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第1章 レイチの魔法
第4話 厄災の中で…………
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◇◇◇ロザリア魔法学園内◇◇◇
『誰か…………助けて。魔力が…………』
廊下に倒れる生徒、私はなぜか普通に歩けている。クレイも同じように横を歩き、辺りを見回していた。
どこを見ても、魔力不足の声。加護の使い方も知らない私には、何もできない。暗い顔のクレイは、申し訳なさそうに俯いている。
「クレイ!! 探したんだぞ!! 状況はわかってるよな?」
「わかってるよ、レイン。例のあれ、何か進展あった?」
「もちろんだ。俺の研究スピードなめんなよ?」
生レイン先輩…………。最高。この人も大丈夫なんだ。ってことは、レインも私と同じ? 私は、不思議そうに見つめる。
「ん? 君は……。俺と一緒か…………。けど、ペアは違うな……。この前の握手会で会ったこと、しっかり覚えてるぜ!! 名前は確か…………」
「レイチです!! レイン先輩、妹さんがいたんですね!」
「まあな。あいつは、フリーの俺しか知らねぇから、コンサートには顔出してくれないだよなぁ~」
コンサートの謙虚な姿とは違う、ぶっきらぼうで、半分投げているような口調は、とてもかっこいい。
それにレイン先輩も、魔力無限なんだ。てっきり私だけだと思ってた。でも少数だから、こうして同じ因子の人に会えるのは、奇跡かもしれない。
「それで、魔力解放魔法の術式は、もう準備できてるかい?」
「ああ、魔法陣は俺の先生に頼んで、すでに完成している。あとは俺が準備すれば…………」
魔力解放魔法? もしかして!!
「レイン先輩!! それ! 私にも手伝わせてください!!」
「んあ? 別にいいが……。レイチ、お前上手く発揮できていねぇよな? 悪いが…………。賛同しかねる」
「そんな!!」
「だが…………」
急に、レイン先輩が言葉を詰まらせる。もしかして、私にもやらせてくれるの? 気になって、私はレイン先輩と目を合わせる。
「条件をくれてやる。お前の魔力を魔力瓶に、最大まで溜まったら考えを変える。同じ因子でも、俺の目には細かい違いが映っているからな」
「えっ?!」
細かい違いが見える? どゆこと? レイン先輩って、すごい能力持ってるの?
「レイチさん、彼はね。魔力構造の視認解析ができるんだよ。それも生まれつき」
「そうなんだ…………。視認解析ってすごい…………」
「まだまだだけどな……。思えばクレイとレイチは、なぜ一緒にいるんだ?」
答えはペアだからです!! と言う前に、見抜かれたようで、視認解析がどれだけ偉大なのかを、思い知らされた。
「んじゃ、俺は行ってくるぜ!! あと、レイチも来てくれ!! 俺の特別なレッスンに参加させてやる!!」
「は、はい!!」
クレイと別れて、屋上へ向かった。特別レッスンってなんだろう? ワクワクしながら着いて行く。
レイン先輩は、階段を上って扉を開ける。屋上から見る景色は、地平線まで眺められるくらい、見晴らしがいい。
屋上には、レメイ学園長を含む先生が、魔法陣を書いていた。それよりも、特別レッスンって何?
「あら、レインさん。レイチさんも連れて来たのね。相変わらず、レイチさんの魔力は少ないようですが…………」
「す、すみません…………」
「あなたは、そこで待ってなさい。あれからいろいろ考えたのよ。この厄災は、数日で終わるはずだから」
「は、はい…………」
私は先生に止められ、レインは魔法陣の中に入っていく。そして、魔力を魔法陣に流し込み、空気中に放たれる。
「レイン先輩!! 一人で大丈夫なんですか?」
「今のところな。最近人数が多くなっているから、いつまで持つかわからない」
魔力供給するのって大変なんだ……。今に至るまで、何も気にしていなかったけど、クレイに与えてる魔力も、大切にしないと!!
「魔力供給の大切さ……、か。何も考えたこと無いな。そろそろお前も来るか? レッスンにさ」
えっ?! レッスンって、魔力供給のことだったの!? なんか意外……。でも、魔力が少なくて、サイクルもできていない私に?!
「こういうのは、複数人でやった方がいいからな!! 先生からも許可はもらっている」
「い、いつの間に!?」
仕事の速さは良いのか悪いのか。私は、足踏み状態で困惑する。行っちゃって良いの? ほんとに行っちゃって良いの?
「おーい!! 早くしないと、手伝いさせてやんないぞ!! こうしているのも、ヤワじゃないんだからな!!」
「は、はい!! 行きます行きます!! 全力で魔力を!!」
「はぁ~……。厄介なやつ連れて来ちまった」
私は、急いで魔法陣の中に入る。ゼフレ先生に魔力を吸われたのと同じで、身体がどんよりと重だるい。
「魔力のサイクルができるようになれば、長時間可能になる。生命維持も楽になる。俺は、そのことしか考えてなかった」
急にぼやくレイン。私には、答えるだけの思考力は無い。減り続ける魔力を待つだけ…………。こんなに重要な役目なのに、こんなにもつまらないことだとは…………。
感じるのは、疲労感がほとんどだった。何かで楽しくしたい。でも、何も思いつかない。
「だんだん、眠くなってきました。レイン先輩、寝てもいいですか?」
「いや、それはやめた方が……」
「うぅ、みゃむぅ…………」
寝るのが速い私に、レイン先輩は身体を揺する。寝ぼけ眼の私は、魔力の減少に身を任せて、ウトウトと……。
「ヤバいな。まだお前には早すぎたか…………」
「ど、どーゆーことでしゅか…………」
眠気なのか、魔力減少に伴ったことなのか、呂律が回らない。どうして、こんなことに……。もしかして、これもお見通し?!
「身体も冷たくなってきている。これ以上はやめた方が良い」
「しょ、しょんなぁ~」
私は、眠気と戦いながら、レインの言葉を否定。もっと、人の役に立ちたい。その一心で魔力供給を続ける。
「もっと、もっと役に…………」
――ホワン…………。
「な、なんだろう…………。急に身体が暖かくなってきた…………」
「はぁっ? お前何言ってんだよ?! 氷みたいなんだぞ!!」
「ううん、違う。身体の芯が暖かい。魔力も…………」
「ちょっ、お前!!」
ゆっくり身体が持ち上がる。ふわりと身体が宙に浮く。そして、一瞬意識が飛ぶ。私の薄紫色の瞳が、青く輝く。
「マジかよ…………。比較にならねぇじゃんか!? お前、どっからその魔力を…………」
「わからない…………」
「わからないって、思い当たることはどうなんだ?」
「……ごめん。それもわからない。でも、今の私には世界が見える。私の魔力をみんなに…………」
「へっ?」
「"フラワーアレンジメント・マナリフレイン・ワールド"…………」
私の魔力が減っていく。それと同時に増えていく。魔力の増減を繰り返す。枯渇する気配がしない。いつまでも、魔力を放てる。
「ふ、封印されていた魔法…………。お前、いつその魔法を覚えた!! 書物にも書かれていない魔法を……」
「わからないよ。フラッシュバックした言葉を、唱えただけだから」
空間魔力が満たされていく。あっという間に、世界の魔力バランスが正常に戻る。私は力尽きて、レインの胸の中に収まった。
「まさかな…………。お前があいつだったとは、到底思えねぇよ。きっと、お前を狙うやつらがうろつき始める。俺はお前を、そしてクレイも守ってみせる」
レインは、私を抱いて何かを言っている。この世界には不思議がいっぱいだ。そんな世界に、私はどうして生まれたのだろう?
そしてみんなも、なんでこんな目に合わないといけないの? 私の魔力の増幅で、知らぬ間に魔力瓶が破裂していた。
今度はもっと大きな瓶にしよう。そんなことを考えながら、私は目を閉じた。
『誰か…………助けて。魔力が…………』
廊下に倒れる生徒、私はなぜか普通に歩けている。クレイも同じように横を歩き、辺りを見回していた。
どこを見ても、魔力不足の声。加護の使い方も知らない私には、何もできない。暗い顔のクレイは、申し訳なさそうに俯いている。
「クレイ!! 探したんだぞ!! 状況はわかってるよな?」
「わかってるよ、レイン。例のあれ、何か進展あった?」
「もちろんだ。俺の研究スピードなめんなよ?」
生レイン先輩…………。最高。この人も大丈夫なんだ。ってことは、レインも私と同じ? 私は、不思議そうに見つめる。
「ん? 君は……。俺と一緒か…………。けど、ペアは違うな……。この前の握手会で会ったこと、しっかり覚えてるぜ!! 名前は確か…………」
「レイチです!! レイン先輩、妹さんがいたんですね!」
「まあな。あいつは、フリーの俺しか知らねぇから、コンサートには顔出してくれないだよなぁ~」
コンサートの謙虚な姿とは違う、ぶっきらぼうで、半分投げているような口調は、とてもかっこいい。
それにレイン先輩も、魔力無限なんだ。てっきり私だけだと思ってた。でも少数だから、こうして同じ因子の人に会えるのは、奇跡かもしれない。
「それで、魔力解放魔法の術式は、もう準備できてるかい?」
「ああ、魔法陣は俺の先生に頼んで、すでに完成している。あとは俺が準備すれば…………」
魔力解放魔法? もしかして!!
「レイン先輩!! それ! 私にも手伝わせてください!!」
「んあ? 別にいいが……。レイチ、お前上手く発揮できていねぇよな? 悪いが…………。賛同しかねる」
「そんな!!」
「だが…………」
急に、レイン先輩が言葉を詰まらせる。もしかして、私にもやらせてくれるの? 気になって、私はレイン先輩と目を合わせる。
「条件をくれてやる。お前の魔力を魔力瓶に、最大まで溜まったら考えを変える。同じ因子でも、俺の目には細かい違いが映っているからな」
「えっ?!」
細かい違いが見える? どゆこと? レイン先輩って、すごい能力持ってるの?
「レイチさん、彼はね。魔力構造の視認解析ができるんだよ。それも生まれつき」
「そうなんだ…………。視認解析ってすごい…………」
「まだまだだけどな……。思えばクレイとレイチは、なぜ一緒にいるんだ?」
答えはペアだからです!! と言う前に、見抜かれたようで、視認解析がどれだけ偉大なのかを、思い知らされた。
「んじゃ、俺は行ってくるぜ!! あと、レイチも来てくれ!! 俺の特別なレッスンに参加させてやる!!」
「は、はい!!」
クレイと別れて、屋上へ向かった。特別レッスンってなんだろう? ワクワクしながら着いて行く。
レイン先輩は、階段を上って扉を開ける。屋上から見る景色は、地平線まで眺められるくらい、見晴らしがいい。
屋上には、レメイ学園長を含む先生が、魔法陣を書いていた。それよりも、特別レッスンって何?
「あら、レインさん。レイチさんも連れて来たのね。相変わらず、レイチさんの魔力は少ないようですが…………」
「す、すみません…………」
「あなたは、そこで待ってなさい。あれからいろいろ考えたのよ。この厄災は、数日で終わるはずだから」
「は、はい…………」
私は先生に止められ、レインは魔法陣の中に入っていく。そして、魔力を魔法陣に流し込み、空気中に放たれる。
「レイン先輩!! 一人で大丈夫なんですか?」
「今のところな。最近人数が多くなっているから、いつまで持つかわからない」
魔力供給するのって大変なんだ……。今に至るまで、何も気にしていなかったけど、クレイに与えてる魔力も、大切にしないと!!
「魔力供給の大切さ……、か。何も考えたこと無いな。そろそろお前も来るか? レッスンにさ」
えっ?! レッスンって、魔力供給のことだったの!? なんか意外……。でも、魔力が少なくて、サイクルもできていない私に?!
「こういうのは、複数人でやった方がいいからな!! 先生からも許可はもらっている」
「い、いつの間に!?」
仕事の速さは良いのか悪いのか。私は、足踏み状態で困惑する。行っちゃって良いの? ほんとに行っちゃって良いの?
「おーい!! 早くしないと、手伝いさせてやんないぞ!! こうしているのも、ヤワじゃないんだからな!!」
「は、はい!! 行きます行きます!! 全力で魔力を!!」
「はぁ~……。厄介なやつ連れて来ちまった」
私は、急いで魔法陣の中に入る。ゼフレ先生に魔力を吸われたのと同じで、身体がどんよりと重だるい。
「魔力のサイクルができるようになれば、長時間可能になる。生命維持も楽になる。俺は、そのことしか考えてなかった」
急にぼやくレイン。私には、答えるだけの思考力は無い。減り続ける魔力を待つだけ…………。こんなに重要な役目なのに、こんなにもつまらないことだとは…………。
感じるのは、疲労感がほとんどだった。何かで楽しくしたい。でも、何も思いつかない。
「だんだん、眠くなってきました。レイン先輩、寝てもいいですか?」
「いや、それはやめた方が……」
「うぅ、みゃむぅ…………」
寝るのが速い私に、レイン先輩は身体を揺する。寝ぼけ眼の私は、魔力の減少に身を任せて、ウトウトと……。
「ヤバいな。まだお前には早すぎたか…………」
「ど、どーゆーことでしゅか…………」
眠気なのか、魔力減少に伴ったことなのか、呂律が回らない。どうして、こんなことに……。もしかして、これもお見通し?!
「身体も冷たくなってきている。これ以上はやめた方が良い」
「しょ、しょんなぁ~」
私は、眠気と戦いながら、レインの言葉を否定。もっと、人の役に立ちたい。その一心で魔力供給を続ける。
「もっと、もっと役に…………」
――ホワン…………。
「な、なんだろう…………。急に身体が暖かくなってきた…………」
「はぁっ? お前何言ってんだよ?! 氷みたいなんだぞ!!」
「ううん、違う。身体の芯が暖かい。魔力も…………」
「ちょっ、お前!!」
ゆっくり身体が持ち上がる。ふわりと身体が宙に浮く。そして、一瞬意識が飛ぶ。私の薄紫色の瞳が、青く輝く。
「マジかよ…………。比較にならねぇじゃんか!? お前、どっからその魔力を…………」
「わからない…………」
「わからないって、思い当たることはどうなんだ?」
「……ごめん。それもわからない。でも、今の私には世界が見える。私の魔力をみんなに…………」
「へっ?」
「"フラワーアレンジメント・マナリフレイン・ワールド"…………」
私の魔力が減っていく。それと同時に増えていく。魔力の増減を繰り返す。枯渇する気配がしない。いつまでも、魔力を放てる。
「ふ、封印されていた魔法…………。お前、いつその魔法を覚えた!! 書物にも書かれていない魔法を……」
「わからないよ。フラッシュバックした言葉を、唱えただけだから」
空間魔力が満たされていく。あっという間に、世界の魔力バランスが正常に戻る。私は力尽きて、レインの胸の中に収まった。
「まさかな…………。お前があいつだったとは、到底思えねぇよ。きっと、お前を狙うやつらがうろつき始める。俺はお前を、そしてクレイも守ってみせる」
レインは、私を抱いて何かを言っている。この世界には不思議がいっぱいだ。そんな世界に、私はどうして生まれたのだろう?
そしてみんなも、なんでこんな目に合わないといけないの? 私の魔力の増幅で、知らぬ間に魔力瓶が破裂していた。
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