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2章「宝石が並ぶ村」
67話「悪魔の化身!」
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ヘキオンまで残り1m。
ちょっと走れば手の届く距離。ヘキオンを奪還すれば、あとは逃げるだけ。その後はカエデが適当にやってくれるだろう。
ウォーカーとスプリングの考えはそう一致している。ならばウォーカーのすることは1つ。
「――させるかぁ!」
投げた。スプリングと小競り合いをしていた村長。ポケットからパートルズを取り出し、ウォーカーへと投げた。
パートルズは魔力因子の塊。つまりこれを使って魔法を繰り出すこともできる。
「ムーブロック!!」
言葉を発した時。オレンジ色の鎖がウォーカーに絡みついた。
「え――!?」
動こうとした体がピシッと停止する。指先ひとつも動くことができない。前のめりの体が地面スレスレで浮いている。
「ウォーカー――」
気を取られるスプリング。その隙を村長は見逃さない。更にもうひとつ、パートルズを投げる。
「ザ・フラッシュ!」
瞬間。辺りが眩い光に包まれた。視界の全てが真っ白になるほどの明るさ。
目が眩む。それは当たり前。視界の情報が突然途絶えたことに焦る。それも当たり前。いきなりの出来事で対処ができない。
「ふん!!」
発動する時に対策をしていた村長が先に行動した。ふらついているスプリングの腹を蹴り飛ばす。
「ガッッ――」
更に増える情報。痛みと呼吸の抵抗感が脳内へと侵入。体が地面に倒れる。
目は徐々に情報が戻ってきている。しかし戦闘において『徐々に戻ってきている』ではダメだ。すぐに治さないといけない。
まだ完全に治ってない視界。それでもスプリングはふらつきながらも立つ。転けたままでは反撃もできない。そんなスプリングに拳を振り上げる村長。
未だ動けない状態のウォーカー。ヘキオンに這い寄っていく村長の妻を見ることしかできない。
劣勢。絶体絶命。手を伸ばせば届く距離にいるヘキオンを助けられない。目の前にいると分かってる敵に攻撃できない。
2人の心に敗走の2文字が浮かび上がった。
突然崩落する天井。その原因を2人は一瞬で理解した。
右手には木の棒。左手にはクリスタリアンの頭。体はなくなっている。
両手に凶器と狂気を秘めた1人の人間。名前はカエデ。顔には鬼が宿っているかのような表情。遠目から見ても、近くから見ても、おおよそ人間とは思えない雰囲気を出している。
地面に叩きつけられるクリスタリアンの頭が粉々に砕けた。カエデの手には、そのクリスタリアン以外の宝石の粒が、まるで血液のようにべっとりと引っ付いている。
「――カエデ……」
体が動けないので振り向くことはできない。それでもウォーカーはそれがカエデだと理解した。
「に、人間か……本当に……こいつは……」
どす黒いオーラを出しているカエデ。ゆっくりと自分の方へと顔を向ける人間に、クリスタリアンの村長は恐怖を隠せずにいた。
自分が嫌っていた人間。そのどれとも違う嫌悪が村長の心の中を侵食していく。
「――くっ!」
先に動いたのは村長。何もしなければ殺されることをすぐに理解したようだ。
もう一度ポケットに手を突っ込む。残りのパートルズを全て鷲掴み、カエデに向かって放り投げる。それが村長のできる最大の抵抗。
「ムーブロッ――」
それでも勝てないことは理解している。ならばせめて足止め。命をかけた時間稼ぎ。妻さえ生き残っていれば、1人でもクリスタリアンが生き残っていればいい。
そんな淡い希望。今のカエデが残すわけが無い。
ポケットから出すよりも速く、スっと村長の両脚を脚で薙ぎ払った。音すら出ないほどの速さ。
折れるとかそんな生易しいものじゃない。まるで刀で斬られたかのような断面。村長の両脚が消えた。
重力がある以上、何もしなければ地面へと体は落ちる。脚という支えが無くなった体が地面へと叩き落とされた。
「――」
理解などできようはずもない。今まで苦楽を共にしてきた自分の脚が一瞬にして消えたのだ。思考が追いつくはずがない。
ポケットに入ってる手。何かをしでかすことのないようにだろうか。カエデは肩のあたりを蹴り飛ばした。
砕け散る肩。根元が崩壊し、地面へと落ちる腕。神経が途絶えてもその手には未だにパートルズが握られていた。
「――か」
追いつく。思考が追いつく。
「――かぁ」
追いつくのは思考だけではない。
「――がァァァァァァァァ!!!!????」
痛みも追いついてきた。片腕両脚を蹴り飛ばされた。その痛みは想像できない。
地面に倒れ、悶え苦しむ。唯一残っている手をバタバタとさせて痛みを表す。
そんな村長をスプリングは呆然とした表情で見ていた。戻った視力に写った景色がこれだ。呆然するのも当然だ。
興味を無くしたカエデ。抵抗できないくらいに壊したので、とりあえず次のヤツを標的にしたのかもしれない。
次に向いた先にいるのは這いずっている村長の妻。それにゆっくりとカエデは歩いていく。
ムーブロックが解け、地面に体が落ちたウォーカー。あまりのカエデの威圧感からか、壁に寄りかかって怯えている。その殺意は自分に向けられたものでは無いと分かっていても、恐怖が体を支配する。
「くっ――ふぅ――!」
手を伸ばす。その先にはヘキオン。女に唯一残された指名。ヘキオンを連れて逃げること。パートルズが量産できれば身を守れる。襲われても逃げられる。
後ろで自分の夫が酷い目にあったのは理解している。その理由は叫び。悲痛。痛覚を刺激され、痛みに喘ぐ夫の声が妻の耳にも入ってきている。
その声の質でどんなことになってるかは想像できない。だが少なくともいい状態では無いのは確かだ。
ならば自分にできることはただ一つ。夫が稼いでくれた時間でできるだけ遠くに逃げること。人間を連れて逃げることだ。それだけが自分に課せられた使命。進む根源。ヘキオンに手を伸ばす理由だ。
そんな理由、カエデには関係などない。
伸ばされた腕を根元から踏み潰す。手はヘキオンに届くことはなかった。
感覚の無くなった腕。根元から無くなったのを理解するのに時間はかからないはずだ。
それよりも速く。痛みが来るよりも速く。カエデは妻の残った片腕を踏み潰した。抵抗できないように。それとも自分の怒りを発散するためか。
「――ぐ」
先に追いついてきたのは思考。
「――ぐぁ」
ならばすぐに追いついてくるものを理解するのは簡単。
「――ぐァァァァァァァァ!!!!????」
2つの強烈な痛みだ。覚悟する時間もない。耐えようとする意思すらも置いてけぼりにされる。
2つの悲鳴。悲惨な叫び。狭い洞窟に反響する叫びに、スプリングとウォーカーは動揺するのであった。
続く
ちょっと走れば手の届く距離。ヘキオンを奪還すれば、あとは逃げるだけ。その後はカエデが適当にやってくれるだろう。
ウォーカーとスプリングの考えはそう一致している。ならばウォーカーのすることは1つ。
「――させるかぁ!」
投げた。スプリングと小競り合いをしていた村長。ポケットからパートルズを取り出し、ウォーカーへと投げた。
パートルズは魔力因子の塊。つまりこれを使って魔法を繰り出すこともできる。
「ムーブロック!!」
言葉を発した時。オレンジ色の鎖がウォーカーに絡みついた。
「え――!?」
動こうとした体がピシッと停止する。指先ひとつも動くことができない。前のめりの体が地面スレスレで浮いている。
「ウォーカー――」
気を取られるスプリング。その隙を村長は見逃さない。更にもうひとつ、パートルズを投げる。
「ザ・フラッシュ!」
瞬間。辺りが眩い光に包まれた。視界の全てが真っ白になるほどの明るさ。
目が眩む。それは当たり前。視界の情報が突然途絶えたことに焦る。それも当たり前。いきなりの出来事で対処ができない。
「ふん!!」
発動する時に対策をしていた村長が先に行動した。ふらついているスプリングの腹を蹴り飛ばす。
「ガッッ――」
更に増える情報。痛みと呼吸の抵抗感が脳内へと侵入。体が地面に倒れる。
目は徐々に情報が戻ってきている。しかし戦闘において『徐々に戻ってきている』ではダメだ。すぐに治さないといけない。
まだ完全に治ってない視界。それでもスプリングはふらつきながらも立つ。転けたままでは反撃もできない。そんなスプリングに拳を振り上げる村長。
未だ動けない状態のウォーカー。ヘキオンに這い寄っていく村長の妻を見ることしかできない。
劣勢。絶体絶命。手を伸ばせば届く距離にいるヘキオンを助けられない。目の前にいると分かってる敵に攻撃できない。
2人の心に敗走の2文字が浮かび上がった。
突然崩落する天井。その原因を2人は一瞬で理解した。
右手には木の棒。左手にはクリスタリアンの頭。体はなくなっている。
両手に凶器と狂気を秘めた1人の人間。名前はカエデ。顔には鬼が宿っているかのような表情。遠目から見ても、近くから見ても、おおよそ人間とは思えない雰囲気を出している。
地面に叩きつけられるクリスタリアンの頭が粉々に砕けた。カエデの手には、そのクリスタリアン以外の宝石の粒が、まるで血液のようにべっとりと引っ付いている。
「――カエデ……」
体が動けないので振り向くことはできない。それでもウォーカーはそれがカエデだと理解した。
「に、人間か……本当に……こいつは……」
どす黒いオーラを出しているカエデ。ゆっくりと自分の方へと顔を向ける人間に、クリスタリアンの村長は恐怖を隠せずにいた。
自分が嫌っていた人間。そのどれとも違う嫌悪が村長の心の中を侵食していく。
「――くっ!」
先に動いたのは村長。何もしなければ殺されることをすぐに理解したようだ。
もう一度ポケットに手を突っ込む。残りのパートルズを全て鷲掴み、カエデに向かって放り投げる。それが村長のできる最大の抵抗。
「ムーブロッ――」
それでも勝てないことは理解している。ならばせめて足止め。命をかけた時間稼ぎ。妻さえ生き残っていれば、1人でもクリスタリアンが生き残っていればいい。
そんな淡い希望。今のカエデが残すわけが無い。
ポケットから出すよりも速く、スっと村長の両脚を脚で薙ぎ払った。音すら出ないほどの速さ。
折れるとかそんな生易しいものじゃない。まるで刀で斬られたかのような断面。村長の両脚が消えた。
重力がある以上、何もしなければ地面へと体は落ちる。脚という支えが無くなった体が地面へと叩き落とされた。
「――」
理解などできようはずもない。今まで苦楽を共にしてきた自分の脚が一瞬にして消えたのだ。思考が追いつくはずがない。
ポケットに入ってる手。何かをしでかすことのないようにだろうか。カエデは肩のあたりを蹴り飛ばした。
砕け散る肩。根元が崩壊し、地面へと落ちる腕。神経が途絶えてもその手には未だにパートルズが握られていた。
「――か」
追いつく。思考が追いつく。
「――かぁ」
追いつくのは思考だけではない。
「――がァァァァァァァァ!!!!????」
痛みも追いついてきた。片腕両脚を蹴り飛ばされた。その痛みは想像できない。
地面に倒れ、悶え苦しむ。唯一残っている手をバタバタとさせて痛みを表す。
そんな村長をスプリングは呆然とした表情で見ていた。戻った視力に写った景色がこれだ。呆然するのも当然だ。
興味を無くしたカエデ。抵抗できないくらいに壊したので、とりあえず次のヤツを標的にしたのかもしれない。
次に向いた先にいるのは這いずっている村長の妻。それにゆっくりとカエデは歩いていく。
ムーブロックが解け、地面に体が落ちたウォーカー。あまりのカエデの威圧感からか、壁に寄りかかって怯えている。その殺意は自分に向けられたものでは無いと分かっていても、恐怖が体を支配する。
「くっ――ふぅ――!」
手を伸ばす。その先にはヘキオン。女に唯一残された指名。ヘキオンを連れて逃げること。パートルズが量産できれば身を守れる。襲われても逃げられる。
後ろで自分の夫が酷い目にあったのは理解している。その理由は叫び。悲痛。痛覚を刺激され、痛みに喘ぐ夫の声が妻の耳にも入ってきている。
その声の質でどんなことになってるかは想像できない。だが少なくともいい状態では無いのは確かだ。
ならば自分にできることはただ一つ。夫が稼いでくれた時間でできるだけ遠くに逃げること。人間を連れて逃げることだ。それだけが自分に課せられた使命。進む根源。ヘキオンに手を伸ばす理由だ。
そんな理由、カエデには関係などない。
伸ばされた腕を根元から踏み潰す。手はヘキオンに届くことはなかった。
感覚の無くなった腕。根元から無くなったのを理解するのに時間はかからないはずだ。
それよりも速く。痛みが来るよりも速く。カエデは妻の残った片腕を踏み潰した。抵抗できないように。それとも自分の怒りを発散するためか。
「――ぐ」
先に追いついてきたのは思考。
「――ぐぁ」
ならばすぐに追いついてくるものを理解するのは簡単。
「――ぐァァァァァァァァ!!!!????」
2つの強烈な痛みだ。覚悟する時間もない。耐えようとする意思すらも置いてけぼりにされる。
2つの悲鳴。悲惨な叫び。狭い洞窟に反響する叫びに、スプリングとウォーカーは動揺するのであった。
続く
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