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Execution of Justiceルート(山ノ井花音編)
17話「新たな空間」
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「大丈夫かい?君は怪我してるのか?」
おじいさんが寄ってきた。なんだか優しそうだ。
「私は大丈夫です。この子を先に」
「――おぉ。貫通してるじゃないか。誰かに撃たれでもしたのか?」
「いや……まぁ……ちょっと……」
エムプーサのことを思い出して顔が赤くなった。あの子め……もうあんな子に会うことは無いと信じたい……。
「とりあえず縫おう。加代、この子をあっちのベットへ。君も後で来なさい。怪我がないか確認してあげるから」
「は、はい」
おばあさんが百合ちゃんを抱いて違うベットに持っていた。
「ほら、お前らも自己紹介しろ」
ノアがみんなを集めて自己紹介をしてもらうことになった。百合ちゃんはあっちでまだ治療しているが。
「はい、私は高橋真唯。よろしくね」
「は、はい……」
き、綺麗な人だなぁ。身長も高くてスタイルがいい……。10cmくらい分けてほしいな。
「俺は葛木大輝でこっちは妻の――」
「荊棘です」
なんか語呂がいい名前だな。覚えやすくていい。
「田辺明日斗。元プロレスラーだ」
「へぇ。その時の名前は?」
「……イコライザー」
「わぁ!かっこいい!」
「……ふん」
そういえばプロレスちょっと見てた時に聞いたことがある気がする。……やっぱ知らない。
「……」
「ほら、あんたも」
「……英雄だ」
なんか怖そうな人。よくいる近所の怖いおじさんみたいだ。
「これで自己紹介は済んだな。ここなら多分安全だ。ゆっくり休め」
それは良かった……いやよくない。彩と正一のこと忘れかけてた。
「ねぇねぇ。外で人見かけなかった?180cmくらいの男の人とガラの悪そうな女の子」
「いや、外にいた時は見てないぞ。知り合いか?」
「一緒に来た友達なの。生きてたらフードコートで落ち合う約束だったんだけど」
「うーん。フードコートの前を歩いていたが見つからなかったぞ」
……やっぱり死んじゃったのかな……もしかしたら生きてるかもしれない。希望を持たなくちゃ。希望を。
「――そういえば、ノアはなんで外歩いてたの?確か基本的に通気口を移動して行動するんでしょ?」
「あぁ、それは――「私が無理やり頼んだんです」
荊棘さんがこっちに歩いてきた。頼んだって……なにを?
「ここに避難する時に娘とはぐれてしまって……私の注意不足で……」
荊棘さんが泣いているのをノアが悲しそうな目で見ていた。大輝さんが荊棘さんの肩を抱く。
「みんな必死だったんだ。仕方ない」
「……それで探すために外を歩いてたの?」
「あぁ。他の区間の人たちにも聞いてみたがダメだった」
「1階は?」
首を横に振った。……心配する気持ちはわかる。私だって彩が心配だし。
「お前はここにいろ。俺は引き続き女の子を探すから。お前の言う友達も見つけたら連れてきてやるよ」
「――私も行くよ」
「ダメだ。ここにいろ」
「なんで?私だって戦えるよ」
「お前言うこと聞かないだろ。危ないことされたらたまったもんじゃない」
「大丈夫だよ。私こう見えても強いし」
ベットから立ち上がった。体をグイッと伸ばして固まった体をほぐす。
「いいからここにいろ。お前がいても邪魔なだけだ」
「なら私1人で行く」
「……なんでそうなるんだよ」
ノアが頭を抱えた。困ってる人を見過ごすことは性格上できないもんでね。
「それに相手が女の子なら、むさ苦しい男より、可愛い可愛いこの私がいた方がいいでしょ?」
「……ハァ」
ノアがため息をついた。百合ちゃんはここにいるから心配はない。
「女の子の名前はなんていうんですか?」
「未来です」
「未来ちゃんですね。何歳くらい?」
「5歳です」
「おい、なんで行くことになってんだ」
「ケチケチしないで。2人の方が捗るでしょ?」
「……言うことはちゃんと聞けよ」
「荷物は持ったか?」
「うん!」
持っていくものは銃と弾薬。それと空のバックだ。他の中身は全部拠点に置いてある。
「気おつけてね。花音ちゃん」
「はい。百合ちゃんをお願いします」
みんなに挨拶をして通気口に登っ……これどうやって登るの?高すぎて登れない。
とりあえずジャンプしてみるが、もちろん届かない。これは私が小さいわけじゃなくて通気口が高すぎるせいで――。
「アホか、ジャンプで届くわけないだろ」
ノアが後ろでハシゴを持っていた。まぁ私もそう思ってましたけどね!!
「ふふ。花音ちゃん可愛いですね」
「……はぃ///」
真唯さんに可愛いって言って貰えた……けどこれで思われたくないぃ……。顔が熱いぃ。せめてちゃんとしてる時に可愛いって言って欲しかったァ。
恥ずかしさで体をくねくねさせてるとノアに頭を小突かれた。
「馬鹿なことしてないで、はよ行くぞ」
「わ、わかったよ」
ハシゴに足と手を置く。なんだか戦地に赴くみたいでドキドキするな。いやなドキドキだけど。
「あ、あの」
荊棘さんが後ろから心配そうな声で言ってきた。
「娘を……お願いします」
「……任せてください!」
私はハシゴを登り始めた。
続く
おじいさんが寄ってきた。なんだか優しそうだ。
「私は大丈夫です。この子を先に」
「――おぉ。貫通してるじゃないか。誰かに撃たれでもしたのか?」
「いや……まぁ……ちょっと……」
エムプーサのことを思い出して顔が赤くなった。あの子め……もうあんな子に会うことは無いと信じたい……。
「とりあえず縫おう。加代、この子をあっちのベットへ。君も後で来なさい。怪我がないか確認してあげるから」
「は、はい」
おばあさんが百合ちゃんを抱いて違うベットに持っていた。
「ほら、お前らも自己紹介しろ」
ノアがみんなを集めて自己紹介をしてもらうことになった。百合ちゃんはあっちでまだ治療しているが。
「はい、私は高橋真唯。よろしくね」
「は、はい……」
き、綺麗な人だなぁ。身長も高くてスタイルがいい……。10cmくらい分けてほしいな。
「俺は葛木大輝でこっちは妻の――」
「荊棘です」
なんか語呂がいい名前だな。覚えやすくていい。
「田辺明日斗。元プロレスラーだ」
「へぇ。その時の名前は?」
「……イコライザー」
「わぁ!かっこいい!」
「……ふん」
そういえばプロレスちょっと見てた時に聞いたことがある気がする。……やっぱ知らない。
「……」
「ほら、あんたも」
「……英雄だ」
なんか怖そうな人。よくいる近所の怖いおじさんみたいだ。
「これで自己紹介は済んだな。ここなら多分安全だ。ゆっくり休め」
それは良かった……いやよくない。彩と正一のこと忘れかけてた。
「ねぇねぇ。外で人見かけなかった?180cmくらいの男の人とガラの悪そうな女の子」
「いや、外にいた時は見てないぞ。知り合いか?」
「一緒に来た友達なの。生きてたらフードコートで落ち合う約束だったんだけど」
「うーん。フードコートの前を歩いていたが見つからなかったぞ」
……やっぱり死んじゃったのかな……もしかしたら生きてるかもしれない。希望を持たなくちゃ。希望を。
「――そういえば、ノアはなんで外歩いてたの?確か基本的に通気口を移動して行動するんでしょ?」
「あぁ、それは――「私が無理やり頼んだんです」
荊棘さんがこっちに歩いてきた。頼んだって……なにを?
「ここに避難する時に娘とはぐれてしまって……私の注意不足で……」
荊棘さんが泣いているのをノアが悲しそうな目で見ていた。大輝さんが荊棘さんの肩を抱く。
「みんな必死だったんだ。仕方ない」
「……それで探すために外を歩いてたの?」
「あぁ。他の区間の人たちにも聞いてみたがダメだった」
「1階は?」
首を横に振った。……心配する気持ちはわかる。私だって彩が心配だし。
「お前はここにいろ。俺は引き続き女の子を探すから。お前の言う友達も見つけたら連れてきてやるよ」
「――私も行くよ」
「ダメだ。ここにいろ」
「なんで?私だって戦えるよ」
「お前言うこと聞かないだろ。危ないことされたらたまったもんじゃない」
「大丈夫だよ。私こう見えても強いし」
ベットから立ち上がった。体をグイッと伸ばして固まった体をほぐす。
「いいからここにいろ。お前がいても邪魔なだけだ」
「なら私1人で行く」
「……なんでそうなるんだよ」
ノアが頭を抱えた。困ってる人を見過ごすことは性格上できないもんでね。
「それに相手が女の子なら、むさ苦しい男より、可愛い可愛いこの私がいた方がいいでしょ?」
「……ハァ」
ノアがため息をついた。百合ちゃんはここにいるから心配はない。
「女の子の名前はなんていうんですか?」
「未来です」
「未来ちゃんですね。何歳くらい?」
「5歳です」
「おい、なんで行くことになってんだ」
「ケチケチしないで。2人の方が捗るでしょ?」
「……言うことはちゃんと聞けよ」
「荷物は持ったか?」
「うん!」
持っていくものは銃と弾薬。それと空のバックだ。他の中身は全部拠点に置いてある。
「気おつけてね。花音ちゃん」
「はい。百合ちゃんをお願いします」
みんなに挨拶をして通気口に登っ……これどうやって登るの?高すぎて登れない。
とりあえずジャンプしてみるが、もちろん届かない。これは私が小さいわけじゃなくて通気口が高すぎるせいで――。
「アホか、ジャンプで届くわけないだろ」
ノアが後ろでハシゴを持っていた。まぁ私もそう思ってましたけどね!!
「ふふ。花音ちゃん可愛いですね」
「……はぃ///」
真唯さんに可愛いって言って貰えた……けどこれで思われたくないぃ……。顔が熱いぃ。せめてちゃんとしてる時に可愛いって言って欲しかったァ。
恥ずかしさで体をくねくねさせてるとノアに頭を小突かれた。
「馬鹿なことしてないで、はよ行くぞ」
「わ、わかったよ」
ハシゴに足と手を置く。なんだか戦地に赴くみたいでドキドキするな。いやなドキドキだけど。
「あ、あの」
荊棘さんが後ろから心配そうな声で言ってきた。
「娘を……お願いします」
「……任せてください!」
私はハシゴを登り始めた。
続く
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