37 / 82
Hero of the Shadowルート (如月楓夜 編)
37話「衝撃に備えよ」
しおりを挟む
「どうしたの?」
桃が聞いてきた。
「あっちに扉がある」
桃とガラスの近くに行く。桃が遠くの方を凝視している。可愛い。
「……確かにあるけど。ここからじゃ行けないね」
確かにここから行くことはできない。安全面を考慮したならな。
「……桃。重機を操作したことある?」
「え?ないけど」
「よし!桃を信じるぞ俺は!」
「ふぇ?え?何する気なの?」
桃が困惑している。可愛い。まぁ困惑するのは分かるな。俺が桃の立場でも困惑するし。
「俺はあのクレーンに乗る。桃はクレーンを操作してあの扉のところに連れてってくれ」
「…………え……え?え?……いやいやいやいやいやいやいやいや。周り込めばいいじゃん!わざわざ危険を犯すことなんてないよ!」
「回り込んであっちに行けるって確証もないだろ。上はどこもかしこも真っ白な所だぞ?迷う可能性だってある」
「そ、そりゃそうだけど……」
自分でもアホだと思う。だけど迷う可能性が高い。それにあのデカ女と鉢合わせになる可能性もあるんだ。それだけはまずい。
「大丈夫だよ、安心して」
「あ、安心って……なんでそんなに自信があるの……」
「なんだかんだ言って俺って死なないんだよ。どうせちょっと傷が増えるだけさ」
「……うぅ……」
ちょっと困らせてしまったな。困っている桃は可愛いんだけどね。でも事実だしな。さすがに溶岩に落ちたら死ぬだろうけど。
「……約束するよ。もう二度と離れ離れにはならない」
桃の右頬を撫でた。桃は心配そうに俺を見つめてくる。桃から離れたくはないが仕方ない。
1歩進む度に金属が壊れるような音がする。音が出れば出るほど恐怖という感情が心の中を支配してくる。
今俺はクレーンに向かっている所だ。操作室の横にある扉から外に出て、ゴミを廃棄している穴へと移動している。
向かう道はまったく頼りない鉄網の橋だ。1回目見た時は二度見してしまった。なんの冗談かと思ったよ。だって支えもない薄い地面に細い鉄の柵だぞ。怖いに決まってるだろう。
だけどあんなにカッコつけた矢先、ビビり散らかしながら桃のところに行く勇気は俺にはなかった。今思うと帰っとけば良かったと思う。
足で地面を叩きながらゆっくりと歩く。超怖い。網の隙間から下の溶岩が見える。溶岩が弾ける度に体を震わせて、縮こめてしまう。
空気が暑い。暑すぎる。呼吸する度に喉が焼けている感覚がする。皮膚もステーキみたいに焼けてしまっている。溶岩とは結構離れているはずなのにきつい。
「桃~……桃に会いたいよ~」
情けない声を出してしまった。まぁ桃は部屋にいるので俺の声は聞こえない。こんなセリフ聞かれてたら自殺してたところだ。
ようやく着いた。暑さに気を取られて気が付かなかったが、とんでもなく臭い。生ゴミとかそういうのじゃなくて、薬とかそういう臭さだ。製薬会社だから普通か。
操作室のガラスから桃が俺の事を心配そうに見つめている。桃が見ていてくれているだけでも力が湧いてくる。
桃に手話で合図した。体を伸ばす。ここからはほとんど桃頼りだ。桃のことは信用しているが、やはり心配じゃないと言うと嘘になる。まぁ桃に殺されるのなら本望だけどね。
クレーンがこちらに来た。桃が操作してくれている。磁石の大きさは半径5mほどだ。俺が寝転んでも全然余裕がある。
クレーンに飛び乗る。落ちかけたが何とかよじ登った。落ちかけた時の桃の顔は超可愛……これ以上はしつこいな。桃にはできるだけ心配はさせられない。よじ登ったあとは桃に手を振ってあげた。
しばらくしてまたクレーンが動き始めた。速度は遅いが俺が乗っても全然安定感がある。ジャンプしてみたが、別にグラグラしたりもしなかった。
下を見てみる。下は風船のような泡が爆発している様子が見えた。……見なければよかった。
汗を何度も拭く。ふと手を見てみると、白い粉みたいなのが見えた。手で払った感覚は塩だ。……ちょっとここはやばいかもしれない。
一応矢を弓につがえておく。何が来るか分からないからな。念の為に用意しておいて損はないだろう。
しかし暇だ。何も無いに越したことはないがそれだと暇だ。俺の感性もおかしくなっているんだろう。
ドッポン……
下から音が聞こえた。泡みたいなのが破裂する音の中に何かが動く音がしたのだ。いや、来られても困るんだけど。
下を見てみる。クレーンの左側にコンクリートの道があった。途中ででっかい柱があるせいで直接移動することはできない。柱がなかったらこんな危ないことをする必要はないのにな~。
ドッポン……
また聞こえた。何かいる。しかしこの音はなんだろう。何か泳いでいるような音……いや、そんなわけないよな。まさか溶岩の中を泳ぐ生物なんているわけないだろ。
おそるおそる溶岩を見てみる。溶岩に波ができていた。それはまるで魚が泳いでいるような……ちょっと待ってくれ。まじでいるのか?嘘だろ?溶岩の中を泳ぐ生物なんているわけが無い。
……でも、これまで普通じゃない生物は散々いたんだ。溶岩を泳ぐ生物がいても不思議じゃない。
波が収まった。溶岩の表面が真っ直ぐになる。色さえ違えば海のようだ。ただその事実は俺にとって、嵐の静けさにも思えた。
下を見続ける。汗は同じようにずっと流れている。まるで水をぶっかけられたようだ。弓を持つ手に力が入る。頭から頬にかけて水滴が落ちていく。水滴は顎に到達し、重力に従って下へと落ちていった――。
「キュィィィィィィィンンンンン!!!」
刹那、溶岩の中からとんでもないデカさの鯨が出てきた。大きな口を開けて、イルカのように空中ジャンプをしている。その口の大きさなら小さい家を丸呑みにできそうだった。
心臓が止まった。呼吸も止まった。急すぎて弓を構える暇すらもなかった。
思考が時間に追いついた時には既に遅かった。クジラのでかい口が俺が乗ってるクレーンごと喰らおうとしていた。
クジラの口が閉じる。でかい割には口を閉じるスピードが速い。エレベーターの扉が閉まるくらいの速さはある。
クジラの口は俺が乗ってるクレーンを丸呑みにすることはなかった。しかしクレーンを壊すことは容易かったようだった。
「……え?」
クジラの尖った歯に当たったせいか、元々脆かったかは知らないがクレーンから俺の乗っている磁石が外れた。
体が一瞬無重力になる。臓器が体内で空に舞った。しかしそれは一瞬。すぐに内蔵が上へと押し上げられた、
「えっあっ」
声を出す暇もなく、俺は磁石と共に下へと落ちていった。かなりのスピードで下へと向かっていく。段々と溶岩が近づいてきた。
こういう時に冷静でいられるわけが無い。しかし冷静でないと生き残れない。だから俺は冷静になった。
ここから横の道に飛び映れば生き残れる。普通の人なら抵抗がありそうだが、俺は何度も高い所から落ちているんだ。別にもう慣れてる――。
視界の溶岩が段々とズームされていく。ちょっと前の俺ならかなりビビり散らかしてただろう。だが今なら大丈夫だ。俺は最強なんだ。死ぬことはない。横の道までの高さが残り1mの時に飛び降りる。できるだけダメージを減らすならその高さが1番いいはずだ。知らんけど。
横の道まで残り5m。
4m。
3m。
2m。
1m――。
磁石から飛び降りた。既に落ちているので感覚は変わらない。体全体で熱風を切りながら通路に落ちていく。
「ウォォォォォ!!!!!!!!」
俺は雄叫びを上げながら、コンクリートの地面に足の裏から着地した――。
続く
桃が聞いてきた。
「あっちに扉がある」
桃とガラスの近くに行く。桃が遠くの方を凝視している。可愛い。
「……確かにあるけど。ここからじゃ行けないね」
確かにここから行くことはできない。安全面を考慮したならな。
「……桃。重機を操作したことある?」
「え?ないけど」
「よし!桃を信じるぞ俺は!」
「ふぇ?え?何する気なの?」
桃が困惑している。可愛い。まぁ困惑するのは分かるな。俺が桃の立場でも困惑するし。
「俺はあのクレーンに乗る。桃はクレーンを操作してあの扉のところに連れてってくれ」
「…………え……え?え?……いやいやいやいやいやいやいやいや。周り込めばいいじゃん!わざわざ危険を犯すことなんてないよ!」
「回り込んであっちに行けるって確証もないだろ。上はどこもかしこも真っ白な所だぞ?迷う可能性だってある」
「そ、そりゃそうだけど……」
自分でもアホだと思う。だけど迷う可能性が高い。それにあのデカ女と鉢合わせになる可能性もあるんだ。それだけはまずい。
「大丈夫だよ、安心して」
「あ、安心って……なんでそんなに自信があるの……」
「なんだかんだ言って俺って死なないんだよ。どうせちょっと傷が増えるだけさ」
「……うぅ……」
ちょっと困らせてしまったな。困っている桃は可愛いんだけどね。でも事実だしな。さすがに溶岩に落ちたら死ぬだろうけど。
「……約束するよ。もう二度と離れ離れにはならない」
桃の右頬を撫でた。桃は心配そうに俺を見つめてくる。桃から離れたくはないが仕方ない。
1歩進む度に金属が壊れるような音がする。音が出れば出るほど恐怖という感情が心の中を支配してくる。
今俺はクレーンに向かっている所だ。操作室の横にある扉から外に出て、ゴミを廃棄している穴へと移動している。
向かう道はまったく頼りない鉄網の橋だ。1回目見た時は二度見してしまった。なんの冗談かと思ったよ。だって支えもない薄い地面に細い鉄の柵だぞ。怖いに決まってるだろう。
だけどあんなにカッコつけた矢先、ビビり散らかしながら桃のところに行く勇気は俺にはなかった。今思うと帰っとけば良かったと思う。
足で地面を叩きながらゆっくりと歩く。超怖い。網の隙間から下の溶岩が見える。溶岩が弾ける度に体を震わせて、縮こめてしまう。
空気が暑い。暑すぎる。呼吸する度に喉が焼けている感覚がする。皮膚もステーキみたいに焼けてしまっている。溶岩とは結構離れているはずなのにきつい。
「桃~……桃に会いたいよ~」
情けない声を出してしまった。まぁ桃は部屋にいるので俺の声は聞こえない。こんなセリフ聞かれてたら自殺してたところだ。
ようやく着いた。暑さに気を取られて気が付かなかったが、とんでもなく臭い。生ゴミとかそういうのじゃなくて、薬とかそういう臭さだ。製薬会社だから普通か。
操作室のガラスから桃が俺の事を心配そうに見つめている。桃が見ていてくれているだけでも力が湧いてくる。
桃に手話で合図した。体を伸ばす。ここからはほとんど桃頼りだ。桃のことは信用しているが、やはり心配じゃないと言うと嘘になる。まぁ桃に殺されるのなら本望だけどね。
クレーンがこちらに来た。桃が操作してくれている。磁石の大きさは半径5mほどだ。俺が寝転んでも全然余裕がある。
クレーンに飛び乗る。落ちかけたが何とかよじ登った。落ちかけた時の桃の顔は超可愛……これ以上はしつこいな。桃にはできるだけ心配はさせられない。よじ登ったあとは桃に手を振ってあげた。
しばらくしてまたクレーンが動き始めた。速度は遅いが俺が乗っても全然安定感がある。ジャンプしてみたが、別にグラグラしたりもしなかった。
下を見てみる。下は風船のような泡が爆発している様子が見えた。……見なければよかった。
汗を何度も拭く。ふと手を見てみると、白い粉みたいなのが見えた。手で払った感覚は塩だ。……ちょっとここはやばいかもしれない。
一応矢を弓につがえておく。何が来るか分からないからな。念の為に用意しておいて損はないだろう。
しかし暇だ。何も無いに越したことはないがそれだと暇だ。俺の感性もおかしくなっているんだろう。
ドッポン……
下から音が聞こえた。泡みたいなのが破裂する音の中に何かが動く音がしたのだ。いや、来られても困るんだけど。
下を見てみる。クレーンの左側にコンクリートの道があった。途中ででっかい柱があるせいで直接移動することはできない。柱がなかったらこんな危ないことをする必要はないのにな~。
ドッポン……
また聞こえた。何かいる。しかしこの音はなんだろう。何か泳いでいるような音……いや、そんなわけないよな。まさか溶岩の中を泳ぐ生物なんているわけないだろ。
おそるおそる溶岩を見てみる。溶岩に波ができていた。それはまるで魚が泳いでいるような……ちょっと待ってくれ。まじでいるのか?嘘だろ?溶岩の中を泳ぐ生物なんているわけが無い。
……でも、これまで普通じゃない生物は散々いたんだ。溶岩を泳ぐ生物がいても不思議じゃない。
波が収まった。溶岩の表面が真っ直ぐになる。色さえ違えば海のようだ。ただその事実は俺にとって、嵐の静けさにも思えた。
下を見続ける。汗は同じようにずっと流れている。まるで水をぶっかけられたようだ。弓を持つ手に力が入る。頭から頬にかけて水滴が落ちていく。水滴は顎に到達し、重力に従って下へと落ちていった――。
「キュィィィィィィィンンンンン!!!」
刹那、溶岩の中からとんでもないデカさの鯨が出てきた。大きな口を開けて、イルカのように空中ジャンプをしている。その口の大きさなら小さい家を丸呑みにできそうだった。
心臓が止まった。呼吸も止まった。急すぎて弓を構える暇すらもなかった。
思考が時間に追いついた時には既に遅かった。クジラのでかい口が俺が乗ってるクレーンごと喰らおうとしていた。
クジラの口が閉じる。でかい割には口を閉じるスピードが速い。エレベーターの扉が閉まるくらいの速さはある。
クジラの口は俺が乗ってるクレーンを丸呑みにすることはなかった。しかしクレーンを壊すことは容易かったようだった。
「……え?」
クジラの尖った歯に当たったせいか、元々脆かったかは知らないがクレーンから俺の乗っている磁石が外れた。
体が一瞬無重力になる。臓器が体内で空に舞った。しかしそれは一瞬。すぐに内蔵が上へと押し上げられた、
「えっあっ」
声を出す暇もなく、俺は磁石と共に下へと落ちていった。かなりのスピードで下へと向かっていく。段々と溶岩が近づいてきた。
こういう時に冷静でいられるわけが無い。しかし冷静でないと生き残れない。だから俺は冷静になった。
ここから横の道に飛び映れば生き残れる。普通の人なら抵抗がありそうだが、俺は何度も高い所から落ちているんだ。別にもう慣れてる――。
視界の溶岩が段々とズームされていく。ちょっと前の俺ならかなりビビり散らかしてただろう。だが今なら大丈夫だ。俺は最強なんだ。死ぬことはない。横の道までの高さが残り1mの時に飛び降りる。できるだけダメージを減らすならその高さが1番いいはずだ。知らんけど。
横の道まで残り5m。
4m。
3m。
2m。
1m――。
磁石から飛び降りた。既に落ちているので感覚は変わらない。体全体で熱風を切りながら通路に落ちていく。
「ウォォォォォ!!!!!!!!」
俺は雄叫びを上げながら、コンクリートの地面に足の裏から着地した――。
続く
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
ゾンビだらけの世界で俺はゾンビのふりをし続ける
気ままに
ホラー
家で寝て起きたらまさかの世界がゾンビパンデミックとなってしまっていた!
しかもセーラー服の可愛い女子高生のゾンビに噛まれてしまう!
もう終わりかと思ったら俺はゾンビになる事はなかった。しかもゾンビに狙われない体質へとなってしまう……これは映画で見た展開と同じじゃないか!
てことで俺は人間に利用されるのは御免被るのでゾンビのフリをして人間の安息の地が完成するまでのんびりと生活させて頂きます。
ネタバレ注意!↓↓
黒藤冬夜は自分を噛んだ知性ある女子高生のゾンビ、特殊体を探すためまず総合病院に向かう。
そこでゾンビとは思えない程の、異常なまでの力を持つ別の特殊体に出会う。
そこの総合病院の地下ではある研究が行われていた……
"P-tB"
人を救う研究のはずがそれは大きな厄災をもたらす事になる……
何故ゾンビが生まれたか……
何故知性あるゾンビが居るのか……
そして何故自分はゾンビにならず、ゾンビに狙われない孤独な存在となってしまったのか……
ill〜怪異特務課事件簿〜
錦木
ホラー
現実の常識が通用しない『怪異』絡みの事件を扱う「怪異特務課」。
ミステリアスで冷徹な捜査官・名護、真面目である事情により怪異と深くつながる体質となってしまった捜査官・戸草。
とある秘密を共有する二人は協力して怪奇事件の捜査を行う。
怨念がおんねん〜祓い屋アベの記録〜
君影 ルナ
ホラー
・事例 壱
『自分』は真冬に似合わない服装で、見知らぬ集落に向かって歩いているらしい。
何故『自分』はあの集落に向かっている?
何故『自分』のことが分からない?
何故……
・事例 弍
??
──────────
・ホラー編と解決編とに分かれております。
・純粋にホラーを楽しみたい方は漢数字の話だけを、解決編も楽しみたい方は数字を気にせず読んでいただけたらと思います。
・フィクションです。


鎌倉呪具師の回収録~使霊の箱~
平本りこ
ホラー
――恐ろしきは怨霊か、それとも。
土蔵珠子はある日突然、婚約者と勤め先、住んでいた家を同時に失った。
六年前、母に先立たれた珠子にとって、二度目の大きな裏切りだった。
けれど、悲嘆にくれてばかりもいられない。珠子には頼れる親戚もいないのだ。
住む場所だけはどうにかしなければと思うが、職も保証人もないので物件探しは難航し、なんとか借りることのできたのは、鎌倉にあるおんぼろアパートだ。
いわくつき物件のご多分に漏れず、入居初日の晩、稲光が差し込む窓越しに、珠子は恐ろしいものを見てしまう。
それは、古風な小袖を纏い焼けただれた女性の姿であった。
時を同じくして、呪具師一族の末裔である大江間諭が珠子の部屋の隣に越して来る。
呪具とは、鎌倉時代から続く大江間という一族が神秘の力を織り合わせて作り出した、超常現象を引き起こす道具のことである。
諭は日本中に散らばってしまった危険な呪具を回収するため、怨霊の気配が漂うおんぼろアパートにやってきたのだった。
ひょんなことから、霊を成仏させるために強力することになった珠子と諭。やがて、珠子には、残留思念を読む異能があることがわかる。けれどそれは生まれつきのものではなく、どうやら珠子は後天的に、生身の「呪具」になってしまったようなのだ。
さらに、諭が追っている呪具には珠子の母親の死と関連があることがわかってきて……。
※毎日17:40更新
最終章は3月29日に4エピソード同時更新です
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
彷徨う屍
半道海豚
ホラー
春休みは、まもなく終わり。関東の桜は散ったが、東北はいまが盛り。気候変動の中で、いろいろな疫病が人々を苦しめている。それでも、日々の生活はいつもと同じだった。その瞬間までは。4人の高校生は旅先で、ゾンビと遭遇してしまう。周囲の人々が逃げ惑う。4人の高校生はホテルから逃げ出し、人気のない山中に向かうことにしたのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる