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3章「美しき水の世界」
83話「戦いの日!」
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「ぐぅ……」
「大丈夫ですか……?」
ヘキオンの肩を借りて歩くカエデ。足取りはおぼつかない。意識はあるようだが、顔は真っ赤。完全に酔っているようだ。
「お酒なんて飲むからですよ……まだ17でしょう?」
「無理なんかしてないしぃ……」
「もう……」
フラフラのカエデを支える。重そうだ。脚に力が入っている。
「……明日ブフィック闘技大会というのがあるんです。出てもいいですよね?」
「うぃい?」
変な声。もうただの中年親父だ。
「完全に酔ってますね……もう、大丈夫ですか?」
「大丈夫だよぉ……大丈夫大丈夫ぅ……」
「……ダメだこりゃ」
サンライトホテル。ようやくカエデを連れてこられた。半分眠っているカエデを支えて扉を開ける。
「いらっしゃいませ」
「一部屋借りまぁす……」
「では1番奥の部屋へどうぞ~」
ガチャリ。
部屋の扉を開けた。ベッドの上にカエデを雑に放り投げる。なんか若干イライラしている。まぁ分からなくもない。
「はぁ……疲れた……」
カエデの横にだらんとベットに落とす。
「もう動きたくなァい……」
体から力を抜く。力を抜くと同時に疲れも抜けていった。
「……」
横には眠っているカエデ。いびきはかいてないが、なんかイラつく顔をしている。
ベチンと顔を1発ひっぱたいた。苦労して連れてきたのに、気持ちよさそうに寝ているのが腹が立ったのだろう。
「……そういえば」
周りを見渡す。椅子がふたつに机がひとつ。小さいトイレとお風呂。上から吊るされている照明が小さな部屋を照らしていた。
――そして、ベットはひとつ。
「……まぁいいか」
特に気にしてない様子。部屋の電気を消すことなく、ヘキオンは瞼をゆっくりと閉じていった――。
――次の日。その朝。
暖かな日差し。白色の光がベットに寝ている2人に降り注ぐ。
「――ん」
先に目を開けたのはカエデ。鈍る視界をゴシゴシ擦る。
「――んん」
グイッと体を伸ばす。痛みを放つ頭を抑え、意識をなんとかしてかき集める。
「――んんんんんんん!!!???」
そして現状を全て理解した。
自分の目の前にいるのはドレス姿のヘキオン。肩と背中が見えるセクシーな姿。胸も大きくはだけていた。
自分の好きな人がそんな姿で眠っている。焦りまくるのは当然であり必然。
「――んぅ」
カエデの声に起こされたヘキオン。ムクっと起き上がる。ゴシゴシと目を擦り、カエデとおなじくグイッと体を伸ばす。ヘキオンの綺麗な脇がカエデの視界に――。
「ごふッッッ――」
「――カエデさん!?」
体の穴という穴から血を吹き出すカエデ。そんなカエデに驚くヘキオンであった。
「――最近はよく吐血しますね」
「ははは……体が弱っちゃったかなぁ?」
戦ってもないのにボロボロのカエデと、それを心配そうに見つめるヘキオン。
ヘキオンはドレス姿から普通の服へ。黒のTシャツにショートパンツ、タイツと靴に着替えてあった。動きやすい服なのでこれならよく戦えるだろう。
カエデも同じ。いつもの服へと変わっていた。あの高い服はやっぱり窮屈だったのか。
「――それにしても昨日より人が多いな。なんか色々と吊るされてるし」
カエデの言う通り、昨日よりも圧倒的に人が多い。なんだか街全体に活気がある。上から吊るされている灯りがその活気を強めていた。
感覚としては祭り。何か大きい祭りが開かれているようだった。
「……みんな闘技大会目当てですかね」
「闘技大会?なにそれ?」
「え?昨日言ったじゃないですか」
「いつ?」
「夜です……あー。昨日カエデさん酔ってたのか」
「ごめん。昨日の夜の出来事覚えてない……」
頭を抑えるカエデ。二日酔いだろうか。どれだけ強くても二日酔いには勝てないのか。
「……じゃあ私が闘技大会に出るっていうのも覚えてないんですか?」
「――え!?闘技大会出るの!?」
「はぁ……やっぱり」
頭を抑えるヘキオン。カエデと同じポーズだが、その理由は全然違う。
「で、でも闘技大会って予約制じゃあ――」
「どれだけ予約制にひっぱられてるんですか。違いますよ」
「……大丈夫なのか?怪我とかしたりは」
「そりゃ怪我はすると思いますよ」
「危ないじゃないか!考え直した方が――」
「私たちは冒険者ですよ。怪我するのは当たり前です」
「で、でもさぁ」
大きなため息をつく。
「なんで今日はそんな過保護のお母さんみたいなんですか?」
「……だってこの前とかクリスタリアンに捕まってたし……目を離したら連れ去られそうで」
「じゃあずっと見てたらいいんじゃないんですか?」
「いや……それは……まぁ……」
正直ちょっとやりたそうだ。バレなければずっとヘキオンのことを見ていそう。
「私も子供じゃないんです。だから大丈夫ですよ」
「……そう……だよなぁ」
まだ心配している様子のカエデ。そんなカエデにヘキオンはもう1度ため息をついた。
続く
「大丈夫ですか……?」
ヘキオンの肩を借りて歩くカエデ。足取りはおぼつかない。意識はあるようだが、顔は真っ赤。完全に酔っているようだ。
「お酒なんて飲むからですよ……まだ17でしょう?」
「無理なんかしてないしぃ……」
「もう……」
フラフラのカエデを支える。重そうだ。脚に力が入っている。
「……明日ブフィック闘技大会というのがあるんです。出てもいいですよね?」
「うぃい?」
変な声。もうただの中年親父だ。
「完全に酔ってますね……もう、大丈夫ですか?」
「大丈夫だよぉ……大丈夫大丈夫ぅ……」
「……ダメだこりゃ」
サンライトホテル。ようやくカエデを連れてこられた。半分眠っているカエデを支えて扉を開ける。
「いらっしゃいませ」
「一部屋借りまぁす……」
「では1番奥の部屋へどうぞ~」
ガチャリ。
部屋の扉を開けた。ベッドの上にカエデを雑に放り投げる。なんか若干イライラしている。まぁ分からなくもない。
「はぁ……疲れた……」
カエデの横にだらんとベットに落とす。
「もう動きたくなァい……」
体から力を抜く。力を抜くと同時に疲れも抜けていった。
「……」
横には眠っているカエデ。いびきはかいてないが、なんかイラつく顔をしている。
ベチンと顔を1発ひっぱたいた。苦労して連れてきたのに、気持ちよさそうに寝ているのが腹が立ったのだろう。
「……そういえば」
周りを見渡す。椅子がふたつに机がひとつ。小さいトイレとお風呂。上から吊るされている照明が小さな部屋を照らしていた。
――そして、ベットはひとつ。
「……まぁいいか」
特に気にしてない様子。部屋の電気を消すことなく、ヘキオンは瞼をゆっくりと閉じていった――。
――次の日。その朝。
暖かな日差し。白色の光がベットに寝ている2人に降り注ぐ。
「――ん」
先に目を開けたのはカエデ。鈍る視界をゴシゴシ擦る。
「――んん」
グイッと体を伸ばす。痛みを放つ頭を抑え、意識をなんとかしてかき集める。
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自分の好きな人がそんな姿で眠っている。焦りまくるのは当然であり必然。
「――んぅ」
カエデの声に起こされたヘキオン。ムクっと起き上がる。ゴシゴシと目を擦り、カエデとおなじくグイッと体を伸ばす。ヘキオンの綺麗な脇がカエデの視界に――。
「ごふッッッ――」
「――カエデさん!?」
体の穴という穴から血を吹き出すカエデ。そんなカエデに驚くヘキオンであった。
「――最近はよく吐血しますね」
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戦ってもないのにボロボロのカエデと、それを心配そうに見つめるヘキオン。
ヘキオンはドレス姿から普通の服へ。黒のTシャツにショートパンツ、タイツと靴に着替えてあった。動きやすい服なのでこれならよく戦えるだろう。
カエデも同じ。いつもの服へと変わっていた。あの高い服はやっぱり窮屈だったのか。
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「……みんな闘技大会目当てですかね」
「闘技大会?なにそれ?」
「え?昨日言ったじゃないですか」
「いつ?」
「夜です……あー。昨日カエデさん酔ってたのか」
「ごめん。昨日の夜の出来事覚えてない……」
頭を抑えるカエデ。二日酔いだろうか。どれだけ強くても二日酔いには勝てないのか。
「……じゃあ私が闘技大会に出るっていうのも覚えてないんですか?」
「――え!?闘技大会出るの!?」
「はぁ……やっぱり」
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「どれだけ予約制にひっぱられてるんですか。違いますよ」
「……大丈夫なのか?怪我とかしたりは」
「そりゃ怪我はすると思いますよ」
「危ないじゃないか!考え直した方が――」
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「で、でもさぁ」
大きなため息をつく。
「なんで今日はそんな過保護のお母さんみたいなんですか?」
「……だってこの前とかクリスタリアンに捕まってたし……目を離したら連れ去られそうで」
「じゃあずっと見てたらいいんじゃないんですか?」
「いや……それは……まぁ……」
正直ちょっとやりたそうだ。バレなければずっとヘキオンのことを見ていそう。
「私も子供じゃないんです。だから大丈夫ですよ」
「……そう……だよなぁ」
まだ心配している様子のカエデ。そんなカエデにヘキオンはもう1度ため息をついた。
続く
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