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第3章
第1話 俺の後輩 リィファン
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◇◇◇エルフィレンナ アレン目線◇◇◇
「あとはこれをっすね……」
「あら、アレン君その子って後輩君?」
「メルフィナさんそうっすよ。かなりコミュ障っすけどね……」
「は、はじめ……まして……」
少しこわばりながらも声を出す少年。彼は俺の――追放撤回後すぐにくっついてきた後輩で、名前はリィファン・セシリア。
姓は貴族以上の位だけなので、彼も貴族の一人とのこと。夢も大きく冒険者を目指している。後輩できるとは想像つかなかったけどね。
俺の後輩なんだから、ちゃんと面倒見ないと‼
「……せ、先輩。次……どうすれば」
「そうっすね……」
「やほほー‼ 元気やってるぅ?」
「リーちゃん⁉ 声デカいっすよ……」
「……こ」
「ほら、リィファンが震えてるじゃないっすか」
「ごっめーーん‼」
(テンションが、ウェンドラの妹さんと似てる)
「ふぅ。やっと着いた……。別にラノグロアまで運ばなくていいんに……」
「あ、団長‼ おかえりっす‼」
「アレンも元気そうだな」
「後輩の指導しているっすからね。毎日が充実してます‼」
「そうか」
「で、爆弾の方は大丈夫なんすか?」
******
――『じゃ、電源入れるよ。明理さん、衝撃注意。とだけ警告しておきますね』
『衝撃……注意……』
――『電源ON‼』
『……⁉ ぐふっ⁉』
『ルグア‼」
「なんか、身体が急に熱く……。それに埋め込んだ爆弾の爆発も強く……なって……』
『もしかして、爆発の被害が……』
――『そう。同時に、明理さんの生命力も全部ドレインさせてもらうよ? とある機械を動かすためにね』
『そうか……。なら、一つ頼みがある……。私達が現実世界に戻るまで、起動はさせないでくれ。その間、それ以降もドレインだけは許す』
******
自分の意思なのかわからないけど、彼女は樋上或斗院長の勝負を買った。一度爆弾の勢いに負けて、意識を失うくらいに。
その後、埋め込んだ爆弾はどうなったんだろ? そっちが気になる。また意識失ったりしないかな?
「ん? まだ爆発は継続で激しいままだが……。それに、ラノグロア着いてすぐ意識も回復したし。爆破慣れすれば問題ない」
いや、そういう問題じゃないって‼ 爆破慣れはありえないよ‼ 身体の中どうなってるの? って言いたいんだけど‼
「……ぇーと」
「ちょっと騒ぎすぎたっすね……。リィファン大丈夫っすか?」
「は、はぃ……」
「リィファンか。私にも似たような後輩いたなぁ……」
「ルグアもっすか?」
「名前はレクトって言ってさ。リィファンのように苦手ではないが、自然とくっついて来たんだ。それでも大人しいけどさ」
「そうなんすね……」
「今はもう高校生か。当時はまだ小学校高学年だったし。東京に引越したとも言ってたからさ」
レクトさんって今何年生なんだろ? もしかしたら、同級生かもしれないし。学校はどこなのかな?
「ん? 樋上中央病院に近いアパートだっけな……。あそこの校区は、アレンの学校と同じだと思う」
「学年は?」
「高校1年だそうだ」
ガチで俺と同級生じゃん‼ そういえば、クラスメイトに東間礫斗っていう子が……。
休み時間はいつも折り紙を折ってて、昼休みの20分で鶴10個15個とか……。技術の授業はクラス1位だったっけ?
「心当たりあったのか?」
「あ、はい。東間礫斗がその人かなって感じっすけど」
「名前の漢字は?」
「石礫の礫に北斗の斗っすね……」
「その人で合ってる。連絡交換したけど、カタカナで設定してたからさ」
「お話しちゅーごめん‼ アレンとリィファンに、新しいお仕事、持ってきたよ‼」
リナの小突くような発言に、ピクりと背筋を伸ばすリィファン。二人は姉弟で、姉のリナ・セシリアは就職済みの担当職。
そして弟のリィファンは、俺が担当者として修行中。俺ももちろん勉強中。コンビニのバイトよりハードだけど、覚える内容は奥深い。
仕事は〝つまらなくて暇〟ばかりと思った。けれども、ここは種類が豊富なので、ずっと働きたくなる。それくらい楽しいから。
「それで、リーちゃん新しい仕事ってなんすか?」
「知りたい?」
「ねぇね……自分……そろそろ……」
「もう、リィファンったら。働かないとお金にならないんだからネ?」
「けど、ねぇね……」
「リィファンご飯抜きにするけど?」
「ひ、ひどいよ……ねぇね……」
「まあまあまあ、リーちゃんもリィファンも、落ち着くっすよ。まずはリーちゃん次の仕事説明。
ご飯の件は俺がやるっすから。あと、リィファン。時間がある時、俺とクエストどうっすか?」
「い……いの?」
「リーちゃん。1回だけお願いしやす‼」
俺は正門へ戻ったルグアに代わり、リナを説得する。ルグアよりも説得力がないけど、リィファンの夢も叶えてあげたい。
半分は仕事と引き換え。クエストは仕事を済ませてからだけど、これに関しては変更できないこと。
クエストに行きたいと、リナへ真剣な眼差しを送るリィファン。判断は姉に任せるしかない。俺の判断は勝手なものだから。
「わかった。今日はこれで終わりにしてあげる」
「『えっ⁉』」
「そ・の・か・わ・り‼ 帰って来たらすぐ仕事に戻ること‼ クタクタになっても勤務時間は守るように‼」
「ねぇね……」
「良かったっすね。リィファン」
「う、うん‼」
「あとはこれをっすね……」
「あら、アレン君その子って後輩君?」
「メルフィナさんそうっすよ。かなりコミュ障っすけどね……」
「は、はじめ……まして……」
少しこわばりながらも声を出す少年。彼は俺の――追放撤回後すぐにくっついてきた後輩で、名前はリィファン・セシリア。
姓は貴族以上の位だけなので、彼も貴族の一人とのこと。夢も大きく冒険者を目指している。後輩できるとは想像つかなかったけどね。
俺の後輩なんだから、ちゃんと面倒見ないと‼
「……せ、先輩。次……どうすれば」
「そうっすね……」
「やほほー‼ 元気やってるぅ?」
「リーちゃん⁉ 声デカいっすよ……」
「……こ」
「ほら、リィファンが震えてるじゃないっすか」
「ごっめーーん‼」
(テンションが、ウェンドラの妹さんと似てる)
「ふぅ。やっと着いた……。別にラノグロアまで運ばなくていいんに……」
「あ、団長‼ おかえりっす‼」
「アレンも元気そうだな」
「後輩の指導しているっすからね。毎日が充実してます‼」
「そうか」
「で、爆弾の方は大丈夫なんすか?」
******
――『じゃ、電源入れるよ。明理さん、衝撃注意。とだけ警告しておきますね』
『衝撃……注意……』
――『電源ON‼』
『……⁉ ぐふっ⁉』
『ルグア‼」
「なんか、身体が急に熱く……。それに埋め込んだ爆弾の爆発も強く……なって……』
『もしかして、爆発の被害が……』
――『そう。同時に、明理さんの生命力も全部ドレインさせてもらうよ? とある機械を動かすためにね』
『そうか……。なら、一つ頼みがある……。私達が現実世界に戻るまで、起動はさせないでくれ。その間、それ以降もドレインだけは許す』
******
自分の意思なのかわからないけど、彼女は樋上或斗院長の勝負を買った。一度爆弾の勢いに負けて、意識を失うくらいに。
その後、埋め込んだ爆弾はどうなったんだろ? そっちが気になる。また意識失ったりしないかな?
「ん? まだ爆発は継続で激しいままだが……。それに、ラノグロア着いてすぐ意識も回復したし。爆破慣れすれば問題ない」
いや、そういう問題じゃないって‼ 爆破慣れはありえないよ‼ 身体の中どうなってるの? って言いたいんだけど‼
「……ぇーと」
「ちょっと騒ぎすぎたっすね……。リィファン大丈夫っすか?」
「は、はぃ……」
「リィファンか。私にも似たような後輩いたなぁ……」
「ルグアもっすか?」
「名前はレクトって言ってさ。リィファンのように苦手ではないが、自然とくっついて来たんだ。それでも大人しいけどさ」
「そうなんすね……」
「今はもう高校生か。当時はまだ小学校高学年だったし。東京に引越したとも言ってたからさ」
レクトさんって今何年生なんだろ? もしかしたら、同級生かもしれないし。学校はどこなのかな?
「ん? 樋上中央病院に近いアパートだっけな……。あそこの校区は、アレンの学校と同じだと思う」
「学年は?」
「高校1年だそうだ」
ガチで俺と同級生じゃん‼ そういえば、クラスメイトに東間礫斗っていう子が……。
休み時間はいつも折り紙を折ってて、昼休みの20分で鶴10個15個とか……。技術の授業はクラス1位だったっけ?
「心当たりあったのか?」
「あ、はい。東間礫斗がその人かなって感じっすけど」
「名前の漢字は?」
「石礫の礫に北斗の斗っすね……」
「その人で合ってる。連絡交換したけど、カタカナで設定してたからさ」
「お話しちゅーごめん‼ アレンとリィファンに、新しいお仕事、持ってきたよ‼」
リナの小突くような発言に、ピクりと背筋を伸ばすリィファン。二人は姉弟で、姉のリナ・セシリアは就職済みの担当職。
そして弟のリィファンは、俺が担当者として修行中。俺ももちろん勉強中。コンビニのバイトよりハードだけど、覚える内容は奥深い。
仕事は〝つまらなくて暇〟ばかりと思った。けれども、ここは種類が豊富なので、ずっと働きたくなる。それくらい楽しいから。
「それで、リーちゃん新しい仕事ってなんすか?」
「知りたい?」
「ねぇね……自分……そろそろ……」
「もう、リィファンったら。働かないとお金にならないんだからネ?」
「けど、ねぇね……」
「リィファンご飯抜きにするけど?」
「ひ、ひどいよ……ねぇね……」
「まあまあまあ、リーちゃんもリィファンも、落ち着くっすよ。まずはリーちゃん次の仕事説明。
ご飯の件は俺がやるっすから。あと、リィファン。時間がある時、俺とクエストどうっすか?」
「い……いの?」
「リーちゃん。1回だけお願いしやす‼」
俺は正門へ戻ったルグアに代わり、リナを説得する。ルグアよりも説得力がないけど、リィファンの夢も叶えてあげたい。
半分は仕事と引き換え。クエストは仕事を済ませてからだけど、これに関しては変更できないこと。
クエストに行きたいと、リナへ真剣な眼差しを送るリィファン。判断は姉に任せるしかない。俺の判断は勝手なものだから。
「わかった。今日はこれで終わりにしてあげる」
「『えっ⁉』」
「そ・の・か・わ・り‼ 帰って来たらすぐ仕事に戻ること‼ クタクタになっても勤務時間は守るように‼」
「ねぇね……」
「良かったっすね。リィファン」
「う、うん‼」
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