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Execution of Justiceルート(山ノ井花音編)
7話「嘆きの夜」
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跳び箱みたいにゾンビを飛び越えて女の子の近くに走る。ゾンビは女の子の方に気が取られてたみたいで、サラッとかいくぐることが出来た。
「私の家に走って!場所は分かるでしょ!」
「う、うん」
言われたとおりに女の子の家に向かって走る。
後ろでは、女の子が持っていたショットガンが鳴る音が聞こえている。どこで手に入れたのかは後で聞こう。
家の扉を開ける。暗い廊下がなんだか不気味な雰囲気を醸し出していた。
女の子もちょうど同じくらいに家の中へと飛び込んできた。
「早く閉めて!」
言われたとおりに思い切り扉を閉めた。
アヒャアヒャアヒャアヒャ!!!
グチュッという音がした。扉が完全に閉まりきっていない。ゾンビの腕がギリギリ届いたようで、扉の隙間からゾンビの腕がうねうねと動いていた。
凄まじい力で扉を開けようとしてくる。女の子もすぐに加勢してくれたが、それでもキツイ。
「ど、どうするの?」
「知らない!!もう力技で行くしかないでしょ!?」
といってもこっちは女の子2人で相手は十人くらい。段々と扉が押されていくのがわかった。
思い切り踏ん張るが地面がツルツルしている。踏ん張りきれない。
「……ちょっと頼んだよ」
「え?」
やるしかない。私は扉から少しだけ離れた。バックをその場に捨てて脚に力をこめる。
「何する気!?」
「私が合図したらドアを開けて!」
「はぁ!?なんで!?」
「いいから!」
息を大きく吐く。準備は整った。ちょっとだけ後ろに下げたらいいんだ。それなら大丈夫。
「開けて!」
「死んだら怨むからね!!」
女の子が扉を思い切り開けた。同時に扉に向かって猛ダッシュする。距離は空けて置いたから十分に助走はできている。
アヒャ――
家の中に入ってこようとするゾンビに向かって私はドロップキックをぶち込んだ。後ろにいたゾンビごと後ろに吹き飛ばす。
私の体が地面に落ちたのと同時に家の扉が閉められた。鍵の閉める音もする。
「……相変わらず無茶するね花音ちゃん」
「こうでもしないと2人とも死んじゃう」
私はゆっくりと立ち上がった。
ちょっとした昔話だ。小学1年生の頃。私はこの地域に引っ越してきた。引越しは3回目くらいだったから慣れてたけど、引越しの直後はなかなか友達もできなかった。
そんな時、彩ちゃんが話しかけてくれたのだ。あの時は嬉しかったな。
それから毎日のように2人で遊んだり、ゲームしたりした。たまに帰ってくるお父さんにも話したりした。
小学3年生の時。私は引越しをすることになった。泣いた。彩も泣いてた。ずっと泣いてた。
「またいつか会おうね」とか言ったりしてた。懐かしいな。
それから数年後。高校生になってここに戻ってきた。まぁお父さんの仕事でね。また彩に会えるって思うととてもワクワクしてた。
それで引越しも終わり、早速彩の家に行ってみた。……彩はいなかった。その時だけかと思っていたがそんなこともなかった。
彩のお母さんによると、最近はずっと悪い人と絡んでいて家に帰ってきていないそうだった。
頭はなぜか良かったため、高校には入れたもののその後はなんとなく分かると思う。あんなんだったから話しかけようにも話しかけれなかった。
私の性格も知っていたはずなのに、あんなに悪くなってたから幻滅してしまっていた。
……ただやっぱり悲しかったな。
「……」
「……」
最近は話してなかったから気まずい。話しかけずらい。昔はずっとおしゃべりしてたのにな。
「……なんでこんなことになってるか分かる?」
彩から話しかけてくれた。昔よりも声は低くなってる気がする。当たり前か。
「わかんない。突然こんなことになった」
「ふーん。お父さんからなにか聞いてないの?」
「聞いてないよ。そもそもお父さん帰ってきてないし。とゆうかお父さんも知らないと思う」
「そう……」
彩はさっきまで撃っていたショットガンに弾を入れていた。
ゲームでもよく見るショットガンだ。あのポンプアクションのやつ。茶色と黒色の2色しかないよく見る物だ。
私も銃には触ったことはあるけどショットガンはない。せいぜいハンドガンとかサブマシンガンだけだ。
「……それどこで手に入れたの?」
「譲ってもらった。裏の人とコネがある先輩に1万円くらいで。実際に買うよりかは遥かに安かったよ」
「銃刀法違反でしょそれ。犯罪じゃないの?」
「うん。犯罪。だけど今は役にたってる」
「でも……」
「命が助かったのは事実でしょ。頭が硬いのは昔から変わってないね」
「……余計なお世話だよ」
私はソファにドサッと座った。昔はここでゲームとかしてたのにな。なんでこんなことになったんだろ。
「お父さんとは連絡取れないの?」
「無理。お父さん出てくれない」
「はぁ。こういう時に限って使えないね」
「しょうがないじゃん。突然なんだし」
「結局自分の身は自分で守らないとね」
彩はショットガンをカチャッと鳴らした。なんだか怖い。
「これからどうするの?ここで待つ?」
「馬鹿言わないで。ここの家は安土城じゃないの。あんな馬鹿力持ってるヤツらならいつかはこの家も突破される。自衛隊なんて待ってられない」
「じゃあどうするの?やっぱり学校に行く?」
「学校ね……それよりショッピングモールの方がいいでしょ。食料も食料以外も揃ってる」
「でもショッピングモール結構遠いよ」
「隠れて行けば大丈夫でしょ。それに途中で生存者に会うかもしれないし」
まぁ一理はある。途中で避難できればそれはそれでいいし。
「とりあえず今はまだここにいるべき。外のヤツらがどっか行くまでゆっくりしな」
彩はソファに座っていた私を押しのけて、ソファにゴロンと寝転がった。
「……客人はもてなすべきだと思うんだけど」
「……考えとく」
私は冷たい地面に寝転がった。
続く
「私の家に走って!場所は分かるでしょ!」
「う、うん」
言われたとおりに女の子の家に向かって走る。
後ろでは、女の子が持っていたショットガンが鳴る音が聞こえている。どこで手に入れたのかは後で聞こう。
家の扉を開ける。暗い廊下がなんだか不気味な雰囲気を醸し出していた。
女の子もちょうど同じくらいに家の中へと飛び込んできた。
「早く閉めて!」
言われたとおりに思い切り扉を閉めた。
アヒャアヒャアヒャアヒャ!!!
グチュッという音がした。扉が完全に閉まりきっていない。ゾンビの腕がギリギリ届いたようで、扉の隙間からゾンビの腕がうねうねと動いていた。
凄まじい力で扉を開けようとしてくる。女の子もすぐに加勢してくれたが、それでもキツイ。
「ど、どうするの?」
「知らない!!もう力技で行くしかないでしょ!?」
といってもこっちは女の子2人で相手は十人くらい。段々と扉が押されていくのがわかった。
思い切り踏ん張るが地面がツルツルしている。踏ん張りきれない。
「……ちょっと頼んだよ」
「え?」
やるしかない。私は扉から少しだけ離れた。バックをその場に捨てて脚に力をこめる。
「何する気!?」
「私が合図したらドアを開けて!」
「はぁ!?なんで!?」
「いいから!」
息を大きく吐く。準備は整った。ちょっとだけ後ろに下げたらいいんだ。それなら大丈夫。
「開けて!」
「死んだら怨むからね!!」
女の子が扉を思い切り開けた。同時に扉に向かって猛ダッシュする。距離は空けて置いたから十分に助走はできている。
アヒャ――
家の中に入ってこようとするゾンビに向かって私はドロップキックをぶち込んだ。後ろにいたゾンビごと後ろに吹き飛ばす。
私の体が地面に落ちたのと同時に家の扉が閉められた。鍵の閉める音もする。
「……相変わらず無茶するね花音ちゃん」
「こうでもしないと2人とも死んじゃう」
私はゆっくりと立ち上がった。
ちょっとした昔話だ。小学1年生の頃。私はこの地域に引っ越してきた。引越しは3回目くらいだったから慣れてたけど、引越しの直後はなかなか友達もできなかった。
そんな時、彩ちゃんが話しかけてくれたのだ。あの時は嬉しかったな。
それから毎日のように2人で遊んだり、ゲームしたりした。たまに帰ってくるお父さんにも話したりした。
小学3年生の時。私は引越しをすることになった。泣いた。彩も泣いてた。ずっと泣いてた。
「またいつか会おうね」とか言ったりしてた。懐かしいな。
それから数年後。高校生になってここに戻ってきた。まぁお父さんの仕事でね。また彩に会えるって思うととてもワクワクしてた。
それで引越しも終わり、早速彩の家に行ってみた。……彩はいなかった。その時だけかと思っていたがそんなこともなかった。
彩のお母さんによると、最近はずっと悪い人と絡んでいて家に帰ってきていないそうだった。
頭はなぜか良かったため、高校には入れたもののその後はなんとなく分かると思う。あんなんだったから話しかけようにも話しかけれなかった。
私の性格も知っていたはずなのに、あんなに悪くなってたから幻滅してしまっていた。
……ただやっぱり悲しかったな。
「……」
「……」
最近は話してなかったから気まずい。話しかけずらい。昔はずっとおしゃべりしてたのにな。
「……なんでこんなことになってるか分かる?」
彩から話しかけてくれた。昔よりも声は低くなってる気がする。当たり前か。
「わかんない。突然こんなことになった」
「ふーん。お父さんからなにか聞いてないの?」
「聞いてないよ。そもそもお父さん帰ってきてないし。とゆうかお父さんも知らないと思う」
「そう……」
彩はさっきまで撃っていたショットガンに弾を入れていた。
ゲームでもよく見るショットガンだ。あのポンプアクションのやつ。茶色と黒色の2色しかないよく見る物だ。
私も銃には触ったことはあるけどショットガンはない。せいぜいハンドガンとかサブマシンガンだけだ。
「……それどこで手に入れたの?」
「譲ってもらった。裏の人とコネがある先輩に1万円くらいで。実際に買うよりかは遥かに安かったよ」
「銃刀法違反でしょそれ。犯罪じゃないの?」
「うん。犯罪。だけど今は役にたってる」
「でも……」
「命が助かったのは事実でしょ。頭が硬いのは昔から変わってないね」
「……余計なお世話だよ」
私はソファにドサッと座った。昔はここでゲームとかしてたのにな。なんでこんなことになったんだろ。
「お父さんとは連絡取れないの?」
「無理。お父さん出てくれない」
「はぁ。こういう時に限って使えないね」
「しょうがないじゃん。突然なんだし」
「結局自分の身は自分で守らないとね」
彩はショットガンをカチャッと鳴らした。なんだか怖い。
「これからどうするの?ここで待つ?」
「馬鹿言わないで。ここの家は安土城じゃないの。あんな馬鹿力持ってるヤツらならいつかはこの家も突破される。自衛隊なんて待ってられない」
「じゃあどうするの?やっぱり学校に行く?」
「学校ね……それよりショッピングモールの方がいいでしょ。食料も食料以外も揃ってる」
「でもショッピングモール結構遠いよ」
「隠れて行けば大丈夫でしょ。それに途中で生存者に会うかもしれないし」
まぁ一理はある。途中で避難できればそれはそれでいいし。
「とりあえず今はまだここにいるべき。外のヤツらがどっか行くまでゆっくりしな」
彩はソファに座っていた私を押しのけて、ソファにゴロンと寝転がった。
「……客人はもてなすべきだと思うんだけど」
「……考えとく」
私は冷たい地面に寝転がった。
続く
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