 レイの気持ちにどう答えるべきだろう。昨夜の行動は突飛だったが悪気があったわけではない。
 私はこれまで同性と恋愛をしたことがないけれど、レイが寄せてくれる想いに不快感はない。
 むしろ大人しいタイプのレイが私の気を引くためになりふり構わず行動してくれたことがうれしいくらいだ。
 私は昨夜のレイの姿を思い出した。まっすぐに私を見つめて浮かべた笑顔はかわいかったと思う。
 そうして目の前のレイを見る。今のレイはずっと俯いていて私と目を合わせようともしない。もう一度、昨夜のような笑顔が見てみたいと思った。
「事情は分かりました」
 私はそう言って立ち上がる。話は終わったという合図だ。
 レイは私の動きを追うようにしてようやく顔を上げた。立ち去ろうとする私に何かを言おうと一瞬口をあけがた、それが言葉になることはなかった。
 私は座ったまま俯くレイを見下ろす。
「念のために行っておくけど、私、女子高生【は】拾わないから」
 はっきりとした口調で、【は】の部分にわかりやすくアクセントをつける。
 その言葉にレイは潤んだ瞳を見開いて私の顔を見上げた。
「えっ? 【は】ってどういう意味ですか? 女子高生でなければ拾ってもらえるんですか?」
 急にレイの声が大きくなる。私は頬が緩んでしまいそうになるのを必死で堪えて、ひと言「さぁ?」とだけ言うとレイをその場に残してカフェを出た。
 この後、レイはどんな行動をとるのだろう。きっと私の気を引くために何らかのアプローチをしてくるはずだ。
 レイのことは嫌いではない。むしろ好感を抱いていると思う。だけど、レイが私に対して抱いている感情と同じなのかはまだわからない。
 それでも私はワクワクしていた。
 家路につく足取りは、まるで高校生の頃に戻ったかのように軽かった。


   おわり・・・じゃなくて


 午後八時。
 今日は定時に上がるつもりだったのだが、夕方になって急ぎの案件が入ったために少し残業をすることになってしまった。
 私の住むマンションが視界に入った。あと数分後には家に着く。
 そのときマンションの入り口近くに人影が見えた。少し目を細めて人影を探る。
 塀に体を寄せて辺りをキョロヨロと伺う姿は不審者として通報されても仕方がないレベルだ。
 しかも犬耳カチューシャと首輪、そして尻尾まで付いている。
 コツコツとヒールを鳴らしてその人物に歩み寄った。その人物は一瞬警戒の視線を送ったが、私だと分かるとパッと笑みを浮かべた。その尻尾が本物の犬のようにうれしそうに揺れる。
「あ、あの、おかえりなさい」
「ただいま」
「猫も拾わないって言ってたから犬にしたんですけど、犬なら拾ってくれますか?」
 レイは少し不安そうな上目遣いで私を見る。胸の奥にキュッと心地良い痛みが走る。
 どんなアプローチがあっても断るつもりだった。その方が色々なレイの姿を見られると思ったからだ。
 だけどかなり直球のコスプレに私の手は思わず伸びていた。
 私はレイの頭をゆっくりと撫でる。くすぐったそうに少し首をすくめるレイは本当に仔犬のようだ。
「仕方ないから拾って上げようかな」
 そうして仔犬にするように両手で頬のあたりを包み込んで撫でるとレイは幸せそうな笑みを浮かべて目を細めた。
「いい子にできる?」
 するとレイは間髪入れずに「はい」と答えた。そこは「ワン」と言って欲しいところだ。
 でも仕方がない。こんな子を放っておけるはずがない。だって私はもう一度レイの笑顔見たいと思ってしまったのだ。責任を持ってしっかりと面倒を見ることにしよう。
 私は「いい子ね」と言いながら仔犬のレイの額にキスをした。
 そしてその手を引いて家に招き入れる。
 他にもレイのコスプレを見たいと思っていたけれど、それはこれからお願いすればいくらでも見られるだろう。


   本当におわり
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