インステニート 〜インフレ・ステータスじゃなくても規格外のニート少女で、ぶっきらぼうに話す私は異世界からの転生者でした

八ッ坂千鶴

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第2章 WWM 〜世界魔法大戦〜

第41話 ルナの成長見届けて

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 ◇◇◇あれから2時間後◇◇◇


(だんだん、腕が上がってきたな。肘の方も…………。そろそろ外すか……)


 ――スペルクリア……。


 私は、解除魔法を唱え、ルナの手首を解放、自由フリーにさせる。


「…………なんだろう」


 外れたのと同時に、ルナは違和感を感じたのだろう。不思議そうに、手首を上下に動かす。


「ついでに、重さにも馴れたんじゃないか? 武器の重さを覚えれば、身体が振り回されることなく、ブレーキをかけられるからさ」

「…………なるほど。確かに、受け取った時よりも、少し軽くなった感じがします。単純で簡単な動作なのに、ここまで変化が出るとは、思いませんでした」

「だろ? まあ、私の時は、師匠のような人は誰もいなかった。んで、これはほとんど、勘と独学で得たことなんだが…………」


 ゲームの勘は、右に出るものはいないくらい、自信がある。ゲームのプレイ時間も、このゲームの時間だけで、数千は超えているはずだ。


「そうなんですか?! それにしても、詳しいので知識量…………」

「加えて、攻略本を一切見てねぇから、全て私のスペシャルメニュー、みてぇなもんだな」

「……!! ってことは。これって全部、アンゲーマー先生の経験値=知識で作ったんですか!?」

「ああ、その通りだ。じゃ、応用を兼ねた実践編に移るぞ!!」

「はいっ!!」


 ◇◇◇ルグアの自宅では◇◇◇


「りんりんとムンムン、大丈夫かな~」

「藍。なぜ、ルナの呼び方が”ムンムン”なのですか?」

「だってお姉ちゃん、ルナってラテン語で”月”でしょ~。だから、英語で同じ意味の”ムーン”から取って、ムンムン」


 お留守番中の双子の姉妹は、増築された3階のバルコニーから、外の風景を眺めていた。

 地下拠点なので、地上より人が少なく、建物もあまりないため、空き地が多い。

 利点としては、遥か遠くまで見渡せること。まるで、夜景のような景色に包まれた空間は、心を穏やかにしてくれる。


「今、地上はどうなっているのかなぁ~。そうだ!! お姉ちゃんはりんりんと戦いたいんだよね?
 ウチは参加できないけど、近いうちに決戦場を用意しようかなぁ~、って思ったんだけどぉ~」

「それは、良い考えですね。自分も、彼女の意向に沿ったうえで開いた方が、巻き添いも減るので、賛成します。彼女には難題を押し付けても、処理が速い。倒しがいがありそうです」


(もうすぐ、リアルでの準備が終わるはず…………。さあ、改造し周波数を上げた機械に、貴方ルグアの脳は、どこまで耐えられるかしら?)


 ◇◇◇兵庫県◇◇◇


「……えいっ!!」


 ――ブギュギュッ?!


「おっ?! なかなかやるなぁ!! ルナの飲み込みの早さには、驚いた。そんじゃ、次は溜め攻撃を…………」

「……やぁあ!!」


 ――シュパーン!!


「おいおい、マジかよ?! 教えてもないのに、完璧じゃねぇか!!」

「……あ、……ありがとうございます。アンゲーマー先生!!」


 どんどん成長していく彼の腕前は、格段に上がった。まさか、溜め攻撃まで習得済みだとは、思わなかったが…………。


「もう、教えることはほとんど無い。あるとしたら、改良版の強化剣術だけだ。これは、今の君にはまだ難易度が高すぎるから、カミングスーン、ってことで……」

「…………アンゲーマー先生。……調子に乗って、……カッコつけてる」


 ルナのこの言葉で、私は顔を真っ赤に染め、人生一の恥をかいてしまったのだった。


 ※大量昆虫駆除

 クリアタイム 4時間54分

 備考:
 大半をルグアが殲滅せんめつ。その他モンスターを、ルナが剣術を会得すると同時に倒し、村への襲撃収まる。


 ◇◇◇◇◇◇


「モードレさん、ルナさん、おかえりなさい。そして、お疲れ様です」

「ガロン、いつも出迎えありがとな」

「当然です!! 親友ですから」
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