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Hero of the Shadowルート (如月楓夜 編)
23話「悪魔を見た」
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目が覚めた。視界がグラグラと歪んでいる。じんわりと天井の光が見える。意識はガタガタになっている。
フラフラとしながら体を持ち上げた。吐きそうだ。気持ち悪い。
「ま、まだ起きちゃダメだよ!」
誰だ。誰の声だ。耳に入ってくる声は普通だが、誰なのか頭の中で繋げることができない。
「だ、だだだ、誰だ?」
呂律が回らない。どうなってるんだ。そういえば何が起きたんだっけ。確か……ええっと……思い出せない……。
「マヤだよ!やっぱりまだ意識がぼんやりとしてるんでしょ?なら寝てないと」
「あ、あう、うん」
マヤ……あぁ、マヤか。あぁそうか。そうか。
「……マヤ、か。ここは……どこだ」
「拠点だよ。気絶した楓夜をハンガーが運んでくれたんだ。あの楓夜を殴ったやつも気絶してて、こっちに連れてきてる」
ハンガーか。ほんとに頼りになるやつだな。
……あぁ、そうだ、あの後どうなったんだ。ログとかはどこ行ったんだ。頭が重い。頭が痛い。
「どうなったんだ……?」
「……」
マヤが深刻そうな顔になる。何か悪いことが起こったのだろう。……そういえば桃はどこだ。どこ行ったんだ。
「……なぁ、教えてくれ……桃は……?」
「……あの後、作業室の中を見たんだけど……ログと……バジルは……笠松は生きてたんだけど……」
マヤの目から涙が落ちる。……俺の頭を殴ったやつがやったのだろう……。
「……桃は?」
「桃ちゃんは……連れ去られた」
「え……」
意識が一気にまとまった。視界も元に戻り、周りの景色が見えるようになった。近くの床で笠松が眠っていた。
「どうゆう事だ。なんで桃が!?」
「分からない!……わかんない……桃ちゃんだけ……桃ちゃんだけ連れ去られた……マギーとワイトは外で気絶してて……僕だって訳わかんないよ!!」
「……」
なんなんだ。なんでこんなことに……なんで……なんで……。
「……ハンガー達は?」
「……楓夜を殴ったやつと下にいる……何してるのかはわかんない」
「そいつの所に連れて行け」
立ち上がった。
おそらくあの殴ったやつが関係してるんだろう。ふざけたヤツめ。
「で、でもまだ傷が――」
「いいからさっさと連れて行け」
横に置いてあったクイーバーから矢を1本取り出す。ついでにバックからポケットナイフを取り出した。
「……う、うん」
マヤが歩き出した。俺もついていった。
殴ったやつがいるであろう扉の所についた。扉の前にはワイトがいた。
「……あぁ、起きたのかい楓夜」
「中にいるんだな」
「うん……」
扉を蹴破った。ワイトが何かを言おうとしたが関係ない。
中にはハンガーとマギー、そして謎の女がいた。
女は下着姿で椅子に縛られている。髪は黒色で顔は可愛いと言える。年齢は20歳くらいで若い。
「うおっ、ビックリした。楓夜かよ」
「頭の傷は大丈夫か?」
マギーとハンガーが話しかけてきたが無視した。女の前に立つ。
「ハンガー。こいつが俺を殴ったやつか」
「え?……あ、あぁ」
女は俺を見ている。俺は冷たい目で女を見つめた。まさか女とは思わなかったが関係ない。
「……な、何してたの?」
「マヤ。お前は出ていろ。知らなくていいんだ」
後ろで扉が閉まった音がした。マヤが出ていかされたんだろう。
「あら、今度は男の子?色仕掛けでもするつもり?」
女が軽い声で話した。
「うるさい!黙ってろ!楓夜、ここはいいから休んでろ。お前はまだ子供だ。ここから先は知らなくていい」
「ふふ、腹しか殴らないのに……子供に見せても健全なことしかしてないでしょ?」
「……まだ殴られたいみたいだな……」
「どうぞどうぞ……今度は腹以外も殴らないとね……」
ハンガーとマギーが顔に血管を浮かばせて女に近づいてきた。手をかざして2人を止める。
「なんだ……お前はさっさと出ていけよ」
しゃがんだ。女は裸足。白い指が10本ある。10本もある。
「名前は?」
「……は?」
ナイフを女の右足の小指に突き立てた。ゴリッという音を出して指が切れた。赤い血がドロドロと床に流れる。血の匂いが辺りに漂ってきた。
「つっ―――!!!」
「名前!!!!!!!!!」
俺が叫んだ。ハンガーとマギーの体がビクッとはねる。
「はぁ、はぁ、はぁ……な、何――」
右足の薬指を切り落とした。ナイフに女の血がべっとりとついた。
「あぁがっっっっ―――!!!!」
「名前!!!!!!!!!」
「あ、あずき!!あずっ、あずき!!」
「誰の差し金だ」
「え――?」
右足の中指を切り落とした。既に女の足の指は3本なくなってしまったようだ。可哀想に。
「誰の差し金だ!!!!!!」
「ぁあ、あ、ああ……」
右足の人差し指を切り落とした。真っ白な肌と対称的に赤い血がドロドロと流れ出ている。
「誰の差し金だ!!!!!!」
「あ、あうっ、あうっ……」
右足の親指を切り落とした。女の目から涙が溢れている。声が声になっていない。さっきまでの威勢がもうなくなってしまったな。
「ひぎっ!!ガッッッ……あ、あ、あ、あああ……」
「誰の差し金だ!!!!!!」
「ホ、ホープ!!ホープ・マックイーン!!ホープ・マックイーン!!!!」
「……本拠地は」
「あぁ、ああぁ……ああぅぅ……」
ダメだな。これだと時間がかかる。めんどくさい。
「マギー」
「……え、ぇえ?」
「弾丸と紐とトンカチを持ってきて」
「な、な……え?」
「はやく」
「あ、あぁ……」
マギーが出ていった。
「も、持ってきたよ……紐はなかったけど糸はあったぞ……」
マギーが糸と弾丸とトンカチを持ってきた。
「あ、あぁ……」
女は俺を見て震えている。たかが指を切り落としただけでビビりすぎだろ。
女の親指と人差し指の間に弾丸を入れる。そして挟んだ状態で親指と人差し指を糸で縛り付けた。
「な、何をするんですか……」
トンカチを弾丸に軽く押し付ける。弾丸は強い衝撃が加わると爆発する。
やりたいことがわかったのか、女がガタガタと更に震えが強くなった。歯をガチガチと鳴らして暴れ始めた。
「や、やめて!!わかった!!言いますから!!言いますから!!」
知るか。ここまで言わなかったこいつが全部悪いんだ。恨むんなら自分を恨め。
俺はトンカチを弾丸に叩きつけた。爆発音とともに女の左足の指が全て吹っ飛んだ。
「ツツツツツ―――!!!!!」
女が声にならない声をあげた。これなら火で止血もできるし、拷問もできるし、一石二鳥だな。
「ァァァァァ!!!!!!」
女がガタガタと暴れている。うるさい。女の顔を殴りつけた。
「アガアガッ...ァァ……うぁ……アゥ……」
「本拠地は」
「み、みどり製薬会社……みどり製薬会社……」
「みどり製薬会社?」
みどり製薬会社か。聞いたことがないな。
「どこにある」
「……隣町にある足利遊園地の横」
「ハンガー、マギー」
「……な、なんだ?」
「行ってきてくれ。確認するだけでいい」
「……お、おう」
「今すぐに」
「わ、わかった」
ハンガーとマギーが部屋を出ていった。
「……さて」
「な、なんですか……もう話したじゃないですか……許してくださいよ……」
「ダメだ。まだまだ聞くことがあるんだ」
「え……あ、ぁぁ……」
女の顔が段々と青ざめていく。まだまだ死んでもらっては困るぞ。
続く
フラフラとしながら体を持ち上げた。吐きそうだ。気持ち悪い。
「ま、まだ起きちゃダメだよ!」
誰だ。誰の声だ。耳に入ってくる声は普通だが、誰なのか頭の中で繋げることができない。
「だ、だだだ、誰だ?」
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マヤ……あぁ、マヤか。あぁそうか。そうか。
「……マヤ、か。ここは……どこだ」
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……あぁ、そうだ、あの後どうなったんだ。ログとかはどこ行ったんだ。頭が重い。頭が痛い。
「どうなったんだ……?」
「……」
マヤが深刻そうな顔になる。何か悪いことが起こったのだろう。……そういえば桃はどこだ。どこ行ったんだ。
「……なぁ、教えてくれ……桃は……?」
「……あの後、作業室の中を見たんだけど……ログと……バジルは……笠松は生きてたんだけど……」
マヤの目から涙が落ちる。……俺の頭を殴ったやつがやったのだろう……。
「……桃は?」
「桃ちゃんは……連れ去られた」
「え……」
意識が一気にまとまった。視界も元に戻り、周りの景色が見えるようになった。近くの床で笠松が眠っていた。
「どうゆう事だ。なんで桃が!?」
「分からない!……わかんない……桃ちゃんだけ……桃ちゃんだけ連れ去られた……マギーとワイトは外で気絶してて……僕だって訳わかんないよ!!」
「……」
なんなんだ。なんでこんなことに……なんで……なんで……。
「……ハンガー達は?」
「……楓夜を殴ったやつと下にいる……何してるのかはわかんない」
「そいつの所に連れて行け」
立ち上がった。
おそらくあの殴ったやつが関係してるんだろう。ふざけたヤツめ。
「で、でもまだ傷が――」
「いいからさっさと連れて行け」
横に置いてあったクイーバーから矢を1本取り出す。ついでにバックからポケットナイフを取り出した。
「……う、うん」
マヤが歩き出した。俺もついていった。
殴ったやつがいるであろう扉の所についた。扉の前にはワイトがいた。
「……あぁ、起きたのかい楓夜」
「中にいるんだな」
「うん……」
扉を蹴破った。ワイトが何かを言おうとしたが関係ない。
中にはハンガーとマギー、そして謎の女がいた。
女は下着姿で椅子に縛られている。髪は黒色で顔は可愛いと言える。年齢は20歳くらいで若い。
「うおっ、ビックリした。楓夜かよ」
「頭の傷は大丈夫か?」
マギーとハンガーが話しかけてきたが無視した。女の前に立つ。
「ハンガー。こいつが俺を殴ったやつか」
「え?……あ、あぁ」
女は俺を見ている。俺は冷たい目で女を見つめた。まさか女とは思わなかったが関係ない。
「……な、何してたの?」
「マヤ。お前は出ていろ。知らなくていいんだ」
後ろで扉が閉まった音がした。マヤが出ていかされたんだろう。
「あら、今度は男の子?色仕掛けでもするつもり?」
女が軽い声で話した。
「うるさい!黙ってろ!楓夜、ここはいいから休んでろ。お前はまだ子供だ。ここから先は知らなくていい」
「ふふ、腹しか殴らないのに……子供に見せても健全なことしかしてないでしょ?」
「……まだ殴られたいみたいだな……」
「どうぞどうぞ……今度は腹以外も殴らないとね……」
ハンガーとマギーが顔に血管を浮かばせて女に近づいてきた。手をかざして2人を止める。
「なんだ……お前はさっさと出ていけよ」
しゃがんだ。女は裸足。白い指が10本ある。10本もある。
「名前は?」
「……は?」
ナイフを女の右足の小指に突き立てた。ゴリッという音を出して指が切れた。赤い血がドロドロと床に流れる。血の匂いが辺りに漂ってきた。
「つっ―――!!!」
「名前!!!!!!!!!」
俺が叫んだ。ハンガーとマギーの体がビクッとはねる。
「はぁ、はぁ、はぁ……な、何――」
右足の薬指を切り落とした。ナイフに女の血がべっとりとついた。
「あぁがっっっっ―――!!!!」
「名前!!!!!!!!!」
「あ、あずき!!あずっ、あずき!!」
「誰の差し金だ」
「え――?」
右足の中指を切り落とした。既に女の足の指は3本なくなってしまったようだ。可哀想に。
「誰の差し金だ!!!!!!」
「ぁあ、あ、ああ……」
右足の人差し指を切り落とした。真っ白な肌と対称的に赤い血がドロドロと流れ出ている。
「誰の差し金だ!!!!!!」
「あ、あうっ、あうっ……」
右足の親指を切り落とした。女の目から涙が溢れている。声が声になっていない。さっきまでの威勢がもうなくなってしまったな。
「ひぎっ!!ガッッッ……あ、あ、あ、あああ……」
「誰の差し金だ!!!!!!」
「ホ、ホープ!!ホープ・マックイーン!!ホープ・マックイーン!!!!」
「……本拠地は」
「あぁ、ああぁ……ああぅぅ……」
ダメだな。これだと時間がかかる。めんどくさい。
「マギー」
「……え、ぇえ?」
「弾丸と紐とトンカチを持ってきて」
「な、な……え?」
「はやく」
「あ、あぁ……」
マギーが出ていった。
「も、持ってきたよ……紐はなかったけど糸はあったぞ……」
マギーが糸と弾丸とトンカチを持ってきた。
「あ、あぁ……」
女は俺を見て震えている。たかが指を切り落としただけでビビりすぎだろ。
女の親指と人差し指の間に弾丸を入れる。そして挟んだ状態で親指と人差し指を糸で縛り付けた。
「な、何をするんですか……」
トンカチを弾丸に軽く押し付ける。弾丸は強い衝撃が加わると爆発する。
やりたいことがわかったのか、女がガタガタと更に震えが強くなった。歯をガチガチと鳴らして暴れ始めた。
「や、やめて!!わかった!!言いますから!!言いますから!!」
知るか。ここまで言わなかったこいつが全部悪いんだ。恨むんなら自分を恨め。
俺はトンカチを弾丸に叩きつけた。爆発音とともに女の左足の指が全て吹っ飛んだ。
「ツツツツツ―――!!!!!」
女が声にならない声をあげた。これなら火で止血もできるし、拷問もできるし、一石二鳥だな。
「ァァァァァ!!!!!!」
女がガタガタと暴れている。うるさい。女の顔を殴りつけた。
「アガアガッ...ァァ……うぁ……アゥ……」
「本拠地は」
「み、みどり製薬会社……みどり製薬会社……」
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「どこにある」
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「……な、なんだ?」
「行ってきてくれ。確認するだけでいい」
「……お、おう」
「今すぐに」
「わ、わかった」
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「……さて」
「な、なんですか……もう話したじゃないですか……許してくださいよ……」
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