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第3章
第19話 エルフィレンナに来た理由
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「それで、アグラスさんどうするんすか? リーちゃんとリィファンに顔出しは?」
「うむ……。会うのはリィファンが立派な冒険者になってからと……」
「そうなんすね……。じゃ、じゃあ、ここに来た目的って……なんすか?」
「エルフィレンナ王に会いに来た」
「ルーアならもうルナジェインに向かったぜ‼」
ルグアの口調がゲーム内口調に戻った。そして、フォルテの姿がない。俺がアグラスと話している間に回収したようだ。
なら、今フォルテは何しているんだろう? やっぱり寝てるのかな? フォルテよく昼寝するみたいだし。
「けどルグア? フォルテさん。ものすごいお酒飲んでた感じしたんすけど。悪影響とかないんすか?」
「ん? ああ、意識隔離してるから問題ないよ。隔離してる間は影響出ないから。
それにフォルテ、『しばらく控える』って言ってたからな。嘘でなければいいんだが……」
アグラスはフォルテを探してるのか、周辺をチラチラ見て回る。そんなことしてもいないのに……。フォルテはルグアの中にいるから。
というよりも、リゲルの場合って、どんな姿しているんだろう? っていうか、どうやって、分裂すればいいの? まずはそっちだよ‼
「はぁ……。そうやってすぐ求めるんだから……。私でも詳細はわからないよ。それに、半分はフォルテの気まぐれとワガママだしさ」
「そうなんすね……。あれ? アグラスさんは?」
「それならエルフィレンナの街を回ってる。そろそろアレンも、リィファンを探したらどうだ?」
そうだ‼ リィファンが今現実逃避中なんだった。多分この状態だと、父親のアグラスに会った時、発作を……。
だったら俺が先にリィファンを見つけないと‼
「ルグアさん。リィファンの居場所って特定できないっすか?」
「リィファンの居場所の特定? できなくはないが……」
「ルグア?」
「いや、なんでもない」
最近、ルグアの表情が暗い。いつもなら即断即決で、頭冴えまくりで、もんすごい頼りになるのに……。なにかあったのかな?
自分に縛りつけてるからなぁ。そんな彼女に場所の特定をしてもらい、俺はエルフィレンナの街へと入る。
常に夜。街灯も薄い紫で禍々しい。だけど、俺にはもう見慣れた風景なので、そこまで驚くことではなかった。
――コトン……。
「……あれ? なにか足にぶつかったような?」
隅から隅まで探し回る途中。俺は手のひらサイズの石を蹴飛ばす。普段の話し方も忘れ、知人はいないからいいやと、石を拾い上げる。
その石は、街灯と同じ紫色の光を放ち、地面にも歪な石を見つけた。
「誰かの落し物? 交番ないかな? やっぱこういうのは届けるのが先っすもんね……」
『どうされましたか?』
「あ、リゲルさん。その……。この石……」
そうだ、リゲルいるんじゃん。知人はいた……。リゲルのこと完全に忘れてた……。そのことじゃなくて、この石なんなん?
街灯の破片じゃないよね? 破片落ちてたら危ないもん‼ それに、もし蹴飛ばす力が強かったら、怪我人出てたよね?
『お気になさらず。皆さんおやすみしてるようですよ。アレンさん』
「そういえばそうっしたね……。囚人達休暇中なんだった。で、この石はなんすか? 少し黒ずんでるけど」
『石? ですか……。もう少し上にして貰えますでしょうか?』
「りょっす……」
俺はリゲルに言われたように、少し手を持ち上げる。同じ身体を共有しているとはいえ、見やすい位置は違うらしい。
『ううむ……。これは僕にも……。答えが見つかりませんね……』
「リゲルさんでもっすか……」
『ええ……。ここに訪れた回数もあるのでしょうが……。過去このような物は、目にしたことなどありません』
じゃあ、これ何なんだろ? 交番を探すのと同時に。リィファンを探す。自宅も確認し、ビニールハウスも覗いたが。彼の姿はどこにもない。
――『アレン。アレン聞こえるか?』
「ルグア‼ リィファンの場所特定できたんすか?」
――『そのための連絡に決まってるさ。場所がわかった。今アグラスと行動しているみたいだ。ただ、まだ父だというのは明かしてな
らしい』
「そうっすか……。しばらくは問題なさそうっすけど……」
――『どうやら二人は、ロムのところに向かってるようだ。なにか因果関係があるのかもな』
「因果関係?」
どうして、ロムのところに? ロムは関係ないよね? あと、なぜリィファンとアグラスさんが一緒に……。
――『さあな。けど、危険な気配を感じる』
「危険? ちょま。それって……」
――『今は急いで合流してくれ。場所は今から伝える‼ そのまま前進50メートル。突き当たりを右に曲がれば、リィファン達がいるはずだ』
「りょかいっす‼」
――『同時に、ロムとロムが担当しているサーヤもだ‼』
「はい‼」
『アレンさん。急ぎますよ』
「リゲルさん飛ばしやす‼」
ルグアからの報告。俺は助走をつけながら走り出し、少しずつ加速させる。ルグアなら助走無しでできるけど、俺にはやっぱり無理だった。
ルグアって、行動が早いからなぁ……。揚げ足とってないか心配。ってか俺心配性重症かしてんじゃね? ルグア好きがやっぱり……。
もう、結婚式まだなのかな? って、今はそんなこと考えてる場合か‼ 今は急行するのが先じゃんかよ‼ 石と結婚式のことはそれから。めっちゃ気になるけど……。所持金……。
『まもなく突き当たりですよ』
「あざっす‼ リゲル‼」
『アレンさんに呼び捨てされたのは、これが初めてでしょうか……。いえ、そのようなことは後日談としましょう』
「りょっすッ‼」
「うむ……。会うのはリィファンが立派な冒険者になってからと……」
「そうなんすね……。じゃ、じゃあ、ここに来た目的って……なんすか?」
「エルフィレンナ王に会いに来た」
「ルーアならもうルナジェインに向かったぜ‼」
ルグアの口調がゲーム内口調に戻った。そして、フォルテの姿がない。俺がアグラスと話している間に回収したようだ。
なら、今フォルテは何しているんだろう? やっぱり寝てるのかな? フォルテよく昼寝するみたいだし。
「けどルグア? フォルテさん。ものすごいお酒飲んでた感じしたんすけど。悪影響とかないんすか?」
「ん? ああ、意識隔離してるから問題ないよ。隔離してる間は影響出ないから。
それにフォルテ、『しばらく控える』って言ってたからな。嘘でなければいいんだが……」
アグラスはフォルテを探してるのか、周辺をチラチラ見て回る。そんなことしてもいないのに……。フォルテはルグアの中にいるから。
というよりも、リゲルの場合って、どんな姿しているんだろう? っていうか、どうやって、分裂すればいいの? まずはそっちだよ‼
「はぁ……。そうやってすぐ求めるんだから……。私でも詳細はわからないよ。それに、半分はフォルテの気まぐれとワガママだしさ」
「そうなんすね……。あれ? アグラスさんは?」
「それならエルフィレンナの街を回ってる。そろそろアレンも、リィファンを探したらどうだ?」
そうだ‼ リィファンが今現実逃避中なんだった。多分この状態だと、父親のアグラスに会った時、発作を……。
だったら俺が先にリィファンを見つけないと‼
「ルグアさん。リィファンの居場所って特定できないっすか?」
「リィファンの居場所の特定? できなくはないが……」
「ルグア?」
「いや、なんでもない」
最近、ルグアの表情が暗い。いつもなら即断即決で、頭冴えまくりで、もんすごい頼りになるのに……。なにかあったのかな?
自分に縛りつけてるからなぁ。そんな彼女に場所の特定をしてもらい、俺はエルフィレンナの街へと入る。
常に夜。街灯も薄い紫で禍々しい。だけど、俺にはもう見慣れた風景なので、そこまで驚くことではなかった。
――コトン……。
「……あれ? なにか足にぶつかったような?」
隅から隅まで探し回る途中。俺は手のひらサイズの石を蹴飛ばす。普段の話し方も忘れ、知人はいないからいいやと、石を拾い上げる。
その石は、街灯と同じ紫色の光を放ち、地面にも歪な石を見つけた。
「誰かの落し物? 交番ないかな? やっぱこういうのは届けるのが先っすもんね……」
『どうされましたか?』
「あ、リゲルさん。その……。この石……」
そうだ、リゲルいるんじゃん。知人はいた……。リゲルのこと完全に忘れてた……。そのことじゃなくて、この石なんなん?
街灯の破片じゃないよね? 破片落ちてたら危ないもん‼ それに、もし蹴飛ばす力が強かったら、怪我人出てたよね?
『お気になさらず。皆さんおやすみしてるようですよ。アレンさん』
「そういえばそうっしたね……。囚人達休暇中なんだった。で、この石はなんすか? 少し黒ずんでるけど」
『石? ですか……。もう少し上にして貰えますでしょうか?』
「りょっす……」
俺はリゲルに言われたように、少し手を持ち上げる。同じ身体を共有しているとはいえ、見やすい位置は違うらしい。
『ううむ……。これは僕にも……。答えが見つかりませんね……』
「リゲルさんでもっすか……」
『ええ……。ここに訪れた回数もあるのでしょうが……。過去このような物は、目にしたことなどありません』
じゃあ、これ何なんだろ? 交番を探すのと同時に。リィファンを探す。自宅も確認し、ビニールハウスも覗いたが。彼の姿はどこにもない。
――『アレン。アレン聞こえるか?』
「ルグア‼ リィファンの場所特定できたんすか?」
――『そのための連絡に決まってるさ。場所がわかった。今アグラスと行動しているみたいだ。ただ、まだ父だというのは明かしてな
らしい』
「そうっすか……。しばらくは問題なさそうっすけど……」
――『どうやら二人は、ロムのところに向かってるようだ。なにか因果関係があるのかもな』
「因果関係?」
どうして、ロムのところに? ロムは関係ないよね? あと、なぜリィファンとアグラスさんが一緒に……。
――『さあな。けど、危険な気配を感じる』
「危険? ちょま。それって……」
――『今は急いで合流してくれ。場所は今から伝える‼ そのまま前進50メートル。突き当たりを右に曲がれば、リィファン達がいるはずだ』
「りょかいっす‼」
――『同時に、ロムとロムが担当しているサーヤもだ‼』
「はい‼」
『アレンさん。急ぎますよ』
「リゲルさん飛ばしやす‼」
ルグアからの報告。俺は助走をつけながら走り出し、少しずつ加速させる。ルグアなら助走無しでできるけど、俺にはやっぱり無理だった。
ルグアって、行動が早いからなぁ……。揚げ足とってないか心配。ってか俺心配性重症かしてんじゃね? ルグア好きがやっぱり……。
もう、結婚式まだなのかな? って、今はそんなこと考えてる場合か‼ 今は急行するのが先じゃんかよ‼ 石と結婚式のことはそれから。めっちゃ気になるけど……。所持金……。
『まもなく突き当たりですよ』
「あざっす‼ リゲル‼」
『アレンさんに呼び捨てされたのは、これが初めてでしょうか……。いえ、そのようなことは後日談としましょう』
「りょっすッ‼」
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