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第2章前編
第22話 遊園地跡防衛隊〜掛け声がヤバすぎる件について
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「チェリス‼ けど……。なんで戦車なんすか?」
「そんなのどうでもいいわよ……。それより、標的はあのツバメかしら?」
「そ、そうっすけど……。どうやってそんなに戦車をたくさん……。全部チェリスが?」
「違うわよ。私は何もしてないから。戦車はレノンが手配してくれたものだし、操縦者はゼアンの交渉スキルのおかげよ」
「な、なるほど……」
相変わらずのチェリス流人間操作。ドSのレベルが格段に上がっている。対して俺は何も成長した実感がない。周りからは成長したって言われるけど……。
「前衛部隊配置確認完了。同じくして、一陣配置確認完了‼ 照準は前方、大ツバメ‼」
「ちぇ、チェリス⁉」
唐突すぎる指示。チェリスの命令に合わせて戦車の砲台が動く。それも、10台の戦車が一斉に同じ動きをして、銃口はツバメの方で統一されている。
これだけではない。戦車からぞろぞろと出てくるのは、プレイヤーの群れ。全員横並びに立つと、今度はチェリスが……。
「砲撃用意‼ 遊園地跡防衛隊……」
「えっ⁉」
「ファイアーーーーー‼」
「『ボーーーーール‼』」
――ビュシューーーン‼ ズバババババババ……。ドゥウォッゴォォォォォォーーーン‼ バヒュン……バヒュン……バヒュン……バヒュン……バヒュン……バヒュン。ドドドドドドォォォォォ……‼
「どんな掛け声だよ……。ってか、撃ち込みすぎなんすけどォォォォォ⁉」
「まだまだこれからよ♡ 前衛部隊、一陣後退開始。二陣配置準備。照準は変更無し。陣営配置確認完了。砲撃用意‼ 遊園地跡防衛隊……」
「『遊園地跡防衛隊……』」
――遊園地跡防衛隊……ファイアーーーーー‼
「『ボーーール‼』」
「だからなんなんすか、『ボール』って……」
――ヴォゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォン‼ バキューーン……‼ ズドドドドドドドドォォォォォン‼
「後衛部隊前進‼ 前衛部隊は後衛に回って待機。後衛部隊配置確認完了。一陣配置確認完了‼ 砲撃用意‼」
――遊園地跡防衛隊ファイアーーーーー‼
「『ヴォォォォォーーーール‼』」
「違くなってんだけどォォォォォ⁉」
ものすごい楽しそうに指示を出すチェリス。しかし、目の前は砲撃の弾が飛び交い、魔法攻撃も激しく行われている。
とめどなく発射される砲弾。一糸乱れぬ動きは、わけのわからない号令で……。
――遊園地跡防衛隊フゥワァァァイアァァァーーーーー‼
「『ヴゥゥウォォォォォォルゥゥゥ‼』」
――デュウォッビャーーーーーン‼
射撃音が轟くだけだった……。
「そんなのどうでもいいわよ……。それより、標的はあのツバメかしら?」
「そ、そうっすけど……。どうやってそんなに戦車をたくさん……。全部チェリスが?」
「違うわよ。私は何もしてないから。戦車はレノンが手配してくれたものだし、操縦者はゼアンの交渉スキルのおかげよ」
「な、なるほど……」
相変わらずのチェリス流人間操作。ドSのレベルが格段に上がっている。対して俺は何も成長した実感がない。周りからは成長したって言われるけど……。
「前衛部隊配置確認完了。同じくして、一陣配置確認完了‼ 照準は前方、大ツバメ‼」
「ちぇ、チェリス⁉」
唐突すぎる指示。チェリスの命令に合わせて戦車の砲台が動く。それも、10台の戦車が一斉に同じ動きをして、銃口はツバメの方で統一されている。
これだけではない。戦車からぞろぞろと出てくるのは、プレイヤーの群れ。全員横並びに立つと、今度はチェリスが……。
「砲撃用意‼ 遊園地跡防衛隊……」
「えっ⁉」
「ファイアーーーーー‼」
「『ボーーーーール‼』」
――ビュシューーーン‼ ズバババババババ……。ドゥウォッゴォォォォォォーーーン‼ バヒュン……バヒュン……バヒュン……バヒュン……バヒュン……バヒュン。ドドドドドドォォォォォ……‼
「どんな掛け声だよ……。ってか、撃ち込みすぎなんすけどォォォォォ⁉」
「まだまだこれからよ♡ 前衛部隊、一陣後退開始。二陣配置準備。照準は変更無し。陣営配置確認完了。砲撃用意‼ 遊園地跡防衛隊……」
「『遊園地跡防衛隊……』」
――遊園地跡防衛隊……ファイアーーーーー‼
「『ボーーール‼』」
「だからなんなんすか、『ボール』って……」
――ヴォゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォン‼ バキューーン……‼ ズドドドドドドドドォォォォォン‼
「後衛部隊前進‼ 前衛部隊は後衛に回って待機。後衛部隊配置確認完了。一陣配置確認完了‼ 砲撃用意‼」
――遊園地跡防衛隊ファイアーーーーー‼
「『ヴォォォォォーーーール‼』」
「違くなってんだけどォォォォォ⁉」
ものすごい楽しそうに指示を出すチェリス。しかし、目の前は砲撃の弾が飛び交い、魔法攻撃も激しく行われている。
とめどなく発射される砲弾。一糸乱れぬ動きは、わけのわからない号令で……。
――遊園地跡防衛隊フゥワァァァイアァァァーーーーー‼
「『ヴゥゥウォォォォォォルゥゥゥ‼』」
――デュウォッビャーーーーーン‼
射撃音が轟くだけだった……。
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