23 / 341
第1章
第16話 ルグアアンチ
しおりを挟む
「酸素ゲージの減少軽減装備って、なんすか?」
「ん? シーダンジョン系統のゲームには、必ず存在する便利アイテムだが……。知らないのか?」
シーダンジョン⁈ 俺、泳ぐの苦手。カナヅチ、潜水無理‼ 遊んだこともないし‼
っていうか、名前長っ‼ もっと覚えやすい言い方、なかったのかよ……。
「そうか……。なら、この2つはルナとアレンの二人で使ってくれ。私は何とかなる」
何とかなるって、ほんと大丈夫なの‼ 神死んだら、このゲームクリア出来る人、いなくなっちゃうじゃん。
「安心してくれ。酸素ゲージなくなっても十六時間なら大丈夫だ。ただ、その間に抜ければ問題ないんだが……。このダンジョン。道が見えなければ、風もねぇ……。参ったな……」
「完全なる"ルグアアンチ"ですね」
なんていうことだ。危ういじゃないか……。満身創痍? 大丈夫なの⁉ というより、ゲージ0で十六時間持つって、どうなってんの⁉
「ほらさっさと行くぞ‼ 今回は相当時間かかるだろうが……」
――シュパーン……。
「なんだ? この音は……」
どこかで何かが弾ける音。ルグアを追いかけ音のした方へ走ると、着いた先には泣きじゃくる一人の少女。
『お姉ちゃんが……。ゲームオーバーしちゃった……。お姉ちゃん、死なないで……。誰か……。助けて……』
どうやら攻略中に少女の姉が、HPを全損してしまったようだ。ルグアが急いで駆けていく。
「なあ君。今、ゲームオーバーしてどれくらいだ?」
「に、2分です……。もしかして……」
「わかった、私に任せてくれ」
ルグアは、床に魔法陣のようなものをものすごいスピードで書き始める。
このゲームファンタジー要素も満載なんだ……。魔法陣って異世界とかだけのやつだと思ってた。
「これでよし‼ えーと、今のHPは……。70使っても問題ないな」
ものの数分……。いや、たったの数秒で魔法陣が完成。最後に姉に与えるHP量を書き足す。
ん? 待てよ⁉ さっきルグア『70』って言ったよね⁉ ルグアの最大HPが100だから、残るの30だけじゃん‼
「これを発動させて……。と」
なんて仕事の速さだ。止める間もなく終わっちまったじゃんかよ……。ルグアのHPは急激に減少し、少女の姉に流れ込む。
「……。こ、ここは?」
魂だけとなっていたアイコンがアバターに変化して、倒れていた姉が目を覚ました。
「無事、成功だな。最後に回復魔法で仕上げして……。もう大丈夫だ」
「あ、ありがとうございます‼」
泣きじゃくる妹は涙を拭い、頭を何度も下げる。さすがだ。ルグアは万能すぎる。判断も即決だし。
「君達、お名前は?」
ルナが優しく二人の少女に語りかける。一体何をするのだろうか? 目の前の二人は顔を合わせると、
「改めて、助けてくださりありがとうございます。姉のラミアです。で、こっちが妹の」
「ファリナです」
「ラミアとファリナ……。可愛い名前だね」
なんで、名前を聞いたのだろうか……。ってことは、ここから発生する展開は……。
「二人とも、一緒に行動しないか?」
ですよね~。100パーセント人助け‼ 人助けからの人助け‼ もちろんウェルカム、ウェルカム‼
「良いんですか? ありがとうございます。よろしくお願いします‼」
こうして、新たにメンバーが加わった。俺、ルグア、ルナ、クリム、ラミア、ファリナ。合計五人と一匹。
これがほんとのロールプレイングゲーム。楽しいけど、ゲームオーバーした人見るとめちゃくちゃしんどい。
そう思いながら、迷路と想定して攻略を再開した。
「ん? シーダンジョン系統のゲームには、必ず存在する便利アイテムだが……。知らないのか?」
シーダンジョン⁈ 俺、泳ぐの苦手。カナヅチ、潜水無理‼ 遊んだこともないし‼
っていうか、名前長っ‼ もっと覚えやすい言い方、なかったのかよ……。
「そうか……。なら、この2つはルナとアレンの二人で使ってくれ。私は何とかなる」
何とかなるって、ほんと大丈夫なの‼ 神死んだら、このゲームクリア出来る人、いなくなっちゃうじゃん。
「安心してくれ。酸素ゲージなくなっても十六時間なら大丈夫だ。ただ、その間に抜ければ問題ないんだが……。このダンジョン。道が見えなければ、風もねぇ……。参ったな……」
「完全なる"ルグアアンチ"ですね」
なんていうことだ。危ういじゃないか……。満身創痍? 大丈夫なの⁉ というより、ゲージ0で十六時間持つって、どうなってんの⁉
「ほらさっさと行くぞ‼ 今回は相当時間かかるだろうが……」
――シュパーン……。
「なんだ? この音は……」
どこかで何かが弾ける音。ルグアを追いかけ音のした方へ走ると、着いた先には泣きじゃくる一人の少女。
『お姉ちゃんが……。ゲームオーバーしちゃった……。お姉ちゃん、死なないで……。誰か……。助けて……』
どうやら攻略中に少女の姉が、HPを全損してしまったようだ。ルグアが急いで駆けていく。
「なあ君。今、ゲームオーバーしてどれくらいだ?」
「に、2分です……。もしかして……」
「わかった、私に任せてくれ」
ルグアは、床に魔法陣のようなものをものすごいスピードで書き始める。
このゲームファンタジー要素も満載なんだ……。魔法陣って異世界とかだけのやつだと思ってた。
「これでよし‼ えーと、今のHPは……。70使っても問題ないな」
ものの数分……。いや、たったの数秒で魔法陣が完成。最後に姉に与えるHP量を書き足す。
ん? 待てよ⁉ さっきルグア『70』って言ったよね⁉ ルグアの最大HPが100だから、残るの30だけじゃん‼
「これを発動させて……。と」
なんて仕事の速さだ。止める間もなく終わっちまったじゃんかよ……。ルグアのHPは急激に減少し、少女の姉に流れ込む。
「……。こ、ここは?」
魂だけとなっていたアイコンがアバターに変化して、倒れていた姉が目を覚ました。
「無事、成功だな。最後に回復魔法で仕上げして……。もう大丈夫だ」
「あ、ありがとうございます‼」
泣きじゃくる妹は涙を拭い、頭を何度も下げる。さすがだ。ルグアは万能すぎる。判断も即決だし。
「君達、お名前は?」
ルナが優しく二人の少女に語りかける。一体何をするのだろうか? 目の前の二人は顔を合わせると、
「改めて、助けてくださりありがとうございます。姉のラミアです。で、こっちが妹の」
「ファリナです」
「ラミアとファリナ……。可愛い名前だね」
なんで、名前を聞いたのだろうか……。ってことは、ここから発生する展開は……。
「二人とも、一緒に行動しないか?」
ですよね~。100パーセント人助け‼ 人助けからの人助け‼ もちろんウェルカム、ウェルカム‼
「良いんですか? ありがとうございます。よろしくお願いします‼」
こうして、新たにメンバーが加わった。俺、ルグア、ルナ、クリム、ラミア、ファリナ。合計五人と一匹。
これがほんとのロールプレイングゲーム。楽しいけど、ゲームオーバーした人見るとめちゃくちゃしんどい。
そう思いながら、迷路と想定して攻略を再開した。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
ビースト・オンライン 〜追憶の道しるべ。操作ミスで兎になった俺は、仲間の記憶を辿り世界を紐解く〜
八ッ坂千鶴
SF
普通の高校生の少年は高熱と酷い風邪に悩まされていた。くしゃみが止まらず学校にも行けないまま1週間。そんな彼を心配して、母親はとあるゲームを差し出す。
そして、そのゲームはやがて彼を大事件に巻き込んでいく……!
※感想は私のXのDMか小説家になろうの感想欄にお願いします。小説家になろうの感想は非ログインユーザーでも記入可能です。
異世界転生? いいえ、チートスキルだけ貰ってVRMMOをやります!
リュース
ファンタジー
主人公の青年、藤堂飛鳥(とうどう・あすか)。
彼は、新発売のVRMMOを購入して帰る途中、事故に合ってしまう。
だがそれは神様のミスで、本来アスカは事故に遭うはずでは無かった。
神様は謝罪に、チートスキルを持っての異世界転生を進めて来たのだが・・・。
アスカはそんなことお構いなしに、VRMMO!
これは、神様に貰ったチートスキルを活用して、VRMMO世界を楽しむ物語。
異世界云々が出てくるのは、殆ど最初だけです。
そちらがお望みの方には、満足していただけないかもしれません。
最前線攻略に疲れた俺は、新作VRMMOを最弱職業で楽しむことにした
水の入ったペットボトル
SF
これまであらゆるMMOを最前線攻略してきたが、もう俺(大川優磨)はこの遊び方に満足してしまった。いや、もう楽しいとすら思えない。
ゲームは楽しむためにするものだと思い出した俺は、新作VRMMOを最弱職業『テイマー』で始めることに。
βテストでは最弱職業だと言われていたテイマーだが、主人公の活躍によって評価が上がっていく?
そんな周りの評価など関係なしに、今日も主人公は楽しむことに全力を出す。
この作品は「カクヨム」様、「小説家になろう」様にも掲載しています。
神速の冒険者〜ステータス素早さ全振りで無双する〜
FREE
ファンタジー
Glavo kaj Magio
通称、【GKM】
これは日本が初めて開発したフルダイブ型のVRMMORPGだ。
世界最大規模の世界、正確な動作、どれを取ってもトップレベルのゲームである。
その中でも圧倒的人気な理由がステータスを自分で決めれるところだ。
この物語の主人公[速水 光]は陸上部のエースだったが車との交通事故により引退を余儀なくされる。
その時このゲームと出会い、ステータスがモノを言うこの世界で【素早さ】に全てのポイントを使うことを決心する…
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?
ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚
そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?
―異質― 邂逅の編/日本国の〝隊〟、その異世界を巡る叙事詩――《第一部完結》
EPIC
SF
日本国の混成1個中隊、そして超常的存在。異世界へ――
とある別の歴史を歩んだ世界。
その世界の日本には、日本軍とも自衛隊とも似て非なる、〝日本国隊〟という名の有事組織が存在した。
第二次世界大戦以降も幾度もの戦いを潜り抜けて来た〝日本国隊〟は、異質な未知の世界を新たな戦いの場とする事になる――
日本国陸隊の有事官、――〝制刻 自由(ぜいこく じゆう)〟。
歪で醜く禍々しい容姿と、常識外れの身体能力、そしてスタンスを持つ、隊員として非常に異質な存在である彼。
そんな隊員である制刻は、陸隊の行う大規模な演習に参加中であったが、その最中に取った一時的な休眠の途中で、不可解な空間へと導かれる。そして、そこで会った作業服と白衣姿の謎の人物からこう告げられた。
「異なる世界から我々の世界に、殴り込みを掛けようとしている奴らがいる。先手を打ちその世界に踏み込み、この企みを潰せ」――と。
そして再び目を覚ました時、制刻は――そして制刻の所属する普通科小隊を始めとする、各職種混成の約一個中隊は。剣と魔法が力の象徴とされ、モンスターが跋扈する未知の世界へと降り立っていた――。
制刻を始めとする異質な隊員等。
そして問題部隊、〝第54普通科連隊〟を始めとする各部隊。
元居た世界の常識が通用しないその異世界を、それを越える常識外れな存在が、掻き乱し始める。
〇案内と注意
1) このお話には、オリジナル及び架空設定を多数含みます。
2) 部隊規模(始めは中隊規模)での転移物となります。
3) チャプター3くらいまでは単一事件をいくつか描き、チャプター4くらいから単一事件を混ぜつつ、一つの大筋にだんだん乗っていく流れになっています。
4) 主人公を始めとする一部隊員キャラクターが、超常的な行動を取ります。ぶっ飛んでます。かなりなんでも有りです。
5) 小説家になろう、カクヨムにてすでに投稿済のものになりますが、そちらより一話当たり分量を多くして話数を減らす整理のし直しを行っています。
Free Emblem On-line
ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。
VRMMO『Free Emblem Online』
通称『F.E.O』
自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。
ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。
そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。
なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる