5 / 341
第1章
第3話 騒がしすぎるギルド
しおりを挟む
「みんな‼ 帰ったぜ‼ ついでに新入り連れて来たから、集合してくれ‼」
ルグアが拠点で叫ぶ。けどついでって何⁉ ついでって‼ どうして俺はついで扱いなんだよ‼ もっと別の言い方があるに決まってんじゃん‼
『りんりんだ‼ おかえり~‼ りんり~ん‼』
「藍……。じゃなかった。フラン、その呼び方、いい加減やめてくれよ。私のリアルを割ってんのと、同じなんだぞ‼」
『ごめん‼ ついついうっかり‼ テヘッ♡』
「「テヘッ、じゃない‼ あ⁉」」
偶然にもルグアと声が重なる。フランという人は今のところ声だけで、他の三人が出迎えてくれていた。
「そんじゃあ。フランは放っておくとして、自己紹介といくか……。私はもう終わってっから……。そうだな。ん~。関係が深いやつからにするか……。ウェンドラ‼」
「そうくると思ってました。お初にお目にかかります。ワタシはウェンドラ。ルグアのライバルですが……。脱線してしまいますので手短に。以後よろしくお願い致します」
清楚な口調の女性。大人びた容姿と説明のわかりやすさに、慕いたくなるが、威圧感のあるオーラは空間を破壊しているようだ。近寄るのも難しく感じる。
しかし、ルグアは何もためらわずに近づき、肩を叩く。この二人は特別な関係なのだろう。
「その……。ウェンドラと私の関係ってのは……」
「関係とは?」
「まあとにかく私は、ウェンドラに殺されかけている」
マジ⁈ それほんとマジっすか⁉ ウェンドラって殺人鬼なんすか⁈ このギルドヤバすぎじゃん⁈ まずまず、ギルドにライバル兼殺人鬼入れるわけないじゃん‼
「ワタシから補足ですが……。ワタシは、ルグアの命しか興味ありませんので……」
本気で言ってんの!? ガチ?! ガチで!? ルグアオンリーって、逃走レベルじゃね!! なんで逃げないんだよ! 団長!!
「じゃ、次に……。時間ねぇから名前だけだな。ウェンドラ。ガロン。セレス。フラン。ゼアン。んで、ゼアンはこのゲームの親会社で活動している。つまりゼアンの会社の子会社が、このゲームの運営ってことだ」
おいおい、このギルド絶対どうかしてるって‼ ギルドにこのゲームの運営の親会社の責任者がいたら、終わりじゃんかよ⁉
一番左から指さして説明するルグア。深い緑色をしたロングヘアの女性ウェンドラ。先程勧誘してくれたガロン。
淡いピンク色髪のセレス。彼女はどうやらイメチェンしたとのこと。過去の彼女がどうだったのかわからないためパス。
フランはウェンドラの双子の妹で、髪色も明るいエメラルドグリーン。顔立ちもよく似ている。
そして、このゲームを運営している子会社の親会社で働いてるというゼアン。彼は長身でガタイがよく、髪型もベリーショートでスポーツ刈りだ。
「ちなみにみんなが使っているアカウントは、普通の"ノーマルアカウント"だが、私のアカウントは運営特別設定の"ユニークアカウント"だ。設定はHP100の、他ステータスが全て最低値〝-999,999,999〟。レベル変動無しになっている」
この団長俺より弱いじゃん‼ しかもHP少なすぎだし、全ステータスマイナスって、正気か? 戦闘向いてなくね⁈
良く団長になれたな。というのは早とちりだったようで。【アーサーラウンダー】は数年前から存在し、当時からルグアが団長とのこと。
「最後に、頼んだぜ‼」
「はい……。はじめまして。アレンと言います。よろしくお願いします」
やっぱりこういう場面では、敬語しか思いつかない。でも、ルグアは普段通りで良いと視線で伝えてくる。
たしかに、話しやすい方でやった方が良いよね。俺は頭を掻きながら顔を赤らめた。
「それともう一つ。私の方でダンジョンを見つけた。みんなログインしたばかりだが、早速行かないか?」
えっ?! この人たち一緒なの? まとまり――フランは別として――ありすぎじゃん‼ 楽しすぎるっていうか、違う意味で騒がしい。賑やかすぎる。
「それならモードレさん。アレンさんとお二人で行ってください!!」
俺と二人!? 絶対負ける!! 負けるに決まってる‼ けれどもルグアは頷いて、二人で行くことになった。
ルグアが拠点で叫ぶ。けどついでって何⁉ ついでって‼ どうして俺はついで扱いなんだよ‼ もっと別の言い方があるに決まってんじゃん‼
『りんりんだ‼ おかえり~‼ りんり~ん‼』
「藍……。じゃなかった。フラン、その呼び方、いい加減やめてくれよ。私のリアルを割ってんのと、同じなんだぞ‼」
『ごめん‼ ついついうっかり‼ テヘッ♡』
「「テヘッ、じゃない‼ あ⁉」」
偶然にもルグアと声が重なる。フランという人は今のところ声だけで、他の三人が出迎えてくれていた。
「そんじゃあ。フランは放っておくとして、自己紹介といくか……。私はもう終わってっから……。そうだな。ん~。関係が深いやつからにするか……。ウェンドラ‼」
「そうくると思ってました。お初にお目にかかります。ワタシはウェンドラ。ルグアのライバルですが……。脱線してしまいますので手短に。以後よろしくお願い致します」
清楚な口調の女性。大人びた容姿と説明のわかりやすさに、慕いたくなるが、威圧感のあるオーラは空間を破壊しているようだ。近寄るのも難しく感じる。
しかし、ルグアは何もためらわずに近づき、肩を叩く。この二人は特別な関係なのだろう。
「その……。ウェンドラと私の関係ってのは……」
「関係とは?」
「まあとにかく私は、ウェンドラに殺されかけている」
マジ⁈ それほんとマジっすか⁉ ウェンドラって殺人鬼なんすか⁈ このギルドヤバすぎじゃん⁈ まずまず、ギルドにライバル兼殺人鬼入れるわけないじゃん‼
「ワタシから補足ですが……。ワタシは、ルグアの命しか興味ありませんので……」
本気で言ってんの!? ガチ?! ガチで!? ルグアオンリーって、逃走レベルじゃね!! なんで逃げないんだよ! 団長!!
「じゃ、次に……。時間ねぇから名前だけだな。ウェンドラ。ガロン。セレス。フラン。ゼアン。んで、ゼアンはこのゲームの親会社で活動している。つまりゼアンの会社の子会社が、このゲームの運営ってことだ」
おいおい、このギルド絶対どうかしてるって‼ ギルドにこのゲームの運営の親会社の責任者がいたら、終わりじゃんかよ⁉
一番左から指さして説明するルグア。深い緑色をしたロングヘアの女性ウェンドラ。先程勧誘してくれたガロン。
淡いピンク色髪のセレス。彼女はどうやらイメチェンしたとのこと。過去の彼女がどうだったのかわからないためパス。
フランはウェンドラの双子の妹で、髪色も明るいエメラルドグリーン。顔立ちもよく似ている。
そして、このゲームを運営している子会社の親会社で働いてるというゼアン。彼は長身でガタイがよく、髪型もベリーショートでスポーツ刈りだ。
「ちなみにみんなが使っているアカウントは、普通の"ノーマルアカウント"だが、私のアカウントは運営特別設定の"ユニークアカウント"だ。設定はHP100の、他ステータスが全て最低値〝-999,999,999〟。レベル変動無しになっている」
この団長俺より弱いじゃん‼ しかもHP少なすぎだし、全ステータスマイナスって、正気か? 戦闘向いてなくね⁈
良く団長になれたな。というのは早とちりだったようで。【アーサーラウンダー】は数年前から存在し、当時からルグアが団長とのこと。
「最後に、頼んだぜ‼」
「はい……。はじめまして。アレンと言います。よろしくお願いします」
やっぱりこういう場面では、敬語しか思いつかない。でも、ルグアは普段通りで良いと視線で伝えてくる。
たしかに、話しやすい方でやった方が良いよね。俺は頭を掻きながら顔を赤らめた。
「それともう一つ。私の方でダンジョンを見つけた。みんなログインしたばかりだが、早速行かないか?」
えっ?! この人たち一緒なの? まとまり――フランは別として――ありすぎじゃん‼ 楽しすぎるっていうか、違う意味で騒がしい。賑やかすぎる。
「それならモードレさん。アレンさんとお二人で行ってください!!」
俺と二人!? 絶対負ける!! 負けるに決まってる‼ けれどもルグアは頷いて、二人で行くことになった。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
ビースト・オンライン 〜追憶の道しるべ。操作ミスで兎になった俺は、仲間の記憶を辿り世界を紐解く〜
八ッ坂千鶴
SF
普通の高校生の少年は高熱と酷い風邪に悩まされていた。くしゃみが止まらず学校にも行けないまま1週間。そんな彼を心配して、母親はとあるゲームを差し出す。
そして、そのゲームはやがて彼を大事件に巻き込んでいく……!
NPCが俺の嫁~リアルに連れ帰る為に攻略す~
ゆる弥
SF
親友に誘われたVRMMOゲーム現天獄《げんてんごく》というゲームの中で俺は運命の人を見つける。
それは現地人(NPC)だった。
その子にいい所を見せるべく活躍し、そして最終目標はゲームクリアの報酬による願い事をなんでも一つ叶えてくれるというもの。
「人が作ったVR空間のNPCと結婚なんて出来るわけねーだろ!?」
「誰が不可能だと決めたんだ!? 俺はネムさんと結婚すると決めた!」
こんなヤバいやつの話。
VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
ーOnly Life Onlineーで生産職中心に遊んでたらトッププレイヤーの仲間入り
星月 ライド
ファンタジー
親友の勧めで遊び、マイペースに進めていたら何故かトッププレイヤーになっていた!?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
注意事項
※主人公リアルチート
暴力・流血表現
VRMMO
一応ファンタジー
もふもふにご注意ください。
モノ作りに没頭していたら、いつの間にかトッププレイヤーになっていた件
こばやん2号
ファンタジー
高校一年生の夏休み、既に宿題を終えた山田彰(やまだあきら)は、美人で巨乳な幼馴染の森杉保奈美(もりすぎほなみ)にとあるゲームを一緒にやらないかと誘われる。
だが、あるトラウマから彼女と一緒にゲームをすることを断った彰だったが、そのゲームが自分の好きなクラフト系のゲームであることに気付いた。
好きなジャンルのゲームという誘惑に勝てず、保奈美には内緒でゲームを始めてみると、あれよあれよという間にトッププレイヤーとして認知されてしまっていた。
これは、ずっと一人でプレイしてきたクラフト系ゲーマーが、多人数参加型のオンラインゲームに参加した結果どうなるのかと描いた無自覚系やらかしVRMMO物語である。
※更新頻度は不定期ですが、よければどうぞ
Alliance Possibility On-line~ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた~
百々 五十六
ファンタジー
極振りしてみたり、弱いとされている職やスキルを使ったり、あえてわき道にそれるプレイをするなど、一見、非効率的なプレイをして、ゲーム内で最強になるような作品が流行りすぎてしまったため、ゲームでみんな変なプレイ、ロマンプレイをするようになってしった。
この世界初のフルダイブVRMMORPGである『Alliance Possibility On-line』でも皆ロマンを追いたがる。
憧れの、個性あふれるプレイ、一見非効率なプレイ、変なプレイを皆がしだした。
そんな中、実直に地道に普通なプレイをする少年のプレイヤーがいた。
名前は、早乙女 久。
プレイヤー名は オクツ。
運営が想定しているような、正しい順路で少しずつ強くなる彼は、非効率的なプレイをしていくプレイヤーたちを置き去っていく。
何か特別な力も、特別な出会いもないまま進む彼は、回り道なんかよりもよっぽど効率良く先頭をひた走る。
初討伐特典や、先行特典という、優位性を崩さず実直にプレイする彼は、ちゃんと強くなるし、ちゃんと話題になっていく。
ロマンばかり追い求めたプレイヤーの中で”普通”な彼が、目立っていく、新感覚VRMMO物語。
テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ
雪月 夜狐
SF
「強くなくても楽しめる、のんびりスローライフ!」
フリーターの陽平が、VRMMO『エターナルガーデンオンライン』で目指すのは、テイマーとしてモンスターと共にスローライフを満喫すること。戦闘や冒険は他のプレイヤーにお任せ!彼がこだわるのは、癒し系モンスターのテイムと、美味しい料理を作ること。
ゲームを始めてすぐに出会った相棒は、かわいい青いスライム「ぷに」。畑仕事に付き合ったり、料理を手伝ったり、のんびりとした毎日が続く……はずだったけれど、テイムしたモンスターが思わぬ成長を見せたり、謎の大型イベントに巻き込まれたりと、少しずつ非日常もやってくる?
モンスター牧場でスローライフ!料理とテイムを楽しみながら、異世界VRMMOでのんびり過ごすほのぼのストーリー。
スライムの「ぷに」と一緒に、あなただけのゆったり冒険、始めませんか?
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/270920526】
現実逃避のために逃げ込んだVRMMOの世界で、私はかわいいテイムモンスターたちに囲まれてゲームの世界を堪能する
にがりの少なかった豆腐
ファンタジー
この作品は 旧題:金運に恵まれたが人運に恵まれなかった俺は、現実逃避するためにフルダイブVRゲームの世界に逃げ込んだ
の内容を一部変更し修正加筆したものになります。
宝くじにより大金を手に入れた主人公だったが、それを皮切りに周囲の人間関係が悪化し、色々あった結果、現実の生活に見切りを付け、溜まっていた鬱憤をVRゲームの世界で好き勝手やって晴らすことを決めた。
そして、課金したりかわいいテイムモンスターといちゃいちゃしたり、なんて事をしている内にダンジョンを手に入れたりする主人公の物語。
※ 異世界転移や転生、ログアウト不可物の話ではありません ※
※修正前から主人公の性別が変わっているので注意。
※男主人公バージョンはカクヨムにあります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる