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1章「対立するエルフの森」
16話「位置を特定しろ!」
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拳に水を纏わせた。チュルンと水滴が飛び散る。
「……でもどうやって特定すれば……」
「どうする~?勘で行っちゃう?」
「ちょっ、静かにしてください」
「はぃ……」
頭を抱える。どちらかと言うとヘキオンは脳筋タイプなので頭脳的な戦い方は苦手だ。
片腕をあげる。焚き火の方に腕を向けた。
ヘキオンから2mほど先。何も無いところからブクブクと水が生成され始めた。
水は綺麗な球体となり、ヘキオンの指の動きによって水の球体が動いている。
「ウォーターボール……」
水属性の初期魔法。水属性の魔法使いならまず最初に覚える魔法だ。
水の球体を作り出してそれを操作する技。単純明快。それでいて扱いやすい。魔力の消費も少ないのでよく魔法使いには使われている。
水の球体は焚き火の周りをチョコチョコ動き回っている。
「……小動物みたいだな」
「う、うるさいですね!あんまり使ったことないから難しいんですよ!」
「というか何してんの?」
「あの水を撃ってもらって場所を特定するんですよ。どこからは分からなくても、どの方角かは分かると思いますし」
「それで大丈夫かなぁ?本当に特定できるぅ?」
「うるさいですって!集中できないじゃ――」
アクアボールに穴が空いた。軽い音を鳴らして地面に突き刺さる。
「――あっ!見えた!」
「方角は?」
「……東北東!」
「さっきとは変わってないな。よくやった」
2人が同時に立ち上がる。
「方角はわかったんだから、あとは探すだけですよね!」
「極論言えばそうだが……本番はここからだぞ。今からアーチャーに接近しないといけない」
カエデが木の棒で地面に軽い地図を書いた。長方形に2つの点。二つの点はカエデとヘキオン、そしてアーチャーの位置関係を示している。
「さて。アーチャーが移動する可能性がある。さっさと考えてくれよ」
「は、はい」
「ここからどうする?」
木の棒をヘキオンに渡した。
「えっと……まっすぐはダメですよね?」
「そうだな。狙ってくれって言ってるようなもんだし」
「それなら……くねくね動く!」
二つの点。そこを蛇のように並々と繋いだ。
「正解。こういう森ではできるだけ体を縮こめて、木から木の移動を素早くしろ。近づくまでは音をどれだけ鳴らしてもいいからな」
「うん……」
ヘキオンの手が震えている。
「安心しろ。俺は後ろからついて行く。危ないことがあったら俺がサポートしてやるから。クレインの時と比べればこんなの怖くもなんともないだろ?」
肩をポンと叩いてヘキオンを安心させた。ヘキオンの手の震えが止まる。
「――頑張ります!」
カエデは嬉しそうに頷いた。
暗い森。真っ暗闇。3m先の景色が見えない。全ての色に黒が混ぜられている。
視覚の役目が減ったからか、他の感覚が研ぎ澄まされる。土を踏む音、草を触る触感、森の古臭い匂い。全てがヘキオンを叩いていた。
「――ふぅ」
額を流れる汗を前腕で拭き取る。暑さの汗ではなく冷や汗だ。
「カエデさんは……」
後ろを振り向くがカエデはいない。というか見えない。後ろには暗闇が広がっているだけだった。
「……ちゃんといるはず。カエデさんは助けてくれるって言ってたし!」
自分を鼓舞してまた進み始めた。素早く、小さく、俊敏に。目的地となる方向へ。
右に左に逸れてはいるが、目的地まではちゃくちゃくと近づいている。敵との距離は直線距離にして約700mだ。
「……長いな」
だとしても長い道のり。天に昇る月はまだ始まったばかりと言ってるかのようだ。
軽くため息をつく。周りの音は大きく、ため息の音などすぐに消されてしまった。
「……喉……乾いたなぁ」
水筒はバックに入れていた。そしてそのバックは焼けている。とてもまずい状況だ。
「寒い……」
今だ時間は夜。空気は冷えきっている。冷や汗が乾き、その寒さに拍車をかけていた。
寒さで身を震わせている。冬でもないのにこの寒さは異常だ。だがこの世界では異常なのが普通である。
――数十分後。
「――」
ヘキオンからは相手の姿が見えていない。しかしヘキオンはなんとなく分かっていた。敵がとても近いことに。
拳を握って水を纏う。ここからはいつ戦闘が始まってもおかしくない。音も行動も消極的に行かなくては。
この暗闇戦。まともにやるのならば先に見つけた方が圧倒的に有利の戦いだ。それは変わることの無い事実。後出しの方が強いのは相手との力量差が大きい時のみの話だ。
ヘキオンには秘策があった。先に見つけた方が先。それならば簡単。ただ先に見つければいいだけだ。視認する必要は無い。
胸の中心にどんどんと水の球体ができていく。その球体は大きくなる度に小さく小さく圧縮されていく。
大きくなっては小さくなる。それを何回も繰り返す。圧縮された水は広がろうとし、それを止めようとまた小さくなる。
ヘキオンは音を殺して息を吐いた。
「――ウォーターサーチ」
圧縮した水を上空に解き放った。地上から数メートル。暗くてよく見えないが、手を伸ばしても届かないほどの高さ。そこで圧縮された水は解放された。
水蒸気のように周り一帯に水が広がる。目に見えないほどの大きさになった水の粒たちは、広い範囲を埋め尽くすように降り注いできた。
「――約90m先……このまままっすぐ……木の上か」
ウォーターサーチ。圧縮した水を周りに拡散させ、その付着した物体の位置を特定する魔法。射程距離は使用者の使った魔力に比例して広くなってゆく。
真っ暗闇の先。太い幹の上。弓を構えている女がいる。ヘキオンにはその姿を見ることができていた。
しかしおかしいところがある。
「なぜ……そこを……?」
女は真下を狙っていた。
確かに見れる範囲が狭い今なら、現状1番よく見える真下を狙うのは正しいだろう。ただそれは常に見えていない時なら正しいのだ。
山の上から麓のカエデとヘキオンを狙ってくるようなやつだ。多少暗くてもヘキオンよりかは視界が広いはず。なのに真下しか狙っていない。
ヘキオンにはそれが不思議で仕方なかった。
続く
「……でもどうやって特定すれば……」
「どうする~?勘で行っちゃう?」
「ちょっ、静かにしてください」
「はぃ……」
頭を抱える。どちらかと言うとヘキオンは脳筋タイプなので頭脳的な戦い方は苦手だ。
片腕をあげる。焚き火の方に腕を向けた。
ヘキオンから2mほど先。何も無いところからブクブクと水が生成され始めた。
水は綺麗な球体となり、ヘキオンの指の動きによって水の球体が動いている。
「ウォーターボール……」
水属性の初期魔法。水属性の魔法使いならまず最初に覚える魔法だ。
水の球体を作り出してそれを操作する技。単純明快。それでいて扱いやすい。魔力の消費も少ないのでよく魔法使いには使われている。
水の球体は焚き火の周りをチョコチョコ動き回っている。
「……小動物みたいだな」
「う、うるさいですね!あんまり使ったことないから難しいんですよ!」
「というか何してんの?」
「あの水を撃ってもらって場所を特定するんですよ。どこからは分からなくても、どの方角かは分かると思いますし」
「それで大丈夫かなぁ?本当に特定できるぅ?」
「うるさいですって!集中できないじゃ――」
アクアボールに穴が空いた。軽い音を鳴らして地面に突き刺さる。
「――あっ!見えた!」
「方角は?」
「……東北東!」
「さっきとは変わってないな。よくやった」
2人が同時に立ち上がる。
「方角はわかったんだから、あとは探すだけですよね!」
「極論言えばそうだが……本番はここからだぞ。今からアーチャーに接近しないといけない」
カエデが木の棒で地面に軽い地図を書いた。長方形に2つの点。二つの点はカエデとヘキオン、そしてアーチャーの位置関係を示している。
「さて。アーチャーが移動する可能性がある。さっさと考えてくれよ」
「は、はい」
「ここからどうする?」
木の棒をヘキオンに渡した。
「えっと……まっすぐはダメですよね?」
「そうだな。狙ってくれって言ってるようなもんだし」
「それなら……くねくね動く!」
二つの点。そこを蛇のように並々と繋いだ。
「正解。こういう森ではできるだけ体を縮こめて、木から木の移動を素早くしろ。近づくまでは音をどれだけ鳴らしてもいいからな」
「うん……」
ヘキオンの手が震えている。
「安心しろ。俺は後ろからついて行く。危ないことがあったら俺がサポートしてやるから。クレインの時と比べればこんなの怖くもなんともないだろ?」
肩をポンと叩いてヘキオンを安心させた。ヘキオンの手の震えが止まる。
「――頑張ります!」
カエデは嬉しそうに頷いた。
暗い森。真っ暗闇。3m先の景色が見えない。全ての色に黒が混ぜられている。
視覚の役目が減ったからか、他の感覚が研ぎ澄まされる。土を踏む音、草を触る触感、森の古臭い匂い。全てがヘキオンを叩いていた。
「――ふぅ」
額を流れる汗を前腕で拭き取る。暑さの汗ではなく冷や汗だ。
「カエデさんは……」
後ろを振り向くがカエデはいない。というか見えない。後ろには暗闇が広がっているだけだった。
「……ちゃんといるはず。カエデさんは助けてくれるって言ってたし!」
自分を鼓舞してまた進み始めた。素早く、小さく、俊敏に。目的地となる方向へ。
右に左に逸れてはいるが、目的地まではちゃくちゃくと近づいている。敵との距離は直線距離にして約700mだ。
「……長いな」
だとしても長い道のり。天に昇る月はまだ始まったばかりと言ってるかのようだ。
軽くため息をつく。周りの音は大きく、ため息の音などすぐに消されてしまった。
「……喉……乾いたなぁ」
水筒はバックに入れていた。そしてそのバックは焼けている。とてもまずい状況だ。
「寒い……」
今だ時間は夜。空気は冷えきっている。冷や汗が乾き、その寒さに拍車をかけていた。
寒さで身を震わせている。冬でもないのにこの寒さは異常だ。だがこの世界では異常なのが普通である。
――数十分後。
「――」
ヘキオンからは相手の姿が見えていない。しかしヘキオンはなんとなく分かっていた。敵がとても近いことに。
拳を握って水を纏う。ここからはいつ戦闘が始まってもおかしくない。音も行動も消極的に行かなくては。
この暗闇戦。まともにやるのならば先に見つけた方が圧倒的に有利の戦いだ。それは変わることの無い事実。後出しの方が強いのは相手との力量差が大きい時のみの話だ。
ヘキオンには秘策があった。先に見つけた方が先。それならば簡単。ただ先に見つければいいだけだ。視認する必要は無い。
胸の中心にどんどんと水の球体ができていく。その球体は大きくなる度に小さく小さく圧縮されていく。
大きくなっては小さくなる。それを何回も繰り返す。圧縮された水は広がろうとし、それを止めようとまた小さくなる。
ヘキオンは音を殺して息を吐いた。
「――ウォーターサーチ」
圧縮した水を上空に解き放った。地上から数メートル。暗くてよく見えないが、手を伸ばしても届かないほどの高さ。そこで圧縮された水は解放された。
水蒸気のように周り一帯に水が広がる。目に見えないほどの大きさになった水の粒たちは、広い範囲を埋め尽くすように降り注いできた。
「――約90m先……このまままっすぐ……木の上か」
ウォーターサーチ。圧縮した水を周りに拡散させ、その付着した物体の位置を特定する魔法。射程距離は使用者の使った魔力に比例して広くなってゆく。
真っ暗闇の先。太い幹の上。弓を構えている女がいる。ヘキオンにはその姿を見ることができていた。
しかしおかしいところがある。
「なぜ……そこを……?」
女は真下を狙っていた。
確かに見れる範囲が狭い今なら、現状1番よく見える真下を狙うのは正しいだろう。ただそれは常に見えていない時なら正しいのだ。
山の上から麓のカエデとヘキオンを狙ってくるようなやつだ。多少暗くてもヘキオンよりかは視界が広いはず。なのに真下しか狙っていない。
ヘキオンにはそれが不思議で仕方なかった。
続く
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