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第1章 VWDLと農作業
第15話 二日間の農作業
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「さーて、何やろうかな」
昼食を食べ終え、私は弁当箱を片付けると、〈ファミリーファーム〉のソフトを用意。
ヘッドギアとPCを接続しログイン。表示されるステータスは、最悪のままだった。一つ違ったのはファームが綺麗に整備されていたこと。陸や奏が進めてくれたようだ。
ストレージを確認すると、入っていたのは、一通の手紙と植物の種。手紙には、
〈ルグアさんへ
ルグアさんがログインしていない間、俺とガイアの2人で整備しました。
ルグアさんに小麦の種を少し送ったので、種まきをお願いします。
約10分で収穫、3個から5個種を入手できます。たくさん用意して欲しいです
ルクスより〉
このように書かれていた。ストレージの種を開封すると、中には小麦の種が10個。
兄が『です・ます』付けるのに、ちょっと違和感を感じたが、気にしないことにした。
ウィンドウを閉じて、ガイア/櫻井奏が耕した畑に向かう。まっすぐで長い小さな山の列。そこに、小麦の種を5個だけ蒔《ま》いた。水もやろうと、考えるより先に動いた足。
井戸で汲み上げた水をジョウロに移し、小麦の場所へ戻る。こぼした水は地面を濡らし、残った水は、5つの種にかける分だけ。
「まあ、いっか……」
一言声に出して、畑を湿らせると、小麦はぐんぐん育っていった。どうやら、水を与えると成長が速くなるようだ。でも、あげすぎは逆効果なのでほどほどに。
10分のところ半分の5分で育った小麦を収穫すると、5本中3本がちぎれて消えた。改めて自分のステータスを開くと、農家の数値は-100000。変動はしていない。
(これもひたすら、やらないとだな)
やれやれと思いながら手に入れた6個の種。これで、手持ちは11個。ルグアはまた5つ蒔く。水を汲み、ジョウロに移し、運んでは、土を湿らせる。5分で育ち最後は収穫。
今度は、5本中2本がちぎれ、小麦を3本、種が9個入手。手持ちは15個。次も5つ種蒔き、水を運び土を濡らして、5分後に収穫。農家は、失敗する確率が低くて助かる。
3回目は、5本全て収穫。種は24個手に入れた。手持ちの種は34個。順調に増えている。
(そろそろ、個数増やしていくか)
持っている種を20個蒔く。水は2往復。育った小麦は、10本ちぎれ、獲得したのは47個。この作業は、休憩を挟みながら翌日の昼12時まで続けた。
結果、最終的な数は、軽く千を超え、2975個。1人でここまでやったのは、初めてだ。
(次は、木材集め…………かな)
私は、ストレージに種を戻し、斧を手に持ち森林へ向かった。
◇◇◇翌日 2025年11月27日木曜日◇◇◇
――トコン……トコン……ザザァ……
木を切る音が、農場に響きわたる。私は種蒔きを中断し、伐採を始めていた。木こりの数値は-85470。あれから少しだけ増やした。だが、その間に6時間が経過。
種蒔きをやめたのが12時、お昼を食べて13時、伐採を始めて19時。ちょうど夕食の時間だ。一旦切り上げ、種を3等分してルクスとガイアに送信。ログアウトする。
「続きは……」
『ただいま、夕食持ってきたから、今日は牛丼だぞ!!』
覚醒を始めた脳内に入ってきたのは兄の声。起き上がりヘッドギアを外すと、肉の香りが誘惑してきた。
こたつの上には、焼肉と飴色のたまねぎがトッピングされた、どんぶり。空腹感に耐えきれず、右手で箸を掴み、ペン回しの要領で素早く持ち替える。
私の手より少し大きいどんぶりを左手で押さえ、箸を突き刺しかぶりつく。陸は、ポカンと口を開けて一口ぱくり。しばらくして、
「明理、実は今日初めて作った牛丼なんだけど……。急にどうした?」
「普通に美味しいよ」
「普通に美味しい、っというと?」
さらなる質問を問いかける。
「だって、たまねぎと炒めた牛肉を盛り付けるだけでしょ?」
そう答えたあと、私は次を頬張った。
「ま、まあ、間違えではないけれど、ちょっと惜しいかな…………?」
私の反応に、目をそらしながらゆっくり食べる陸。あっという間に時間が過ぎて、本日最後のログイン。
簡単に100000本切り倒し、お風呂に浸り、就寝。追加3食の休憩をした時には、翌日の夕方だった。
(明日でメンテが終わるから、みんなに会うのが楽しみだなぁ~)
昼食を食べ終え、私は弁当箱を片付けると、〈ファミリーファーム〉のソフトを用意。
ヘッドギアとPCを接続しログイン。表示されるステータスは、最悪のままだった。一つ違ったのはファームが綺麗に整備されていたこと。陸や奏が進めてくれたようだ。
ストレージを確認すると、入っていたのは、一通の手紙と植物の種。手紙には、
〈ルグアさんへ
ルグアさんがログインしていない間、俺とガイアの2人で整備しました。
ルグアさんに小麦の種を少し送ったので、種まきをお願いします。
約10分で収穫、3個から5個種を入手できます。たくさん用意して欲しいです
ルクスより〉
このように書かれていた。ストレージの種を開封すると、中には小麦の種が10個。
兄が『です・ます』付けるのに、ちょっと違和感を感じたが、気にしないことにした。
ウィンドウを閉じて、ガイア/櫻井奏が耕した畑に向かう。まっすぐで長い小さな山の列。そこに、小麦の種を5個だけ蒔《ま》いた。水もやろうと、考えるより先に動いた足。
井戸で汲み上げた水をジョウロに移し、小麦の場所へ戻る。こぼした水は地面を濡らし、残った水は、5つの種にかける分だけ。
「まあ、いっか……」
一言声に出して、畑を湿らせると、小麦はぐんぐん育っていった。どうやら、水を与えると成長が速くなるようだ。でも、あげすぎは逆効果なのでほどほどに。
10分のところ半分の5分で育った小麦を収穫すると、5本中3本がちぎれて消えた。改めて自分のステータスを開くと、農家の数値は-100000。変動はしていない。
(これもひたすら、やらないとだな)
やれやれと思いながら手に入れた6個の種。これで、手持ちは11個。ルグアはまた5つ蒔く。水を汲み、ジョウロに移し、運んでは、土を湿らせる。5分で育ち最後は収穫。
今度は、5本中2本がちぎれ、小麦を3本、種が9個入手。手持ちは15個。次も5つ種蒔き、水を運び土を濡らして、5分後に収穫。農家は、失敗する確率が低くて助かる。
3回目は、5本全て収穫。種は24個手に入れた。手持ちの種は34個。順調に増えている。
(そろそろ、個数増やしていくか)
持っている種を20個蒔く。水は2往復。育った小麦は、10本ちぎれ、獲得したのは47個。この作業は、休憩を挟みながら翌日の昼12時まで続けた。
結果、最終的な数は、軽く千を超え、2975個。1人でここまでやったのは、初めてだ。
(次は、木材集め…………かな)
私は、ストレージに種を戻し、斧を手に持ち森林へ向かった。
◇◇◇翌日 2025年11月27日木曜日◇◇◇
――トコン……トコン……ザザァ……
木を切る音が、農場に響きわたる。私は種蒔きを中断し、伐採を始めていた。木こりの数値は-85470。あれから少しだけ増やした。だが、その間に6時間が経過。
種蒔きをやめたのが12時、お昼を食べて13時、伐採を始めて19時。ちょうど夕食の時間だ。一旦切り上げ、種を3等分してルクスとガイアに送信。ログアウトする。
「続きは……」
『ただいま、夕食持ってきたから、今日は牛丼だぞ!!』
覚醒を始めた脳内に入ってきたのは兄の声。起き上がりヘッドギアを外すと、肉の香りが誘惑してきた。
こたつの上には、焼肉と飴色のたまねぎがトッピングされた、どんぶり。空腹感に耐えきれず、右手で箸を掴み、ペン回しの要領で素早く持ち替える。
私の手より少し大きいどんぶりを左手で押さえ、箸を突き刺しかぶりつく。陸は、ポカンと口を開けて一口ぱくり。しばらくして、
「明理、実は今日初めて作った牛丼なんだけど……。急にどうした?」
「普通に美味しいよ」
「普通に美味しい、っというと?」
さらなる質問を問いかける。
「だって、たまねぎと炒めた牛肉を盛り付けるだけでしょ?」
そう答えたあと、私は次を頬張った。
「ま、まあ、間違えではないけれど、ちょっと惜しいかな…………?」
私の反応に、目をそらしながらゆっくり食べる陸。あっという間に時間が過ぎて、本日最後のログイン。
簡単に100000本切り倒し、お風呂に浸り、就寝。追加3食の休憩をした時には、翌日の夕方だった。
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