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Hero of the Shadowルート (如月楓夜 編)
37話「衝撃に備えよ」
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「どうしたの?」
桃が聞いてきた。
「あっちに扉がある」
桃とガラスの近くに行く。桃が遠くの方を凝視している。可愛い。
「……確かにあるけど。ここからじゃ行けないね」
確かにここから行くことはできない。安全面を考慮したならな。
「……桃。重機を操作したことある?」
「え?ないけど」
「よし!桃を信じるぞ俺は!」
「ふぇ?え?何する気なの?」
桃が困惑している。可愛い。まぁ困惑するのは分かるな。俺が桃の立場でも困惑するし。
「俺はあのクレーンに乗る。桃はクレーンを操作してあの扉のところに連れてってくれ」
「…………え……え?え?……いやいやいやいやいやいやいやいや。周り込めばいいじゃん!わざわざ危険を犯すことなんてないよ!」
「回り込んであっちに行けるって確証もないだろ。上はどこもかしこも真っ白な所だぞ?迷う可能性だってある」
「そ、そりゃそうだけど……」
自分でもアホだと思う。だけど迷う可能性が高い。それにあのデカ女と鉢合わせになる可能性もあるんだ。それだけはまずい。
「大丈夫だよ、安心して」
「あ、安心って……なんでそんなに自信があるの……」
「なんだかんだ言って俺って死なないんだよ。どうせちょっと傷が増えるだけさ」
「……うぅ……」
ちょっと困らせてしまったな。困っている桃は可愛いんだけどね。でも事実だしな。さすがに溶岩に落ちたら死ぬだろうけど。
「……約束するよ。もう二度と離れ離れにはならない」
桃の右頬を撫でた。桃は心配そうに俺を見つめてくる。桃から離れたくはないが仕方ない。
1歩進む度に金属が壊れるような音がする。音が出れば出るほど恐怖という感情が心の中を支配してくる。
今俺はクレーンに向かっている所だ。操作室の横にある扉から外に出て、ゴミを廃棄している穴へと移動している。
向かう道はまったく頼りない鉄網の橋だ。1回目見た時は二度見してしまった。なんの冗談かと思ったよ。だって支えもない薄い地面に細い鉄の柵だぞ。怖いに決まってるだろう。
だけどあんなにカッコつけた矢先、ビビり散らかしながら桃のところに行く勇気は俺にはなかった。今思うと帰っとけば良かったと思う。
足で地面を叩きながらゆっくりと歩く。超怖い。網の隙間から下の溶岩が見える。溶岩が弾ける度に体を震わせて、縮こめてしまう。
空気が暑い。暑すぎる。呼吸する度に喉が焼けている感覚がする。皮膚もステーキみたいに焼けてしまっている。溶岩とは結構離れているはずなのにきつい。
「桃~……桃に会いたいよ~」
情けない声を出してしまった。まぁ桃は部屋にいるので俺の声は聞こえない。こんなセリフ聞かれてたら自殺してたところだ。
ようやく着いた。暑さに気を取られて気が付かなかったが、とんでもなく臭い。生ゴミとかそういうのじゃなくて、薬とかそういう臭さだ。製薬会社だから普通か。
操作室のガラスから桃が俺の事を心配そうに見つめている。桃が見ていてくれているだけでも力が湧いてくる。
桃に手話で合図した。体を伸ばす。ここからはほとんど桃頼りだ。桃のことは信用しているが、やはり心配じゃないと言うと嘘になる。まぁ桃に殺されるのなら本望だけどね。
クレーンがこちらに来た。桃が操作してくれている。磁石の大きさは半径5mほどだ。俺が寝転んでも全然余裕がある。
クレーンに飛び乗る。落ちかけたが何とかよじ登った。落ちかけた時の桃の顔は超可愛……これ以上はしつこいな。桃にはできるだけ心配はさせられない。よじ登ったあとは桃に手を振ってあげた。
しばらくしてまたクレーンが動き始めた。速度は遅いが俺が乗っても全然安定感がある。ジャンプしてみたが、別にグラグラしたりもしなかった。
下を見てみる。下は風船のような泡が爆発している様子が見えた。……見なければよかった。
汗を何度も拭く。ふと手を見てみると、白い粉みたいなのが見えた。手で払った感覚は塩だ。……ちょっとここはやばいかもしれない。
一応矢を弓につがえておく。何が来るか分からないからな。念の為に用意しておいて損はないだろう。
しかし暇だ。何も無いに越したことはないがそれだと暇だ。俺の感性もおかしくなっているんだろう。
ドッポン……
下から音が聞こえた。泡みたいなのが破裂する音の中に何かが動く音がしたのだ。いや、来られても困るんだけど。
下を見てみる。クレーンの左側にコンクリートの道があった。途中ででっかい柱があるせいで直接移動することはできない。柱がなかったらこんな危ないことをする必要はないのにな~。
ドッポン……
また聞こえた。何かいる。しかしこの音はなんだろう。何か泳いでいるような音……いや、そんなわけないよな。まさか溶岩の中を泳ぐ生物なんているわけないだろ。
おそるおそる溶岩を見てみる。溶岩に波ができていた。それはまるで魚が泳いでいるような……ちょっと待ってくれ。まじでいるのか?嘘だろ?溶岩の中を泳ぐ生物なんているわけが無い。
……でも、これまで普通じゃない生物は散々いたんだ。溶岩を泳ぐ生物がいても不思議じゃない。
波が収まった。溶岩の表面が真っ直ぐになる。色さえ違えば海のようだ。ただその事実は俺にとって、嵐の静けさにも思えた。
下を見続ける。汗は同じようにずっと流れている。まるで水をぶっかけられたようだ。弓を持つ手に力が入る。頭から頬にかけて水滴が落ちていく。水滴は顎に到達し、重力に従って下へと落ちていった――。
「キュィィィィィィィンンンンン!!!」
刹那、溶岩の中からとんでもないデカさの鯨が出てきた。大きな口を開けて、イルカのように空中ジャンプをしている。その口の大きさなら小さい家を丸呑みにできそうだった。
心臓が止まった。呼吸も止まった。急すぎて弓を構える暇すらもなかった。
思考が時間に追いついた時には既に遅かった。クジラのでかい口が俺が乗ってるクレーンごと喰らおうとしていた。
クジラの口が閉じる。でかい割には口を閉じるスピードが速い。エレベーターの扉が閉まるくらいの速さはある。
クジラの口は俺が乗ってるクレーンを丸呑みにすることはなかった。しかしクレーンを壊すことは容易かったようだった。
「……え?」
クジラの尖った歯に当たったせいか、元々脆かったかは知らないがクレーンから俺の乗っている磁石が外れた。
体が一瞬無重力になる。臓器が体内で空に舞った。しかしそれは一瞬。すぐに内蔵が上へと押し上げられた、
「えっあっ」
声を出す暇もなく、俺は磁石と共に下へと落ちていった。かなりのスピードで下へと向かっていく。段々と溶岩が近づいてきた。
こういう時に冷静でいられるわけが無い。しかし冷静でないと生き残れない。だから俺は冷静になった。
ここから横の道に飛び映れば生き残れる。普通の人なら抵抗がありそうだが、俺は何度も高い所から落ちているんだ。別にもう慣れてる――。
視界の溶岩が段々とズームされていく。ちょっと前の俺ならかなりビビり散らかしてただろう。だが今なら大丈夫だ。俺は最強なんだ。死ぬことはない。横の道までの高さが残り1mの時に飛び降りる。できるだけダメージを減らすならその高さが1番いいはずだ。知らんけど。
横の道まで残り5m。
4m。
3m。
2m。
1m――。
磁石から飛び降りた。既に落ちているので感覚は変わらない。体全体で熱風を切りながら通路に落ちていく。
「ウォォォォォ!!!!!!!!」
俺は雄叫びを上げながら、コンクリートの地面に足の裏から着地した――。
続く
桃が聞いてきた。
「あっちに扉がある」
桃とガラスの近くに行く。桃が遠くの方を凝視している。可愛い。
「……確かにあるけど。ここからじゃ行けないね」
確かにここから行くことはできない。安全面を考慮したならな。
「……桃。重機を操作したことある?」
「え?ないけど」
「よし!桃を信じるぞ俺は!」
「ふぇ?え?何する気なの?」
桃が困惑している。可愛い。まぁ困惑するのは分かるな。俺が桃の立場でも困惑するし。
「俺はあのクレーンに乗る。桃はクレーンを操作してあの扉のところに連れてってくれ」
「…………え……え?え?……いやいやいやいやいやいやいやいや。周り込めばいいじゃん!わざわざ危険を犯すことなんてないよ!」
「回り込んであっちに行けるって確証もないだろ。上はどこもかしこも真っ白な所だぞ?迷う可能性だってある」
「そ、そりゃそうだけど……」
自分でもアホだと思う。だけど迷う可能性が高い。それにあのデカ女と鉢合わせになる可能性もあるんだ。それだけはまずい。
「大丈夫だよ、安心して」
「あ、安心って……なんでそんなに自信があるの……」
「なんだかんだ言って俺って死なないんだよ。どうせちょっと傷が増えるだけさ」
「……うぅ……」
ちょっと困らせてしまったな。困っている桃は可愛いんだけどね。でも事実だしな。さすがに溶岩に落ちたら死ぬだろうけど。
「……約束するよ。もう二度と離れ離れにはならない」
桃の右頬を撫でた。桃は心配そうに俺を見つめてくる。桃から離れたくはないが仕方ない。
1歩進む度に金属が壊れるような音がする。音が出れば出るほど恐怖という感情が心の中を支配してくる。
今俺はクレーンに向かっている所だ。操作室の横にある扉から外に出て、ゴミを廃棄している穴へと移動している。
向かう道はまったく頼りない鉄網の橋だ。1回目見た時は二度見してしまった。なんの冗談かと思ったよ。だって支えもない薄い地面に細い鉄の柵だぞ。怖いに決まってるだろう。
だけどあんなにカッコつけた矢先、ビビり散らかしながら桃のところに行く勇気は俺にはなかった。今思うと帰っとけば良かったと思う。
足で地面を叩きながらゆっくりと歩く。超怖い。網の隙間から下の溶岩が見える。溶岩が弾ける度に体を震わせて、縮こめてしまう。
空気が暑い。暑すぎる。呼吸する度に喉が焼けている感覚がする。皮膚もステーキみたいに焼けてしまっている。溶岩とは結構離れているはずなのにきつい。
「桃~……桃に会いたいよ~」
情けない声を出してしまった。まぁ桃は部屋にいるので俺の声は聞こえない。こんなセリフ聞かれてたら自殺してたところだ。
ようやく着いた。暑さに気を取られて気が付かなかったが、とんでもなく臭い。生ゴミとかそういうのじゃなくて、薬とかそういう臭さだ。製薬会社だから普通か。
操作室のガラスから桃が俺の事を心配そうに見つめている。桃が見ていてくれているだけでも力が湧いてくる。
桃に手話で合図した。体を伸ばす。ここからはほとんど桃頼りだ。桃のことは信用しているが、やはり心配じゃないと言うと嘘になる。まぁ桃に殺されるのなら本望だけどね。
クレーンがこちらに来た。桃が操作してくれている。磁石の大きさは半径5mほどだ。俺が寝転んでも全然余裕がある。
クレーンに飛び乗る。落ちかけたが何とかよじ登った。落ちかけた時の桃の顔は超可愛……これ以上はしつこいな。桃にはできるだけ心配はさせられない。よじ登ったあとは桃に手を振ってあげた。
しばらくしてまたクレーンが動き始めた。速度は遅いが俺が乗っても全然安定感がある。ジャンプしてみたが、別にグラグラしたりもしなかった。
下を見てみる。下は風船のような泡が爆発している様子が見えた。……見なければよかった。
汗を何度も拭く。ふと手を見てみると、白い粉みたいなのが見えた。手で払った感覚は塩だ。……ちょっとここはやばいかもしれない。
一応矢を弓につがえておく。何が来るか分からないからな。念の為に用意しておいて損はないだろう。
しかし暇だ。何も無いに越したことはないがそれだと暇だ。俺の感性もおかしくなっているんだろう。
ドッポン……
下から音が聞こえた。泡みたいなのが破裂する音の中に何かが動く音がしたのだ。いや、来られても困るんだけど。
下を見てみる。クレーンの左側にコンクリートの道があった。途中ででっかい柱があるせいで直接移動することはできない。柱がなかったらこんな危ないことをする必要はないのにな~。
ドッポン……
また聞こえた。何かいる。しかしこの音はなんだろう。何か泳いでいるような音……いや、そんなわけないよな。まさか溶岩の中を泳ぐ生物なんているわけないだろ。
おそるおそる溶岩を見てみる。溶岩に波ができていた。それはまるで魚が泳いでいるような……ちょっと待ってくれ。まじでいるのか?嘘だろ?溶岩の中を泳ぐ生物なんているわけが無い。
……でも、これまで普通じゃない生物は散々いたんだ。溶岩を泳ぐ生物がいても不思議じゃない。
波が収まった。溶岩の表面が真っ直ぐになる。色さえ違えば海のようだ。ただその事実は俺にとって、嵐の静けさにも思えた。
下を見続ける。汗は同じようにずっと流れている。まるで水をぶっかけられたようだ。弓を持つ手に力が入る。頭から頬にかけて水滴が落ちていく。水滴は顎に到達し、重力に従って下へと落ちていった――。
「キュィィィィィィィンンンンン!!!」
刹那、溶岩の中からとんでもないデカさの鯨が出てきた。大きな口を開けて、イルカのように空中ジャンプをしている。その口の大きさなら小さい家を丸呑みにできそうだった。
心臓が止まった。呼吸も止まった。急すぎて弓を構える暇すらもなかった。
思考が時間に追いついた時には既に遅かった。クジラのでかい口が俺が乗ってるクレーンごと喰らおうとしていた。
クジラの口が閉じる。でかい割には口を閉じるスピードが速い。エレベーターの扉が閉まるくらいの速さはある。
クジラの口は俺が乗ってるクレーンを丸呑みにすることはなかった。しかしクレーンを壊すことは容易かったようだった。
「……え?」
クジラの尖った歯に当たったせいか、元々脆かったかは知らないがクレーンから俺の乗っている磁石が外れた。
体が一瞬無重力になる。臓器が体内で空に舞った。しかしそれは一瞬。すぐに内蔵が上へと押し上げられた、
「えっあっ」
声を出す暇もなく、俺は磁石と共に下へと落ちていった。かなりのスピードで下へと向かっていく。段々と溶岩が近づいてきた。
こういう時に冷静でいられるわけが無い。しかし冷静でないと生き残れない。だから俺は冷静になった。
ここから横の道に飛び映れば生き残れる。普通の人なら抵抗がありそうだが、俺は何度も高い所から落ちているんだ。別にもう慣れてる――。
視界の溶岩が段々とズームされていく。ちょっと前の俺ならかなりビビり散らかしてただろう。だが今なら大丈夫だ。俺は最強なんだ。死ぬことはない。横の道までの高さが残り1mの時に飛び降りる。できるだけダメージを減らすならその高さが1番いいはずだ。知らんけど。
横の道まで残り5m。
4m。
3m。
2m。
1m――。
磁石から飛び降りた。既に落ちているので感覚は変わらない。体全体で熱風を切りながら通路に落ちていく。
「ウォォォォォ!!!!!!!!」
俺は雄叫びを上げながら、コンクリートの地面に足の裏から着地した――。
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