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第3章

第18話 熱血大将アグラス

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「安心して、不発弾だから」


 ******


「そ、その……」

 ――ベシンッ‼

「アレン、無理やり兄弟仲にしようと企んでるでしょ?」
「るる、ルグア⁉ ち、ちが……」

 ――マジックガトリング‼ フルファイア‼


 ******


「不発弾なんかーーーーーーーい‼」

 いや、兄弟仲にしようとしたのは間違ってないけど、詠唱聞いた瞬間ビクッたんすけど⁉ なんでルグア詠唱したん?

「なんで? っていうとね……。アレンの後ろに魔物がいたからかな? さっきの詠唱で全滅したけど」

 いつも通りに、俺の考えを先読みするルグア。

「そこのおなご、やりおるなぁ……。」
「私にはこれくらい簡単だけどね……。それより、アグラスさんはなぜここに? 王族会議は明明後日だし。
 この場所エルフィレンナからルナジェインまで距離あるけど」

 そなの? エルフィレンナとルナジェインの距離? それに火の砦って、アグマ活火山にあるんだったっけ?
 ここから活火山って、どれくらいの距離あるんだろ? 地図欲しい‼ 地図誰か持ってきて‼ 地図ないとなんもわからん……。

「アレンはわからなくていいよ。フォルテもおかえり」
「おいおい、明理それ言うの遅すぎだろ」
「ごめん。気づいてはいたんだけどね……。アグラスさんの一族は、みんな似てるなって」
「そういや、過去に会った時もだったな」
「過去に一族と会ってたんすか?」
「ほう。よろしければ、そのエピソードを聞かせてもらおうではないか‼」
「どど、どうするっすか? ルグア」

 こういう風に、ルグアとフォルテが対面しているのは、とても珍しい光景。時々こんなようにしているのかな?
 もしかして、俺もリゲルと? それやってみたい‼ でも今リゲル起きてるのかな? それぞれ起きてるのが条件かも?

「リゲルさん起きてるっすか?」
「アレン?」
「ちょっとね。リゲルもアグラスさんと話したいんじゃないかなぁ? って、思っただけっす‼ リゲルさん?」

 応答がない。まだ寝てるのだろうか? 長い間話していなかったから、繋がりづらかったりとかかな? 知らんけど……。

「繋がりづらいって可能性は、ないと思うよ。もう少し待てば……。リゲル聞こえる?」
「ふぇ? 外部の呼びかけありなんすか?」
「ありだよ? /ありだな」(ルグア/フォルテ)
「ありなんだ……」

 話終わらせちゃったよ俺‼ 飲み込みきれずに終わらせちゃったよ‼ 鵜呑みまではしないけど‼ 鵜呑みは絶対しない‼
 するなら漁くらいだよ‼ 鵜呑みの語源も、鳥の鵜を使った漁みたいだし‼ 鵜って魚丸呑みするらしいし……。ある意味餌奪ってんじゃん‼ 人の悪知恵かなこれ?

「鵜って。鵜飼のことかな?」
「そうそれっす‼」
『鵜飼……。ですか。僕も皆様方の世界行けたら、ぜひとも見てみたいものです……』
「リゲルさん‼ お久っす‼」
『お久しぶりです、アレンさん。僕は規則正しい生活を心がけてますので、この時間帯は起きてますよ』
「ふむふむ……」
『どうかされましたか?』
「いや、俺と真逆だなって。思っただけっす。俺よく夜更かしするから」

 ちなみに、原因のほとんどがネトゲ。だって楽しんだもん。友達いない俺には、持ってこいの現実逃避手段。
 いくらでも遊んでいられる。高確率で完徹してたわ。今は親にネット管理されてるから、夜10時に強制終了だけど……。
 けれども、なんで〝リアゼノン〟にログインした時は、強制終了されなかったんだろ? 現実覚醒したら両親に怒られる‼

「アハハ……。〝リアゼノン〟のネットワークって、ゲーム機のアドレスから直結してるから、ホームネットは関係ないよ……」
「そなの?」
「うん。システムの核心部分作ったの私だし」
「か、核心……え?」

 えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー‼ あれルグアが作ったの? ルグアが製作者ってこと?
 ルグアヤバい。めっちゃすごいかっこいい。もう慕いたいよ。ウェンドラ以上に慕いたいよ。恋人にして良かった……。
 予算集まれば挙式もやるし。もう新婚生活が楽しみ‼ 異世界限定だけど……。それでもいいから、早くお金だよお金‼
 クエストやらないと‼ いくら必要なんだっけ? えーと、5が付いてるはわかるけど。そうだ5億だ‼ 35億じゃないよ?
 今手持ちいくらだろう? ここでも通貨の大きさって違うのかな? 紙幣も見てみたい‼ アルヴェリア一番の大富豪なりたい‼
 そしたら豪邸を買って、家具も全部揃えて……。ベッドはダブルにしようかな?  それともシングル二つ?
 ルグアのことだから、シングル二つかな? あとはガデルさんのために本棚と、執筆用のライトにデスク‼
 キッチンはしっかり完備しないとだし……。ってか、誰が料理作るんだろ? ルグア料理ムリそうだし。実兄のルクスいないし。料理人いないじゃん‼
 誰料理するん。俺知らん。知り合いで料理できる人知らん。マジわからない。

「そこはオレに任せとけって。魚料理なら可能だ」
「フォルテさんできるんすか?」
「できるよ。フォルテ。ラノグロアがまだレミリスだった時、調理場で大活躍してたから」
「そうなんすね。なんか意外……」
「それより調子馬鹿妄想を控えろ‼ 割り込みできねじゃんかよ……」
「今まで以上に激しかったよね……。私もバレンに一票」
「『同じく』」(アレン以外全員)
「反省できねんなら、俺と明理でぶっ飛ばそうか?」
「バレン賛成‼」
「土下座するから許してぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーー」
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