6 / 23
第5話
しおりを挟む
祖父母との食事は毎週の楽しみだった。祖父は介護疲れでまともな食事を作る余裕がなくほとんど冷凍食品で済ませていた。その食生活はどうかと心配した母は,週一回一緒に食事をしようと提案したのだった。
あれからというもの,毎週金曜日は祖父母と食卓を囲むようになった。うちで食べる時も,祖父母の家で食べる時もあった。メニューはほとんど宅配ピザやグリルで炭焼きしたハンバーガーだった。おかずはサラダ好きな祖父に合わせて大きなサラダを必ず作っていた。そして,デザートは一時期祖父が行きつけのお店で見つけたマンゴケーキに決まっていた。
祖父がそのケーキを買うようになるまで,マンゴなんて食べたことがなかったし外国のエキゾチックな果物というイメージしかなかった。最初のひと切れを口に運んだときは不思議な匂いがすると思ったのは今でも覚えている。味も独特だと思った。でも,毎週食べていると最初はいまひとつだった味も違和感がなくなり,普通に食べられるようになった。
祖父母との食事会は私にとって、とても楽しみだった。5人家族のいつもの食事とはまた違う楽しい雰囲気に食卓が包まれて,祖父の話が聴けるからだった。私は祖父の話を聴くのが大好きだった。露骨でキツイ言葉が多く,少し毒舌になる時もあったけれど,いつも楽しそうに表情豊かに喋っていた。内容は,今ではもうほとんど覚えていないけれど,声も口ぶりも大好きだった。
食事と歓談が終わり,祖父母が帰ると家はぽっかりと穴が空いたようで,いつも寂しかった。あの楽しい時間がずっと続いたらいいのにと思った。
あれからというもの,毎週金曜日は祖父母と食卓を囲むようになった。うちで食べる時も,祖父母の家で食べる時もあった。メニューはほとんど宅配ピザやグリルで炭焼きしたハンバーガーだった。おかずはサラダ好きな祖父に合わせて大きなサラダを必ず作っていた。そして,デザートは一時期祖父が行きつけのお店で見つけたマンゴケーキに決まっていた。
祖父がそのケーキを買うようになるまで,マンゴなんて食べたことがなかったし外国のエキゾチックな果物というイメージしかなかった。最初のひと切れを口に運んだときは不思議な匂いがすると思ったのは今でも覚えている。味も独特だと思った。でも,毎週食べていると最初はいまひとつだった味も違和感がなくなり,普通に食べられるようになった。
祖父母との食事会は私にとって、とても楽しみだった。5人家族のいつもの食事とはまた違う楽しい雰囲気に食卓が包まれて,祖父の話が聴けるからだった。私は祖父の話を聴くのが大好きだった。露骨でキツイ言葉が多く,少し毒舌になる時もあったけれど,いつも楽しそうに表情豊かに喋っていた。内容は,今ではもうほとんど覚えていないけれど,声も口ぶりも大好きだった。
食事と歓談が終わり,祖父母が帰ると家はぽっかりと穴が空いたようで,いつも寂しかった。あの楽しい時間がずっと続いたらいいのにと思った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる