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Execution of Justiceルート(山ノ井花音編)
19話「死の煽り」
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「……どうするの?」
「銃火器を使ったら音がでかい。ここからだと龍宮の区間に近いからバレる可能性がある。素手で制圧する」
「相手武器持ってるけど……いけるの?」
「できれば銃で脅した時に手を引いてもらいたかったがこうなっては仕方ない。それにこっちは軍人と自衛隊の娘だぜ。ただの一般男性に負けるわけないだろ」
なんか不安だな。一般人とはいえ武器持ってるから勝てるかどうか……いや、よく考えてみたら私も普通に一般人だわ!
ここはかなり狭い。いつもみたいに思いっきり動くことができない。しゃがんで進むだけでも精一杯だ。
「――わかった。この子を渡す。だから見逃せ」
「いい選択だな。お前は長生きするぞ」
前にいた男が私の後ろにいる男になにか合図をした。後ろの男が近づいてくる。
「――ノア?嘘だよね?……だ、だって……ノア!?なんとか言ってよ!」
ノアに掴みかかった。そのままの勢いでノアを押し倒す。ノアはそのまま無反応だ。
「ノア!……なんで?なんでなの!?」
後ろの男に服を引っ張られた。
「残念だったなお嬢ちゃん。運の尽きだ。別に悪いことはしないさ。ただちょっとストレスのはけ口になるだけだ。悪いようにはしねぇよ」
男が耳元で話してきた。なんだか不快感がすごい。まぁ残念ながら百合ちゃんの所に戻らないといけないからね。違うところに行く気はない。
前の男がノアに近づいてきた。男の包丁がきらりと銀光する。
「……まだ用か?」
「いや?ただお前は良い奴だなって思っただけだよ。じゃあ子供探し頑張ってな」
男がノアの肩に手を置いた瞬間、男の顔面にノアの拳が沈みこんだ。同時に私も後ろの男の頬に肘をめり込ませる。
男が壁に音を立てて叩きつけられた。私は男の髪と左手首を掴み、男の顎に膝を叩き込んだ。
男の頭が天井に激突し、地面にうつ伏せに倒れた。
手をパンパンと叩く。弱みに漬け込んであれこれするやつは嫌いだからね。私がやらなくてもいつかはこうなってただろうさ。
ノアの方も片付いたようで、男の腕を180度回転させて締め上げている。その手にあった包丁は寂しそうに地面に落ちていた。
「き……きさ……ま……。こんなことをして……ただで……済むとでも……」
「アホか。誰も見てねぇんだ。下に落としてゾンビに喰わせればお前は誰にも知られずに死ぬんだよ」
言い終わったのと同じくらいに、ノアが男の腕をへし折った。痛みで叫ぼうとする男の口をノアが塞いだ。
……え?殺すの?生かしてもっと情報とか貰えばいいのに……。
「人が来る前に落とすぞ。準備しろ――花音!後ろ!」
「え――」
すごい力で押し倒された。殴り倒した男だ。まだ気絶させきれてなかったようだ。ちょっとまずいかも。
「てめぇ……糞ガキがぁ……調子に乗るなよ……」
男が拳を引き上げる。アイスピックは持ってないだけいいか。いや良くない良くない。突然のことすぎて反応が遅れた――。
顔面に向かって落ちてきた拳を右に避ける。男の拳は地面へと落ちていった。
ガシャン
拳が地面に落ちると同刻に、何かが外れる音がした。体が少しだけ沈む。私はゆっくりと床の方に目をやった。
ガシャン
男が殴った所にはちょうど通気口があった。下にはゾンビがいる。そして体が何故か下に沈んでいる……。
「あれ?こ、これって……」
カァン!!
通気口の入口が壊れ、私は男と共に下に落下した。硬いコンクリートに背中から叩き落とされる。
アヒャ?アヒャ?アーーーーヒャ??
「ひぃっ!?や、やめてくれ、ま、待って――」
周りからゾンビが集まってきた。これは……まずいよね!?
「花音!!逃げろ!!」
私はすぐに立ち上がって走り始めた。ゾンビが私の方に走ってくるのをなんとなく感じた。
後ろから聞こえてくる悲鳴を無視して猛ダッシュする。落ちた場所は靴屋だ。周りにはハイヒールやら革靴やらが丁寧に並べられていた。
前から来るオシャレな服を来ているゾンビを避けて靴屋から出た。周りには大量のゾンビが来ている。
アヒャアヒャアヒャアヒャァァァ!!
ゾンビが私に襲いかかってきた。子供が落ちないようにつけてある手すりを足場にしてゾンビを回避した。
いちいちゾンビを倒してる暇はない。さっさと逃げるに限る。
前にいるゾンビをスライディングで通り抜け、ひたすら走る。時にはゾンビを足場にして他のゾンビを飛び越したり、壁キックで飛び越えて走った。
「――はぁ……はぁ……ちょ……っと疲れて来た……かも」
さすがに全力で走ってたら疲れた。周りにはまだまだゾンビがいる。
「どこか……どこか……隠れられる場所……」
周りを見渡す。――ダメだどこもかしこもゾンビがいる。こういう時はタンスとかに身を潜めるパターンのはずなのにぃ……。
アヒャアヒャアヒャアヒャアヒャ!!
少し先にいるゾンビがこっちに走ってきた。私は助走をつけてジャンプをし、斜めに回転しながらゾンビの頭部を蹴りつけた。パルクールの技でコークスクリューと言う。
ゾンビが横のガラスに顔から突っ込んだ。突っ込んだ店はオシャレな服屋だった。
「……ここ、いいかも」
私は服屋に足を踏み入れた。
続く
「銃火器を使ったら音がでかい。ここからだと龍宮の区間に近いからバレる可能性がある。素手で制圧する」
「相手武器持ってるけど……いけるの?」
「できれば銃で脅した時に手を引いてもらいたかったがこうなっては仕方ない。それにこっちは軍人と自衛隊の娘だぜ。ただの一般男性に負けるわけないだろ」
なんか不安だな。一般人とはいえ武器持ってるから勝てるかどうか……いや、よく考えてみたら私も普通に一般人だわ!
ここはかなり狭い。いつもみたいに思いっきり動くことができない。しゃがんで進むだけでも精一杯だ。
「――わかった。この子を渡す。だから見逃せ」
「いい選択だな。お前は長生きするぞ」
前にいた男が私の後ろにいる男になにか合図をした。後ろの男が近づいてくる。
「――ノア?嘘だよね?……だ、だって……ノア!?なんとか言ってよ!」
ノアに掴みかかった。そのままの勢いでノアを押し倒す。ノアはそのまま無反応だ。
「ノア!……なんで?なんでなの!?」
後ろの男に服を引っ張られた。
「残念だったなお嬢ちゃん。運の尽きだ。別に悪いことはしないさ。ただちょっとストレスのはけ口になるだけだ。悪いようにはしねぇよ」
男が耳元で話してきた。なんだか不快感がすごい。まぁ残念ながら百合ちゃんの所に戻らないといけないからね。違うところに行く気はない。
前の男がノアに近づいてきた。男の包丁がきらりと銀光する。
「……まだ用か?」
「いや?ただお前は良い奴だなって思っただけだよ。じゃあ子供探し頑張ってな」
男がノアの肩に手を置いた瞬間、男の顔面にノアの拳が沈みこんだ。同時に私も後ろの男の頬に肘をめり込ませる。
男が壁に音を立てて叩きつけられた。私は男の髪と左手首を掴み、男の顎に膝を叩き込んだ。
男の頭が天井に激突し、地面にうつ伏せに倒れた。
手をパンパンと叩く。弱みに漬け込んであれこれするやつは嫌いだからね。私がやらなくてもいつかはこうなってただろうさ。
ノアの方も片付いたようで、男の腕を180度回転させて締め上げている。その手にあった包丁は寂しそうに地面に落ちていた。
「き……きさ……ま……。こんなことをして……ただで……済むとでも……」
「アホか。誰も見てねぇんだ。下に落としてゾンビに喰わせればお前は誰にも知られずに死ぬんだよ」
言い終わったのと同じくらいに、ノアが男の腕をへし折った。痛みで叫ぼうとする男の口をノアが塞いだ。
……え?殺すの?生かしてもっと情報とか貰えばいいのに……。
「人が来る前に落とすぞ。準備しろ――花音!後ろ!」
「え――」
すごい力で押し倒された。殴り倒した男だ。まだ気絶させきれてなかったようだ。ちょっとまずいかも。
「てめぇ……糞ガキがぁ……調子に乗るなよ……」
男が拳を引き上げる。アイスピックは持ってないだけいいか。いや良くない良くない。突然のことすぎて反応が遅れた――。
顔面に向かって落ちてきた拳を右に避ける。男の拳は地面へと落ちていった。
ガシャン
拳が地面に落ちると同刻に、何かが外れる音がした。体が少しだけ沈む。私はゆっくりと床の方に目をやった。
ガシャン
男が殴った所にはちょうど通気口があった。下にはゾンビがいる。そして体が何故か下に沈んでいる……。
「あれ?こ、これって……」
カァン!!
通気口の入口が壊れ、私は男と共に下に落下した。硬いコンクリートに背中から叩き落とされる。
アヒャ?アヒャ?アーーーーヒャ??
「ひぃっ!?や、やめてくれ、ま、待って――」
周りからゾンビが集まってきた。これは……まずいよね!?
「花音!!逃げろ!!」
私はすぐに立ち上がって走り始めた。ゾンビが私の方に走ってくるのをなんとなく感じた。
後ろから聞こえてくる悲鳴を無視して猛ダッシュする。落ちた場所は靴屋だ。周りにはハイヒールやら革靴やらが丁寧に並べられていた。
前から来るオシャレな服を来ているゾンビを避けて靴屋から出た。周りには大量のゾンビが来ている。
アヒャアヒャアヒャアヒャァァァ!!
ゾンビが私に襲いかかってきた。子供が落ちないようにつけてある手すりを足場にしてゾンビを回避した。
いちいちゾンビを倒してる暇はない。さっさと逃げるに限る。
前にいるゾンビをスライディングで通り抜け、ひたすら走る。時にはゾンビを足場にして他のゾンビを飛び越したり、壁キックで飛び越えて走った。
「――はぁ……はぁ……ちょ……っと疲れて来た……かも」
さすがに全力で走ってたら疲れた。周りにはまだまだゾンビがいる。
「どこか……どこか……隠れられる場所……」
周りを見渡す。――ダメだどこもかしこもゾンビがいる。こういう時はタンスとかに身を潜めるパターンのはずなのにぃ……。
アヒャアヒャアヒャアヒャアヒャ!!
少し先にいるゾンビがこっちに走ってきた。私は助走をつけてジャンプをし、斜めに回転しながらゾンビの頭部を蹴りつけた。パルクールの技でコークスクリューと言う。
ゾンビが横のガラスに顔から突っ込んだ。突っ込んだ店はオシャレな服屋だった。
「……ここ、いいかも」
私は服屋に足を踏み入れた。
続く
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