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Execution of Justiceルート(山ノ井花音編)
14話「華」
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「……んぇ?」
ボーッとなっていて反応が遅れた。頬に赤い血が付いている。それは私のじゃなく、エムプーサの血であった。
私にかかっていた重さがなくなり、エムプーサの体が私にのしかかってきた。やっぱり軽かった。こんな軽い女の子に好き勝手されてたの……。
「か……花音ちゃん……」
奥からフラフラしながら百合ちゃんが歩いてくるのが見えた。片腹から血を流しながら弓を構えている。
エムプーサの頭には穴が空いていた。百合ちゃんがエムプーサを倒してくれたようだ。これから一生百合ちゃんに頭が上がらなそう……。
エムプーサを横にどけて百合ちゃんに歩み寄る。血はかなり出ているがまだ間に合うレベルだと思いたい。
「百合ちゃん!大丈夫!?」
「な、なんとか……花音ちゃんエロビデオでも撮ってたの?」
「うるさい……」
思い出すと顔が赤くなる。あの子供め……なんであんなのがいるんだよぉ。
そういえば産みつけられた卵はどうしたらいいんだろう……まぁあとで頑張って吐き出そう。
「とりあえず中に入ろう。ここには長居しない方がいい」
「私も……賛成……」
百合ちゃんの意識が朧気になってる。やっぱりまだダメだ。早く止血しないとまずい。
すぐさまバックと銃を持ってきて、中身を漁る。こういう時のためにドラッグストアから色々持ってきておいたのだ。
百合ちゃんを寝かせようとしたその時だった。
アヒャアヒャアヒャアヒャアヒャ!!!
ゾンビが横から飛び出てきた。そういえばここら辺はゾンビがむちゃくちゃ多かったんだった!
ゾンビの腹を蹴って怯ませる。そうして落ちた頭を両手でガシッと掴み、持ち上げたひざにその頭を叩きつけた。
ゾンビの顔面から顔が噴水のように流しながら地面に倒れた。死んではないと思う。
アヒャアヒャアヒャアヒャアヒャ!!!
辺りからゾンビの笑い声が聞こえてくる。ここはやばい。女の子に飼い殺されるのも嫌だけどゾンビに喰い殺されるのも嫌だ。
すぐさま百合ちゃんを横抱きして走った。同時に数十体のゾンビが目の前に現れる。
流石に百合ちゃんを抱えたまま全員と戦うのはきつい。ならわざわざ戦う必要も無いだろう。
銃口を消化器に向けて引き金を2回引いた。白い煙が音を立てて吐き出される。その煙は唸っていたゾンビの顔面に直撃した。
ゾンビ達が目の前の煙を払おうと手をバタバタさせている隙にダッシュで通り抜ける。
煙を通り抜けて私はショッピングモールの出入口に飛び込んだ。ここは3階なので店はなく、あるのはエスカレーターとガチャガチャだけだ。
まだ中にゾンビはいなかったが、下に行けばゾンビがかなりいるだろう。外にもゾンビはかなりいる。
「止血するならここだけだよね……」
百合ちゃんを地面に寝かせて服を軽く脱がした。白くて細い綺麗なお腹からドロドロと血が流れていた。
「か、花音ちゃんのエッチ……」
「ハイハイ静かに。喋るともっと血が出てきちゃうよ」
ガーゼを置いてテープを貼る。ガーゼを置いた瞬間、白いガーゼが血に染った。そのまま包帯をお腹周りにグルグルと巻く。
「包帯を巻かれてるのを見てるとサラシを思い出すねぇ」
「なんでこんな状況で思い出すの……」
「花音ちゃんはサラシとか巻かないの?」
「巻くわけないでしょ。武士じゃないんだから」
キュッと包帯を締めつけた。百合ちゃんの体が少しはねる。やっぱり痛いのだろう。
「これでどう?」
「うん。まったく痛み引いてないけど血が出てる感覚は少なくなったよ」
「痛いのは我慢してね。もう大人でしょ?」
「……子供扱いしてない?」
百合ちゃんがジト目でこちらを見てくる。……可愛い。
百合ちゃんに肩を貸しながら立ち上がった。少しフラフラしているが動けるには動けるそうだ。
「言っとくけど、年齢は私の方が年上なんだからね!あとそんなに身長変わらないからね!」
「うんうんあとで聞いてあげまちゅからねー。じっとしてましょうねー」
「……彩ちゃんに会ったら花音ちゃんが小学生の女の子に発情してたって言ってやるもんね」
「――そ、それはやめてください……」
あーもー!あの子のせいで変なことになったじゃん!可愛かったけどあの子は絶対許してあげないんだから!
エスカレーターの上から辺りを見渡す。ここを下れば目の前にはゲームセンターがある。そこの隣の隣にフードコートがある。集合場所はそこだ。
「そう簡単には行けないね」
やっぱりというか、ゾンビが大量にいた。強行突破も無理。1人でもキツそうなのに怪我人を抱えたままなんて無理に決まってる。
私は百合ちゃんをまた床に寝かせた。私は壁に寄りかかって座った。
「さて……これからどうしよう」
彩達は大丈夫なのかな。死んではないだろうか。……心配したら沼にハマったように心配し続けてしまう。心配しても何もできないのに心配してしまうなぁ。
「……2人なら大丈夫だよ。少なくとも正一は超強いからね」
百合ちゃんが笑いながら言ってくれた。……優しいな百合ちゃんは。
「そうだね。心配してても仕方ない。とりあえずゾンビが少なくなるまで待とっか」
私は少し力を抜いたのだった。
続く
ボーッとなっていて反応が遅れた。頬に赤い血が付いている。それは私のじゃなく、エムプーサの血であった。
私にかかっていた重さがなくなり、エムプーサの体が私にのしかかってきた。やっぱり軽かった。こんな軽い女の子に好き勝手されてたの……。
「か……花音ちゃん……」
奥からフラフラしながら百合ちゃんが歩いてくるのが見えた。片腹から血を流しながら弓を構えている。
エムプーサの頭には穴が空いていた。百合ちゃんがエムプーサを倒してくれたようだ。これから一生百合ちゃんに頭が上がらなそう……。
エムプーサを横にどけて百合ちゃんに歩み寄る。血はかなり出ているがまだ間に合うレベルだと思いたい。
「百合ちゃん!大丈夫!?」
「な、なんとか……花音ちゃんエロビデオでも撮ってたの?」
「うるさい……」
思い出すと顔が赤くなる。あの子供め……なんであんなのがいるんだよぉ。
そういえば産みつけられた卵はどうしたらいいんだろう……まぁあとで頑張って吐き出そう。
「とりあえず中に入ろう。ここには長居しない方がいい」
「私も……賛成……」
百合ちゃんの意識が朧気になってる。やっぱりまだダメだ。早く止血しないとまずい。
すぐさまバックと銃を持ってきて、中身を漁る。こういう時のためにドラッグストアから色々持ってきておいたのだ。
百合ちゃんを寝かせようとしたその時だった。
アヒャアヒャアヒャアヒャアヒャ!!!
ゾンビが横から飛び出てきた。そういえばここら辺はゾンビがむちゃくちゃ多かったんだった!
ゾンビの腹を蹴って怯ませる。そうして落ちた頭を両手でガシッと掴み、持ち上げたひざにその頭を叩きつけた。
ゾンビの顔面から顔が噴水のように流しながら地面に倒れた。死んではないと思う。
アヒャアヒャアヒャアヒャアヒャ!!!
辺りからゾンビの笑い声が聞こえてくる。ここはやばい。女の子に飼い殺されるのも嫌だけどゾンビに喰い殺されるのも嫌だ。
すぐさま百合ちゃんを横抱きして走った。同時に数十体のゾンビが目の前に現れる。
流石に百合ちゃんを抱えたまま全員と戦うのはきつい。ならわざわざ戦う必要も無いだろう。
銃口を消化器に向けて引き金を2回引いた。白い煙が音を立てて吐き出される。その煙は唸っていたゾンビの顔面に直撃した。
ゾンビ達が目の前の煙を払おうと手をバタバタさせている隙にダッシュで通り抜ける。
煙を通り抜けて私はショッピングモールの出入口に飛び込んだ。ここは3階なので店はなく、あるのはエスカレーターとガチャガチャだけだ。
まだ中にゾンビはいなかったが、下に行けばゾンビがかなりいるだろう。外にもゾンビはかなりいる。
「止血するならここだけだよね……」
百合ちゃんを地面に寝かせて服を軽く脱がした。白くて細い綺麗なお腹からドロドロと血が流れていた。
「か、花音ちゃんのエッチ……」
「ハイハイ静かに。喋るともっと血が出てきちゃうよ」
ガーゼを置いてテープを貼る。ガーゼを置いた瞬間、白いガーゼが血に染った。そのまま包帯をお腹周りにグルグルと巻く。
「包帯を巻かれてるのを見てるとサラシを思い出すねぇ」
「なんでこんな状況で思い出すの……」
「花音ちゃんはサラシとか巻かないの?」
「巻くわけないでしょ。武士じゃないんだから」
キュッと包帯を締めつけた。百合ちゃんの体が少しはねる。やっぱり痛いのだろう。
「これでどう?」
「うん。まったく痛み引いてないけど血が出てる感覚は少なくなったよ」
「痛いのは我慢してね。もう大人でしょ?」
「……子供扱いしてない?」
百合ちゃんがジト目でこちらを見てくる。……可愛い。
百合ちゃんに肩を貸しながら立ち上がった。少しフラフラしているが動けるには動けるそうだ。
「言っとくけど、年齢は私の方が年上なんだからね!あとそんなに身長変わらないからね!」
「うんうんあとで聞いてあげまちゅからねー。じっとしてましょうねー」
「……彩ちゃんに会ったら花音ちゃんが小学生の女の子に発情してたって言ってやるもんね」
「――そ、それはやめてください……」
あーもー!あの子のせいで変なことになったじゃん!可愛かったけどあの子は絶対許してあげないんだから!
エスカレーターの上から辺りを見渡す。ここを下れば目の前にはゲームセンターがある。そこの隣の隣にフードコートがある。集合場所はそこだ。
「そう簡単には行けないね」
やっぱりというか、ゾンビが大量にいた。強行突破も無理。1人でもキツそうなのに怪我人を抱えたままなんて無理に決まってる。
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百合ちゃんが笑いながら言ってくれた。……優しいな百合ちゃんは。
「そうだね。心配してても仕方ない。とりあえずゾンビが少なくなるまで待とっか」
私は少し力を抜いたのだった。
続く
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